【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

142 / 284
 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 樹海を使って玲音の動きを読み、攻撃を回避し続けるルーミア。

 隙を狙って玲音に攻撃を仕掛けるルーミア。

 二人はコンビネーションで玲音を倒そうとするが、ついにフランがやられてしまった。

 万事休すかと思われたその時、突如として烈夏が助けに入った。



 それではどうぞ!


第142話 柔の剣

side三人称

 

「こ、黒葉のお父さん!?」

 

 突如として現れた烈夏にルーミアは驚いてしまう。

 いや、驚いた理由は急に現れたからではない。烈夏は救護班に入っているため、患者を連れて帰ってくるというのは普通のことで、驚くところは何もない。

 だが、烈夏の体は血まみれ傷だらけとなっており、すでに一線を交えたという風貌。しかもとんでもないダメージを受けて自分が患者として医療班に来たんじゃないかと思うほどの傷が出来ていたため、ルーミアは驚いてしまったのだ。

 

 それもそのはず、ついさっき烈夏は天魔に敗北して雪姫にこの医療班拠点まで運んでもらっている最中だったのだ。

 つまり、本当に烈夏は患者で、本当はもう一歩も動くことすらできないほどのダメージを受けているはずだった。

 

「何者かと思いきや死にかけじゃねぇか。死にたくなければそこを退け。多分今すぐに治療すれば助かるぞ」

「へっ、どうせこの戦いに負ければ助からねぇんだ。ならばやるだけやる」

「だが、その体でどうやって戦う? まともに戦えないんじゃないか?」

「あぁ、だから俺はお前とまともに戦う気はない。この体じゃまともに力が入らねぇ。今もふらふらして倒れそうなほどだからな。だから――」

 

 すると烈夏はルーミアが近くから離れたことを確認すると巧みな刀さばきで斧を受け流し、力に頼ることなく玲音の攻撃をしのいで見せた。

 だが、それでも一度は完全に受け止めてルーミアが退避するだけの時間を稼いで見せたものだから、この傷でそれだけの力を出せるだけでも充分化け物と言って差支えはなかった。

 

「受け流せばいい」

 

「烈夏さん、いきなり走り出してどうし――なんなんですか、これは!?」

 

 そこへ雪姫が遅れてやってきて状況を確認し、驚きの声を上げる。

 まさかもう敵がこの医療班拠点までやってきているとは思っていなかったのだ。

 そしてその戦いに烈夏も今まさに加わろうとしているところを見てさらに驚愕した。なにせ、あの傷ではどう考えても戦うことはできないのだから。

 でも、なぜか烈夏は立って戦っている。刀ですら握るのも一苦労のはずなのに、自分の服の一部を引き裂いて自分の手を刀に縛り付けて握っている。

 

「烈夏さん! 今戦ってはダメです! せめて治療が最優先です」

「ダメだ。そんな暇はない。まずはこいつを退ける。話はそれからだ」

「烈夏さんの分からずや! 時間稼ぎくらいなら私たちがしますから、烈夏さんは1分1秒でも休んで!」

 

 そんな話をしている間にも烈夏へと攻撃が迫ってきていた。もちろん玲音の攻撃だ。

 しかも今回の攻撃に関しては斧に重力をまとわせている。これが地面に落ちたら周囲に重力波が放たれて今のボロボロの烈夏の体じゃ一溜りもないだろう。

 

「《波桜》」

「ふぅ……柔剣《虚空》」

 

 烈夏に玲音の攻撃が直撃するかと思われたが烈夏は刀を振って大斧にソフトタッチをするとその瞬間、大気を巻き込んで玲音の攻撃の威力を完全に受け流して止めて見せた。

 それだけじゃない。なんと、その一撃を弾き飛ばし、反動で玲音を2メートルほど後ずさらせたのだ。

 天魔と戦っていた時とは全く違う繊細な刀さばき、その美しさに思わずルーミアは見とれてしまう。

 

「力を使う豪剣は使えないが、力を使わない柔剣だったら使える」

 

 烈夏の剣技には二種類存在する。

 力を使い攻撃力が高めな豪剣、そして力は使わなく攻撃力は豪剣よりも低めではあるが、スピードもテクニックも豪剣よりも上の柔剣の二種類を使える。

 天魔との戦いでは攻撃力が高くなければダメージを与えることすらできなかったため、豪剣しか使っていなかったが、天魔以外の相手ならば柔剣の攻撃力でもなんとかなることもあり、更に機転が利きやすいため、柔剣を使うことも少なくはない。

 

 だが、今は力が入らないため、柔剣という選択肢しかないが、烈夏はそれでも十分だと考えたのだ。

 

「その体でこれだけ戦えるなんて化け物じゃねぇか」

「俺はたまたま体の使い方に詳しいってだけだ」

 

 烈夏動きはまるで重症人ということを感じさせない動きではあるが、実際は重症人である。

 

「雪姫、たぶんそっちの方に飛ばされたフランちゃんを拠点内に運んであげてくれ。こいつは俺とルーミアちゃんで何とかする」

「大丈夫……なんですよね」

「そこは信じてくれ、としか言いようがないな」

「……わかりました。私が烈夏さんを疑う理由はありません。でも、無理はしないでください」

「了解だ」

 

 烈夏の言葉を信じて玲音を烈夏とルーミアに任せてぶっ飛ばされたフランの方へと走り出す雪姫。

 雪姫のことを見送ると烈夏は胸を押さえた。先ほど天魔に斬られた傷が痛むのだ。しかもこれだけ激しく動いていたら傷がさらに開いたとしても不思議ではない。

 雪姫の前だから強がってはいたものの、かなりギリギリの状態でここに立っているのだ。

 

「く、かっこわりぃな……せめてこの場だけでも普通にやり過ごして黒葉の友達にもかっこ悪いところは見せたくなかったんだけどな……」

「そ、そんなことないですよ! 本当に助けてくれてありがとうございます」

「はは、ありがとうな。ルーミアちゃん」

「俺の攻撃を完璧にさばききって見せたりしていたからどんな化け物かと思いきや死にかけじゃねぇか。死にかけの化け物は全く怖くねぇな。どうしてそこまでして立ち向かう。今も立っているだけで精一杯なんだろう?」

 

 玲音の問いに「はっ」と鼻で笑う烈夏。

 その顔はそんなことも分からないのか? と言っている。

 烈夏は斬られる直前に黒葉がぶっ飛ばされた方向を把握していた。つまり、黒葉がこの医療班拠点にいるということは知っていた。

 だからこそこれだけ必死に戦っているのだ。

 

「我が子を助けるのに、理由なんて居るのか?」

 

 白愛を助けることが出来なかった。烈夏はずっとそのことを後悔していて、黒葉も行方不明。心理状態は危険なものになっていたが、そのことを表に出さないようにしていた。

 だから黒葉がこの里に帰ってきたときに烈夏は誓ったのだ。

 黒葉だけは絶対に助ける、守ると。




 はい!第142話終了

 烈夏のピンチは続きます。

 そして烈夏は今まで豪剣しか使ってこなかったんですが柔剣というテクニック重視の技も使えるんですよね。

 この戦いでは柔剣を主に使っていく感じとなります。

 ですが、この戦いでは烈夏は主にサポートという形になります。どうあがいても今のダメージじゃメインアタッカーには向いていないですからね。

 ではどういう風に戦いが展開していくのか。

 乞うご期待!

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

  • 味方
  • 中立
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。