【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 寺子屋に通うことになった黒葉。

 その寺子屋の通学路をトレーニングと称して走っていた黒葉だが、吸血鬼の代償を甘く見すぎていたせいで、寺子屋に着く頃にはヘトヘトになっていた。

 そこで黒葉は助けた女の子と再会を果たした。



 それではどうぞ!


第15話 予想以上に弱かった

side黒葉

 

 午前の授業が終わった。

 一応小遣いは貰っているので午後の授業が始まるまで近くの店で飯にしようかと思っていたその時、

 

「ねぇ、黒葉」

「なんだ?」

 

 隣の席のルーミアに声をかけられた。

 午前中はずっと教科書を一緒に見せてもらっていたので、他の人達よりは少し仲良くなったことだろう。

 

「一緒にお昼ご飯を食べよう」

「昼飯か」

 

 俺も今から食べに行こうとしていたところだったし、断る理由もないからな。

 

「よし、一緒に食べに行こう」

「やったのだ〜」

 

 嬉しそうに笑うルーミア。その笑顔がちょっぴり可愛いなと思ったり。

 あの夜に俺が体を張ったのは間違いじゃないと、そう思えて何だかこっちまで嬉しくなってくる。

 

「あ、転入生!」

「ん?」

 

 ルーミアと飯を食いに行こうとしたその時、なんだか冷気を纏った妖精がこっちにやってきた。あれは氷精か?

 その後ろには緑髪の妖精も着いてきている。

 確か、この二人は氷精がチルノで緑髪の方が大妖精だったか。

 

「おい、あたいと勝負しろ! 言っておくけどあたいは最強なんだからな!」

「え……」

 

 だるい。これが率直に思った感想だ。

 自分で最強と言うほど信用ならない言葉はないし、何より今は太陽がちょうど真上にある時間だ。俺の能力が一番制限される時間。

 

「喧嘩をしたいんなら他を当たってくれ」

「そうだよチルノちゃん。危ないよ」

「ふん、あたいに恐れを生して逃げるの?」

「なに?」

 

 今、聞き捨てならない一言が聞こえてきた。

 俺がチルノに恐れを生して逃げる?

 

「いいだろう、やってやろうじゃねぇか!」

 

 俺は腰に差している刀に手をかけて言った。

 

「へへん、ぼこぼこにしてやるよ」

「チルノちゃん!」

「へぇ、転入生の実力か」

「ちょっと気になるね」

 

 俺たちの話を聞いていたのか、次々とクラスメイトが俺たちの周りに集まってきた。

 なに、このクラスの人達はみんな血気盛んなのか?

 

「娯楽が少ないからね。勝負観戦が娯楽になってるんだよー」

 

 この里はそんなことになっているのか。

 まぁ、でも俺の元いた里も決闘が娯楽になっていたから、これはどこでもある話なんだな。

 ちなみに俺の元いた里は剣での勝負が一般的だった。だが、紅魔館で過ごしているうちにほかの戦い方も知った。

 ここの人たちも俺の知らない戦い方をするとも考えておかないといけないな。

 

「じゃあ、早速中庭に行くぞ!」

「あぁ」

「ねぇ、黒葉」

「ルーミアか、なんだ?」

「頑張ってね」

 

 俺は今まで身内にしか応援されたことがなかった。

 いつも剣の試合でも俺はアウェーだった。だけど、今は俺を応援してくれる人がいる。

 それだけで何だか力が湧いてきて、日光による影響を諸共せずに戦えそうな気分になってくる。

 

 日傘を持ち、俺も中庭に向かう。

 

 中庭に着くと、俺とルーミア以外はみんな集まっていて、チルノはその真ん中でどっしりと構えていた。

 

「よし、来たな! じゃあ、行くぞ!」

「来い」

 

 すると目の前に大量の霊力の球が出現した。

 これが恐らく咲夜の言っていた弾幕だ。霊力・妖力などを使って作り出す攻撃手段の一つ。

 くそ、俺は近距離専門なのに、相手は遠距離武器を持っているとか。

 

