【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 狂獣技を会得したフランは玲音の防御力を突破し、追いつめていく。

 しかし、玲音は樹海を使い、重力を強化。フランでさえ脱出できない重力で壁に磔にしてルーミアを斧で叩き切ろうとする。

 だが、そこでルーミアはギリギリで回避したものの、リボンが斬られてしまう。

 それを引き金にルーミアは覚醒、樹海がパワーアップし、周囲に影響を与え、更に自身への能力を無効化する。

 果たしてこの戦いの行方は如何に!?



 それではどうぞ!


第147話 勝者

side三人称

 

「能力を完全無効化だ!? そんな出鱈目な!」

「じゃあ、あなたの重力が効いていないことはどう説明するのかな?」

 

 ルーミアの言葉に玲音は黙ることしか出来なかった。

 確かにこの重力を耐え切る説明としてはそれが一番信じられる物で、それ以外説明がつかない。

 しかもルーミアの場合はフランとは違って力で耐えていると言うよりかは効いていないという方が正しい。

 

「私の闇はね、悪食なんだよ。光を食らう闇は次に能力を食らう。なんでも食べるよ〜」

「……そうかそうか、能力が効かないか……」

 

 玲音は俯いて震える。

 ルーミアに能力が効かないということを知って絶望したのか? いや、そんなことはなかった。

 玲音の目は鋭くなって再びルーミアへと視線を向け、薄ら笑いを浮かべながら余裕の声色で言った。

 

「だが、能力が効かないだけで物理で殴ればお前は死ぬんだろう?」

 

 再び重力を身にまとった玲音はルーミアに向かって一瞬で移動し、そして斧を横に薙ぎ払う。

 樹海を使ってるルーミアはそれを事前に察知して間一髪のところで斧を飛び退いて回避し、弾幕を投げ飛ばした。

 だが、玲音も樹海でそれを察知。重力を纏わせた手でルーミアの弾幕を叩き落とした。

 

「お前は今、自分に対する能力は無効化すると言ったな。なら、お前に直接使わなければいい!」

「っ!?」

 

 重力を足に纏わせた玲音はルーミアが樹海で先を読んだとしても回避不可能な速度でルーミアを蹴り飛ばして見せた。

 蹴り飛ばされたルーミアはそのまま瓦礫の山に突っ込んでいき、突っ込んだ衝撃で真上に飛んだ瓦礫がそのまま上から降ってきて瓦礫の山に埋もれてしまう。

 

「ルーミア!!!」

「ルーミアちゃん!!!」

「ルーミアちゃん!!!」

 

 フラン、烈夏、雪姫は心配の声を上げる。

 ルーミアはフランや烈夏程頑丈という訳では無い。あれほどの威力の攻撃を受けたら一溜りもないはず。

 雪姫だけは唯一動けるのでルーミアを助けに行こうと足を踏み出したらその瞬間、玲音が周囲に霊力を放って雪姫を威圧する。

 玲音も樹海を使っているため、雪姫には背を向けているが、その動きは手に取るようにわかる。

 

「はぁ……」

 

 そこでルーミアが瓦礫の中から体を起こして瓦礫の上に座り込んだ。

 ダメージは結構デカかったようで、体の至る所に傷がついている。しかし、やっぱりさすがは妖怪という事で骨が折れたりなどはしていないようだった。

 

 そんなルーミアの様子を見ると玲音は追撃を与えるために動き出す。

 そこでルーミアはニヤッと笑った。

 

「まずは厄介なお前からだ!」

「させないよ!」

 

 ルーミアに向けて振り下ろされる大斧。しかし、それがルーミアに直撃することは無かった。

 ルーミアに直撃する直前、玲音は何者かに蹴りを入れられて真横にぶっ飛ばされる。

 

「く、誰だ。っ!? なんで」

 

 何とか重力で体制を立て直して自分を蹴り飛ばした人物へと視線を向けると、玲音は目を見開いて驚愕した。

 玲音を蹴り飛ばした人物、それは先程玲音の樹海によって壁に磔にされていたフランドール・スカーレットその人だったからだ。

 見てみると元々磔にされていた場所には誰もいなく、代わりにその壁が真っ黒に染まっていた。

 

