【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今日は木曜なのでこの後7時にも最新話が上がりますよ!



 それでは前回のあらすじ

 烈夏が加わり、玲音との戦いも激しくなっていく。

 烈夏は豪剣は使えないものの、柔剣で玲音を追いつめていく。

 そしてついに玲音が本気を出そうとしたその瞬間、突如フランの能力が暴走してしまう。

 そこでルーミアがフランの暴走を何とかするということになり、烈夏がその間、玲音の時間稼ぎをする。

 果たしてこの勝負の行方は?



 それではどうぞ!


第144話 ありとあらゆるものを破壊する程度の能力

side三人称

 

「うん、一緒に遊ぼ、フラン!」

「やったぁっ! じゃあ……簡単に、壊れないでね」

 

 そう言った瞬間、フランの周囲には大量の弾幕が出現し、ルーミアへと襲いかかる。

 その攻撃を全て樹海で軌道を読み、回避するルーミアはフランへ向かって走り出す。

 

 ルーミアは全くフランを傷つけるつもりは無い。だってこれはフランの意志とは全く無関係、能力が暴走して攻撃してきているだけなのだから。

 だから攻撃することはなく解決するために走る。

 

(分かる。フランが次に何をしてくるのか。妖力の流れが分かる!)

 

 フランの攻撃は一撃だけでも即死級の威力を誇っているため、一撃でも当たったら即アウトのデスゲーム。

 だが、ルーミアは樹海を使えるため、難なく回避していくことが出来る。回避するだけだったら玲音の攻撃よりも楽な位だ。

 

「んもう、何で躱すの? 面白くない!!」

「っ!?」

「禁忌《クランベリートラップ》!!」

 

 するとフランは正面から弾幕を放つだけではなくルーミアの四方八方から弾幕をルーミア目掛けて放ってきた。

 今まで1辺からしか攻撃が来ていなかったのが4辺から攻撃が来るようになったため、単純計算でその弾幕密度は4倍だ。

 

(密度が凄すぎて中々近づけない!)

 

 ルーミアの実力では回避するだけで精一杯。近づくことすらできなくなってしまった。

 

「ほらほらほら! どうするどうする? あははははははは! がんばれ〜」

「フ、ラン! 目を覚まして!」

 

 その声が、その言葉がフランに届くわけが無いと分かっていながらもルーミアは叫ぶ。

 そんなルーミアの脳裏には黒葉が浮かんでいた。

 黒葉ならどうしたんだろう、どうやってフランの事を落ち着かせたんだろうと考え続ける。

 

「あっちで小娘がピンチだぞ? 助けに行かないのか?」

「信じてるからな」

 

 玲音の問いにあっけらかんとした様子で答える烈夏。そんな烈夏の様子に玲音は首を傾げた。

 

「どうしてそう簡単に他人を信じる。信じれる」

「……そうだなぁ……」

「あれは人喰い妖怪だ。人里にそんなのが居るんだぞ」

「うーん、なんというかな……」

 

 烈夏はルーミアが何となく人喰い妖怪だって言うのは気がついていた。

 ルーミアは見た目は普通の人間の女の子のように見えるが、その身に宿している力は妖力だ。

 自我のある人食い妖怪は基本的に人間に擬態していることが多い。つまり、普通の人間の女の子に見える妖怪はほぼ人食い妖怪であると考えていいため、烈夏も「多分人喰い妖怪なんだろうなぁ〜」と思っていた。

 

 でも、それでも烈夏は問い詰めることも、排除しようとすることもなかった。

 黒葉から離そうとすることもなかった。

 何故か?