 俺は何とか回避するものの、吸血鬼の代償はかなり大きいもので少し動いただけで疲れてしまう。

 この日光の下、あんまり動くものじゃないな。

 

「はぁっ!」

 

 俺は駆け出して蹴りを放つ。

 日傘を差しているので刀が使えないのが難点だが、この時のためにレミリアに体術を教えて貰っていたんだ。

 足に霊力を込めると、蹴りを放つ。

 

「インパクト」

「ぐわぁ」

 

 すると、俺の蹴りをもろに受けたチルノは少し吹っ飛んでいくものの、すぐに空中で体制を整えて着地した。さすが妖精と言ったところだろうか。

 

「やるな、だけどそれじゃあたいを倒すことは出来ないぞ!」

「俺だって伊達に修行をしているわけじゃないんだ!」

 

 そして俺とチルノの攻防が始まった――のだが、一瞬にして勝負が決まった。

 

「ぐぅ……やっぱりこの日光の下じゃきつい」

「あははは、相手が悪かったわね。あたいは最強なんだから」

 

 地面に倒れていたのは俺だった。

 チルノ自身の力はこの前戦った自我の無い妖怪よりも弱いだろうけど、それ以上にハンデがデカすぎた。

 そもそも吸血鬼にこの日光の下で戦えというのが無理な話だったんだよ。もう力が一切残っていない。

 

「弱いね」

「うん、弱い」

「あのチルノに負けるなんて」

「あ、あのチルノちゃんが、勝った!?」

 

 おいそこの大妖精、そんなことに驚くな友達だろう。

 どうやらチルノは共通認識で弱いようだ。だが、そんなチルノに負けた俺は更に弱いと判定されてしまった。

 なんだか前の里と同じく、最弱扱いされそうだなと考えつつ地面に寝転がっていると数人の妖精、妖怪が俺の近くに寄ってきた。

 

「黒葉ってルーミアを助けたんだよな」

「その割には弱かったような」

「黒葉、もしかして今、霊体じゃないよね?」

 

 確かこの二人はリグル・ナイトバグとミスティア・ローレライだったか。この二人はさっき、俺がルーミアを助けたという話に興味津々だっただけに困惑されてしまったようだ。

 というか、ルーミアには死んでる疑惑までかけられてしまった。

 

「大丈夫だ。俺は生きている。ただ、あれだ。俺は日焼けするからな。日傘を差している状態だと本気を出せなかったんだ」

 

 嘘は言っていない。ただ、もうひとつの条件である吸血鬼だからと言っていないだけだ。

 妖怪を恨んでいるというのに自分自身が妖怪になっているという事実は悔しいことだから今だけは吸血鬼ということは自分で公言しないでおく。これは俺だけの問題なんだけどな。みんなには関係ない事だ。

 

「そうだ、これから黒葉もルーミアもお昼でしょ? 私の屋台に食べに来ない?」

「ミスティアは屋台もやっているのか」

「そうなんだよ。みすちーの料理は絶品なんだ」

「なんでリグルが誇らしげなのよ」

 

 まさかクラスメイトが屋台をやっているとは思わなかった。

 今まで一度も屋台というものに行ったことがないので、かなり興味がある。

 

「じゃあ、ご一緒しようかな」

「私も行くのだー」

 

 ルーミアも一緒に行くと言ってみすちーの屋台へと出発しようとしたその時だった。

 

「あたい達も一緒に行ってもいいか?」

「一緒に食べたいなって」

「うん、いいよー」

 

 チルノと大妖精だ。さっきの戦いからかなり切り替えが早い。

 という訳でミスティアの屋台にはこの6人で向かうことになった。




 はい!第15話終了

 黒葉対チルノ。

 他の小説だとチルノは弱く書かれている事が多く、この小説でも同じなのですが、それよりも黒葉が弱かったようですね。

 それでは!

 さようなら
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