【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 今年は閏年なので、今回が今月最後の投稿になりますね。



 それでは前回のあらすじ

 天音の件が解決し、天音が仲間となり、天魔との戦いが再開した。

 天音のおかげで天魔武器を破壊することに成功したが、単純にフィジカルが強い天魔になかなかダメージを与えることが出来ない。

 だが、黒葉がついに時間差攻撃によってダメージを与えることに成功した。



 それではどうぞ!


第154話 最悪な状況

side黒葉

 

 俺の斬撃が天魔の皮膚を焼いた。

 確かに当たった。正面から当たって天魔を斬った。

 

 だというのに、俺の攻撃は少しだけ天魔の皮膚を焼いただけで切り傷は一切つかなかったみたいだ。

 やっぱり俺の攻撃力では天魔にダメージを与えるには至らないんだ。この中で単体で唯一ダメージを与えられる可能性があるのは威迅ただ一人。

 威迅が倒せるその時まで俺と茉衣、天音で援護する、それが今の最善手だ。

 

「っ!」

 

 その時、天魔は斬られた右腕とは逆の手、左腕を天へとかざした。

 あれは見たことがある。確か俺が気を失う前にあれを見たはずだ。

 確か俺はあれにやられるみんなを見て我を失ったんだ。つまり、この予備動作はあれが来る。落雷が来る。

 

「《雷鳴轟》」

 

 空に浮かぶ雷雲がごろごろという音を鳴らして威嚇して来るのを見て俺は慌てて地面を蹴って回避しようとする。

 ちらっと様子を見てみればほかのみんなも回避動作を取っていた。

 雷と言えども直撃範囲は狭いはずだ。周囲にはしびれがあったりはするかもしれないが、直撃するよりかはましだ。

 

 だが、しかし俺の考えは外れてしまった。

 

「がぁぁぁぁっ!?」

 

 俺はその場から確実に離れたはずだった。

 だが、回避したはずの俺の所へピンポイントで落雷が直撃し、一瞬意識を飛ばしてしまった。

 もし俺が妖怪化していなかったら間違いなくここで退場することになっていただろう。

 一瞬意識を飛ばしてしまったことでフラフラしてしまったが、なんとか体勢を立て直して周囲へと視線を向けてみる。

 

「え」

 

 そこで俺の視界に入った光景は、威迅以外の2人が地面に倒れているという物だった。

 全員俺と同じように落雷の直撃を受けてしまったのだろう。

 精神力が強くて鍛えられている威迅は耐えていたが、茉衣と天音は倒れていた。

 何とか辛うじて2人共意識はあるようだが、痺れて動けない様子。あれではまともに動けないし、霊力だって上手く操作出来ないだろう。

 

 あの雷を甘く見ていた。

 天魔はどうやらあの落雷地点を自由自在に操り、俺たちの動きを先読みして当てることができるらしい。

 ただでさえフィジカルが化け物なのに能力まで使いこなしてるなんてどう倒せばいいんだよ。

 

 それよりも、この状況はかなりまずい。

 天音のおかげで天魔の剣を封印することに成功したが、天音が倒れてしまった今、天魔の剣が復活してしまう。

 そうなると2人を守りながら俺たち2人で戦うのは非常にキツイ。

 

「お前たちはよく頑張った。だが、ここまでだ」

 

 威迅もずっと戦いっぱなしで体力ももう底を尽きてきている。

 俺も俺でダメージが酷い。

 正直、今立っているのでも精一杯だったりする。

 

「ぬかせ……勝つのは俺だ!」

 

 威迅はまだ諦めていない。勝つつもりでいる。

 威迅の本気はこんなものでは無いはずだ。今威迅は無意識のうちにセーブして戦っているんだ。

 それを何とか解放することが出来れば互角くらいには持って行けるかもしれない。

 

