【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 はい、3周年2話目です!



 それでは前回のあらすじ

 烈夏、雪姫、天音VS天魔。

 烈夏と天魔の戦いは激しく、一瞬のミスが命取りになる。

 だが、烈夏たちは《雷鳴轟》を食らってしまい、動けなくなる。

 そこで天魔は烈夏にとどめを刺そうとするが、そこへ黒葉が助けに入った。

 さぁ、戦いはここからだ。



 それではどうぞ!


第169話 氷炎

side黒葉

 

 なんとか間一髪の所で来れたみたいだ。あと1歩遅かったら全滅していただろう。

 走っていたら間に合わなかった。威迅には感謝だな。

 父さんは俺が時間を稼いだから立てるようになったけど、母さんと天音はまだ動けないみたいだ。

 

 っていうか、全く説明を受けてないからこっちの状況が全く分からないんだけど、このメンバーで天魔を倒せってこと?

 ……キツくね?

 

「太陽、わざわざ俺に殺されに来たのか」

「いや、殺されるのは御免なんだけど」

 

 でも、どれだけキツくても負けるわけにはいかない。負けたらこの里は滅ぼされてしまう。俺の、姉ちゃんの、大切な人たちの居場所も、人々も全てが蹂躙しつくされてしまう。

 今ここで天魔を倒さなければこの里に未来はない。

 

 幸い、今の俺の体力は師匠が持ってきてくれた薬のおかげでぶっ飛ばされる前よりも体力は回復している。

 とりあえず天音と母さんが復活するまでの時間を稼げば天音が天魔の剣を破壊して母さんと父さんの連携で天魔を何とかしてくれるはず。俺はそのサポートだ。

 集中しろ。敵を恐れるな。

 

 天魔の気迫に圧されて膝が震えてしまうものの、膝を叩いて何とか落ち着かせる。

 

「黒葉、行けるか?」

「行けるよ」

「まさかこうして黒葉と一緒に戦う日が来るとは思ってもいなかったな」

「うん、俺も」

 

 父さんが知っている俺は姉貴たちと出会う前の弱かった俺だ。あの頃の俺はただ守られるだけの存在で、自分のことを守ることすらできないほどだった。

 でも、今の俺はあのころとは違う。

 せめて足を引っ張らないくらいには戦って見せる。

 

 みんなの協力があったとはいえ、俺はゲンを倒せるくらいに強くなったんだ。

 

「死ぬ覚悟はできたか」

「出来てねぇよ」

「出来てないね」

「そうか、なら死ね」

 

 返答を無視して大剣を構える天魔、そして同時に俺と父さんも刀を構えた。

 天魔の攻撃力は凄まじく高いため、まともに押し合っていたんじゃ俺に勝ち目はない。だから絶対に力比べにならないように立ち回るだけだ。

 

 父さんが天魔に突っ込んでいくと俺も一瞬遅れて天魔へと突撃していく。

 真正面から父さんが突っ込んで俺は回り込んで絶対に天魔の攻撃と押し合わないように動く。

 

「《雷神剣・地》」

「豪剣《地割》」

 

 天魔の振り下ろしの攻撃と父さんの横凪の攻撃がぶつかり合い、2つの攻撃は競って押し合う。その隙に俺は天魔の背後へと回り込む。

 

「《日輪一閃(プロミネンス)》」

 

 炎をまとった俺の一閃。だが、この一撃は当然のように天魔の霊力の鎧によって受け止められてしまった。

 父さんに集中している今だったら鎧が無くなっているかもと思っていたが、父さんの相手をしていてなお鎧を保てるほどの余裕があるらしい。

 威迅と共闘していた時も思ったけど、つくづく嫌になる。

 

 瞬間、嫌な予感がした俺は直ぐに天魔から飛び退くと、その直後に俺が元々居た場所へと雷が落ちてきた。

 1つくらいならモーション要らずで雷を落とすことが出来るようだ。これは俺の事は片手間で十分だという天魔の意思表示に他ならない。

 確かに父さんは俺よりもずっと強い。だけど俺は修行をして前よりもずっと強くなったんだ。このまま舐められっぱなしで終わることは出来ない。

 

「もう1度だ。《日輪一閃(プロミネンス)》――っ!」

 

 ズキッ

 もう1度攻撃をしようと居合の構えをした瞬間に足に走る痛み。月刃にやられたダメージがここに来て響いているのだ。

 これは足の筋肉を利用してスピードを出して居合一閃をするという技。これではまともに攻撃することが出来ない。

 

 なら、別の技で!

