【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今年の投稿はこれで最後です!

 今までご愛読ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。



 それでは前回のあらすじ

 医療班拠点。

 そこでは鈴仙、ルーミア、フラン達がせっせと働いていたが、そこへ突然黒葉が飛んできた。

 黒葉を助けた三人だったが、そこへなんと次は以前黒葉が戦った強敵、斧男が現れ、黒葉を出せと要求してきた。

 だが、そんな要求に従うはずもない。

 しかし出さなければ医療班を皆殺しにするという。

 ルーミアは恐怖をこらえてフランと共に斧男と対峙するのだった。



 それではどうぞ!


第140話 無意識の実力

side三人称

 

 ルーミアとフランの二人は同時に周囲に弾幕を展開し、斧男へ向けて大量の弾幕を放つと一瞬、その弾幕の量にぎょっとした斧男だったが、すぐに斧を構えるとそのまま地面に斧を叩きつけた。

 その瞬間、周囲に重力波が放たれ、凄まじい圧によって斧男へと放たれた弾幕は全て消滅させられ、一つたりとも斧男に直撃することはなかった。

 

 普通なら一瞬でこれだけの量の弾幕を消滅させられてしまったら少しは驚いて動きが止まるものなのだが、ルーミアは最初からこれくらいはやってくる相手だろうと考えており、フランもフランでルーミアの様子から斧男の実力をなんとなく想像していたため、すぐに次の行動に移る。

 ルーミアは再度新たな弾幕を作り出し、フランは斧男へと向かって駆け出す。

 

「月符《ムーンライトレイ》」

「禁忌《レーヴァテイン》」

 

 ルーミアの弾幕は左右にレーザーを出し、斧男の行動スペースを狭め、逃げ道をなくしてから弾幕を放つというもの。そしてフランはその逃げ道が無くなった斧男に向かって作り出した炎の剣で斬りかかる。

 しかし、対処法としては1回目と同じ、斧男は再び地面に斧を叩きつけると周囲に重力波が発生して弾幕が消滅、レーザーは気にしなければ直撃することは無い。

 なにせ、このレーザーの間にはフランも居るのだから仲間をも攻撃するようなことはしないとふんだのだ。

 

「たぁぁぁっ!」

 

 だが、弾幕とレーザーを何とかできてもフランが居る。

 フランは全ての力を込めて斧男へとレーヴァテインを振り下ろし、斧男はそれを斧の柄で受け止めたのだが、フランのパワーを黒葉と同じ感覚で捉えてはダメだった。

 

「ぐぅぅぅぅぁ」

 

 フランのパワーは凄まじく、斧男は攻撃を受け止めた瞬間に数メートルぶっ飛ばされ、それによって体勢が崩れてしまった。

 そこをフランは見逃すことはなく、地面を勢いよく蹴って追撃を開始する。

 雨が降っていて地面がぬかるんでいて足が滑ってしまうが、それでも吸血鬼のパワー。太陽も隠れているし、今ならば夜と同程度の力まで発揮することが出来る。

 

 普通の人だったら捉えることが出来ないであろう速度で斧男に急接近すると再びその手に握られた炎の剣を振りかぶった。

 

「え?」

 

 ――だが、その直後、突如としてフランは前のめりにバランスを崩してしまってその場に倒れ込んでしまった。

 いや、バランスを崩してしまったのではない。突如としてフランは地面に引っ張られるようにして倒れてしまったのだ。

 

「《重力操作(グラビティ―エリア)》」

「ぐ、ぐぐぐ……」

 

 斧男の周囲に重力のエリアが出現し、それがフランを吸血鬼のパワーを上回る力で押さえつけている。

 このエリアは斧男の近くに行けば行くほどに重力が強くなるため、至近距離に近づいたら並大抵な力じゃ立つことすらできなくなってしまうほどだ。

 

 そんなフランに対して斧男は大斧を振り下ろすが、そこはフランも吸血鬼の力を持っているため、横に腕力のみで転がることによってその斧を回避して見せた。

 

「動けるのか」

「吸血鬼、ナメないでよね」

「それは済まない。前に戦った吸血鬼がものすごく弱くてな」

 

 斧男がそう言った瞬間、一個の霊力の球が豪速球で斧男へと飛んできたため、反応が遅れた斧男は能力を使う暇もなく、その場で体を後ろにそらすことによって回避した。

 斧男に回避された霊力球はそのまま飛んでいって瓦礫の山に衝突し、木っ端みじんに粉砕して消滅した。

 

「……黒葉のことを、悪く……言うな!」

 

 フランは前に戦った吸血鬼という言葉だけでは誰の事なのかピンと来ていないが、ルーミアは以前この斧男と黒葉が戦っていることを知っているため、すぐにそれが誰のことを言っているのかということに気が付いた。