 妖怪化してから今までよりも霊力がはっきりと感じられるようになった。

 そして相手の強さというのも霊力を感じ取ることで何となくわかるようになった。

 威迅の内に眠る霊力はもっと荒々しく、大きく、強い。

 これを解放できなきゃ勝ち目はない。

 

「威迅!」

「だぁっ!」

 

 俺がその事を話そうとして声をかけるが、威迅はそんな俺の声に気がつくことなく天魔に突撃して行ってしまった。

 ダメだ、今の威迅は冷静さを欠いている。天魔を倒すことに必死になっている。

 今どれだけ声をかけようとも威迅に届くことは無い。

 

「てめえのその鋼鉄の筋肉鎧ごとぶった切ってやるよ!」

「やるしかない! 《炎天双画》」

 

 覚悟を決めて俺も俺で双剣で天魔へと攻撃を仕掛ける。

 威迅も双剣を使っているため、俺たち2人の攻撃を合わせたら天魔の攻撃を弾くことが出来るかもしれない。

 だが、天魔の構えは今までで見たことが無いもので、嫌な予感が過ぎってしまった。

 

「《雷神剣――」

 

 両手で大剣を構え、そして完全に体の真後ろに大剣が隠れてしまうほどに振りかぶっている。

 しかも、その背中からは淡く白い光が漏れてきていて――

 

「っ! 躱せ!」

「――(ごく)》」

 

 威迅が叫んだが時すでに遅し。

 放たれた2()()()()()は俺と威迅の双剣をいとも容易くぶっ飛ばし、2人同時に剣の直撃を受けてしまった。

 軽く意識を飛ばされてしまいそうな一撃。

 

 少し考えてみれば分かりそうなことだった。

 俺たちが双剣を使えるのにそんな俺たちよりも強い天魔が使えないわけがなかった。

 この敗因はその可能性を無意識の内に除外してしまっていたことだ。

 

 そのまま俺と威迅は意識が飛んでしまいそうなのを必死に堪え、瓦礫や木々を吹き飛ばしながら周囲の森の中へと散り散りにぶっ飛ばされてしまった。

 

 俺と威迅が負けてしまったことで完全に天魔はがら空き状態。

 あの場に残してしまった茉衣と天音も次期にやられてしまう。

 

 何度も何度も木々に激突することで何度か意識を飛ばしそうになってしまったが、幸いなことにまだ意識は保っている。

 何とか俺はスピードが緩んできたところで受身をとって留まることに成功した。

 だが、ダメージが酷い。

 あらゆる骨がバキバキになっているのがわかる。

 血も止まらない。

 

 折角生き残ったというのにここで天魔の元へと向かったら確実に死ぬって言うのはわかる。

 だけど、まだ俺は生きている。

 里を守るためにはもう一度天魔の所へ行かなくちゃいけないんだ。

 

 足を引きずりながらでも俺は天魔の所へ行こうと歩みを進めるが、そこで俺の進行方向に1人の人影が見えることに気がついた。

 そしてそいつも俺の事に気がついているようだ。

 

「太陽、どうしたんだい。そんなにボロボロになって……苦しそうだね? お父さんにやられたのかな? 可哀想に。すぐに楽にしてあげるよ」

「最悪だ……」

 

 そう、天に吐くしか出来ない状況に出くわしてしまった。

 俺の目の前に現れたのは月刃。

 師匠ですら勝つことが難しいほどの強敵。しかも今のボロボロの状態で万全状態の月刃に出くわしてしまった。

 多分、俺は天魔の所にはもう戻れない。ここが俺の墓場になるからだ。




 はい!第154話終了

 最悪の状態で月刃とエンカウントしてしまった黒葉。

 果たして黒葉は月刃を相手に生き残ることが出来るのでしょうか?

 そして茉衣と天音の運命は?

 ほかのメンバーの動向も気になるところですよね。

 そしてここからついに月刃戦が本格的に始まる感じです。

 あと、同じく黒葉と共にぶっ飛ばされた威迅のことも気になりますよね。

 ここら辺はお楽しみに!

 それでは!

 さようなら
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