「フラン、ナイース」

「ルーミア、あれなに? あれが壁を被った瞬間、重力の圧が無くなったけど」

「言ったでしょ? 私の闇は悪食だって。闇は勝手に周囲の色を食いつぶし、そして能力を無効化する」

「っ!? お前、自分への無効化だけじゃないのか?」

「使用者が無効化できるんだから、そりゃ子分たちも無効化できるよね」

 

 そう言っている間にもどんどんと周囲に伝染していく闇。

 この闇の土地全て能力が通用しない。

 これによってルーミア以外がこの場所で樹海が使えなくなり、土地に能力の影響を与えられなくなった。

 樹海が使えないならフランの狂獣技の力で抜け出せる程度の重力しか使うことが出来なくなる。

 

「く、がぁぁぁぁぁっ!」

「自棄になったって何もならないぞ」

 

 自棄になって振り下ろされた玲音の斧を烈夏は刀で受け流すと玲音へカウンターする。

 

「柔剣《無双》」

 

 今出せる筋肉の最大限の力を振り絞り、九十九よりも速い連撃を玲音にお見舞いする。体力の限界を超えている烈夏の筋肉は悲鳴を上げてきているが、それでもお構いなしに玲音に連撃を続け、そして最後の一発とばかりに思い切り振りかぶる。

 

「《氷結剣(アイスエンチャント)》」

「柔剣」

「「《輝閃(きせん)》」」

 

 雪姫が烈夏の刀に霊力を纏わせると烈夏は目にも止まらぬ速度で刀を振り抜き、玲音をぶっ飛ばした。

 烈夏の攻撃にぶっ飛ばされた玲音は意識を飛ばしそうになりながらも恨めしそうに烈夏たちのことを睨みつけ、歯をギシギシとこすり合わせた。

 

(負けるわけにはいかないんだ。あの小僧を殺すまでは負けるわけにはいかないんだ。何のために俺がこんな組織に入ったと思っている。こんな人殺し集団の一員になったと思ってるっ!)

 

 玲音は天魔組に入会した時のことを思い出す。

 

 玲音が黒葉に敗北した直後の事。

 気を失っていた玲音が目を覚ますと、そこには一人の男が立っていた。どことなく黒葉に似ているその男を見て玲音は一瞬で我に返ってその男から距離を取った。

 斧を構えて臨戦態勢に入るが、男は全く動じることはなく、まるでお前なんかいつでもすぐに殺すことが出来るんだからなとでも言いたげな態度に玲音は少し冷静になった。

 

 この男から感じる霊力は確かに自分以上、今戦ったところで勝ち目はないと察したため、相手からは殺気を感じられないことから斧を下ろした。

 

「うん、それでいい」

「……お前は誰だ。なぜここに居る」

「俺は銀河月刃。ここには弟を探しにきた」

「弟?」

「そう、弟。そしたら少し面白いものを見つけたからさ」

 

 月刃はそう言うとピシッと玲音へ人差し指を差した。

 

「俺、か?」

「そう、君だ。君、すごく面白い能力を持っているね。鍛えたら化ける。どうだい? 俺たちの組、天魔組に入らないか? 入ってくれたら鍛えてあげる。それだけの設備がうちには整っている」

「………………………………あの小僧にも勝てるのか?」

「あぁ、必ず」

 

 玲音はその言葉に少し悩む。

 どう考えても怪しい。月刃は底知れぬ力を持っているし、この天魔組の悪名というのも玲音は知っていた。

 各地の人里を荒らしては再起不能にして回っている。特に武器を多く持っている人里を中心に荒らしているため、別名武器狩り集団と呼ばれている程の集団だ。

 こんなところに所属している奴の言うことを本当に信じてもいいのだろうか。いいように使われて捨てられるだけなのではないか。

 

 いや、玲音にとっては悩む話ではなかった。

 妖怪を殲滅するというのが彼の目的。そしてその相手は妖怪の少年。目的は合致している。

 それに――

 

「受けた借りは返さなければいけないからな」

「で、どうする?」

「よろしく頼む」

 

 それから玲音は天魔組に所属し、特訓を開始した。

 天魔組での特訓は想像以上に苦しいものだったが、そのおかげで玲音は樹海を会得することが出来た。

 この苦しい特訓の日々は全て黒葉を殺すための物だった。そのあと天魔組に捨てられるのだとしても別にいいと考えていた。

 