 そもそも、斧男は黒葉のことを吸血鬼のくせに弱いと言っていた。その時から本当は自分で怒りをぶつけたいほどにこの斧男に対しては鬱憤が溜まっていたのだ。

 

「ん? お前は道理で見たことあるような気がすると思ったら、あの時の妖怪か……弱い吸血鬼に守られるしかなかったお前に何ができるんだ?」

「確かに、私は弱いよ。この能力だって、相手の視界を遮ったりできるだけで戦闘向きじゃない。妖怪だけど力もそんなに強くはない。でも、それでも譲りたくないものがあるから」

 

 ルーミアは再度大量の弾幕を展開する。これが斧男に当たることはないと理解しつつ、それでもルーミアは自分のメイン武器である弾幕を作り続ける。

 

「だから、私にとってこれは防衛じゃない…………勝ちに行くんだっっっ」

 

 言い切るのと同時に放たれたルーミアの弾幕。

 本来ならばこの弾幕もさっきまでと同じく斧男が斧を振り下ろした時に発生する重力波によって弾幕は消滅させられてしまうことだろう。

 だが、今回は違った。

 

 斧男がルーミアの弾幕に気を取られたその瞬間、フランへの重力が弱くなったことにフランはすぐに気が付いた。

 

(こいつは二つの技を同時使用できない!?)

 

 その弱点に気が付いたフランは斧男が斧を振り上げたその瞬間、その隙を狙った。

 

「禁忌《レーヴァテイン》!!!!!」

「なっ!」

 

 フランが勢いよく立ち上がる時の勢いを利用して放たれた切り上げの斬撃は斧男の胸に焼けた切り傷を付け、斧男を怯ませることに成功し、斧男は重力波を放つことが出来なかった。

 それ即ち――

 

「だはあぁあぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 ルーミアの弾幕を防ぐことが出来なかったということになり、ルーミアの弾幕が斧男に直撃。斧男はその威力に吹き飛ばされ、瓦礫の山の中に突っ込んでいった。

 二人とも別にこの結果を狙ったわけではないが、フランがいち早く斧男の弱点に気が付くことが出来たからこその完璧な連携だった。

 

「ぐ」

 

 だが、そこでフランは思わず膝をついてしまった。

 今までとてつもなく強力な重力に押さえつけられていて体力が奪われているのもそうだが、平衡感覚が若干おかしくなってしまっていた。

 

「だ、大丈夫? フラン」

「うん、大丈夫。今は戦いに集中しないと……あれくらいで死ぬような相手ではないと思うから」

「そうだね」

 

 フランはどろどろになってしまった服と膝の泥を軽く落としながら斧男の方へと顔を向ける。

 霊力はまだまだ体力が有り余っていることを伝えるかの如く力強く瓦礫の下から漂ってきていることに二人とも気が付いているため、斧男がぴんぴんしていることには気が付いている。

 だが、斧男は瓦礫に埋まった状態で起き上がってくるわけでもないため、不思議に思っていると突然斧男が飛ばされた周囲の瓦礫が浮き上がって二人の方へと飛んできた。

 

「大丈夫!」

 

 飛んできた瓦礫は全てフランがルーミアの前に立ってレーヴァテインで切り捨てたが、その次に飛んできたのはほかでもない、斧男自身だった。

 斧男は瓦礫を飛ばしたその速度のままフランの方へと一直線で飛んできて斧を振るい、フランもそれに対抗してレーヴァテインで受け止めたが、それがダメだった。

 今の斧男には彼自身のパワーだけではなく、重力によって弾き飛ばされた威力も加算されているため、フラン一人では斧男を弾き返せるほどの力を出すことはできず、ぶっ飛ばされてしまった。

 

「ぐあ、だ、くぅぅぅぅ」

「フラン!!!!」

 

 10メートルほどぶっ飛ばされたフランは地面を転がってようやく止まって傷もさほど多くはないものの、斧男を受け止めた際の衝撃によって両腕がじんじんとしびれてしまっていた。

 この力に関してはルーミアも初めて見た。

 今まで見た斧男の能力に関しては周囲の重力を操るのみ。自分の重力をも操ってしまうとしたら弾丸のような速度で飛んできた斧の破壊力は凄まじくなり、更には高重力で耐久力を上げて相手の攻撃でぶっ飛ばされなくなってすぐにカウンターをできるようになる。

 

「あーいてぇ、やっぱり妖怪を二人同時に相手するのは骨が折れる」

「っ!」

 

 言いながら斧はルーミアにも振られ、とっさにルーミアはバックステップをすることによって回避するが、その余波ルーミアに襲い掛かり、数メートルほど飛ばされてしまう。

 斧男の体からはオーラが出てきており、そのオーラからは霊力を感じられるため、斧男が能力をまとっているということがこのことから分かる。

 いつまた吹っ飛んでくるかわからないため、ルーミアも身構えているが――

 