 

「《炎天双画(えんてんそうが)》」

 

 双剣を発動させた俺は再び天魔に接近しようとするが、それよりも少し早く父さんが弾き飛ばされてしまった。

 だが、さすがは父さん。ダメージは最小限、空中で一回転して簡単に体勢を整えることに成功して着地した。

 

 こうなってしまっては俺が1人闇雲に突撃してもやられるだけなので、一旦技を解除することにした。

 

 俺たちの攻撃は不発に終わってしまったが、これで少し時間を稼ぐことが出来た。

 天魔は続けて俺たちに攻撃しようと大剣を振りかぶったが、もうそろそろ――

 

「"壊れろ"」

 

 その声が聞こえて来ると天魔の剣は粉々に砕け散った。

 目だけちらっと向けてみると、母さんと天音が立ち上がっていた。時間稼ぎは成功したらしい。

 2人が復活したら武器は破壊できるし、母さんの能力があれば父さんの攻撃力が上がる。

 

 さすがに俺と父さんの2人がかりだったらタメが必要な複数の雷撃は使えないだろう。

 

「《氷結剣(アイスエンチャント)》」

 

 父さんは母さんの冷気を、俺は炎を刀に纏わせて突撃する。

 天魔の武器は破壊した。でも油断してはダメだ。天魔は素手でもかなり強い。

 集中しろ、注意深く天魔の動きを観察し、どう動くか予測するんだ。

 

 注意深く天魔を観察、すると天魔の左腕の筋肉がピクリと動いたような気がした。

 違和感。これは無視してはダメだ。

 恐らくこれは――

 

「左からパンチ来る!」

 

 俺の突然の言葉に父さんはびっくりしたようだったけど、直ぐに反応して回避動作を取った。

 するとやはり左拳が俺たちへ降り注いで来たため、回避することが出来た。

 

 そしてこれによって俺も父さんも天魔の懐に入り込むことに成功した。

 回避手段は無い。俺たちの間合い。

 

豪剣・奥義/反転(ごうけん・おうぎ)黒の慈愛(くろのじあい)》」

「《炎天双画(えんてんそうが)》」

「ぐおーーーーーっ!」

 

 俺の双剣と父さんの赤黒いスパークを纏って叩き斬る攻撃が同時に炸裂した。

 天魔はどうやら何とか霊力の鎧を纏わせたみたいだが、それだけでは足りない。

 俺たちの剣は天魔の胸にでかいバツ印の傷をつけ、ぶっ飛ばした。さすがにこれなら天魔でもタダでは済まないだろう。

 これで体力はかなり削れたんじゃないだろうか。

 

「はぁ……はぁ……」

「く、はぁ……」

 

 いや、これは願望だ。

 俺たちの残り体力的に今ので削れてなかったら絶望。俺たちの勝機はかなり少なくなってしまう。

 刀を杖代わりにして肩で呼吸をする俺と、俺ほどでは無いがかなりの消耗が見られる父さん。

 

 祈るように天魔のことを見ていると、ぶっ飛ばされて地面に倒れた天魔はゆっくりと立ち上がった。

 体には今までの戦いで着いた大量の傷があり、ずっと戦いっぱなしになっているだろうに、その姿からは全くの疲れが見えなかった。

 

 正しく絶望だった。




 はい!第169話終了

 まだ倒れない天魔。

 地味に玲音や月刃と違って天魔ってこの里に来てからずっと戦い続けてるんですよね。

 体力が凄まじいです。

 あ、次回は烈夏視点です。

 それでは!

 さようなら
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