「こんなところで負けるわけにはいかないんだ!」

 

 玲音の能力の出力がさらに上がる。

 斧に重力を纏わせるとルーミアへと切りかかる玲音。それを見てフランが玲音とルーミアの間に入った。

 

「私たちだって、負ける訳には行かないんだよ!」

 

 フランは両手両足に妖力を纏わせ、玲音を迎え撃つ。

 今の玲音の重力のパワーは今までの数倍、もしくはそれ以上に膨れ上がっている。

 これなら今のフランとも互角のパワーを発揮することが出来るだろう。

 

「だぁっ!」

「《波桜(はおう)》」

 

 フランの左拳と玲音の斧がぶつかり合う。

 周囲にはとてつもない威力の衝撃波が発生し、周囲の瓦礫をぶっ飛ばしていく。

 2人の攻撃の威力は互角のように見えた。だが、それでもフランの狂獣技は玲音の重力を上回っていた。

 

「ぐぁぁ!」

「絶対に負けないんだから!」

「ぐふっ!」

 

 フランは左拳で玲音の斧を弾き飛ばすと、今度は右拳で玲音をぶん殴った。

 霊力の込められた一撃に玲音は吐血をする。

 だが、フランの攻撃はこれでまだ終わりでは無い。

 

「まだまだ!」

「だぁ! ぐあっ!!」

 

 左足で玲音を蹴り飛ばした直後、玲音のぶっ飛んでいく速度よりも早く動いて玲音のぶっ飛び先へ先回りをすると今度は右足で玲音を蹴り飛ばす。

 この威力の攻撃を3回連続でモロに受けてしまった玲音はもう既に満身創痍だった。

 そんな玲音に追い打ちをかけるべくフランは玲音の両肩をガシッと掴むと頭を後ろへ倒して勢いをつける。

 

「お、おい、やめろ、やめろ!!!」

「黒葉を殺すなんて絶対に許さないんだから! 禁忌《ロイヤルブレイキング》!!!!!」

「がっ」

 

 フランは最後に額に霊力を纏わせると思い切りその自身の額を玲音の額に叩きつけた。

 バコン!

 その時、玲音は自身の頭蓋が粉砕される音を聞きながらそのあまりの威力にさすがに意識を保つことが出来ず、その場に力無く倒れた。

 

 同時にフランも力尽きてしまい、狂獣技を解除した直後、そのまま前に倒れてしまう。

 さすがに体力の消耗が大きすぎたのだ。

 

「そういえば、俺も重症だったっけか」

「私も、ちょっと、疲れた……」

「え、え、みんな!?」

 

 烈夏、ルーミアと次々と力尽きて倒れていき、ルーミアが倒れたことによって樹海が解除されてルーミアの髪と目と周囲の色が元に戻った。

 静かになったこの場所に取り残された雪姫は1人叫んだ。

 

「どうせなら拠点の前なんですから、拠点内に入ってから気絶してくださいよ!!!」

 

 叫んだものの、雪姫は気絶した玲音を拘束すると、しっかりと烈夏、フラン、ルーミアの3人を医療班拠点内へと運び込むのだった。

 

 

 

【天魔組VS鍛冶師の人里

鍛冶師の人里、医療班拠点防衛

勝者、ルーミア、フランドール・スカーレット、冬夏烈夏、冬夏雪姫】




 はい!第147話終了

 ついに玲音戦終了です!

 やっとここまで来ました。

 ルーミアの樹海の技である《W.O.N》とフランの狂獣技である禁忌《ロイヤルブレイキング》は結構考えましたね。

 ちなみにロイヤルブレイキングの由来はフォーオブアカインドと同じくポーカーのロイヤルストレートフラッシュと破壊の英語であるブレイクと合わせた感じです。
 両手両足に妖力を纏わせて両手で殴って両足で蹴った後に額に妖力を纏わせて頭突きをするって言う技です。

 ルーミアだけでは相手を倒せないし、フランだけでは樹海に勝てないので、2人が合わさればめちゃくちゃ強いですね。

 さて、そろそろですよ。

 それでは!

 さようなら

銀河天音はどっち陣営だと思いますか?

  • 味方
  • 中立
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