それでは前回のあらすじ
ルーミア達と楽しく屋台で食事を摂る黒葉達。
そんな楽しい時間はあっという間に過ぎ、下校時刻に。
そして帰っている時に黒葉の前に妖怪に襲われてボロボロの少女がやってくる。
黒葉は焦っていると、真上から突然弾幕の雨が。
黒葉は一体どうなってしまうのか?
それではどうぞ!
side黒葉
おいおい、マジかよ。
俺は必死の思いで間一髪のところで回避する。だが、目の前の妖怪は降ってくる弾幕を一切回避することは出来ずにやられていた。
「その子を解放しなさい吸血鬼!」
「あ?」
空を見てみるとそこには見た事のある姿があった。
あれは新聞でしか見た事がなかったけど、本物をこの目で見ると迫力が違う。
「は、博麗様」
「そうよ、私は博麗霊夢。ぶっ飛ばされたくなかったらその子を解放しなさい」
「ち、違う。俺はこの子に危害は加えていない」
「妖怪の言葉が信用できるかしら?」
あ、そうだった。今の俺は妖怪だった。
今日ほど妖怪である自分が恨めしいと思ったことは無い。
博麗の巫女である博麗様は妖怪を倒さないといけない。だからきっと博麗様は俺の事を見逃すことは無いだろう。
そう考えて諦めようとしたその時、
「待ちなさい霊夢」
「ち、面倒なのが来たわね。あれ、あんたの仲間か何かかしら」
この声は――レミリア。
霊夢が俺に攻撃しようとしているところで俺と霊夢の間に割り込んできた。
「そうね、私の大事な弟よ」
「そう……だけど、その子に危害を加えたのは許さないわよ」
「霊夢、早とちりはやめなさい。黒葉は何もしていないわ」
「……身内からの言葉なんて信用出来ないわ」
ダメだ。レミリアの言葉すらも博麗様には届いていない。何がなんでも俺の事を退治する気だ。
前聞いた話だとレミリアは博麗様に近い実力を持っているものの、博麗様に敵うほどの実力じゃないという。このままじゃ俺たち二人ともやられてしまう。
「姉貴、逃げろ」
「何言ってるのよ。お姉ちゃんが弟を置いて逃げるわけないでしょ?」
その時、不覚にもレミリアの姿と姉ちゃんの姿を重ねてしまった。
レミリアはあの時の姉ちゃんと同じように命を賭けてでも助けようとしてくれている。
レミリアは妖怪だ。俺の憎んでいる妖怪だ。だけど、レミリアはこんなにも俺に尽くしてくれているじゃないか。
何を考えているんだ俺は。
レミリアは知っている。俺がレミリアを殺すために努力をしていると。それを知っている上で俺を良くしてくれたり、修行に付き合ってくれたり、俺が困っていると助けてくれた。
「霊夢、お願い。信じて私の言葉を」
「あんたらの言葉なんて信じれるわけないでしょ? あんたらも一度異変を起こした側でしょう」
「そ、それを言われると痛いのだけど」
このままじゃ二人ともやられる。
俺としては妖怪であるレミリアがどうなろうと知ったこっちゃない。強いていえば修行をつけてくれる相手が居なくなって大変になるくらいだ。
だけど、そんな俺の心にある一つの感情が芽生えた。
――助けたい。
レミリアを助けたい。あの時、姉ちゃんに抱いた感情と全く同じものを抱いたのだ。
その事に俺自信、ビックリしてしまった。
博麗様がお祓い棒を構える。だが、レミリアはそれに対してさすがにマズいと思ったのかグングニルを構えた。
そして博麗様はついに陰陽玉模様の弾幕を放ってきた。
俺の感が告げている。あの弾幕からは逃れられない。
「神槍《スピア・ザ・グングニル》」
レミリアがグングニルを放った。
それは博麗様の弾幕とぶつかり合って押し合うものの、徐々に押されてきている。
やはりレミリアの力じゃ博麗様に勝つことは出来ない。
その時、俺に勇気が湧いてきた。
俺は姉ちゃんを、冬夏白愛を救うことが出来なかった。だけど、今度は失わない。
大切な姉貴を、また目の前で失ってたまるものかよ!
そう考えた時には既に刀に手をかけていた。
その瞬間、刀が燃え上がり始めた。
「燃えろぉぉぉぉぉぉっ!」
「黒葉っ!?」
俺は無我夢中にその燃え盛る刀を弾幕に向かって振るった。
すると、弾幕は俺の刀によって一刀両断され、消滅した。そしてその弾幕を斬った俺の刀はボロボロになってしまって灰となって消え去ってしまった。
「な、何よその力」
「黒葉、今のは?」
「姉貴、もう力が出ねぇわ」
俺はその場に倒れ込んでしまった。
この夜になりきっていない状態で力を使いすぎてしまったのかもしれない。もう指一本たりとも動かすことが出来ない。
「ち、」
舌打ちしながらも、俺が弾幕を斬ったことによって飛んできたグングニルを回避する博麗様。
「なら、今度はこれでどう?」
そう言うと博麗様はさっきよりも大きい弾幕を作り出した。
はは、冗談がきつい。こっちはもう一ミリたりとも動けねえって言うのに……。
もうダメか。そう思った時の事だった。
「おい霊夢!」
新たな人物の声がした。
その声のした方向を見て俺はびっくりした。
金髪で魔女の格好をした女の子。俺はこの人のことを知っている。
なにせ、昔良くこの人に遊んでもらっていたからだ。
「魔理沙、さん」
「黒葉、お前の事情は聞いたぜ。辛かったな。だけど今回はお前の大勝利だ。私が来るまで時間を稼ぐことが出来たんだからな。大切な家族は今度はお前が守ったんだぞ」
「俺が……守った……」
その言葉を聞いて安心したのだろうか。俺は急に力が抜けてしまってそのまま気を失ってしまった。
はい!第17話終了
実は昔、黒葉と魔理沙はあったことがありました。
その事は次回明かされます。
あの炎は言ってしまえば黒葉の能力ですね。
身の危険を感じて無意識に発動しています。そして今回のはレミリアを助けたいという強い思いに反応して発動しました。
黒葉も変わってきてますね。
それでは!
さようなら