 ダンっ

 

 そんな音が響いたその瞬間、斧男はノーモーションで一瞬にして元居た場所から姿を消し、その代わりにルーミアの目の前に出現し、すでにその手に握られた斧は振りかぶられていた。

 ノーモーションで、しかも一瞬で移動してきたということもあり、その攻撃を回避することはおろか、反応することは不可能だ。

 予測できるはずがない。

 

 さらにはルーミアには防御する術を持ち合わせていない。万事休すだ。

 

 そう、思われたのだが。

 

「っ!?」

 

 思い切り振られた大斧はルーミアを捉えることはなく、そのまま空を切ることとなった。

 じゃあ、ルーミアはどうしたのか?

 

「あっぶな~い」

 

 その場で上体を逸らし、ギリギリのところで横に振られた大斧を回避していたのだ。

 斧男もまさかこれを回避されるとは思っておらず、一瞬固まってしまったため、そのタイミングを狙ってルーミアは斧男を蹴り、その反動を使用して斧男との距離を取った。

 蹴ったことによって斧男は蹴り飛ばされたりはされなかったが、ルーミアの目的はダメージを与えることではなくて距離を取ることだったため、問題はない。

 

「どうしてだ」

 

 その一言をつぶやくと再び斧男の姿は瞬きの間で消え、ルーミアの背後に一瞬にして移動して斧を思い切り振った。

 今の回避がまぐれなのだとしたら次はない。次は必ず当たる、そう思っての行動だったわけだが、斧男の予想は外れてこの一撃もルーミアを捉えることはなく、空を切った。

 今度はとっさに前に転がることによって斧の一撃を回避したルーミアは周囲に弾幕を展開させ、カウンターの様に斧男へと飛ばした。

 

 その弾幕は見事斧男に直撃したものの、斧男は重力をまとっていたため、衝撃でぶっ飛ぶこともなければ大したダメージになることはなかった。

 だが、間違いなくこのルーミアの行動は斧男の精神へのダメージにはなっていた。

 なにせ、回避されるとは思っていなかった攻撃を二回も回避されたのだから。

 

「お前、どうして回避できた」

「え? どうしてって……なんとなく」

「はぁ? なんとなくだ?」

「うん、なんとなくこう来る気がするなっていうレベルなんだけど、霊力の流れとかが見えて」

 

 斧男は間違いなくノーモーションで動いており、高密度の霊力が斧男の周囲を漂っているため、繊細な霊力の動きを感じ取ることなんて普通なら不可能だ。

 そう、普通ならといった条件がある。

 なら、どうしたら繊細な霊力の動きを感じ取ることが出来るようになるのか? それをやる方法はたった一つしかない。

 

「樹海……か」

 

 そう、樹海だ。

 樹海なら周囲に漂っている霊力をより深く感じ取ることが出来るようになり、高密度の霊力が渦巻いている状況でも繊細な霊力の動きを感じ取るということも可能になる。

 ルーミアがやったのはまさにこれだ。

 

 つまり、ルーミアは自分で意識はしていないが、無意識に樹海を使い、斧男の攻撃を回避したということだ。

 

「お前、名前は?」

「? ルーミア……」

「そうか、俺は獅童(しどう)玲音(れおん)だ。お前はなかなか手ごたえがありそうなやつだと見た。全力でお前を潰しに行く」




 はい!第140話終了

 今までルーミアの本格的なバトルシーンがなかったのですが、やっとバトルシーンが出てきてルーミアの強みが出てきましたね。

 実はルーミアは樹海が使えるんです。

 ただ、本当に無意識なので今は戦いでがっつり集中しているため、結構感じ取れているのですが、普段は制御できていないので、咲夜の様に樹海のオンオフを切り替えるということはできないです。

 そしてついに斧男の名前判明。

 実は玲音は昔書いたプロットでは別の形で再登場して、その時に名乗るという流れだったのですが、プロットを最近書きなおして敵として再登場して名乗るという流れに変わりました。

 実は当初、黒葉と仲間になる予定だったんですよね。

 しかも黒葉は記憶喪失にもならずに故郷にも来ないという流れでした。

 紅魔館から離れるという流れはそのままなのですが、流れは全くの別物だったわけですね。

 ちなみにこの二章のラスボスは全四章中一番最後に決まったものになります。

 一章が終わる少し前に考え付いたんですよね。

 そしてそれに合わせて二章のプロットも書き直したわけです。

 そんな掻き立てほやほやのプロットの二章ですが、最後まで楽しんでください。

 ちなみに三章の内容は察しがいい人ならば少しわかっているという人もいるかもしれません。まぁ、あんまり伏線とかもないので本当に少しだけだと思いますが。

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

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