 

「あの子、普通の人食い妖怪とはなんか違う気がするんだよ。普通の人食い妖怪なら少しでも飢餓状態になったら耐えることは出来ない。しかも、その飢餓っていうのは人間が食べるような普通の食事を摂ったとしても癒えることは無い。普通ならこれだけの期間人を食らってなかったら暴走してもおかしくないんだ」

「だが、結果論だ。何故お前は出会ったその時、斬り伏せ無かった。お前ほどの実力があれば朝飯前だろ?」

「まぁな、でもなんだろうなぁ。確かにあの子は人食い妖怪なんだろう。でもさ、それでもあの子は黒葉の友達なんだ。仲良くしてやって欲しい。親としては当然の感情なんじゃないか?」

「俺に妻子はいないから分からんな」

「そりゃ悪かった」

 

 烈夏も白愛を殺したのは妖怪だと知っているし、妖怪のことは黒葉以上に憎んで殺したいと思っているが、それでも烈夏の中での最優先は自分の家族である雪姫、白愛、黒葉だった。

 自分の行動で自分の家族が悲しむようなことは絶対にしない、それが烈夏のモットーだった。

 

「僕は黒葉が信じたあの子の事を信じる。ただそれだけだよ」

「そうか、分かり合えないな」

 

 そう言うと突然猛スピードで烈夏へと駆け出した玲音はその勢いを利用して烈夏に斧のなぎ払い攻撃をお見舞いする。

 だが、当たる直前に烈夏は上体を逸らすことによって玲音の大斧を回避、そしてそのままカウンターに転じて刀を振るう。

 

「《重力操作(グラビティーエリア)》」

「っ!?」

 

 烈夏の攻撃が迫ってきて玲音が咄嗟に重力エリアを発生させたことによって烈夏の攻撃は高重力によって地面に引き寄せられてしまって体勢を崩して前のめりに倒れる。

 普通ならそのまま地べたに倒れて動けなくなる――はずだった。

 

 なんと烈夏は違った。

 

「ふんっ!」

「だはっ!?」

 

 咄嗟に烈夏は前のめりになったことを利用して片手を地面につけ、そのままの勢いで前方倒立回転をして玲音の顔面に蹴りを入れ、そのまま重力に負けることなく回転して玲音とすれ違って地面に立った。

 直後、振り返るようにして烈夏は刀を振るが、玲音は手を叩いて重力波を発生させた。

 

「ぐっ、その能力ずるくないか?」

「それはこっちのセリフだ。いったいどんな能力を使ってやがる」

「……? 俺は無能力者だが」

「……はぁ?」

 

 烈夏の発言により、烈夏と玲音の間に静寂が流れた。

 少しして我に返った玲音が叫ぶ。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? ウッソだろお前!」

「嘘じゃない。生まれてこの方、能力があったことなんてない」

「はぁ? え? はぁっ!? なんだよその化け物身体能力は!? 無能力者舐めんじゃねぇぞ! この世の全無能力者に謝れお前!」

「なんでそこまで言われにゃならんのだ……」

 

 狂乱してしまう玲音に心外だと訴えているような表情をしている烈夏。

 でも仕方がない。烈夏の実力は無能力者にしては強すぎるのだ。

 

「ぐっ!」

 

 だが、やっぱり烈夏は人間。今の攻防でさらに傷が開いてしまったのか、天魔に斬られた胸からは大量の血が流れてくる。

 もう烈夏はかなりの血を流してしまっているため、そろそろ処置しないと本格的に命が危ない。

 

(ルーミアちゃん……)

 

 烈夏はちらっと横目でルーミアを見る。

 

「フラン!!」

 

 ルーミアは未だに四方から弾幕が飛んできて中々近づくことが出来ずにいた。

 近づく方法を考えつつ、回避をしていく。

 

 ルーミアの能力は『闇を操る程度の能力』だ。だが、この能力を使ったとしても吸血鬼にとってはあまり効果がない。

 完全に視界を奪うことは出来ない。

 

「雨……」

 

 そこでルーミアはずっと降り続いている雨に注目した。

 吸血鬼は流水を超えることが出来ない。昔からある吸血鬼の伝承であるが、それは間違いでは無い。

 正確に言えば、流水に触れると力が出なくなるといった感じだ。

 この雨程度だったら問題は無いが、バケツ1杯の水を一気にかけられてしまったら吸血鬼は一時的に能力を使えなくなる。

 そこに目をつけた。

 

 だが、今ここにバケツなんて存在しない。

 

「アハハハハハハハハハハハハハ! 壊れちゃえ!」

「フランっ!」

 

 なら、どうするか?

