【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ダメージを受けてフラフラと力なく倒れてしまった黒葉。

 そんな黒葉を助けたのはパチュリーだった。

 レミリアは咲夜から寺子屋の話を聞くと、黒葉に寺子屋に通うことを進める。

 黒葉は最初こそ渋っていたものの、レミリアの想いを考えて、寺子屋に通うことを決意したのだった。



 それではどうぞ!


第14話 念願の寺子屋

side黒葉

 

 目を覚ます。

 それから俺は寝間着から着替え、鏡の前で寝癖を整える。

 

 どうやら俺の髪質は固いようで、寝癖はよく出来るのだ。なので、こうやって毎朝整えている。

 それから顔を洗って食堂へと向かっていく。

 まだ朝早いので、他の人はまだ食事をしていないようだが、俺の分だけは早めに作ってくれたようで、一食だけ俺の席に置いてあった。

 

 この料理はどうやら咲夜が作ってくれたようだ。

 館には他にも料理人はいるものの、ほかの料理人たちの仕事をさらに増やすのは忍びないということで朝飯は咲夜が作ってくれると言っていたのだ。

 なんだか、咲夜はメイド長なので、ほかの人たちよりも仕事は多いはずなのに、俺の朝食まで作ってくれて、何だか、俺が申し訳ない気持ちになってくるが、今はその好意に甘えておくことにしよう。

 

 そして朝食を食べ終わると俺は館を飛び出した。

 

「行ってくる」

「あぁ、今日からでしたね。お気をつけて」

 

 門の前で居眠りしていた美鈴に声をかけて俺は駆け足で人里へと向かっていく。

 昨日の買い出しで道は覚えたので道に迷うことは無いだろう。

 

 ちなみに、今は日傘を差しているので日光は問題ない。

 まぁ、昼間なので、身体能力が低下するものの、日光によるダメージを防げていれば問題は無いだろう。

 それに黒い服を着ているため、少しくらいなら体に日光が当たっても問題は無い。

 

 そして少し走ると人里にたどり着いた。

 人里はまだ朝早いと言うのに人通りが多く、活気があった。

 その中、人をかき分けて俺は寺子屋を目指して駆けて行く。

 

 寺子屋が見えてくると、その前に先日見た先生が立っているのが見えた。

 

「お、来たな」

「はぁ……はぁ……お、おはよう、ございます……」

 

 到着した時にはもう既に息も絶え絶えだった。

 こうして走ってきたことにより、基礎体力を鍛えることが出来るかと思ったが、吸血鬼による身体能力の低下はかなり深刻なもので、この日差しの中、走るのは吸血鬼にとっては無謀だったようだ。

 

「君は吸血鬼なんだったよね。なら、結構辛いんじゃないのか?」

「いえ、大丈夫です。慣れている方なので」

 

 つい先日まで、昼間から窓拭きをして日光に触れる機会は何度もあった。

 日光によるダメージは特に問題ないが、身体能力低下が想像以上に辛いという現実だ。

 だけど、これにも慣れていかないと、今後戦う敵が夜にしか現れないという訳では無いだろう。

 

「冬夏黒葉です。今日からよろしくお願いします」

「うん、よろしく。私は白上沢慧音だ。慧音先生とでも呼んでくれ」

「はい! 慧音先生」

「じゃあ、これから君が過ごすことになる教室まで案内するから着いてきてくれ」

「分かりました」

 

 寺子屋内に入ってみてわかった。この人里は俺の元住んでいた人里よりも大きい為、この寺子屋に通う人も多いのだろう。

 なので、広さもそうだが、クラスの数も元々通っていた寺子屋よりも圧倒的に多い。

 

「この教室なんだが、ここでとりあえず待っていてくれないか?」

「はい、分かりました」

 

 すると慧音先生は教室内に入っていった。恐らく俺が転入してきたという説明をこれからするのだろう。

 少し耳を澄ましてみると、慧音先生の声が聞こえてきた。

 

「お前ら、今日からこのクラスに転入してきた生徒がいるぞ。歓迎してやれよ」

 

 そんな慧音先生の言葉にざわつく生徒一同。

 なんだか女性の声の比率が多い様な気がするけど、男の肩身が狭くなったりとかはしないのかな。

 

「じゃあ、入ってこい」

「はい!」

 

 緊張する。初めて会う人達の目の前に出ていって自己紹介をしなくてはいけないんだ。

 一度深呼吸をしてからドアノブに手をかけて慎重にドアを開けた。

 

 そこに拡がっていた景色は俺の事を興味深そうに見ている他の生徒と、目で大丈夫だから安心しろと伝えてきている慧音先生の姿だった。

 ちらっと見て見た感じ、妖怪が結構いるようだ。羽や触覚などが着いているから直ぐに分かりやすかった。

 

 だが、約束をしたのでここでは妖怪嫌いは隠して問題は起こさないように平静を装うことにする。

 

「えーと、冬夏黒葉です。よろしくお願いします」

 

 深くお辞儀をする。

 俺は妖怪が嫌いと言っても、さすがに紅魔館では仕事の上司には悪態を着くことは出来ず、頭を下げていたので、この90度のお辞儀はお手の物だ。

 

「そんじゃ、お前の席はそこの空いている席な」

 

 そうして指定されたのは金髪の女の子の隣の席だ。

 俺は言われるがままにその席に座ると登校時の疲れを取るために休憩する。

 

「ね、ねぇあなた」

「ん?」

 

 隣の金髪女子から声をかけられた。

 あれか、転校生に興味を持って話しかけてきたってやつか。でも質問しても俺からは面白い回答は何も出ないと思うんだけどな。

 

「私はルーミアなのだ〜、この前は助けてくれてありがとうなのだ〜」

「ん? この前? え、もしかしてこの前の金髪の女の子?」

 

 この子がそうだったのか。

 夜でも吸血鬼は夜目が効くので、見えないって言うことは無かったけど、顔をじっくり見る余裕がなかったから直ぐに気がつけなかった。

 

「え、ルーミア助けてもらったのか?」

「そうなの?」

「へぇ……ルーミアが?」

 

 ルーミアが俺にお礼を言うと、その話に興味を持ったようで続々と人が集まってきた。

 いや、興味を持っていると言うよりは驚いていると言った方が正しいような気がする。

 

 何を驚いているんだ?

 

「あのルーミアがなぁ」

「何を助けて貰ったの?」

「自我のない妖怪から助けもらったのだ〜」

『え!?』

 

 するとさっきよりも驚きが増したような気がする。

 なにか? 自我の無い妖怪から助けるのがそんなにおかしいのか?

 

「おいお前ら、授業を始めるからさっさと席に戻れー。黒葉は今日のところはルーミアに教科書を見せもらってくれ。明日にでも教科書を渡す」

「分かりました!」

 

 こうしてこの寺子屋に来て初めての授業が始まったのだった。




 はい!第14話終了

 寺子屋編です。これからどのようになって行くのか、お楽しみに。

 それと、まだ黒葉はルーミアが妖怪だって言うことに気がついていません。

 妖怪だって気がついた時の反応が楽しみですね。

 それでは!

 さようなら
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