 妖力、霊力っていうのは本当に万能だ。しかもそれが樹海の力となるとさらに色々なことができるようになる。

 周囲にルーミアは妖力を放つとまるで妖力の糸でも雨に繋げたんじゃないかと思うほどに自由自在に操れるようになる。これは弾幕をホーミングする技術と同じ原理だ。

 

「え?」

「フラン! 目を覚まして!」

 

 そして操った雨を1箇所に集めて巨大な水球を作り出すと、その水球をフランへと放った。

 その水はフランに直撃し、フランはビショビショになり、力が抜けてしまったのかその場に膝をつこうとする。

 それによって攻撃の手も止まったのでルーミアはその隙を狙ってフランへ急接近して――

 

「フランっ!!」

 

 ギュッと強く抱き締めた。

 

「フラン、目を覚まして……こんなのフランらしくないよ。本当のフランはすっごく優しいんだから。私にも仲良くしてくれたし」

「離して!!」

「フラン、お願い。暴れないで」

 

 ルーミアの手の中で暴れるフランだが、力が抜けてしまっていてルーミアを突き飛ばすことすらできなくなってしまっている。

 これがラストチャンスだった。

 だからルーミアはフランに話しかけ続ける。

 

「お願い。今のフランを見たら、黒葉も悲しがるよ」

「こく、ば……」

「それに、私も悲しいな。だって、フランと出会ったのは結構最近のことだけど、でもこの旅で私は親友のように思ってたんだから」

 

 そこでフランは少し大人しくなった。

 もう流水の効果も無くなり、動く事ができるようになっているはずなのにフランがルーミアをぶっ飛ばそうとする気配は無い。

 

「《重力爆弾》!」

「しまった!」

 

 その時、玲音から放たれた重力が込められた霊力球の流れ弾がルーミアとフラン目掛けて飛んできた。

 ずっとフランの方へと意識を向けていたせいか、ルーミアは玲音と烈夏の動きに全く気づいていなかったため、この重力球の存在に気がつくのが遅れてしまった。

 

 もう逃げる時間はない。

 直撃を覚悟したその瞬間だった。

 

「ルーミア……」

「フラン?」

 

 フランはルーミアの手を優しく自分の体から離すと重力球に向き直った。

 そのフランの姿を見てルーミアは目を見開いてしまう。

 全身から妖力が溢れだしていることは変わりないが、さっきまでのような荒々しさは無くなっていた。

 

 そしてフランの服の周りを紫色のオーラのようなものが漂っている。

 何よりも1番気になるところが、フランの髪が金髪ではなく、紫色に変色しかけているというところだった。

 

「ルーミア、私もあなたの事を親友だと、思ってるよ」

 

 そう呟くと飛んできた重力球にフランは右手を叩きつけた。

 その瞬間、大気が割れたような錯覚が走り、重力球は粉々に破壊された。

 

 徐々にフランの周囲を漂っているオーラがフランへと収束していく。

 やがてそのオーラは真っ黒なマントへと変化した。

 明らかにさっきまでとは様子が、雰囲気が違う。

 

「そうだね、暴れてたら黒葉が悲しむもんね。お姉様にも迷惑をかけてしまう。もうそんなことはしたくない。なら、この力を完璧に制御してみせる。これが私の能力、『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力だ』」




 はい!第144話終了

 フランが新しい姿になりましたね。

 ルーミアの言葉がフランに届いたんです。

 そしてこの姿になってフランは凄まじく強くなりました。

 見た目はロスワのハンター狩りフランをイメージしています。

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

  • 味方
  • 中立
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