【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ついに己喰い(マイイーター)で託された力を顕現させた黒葉。

 才能全てを受け継いだとはいえ、体の構造が変わった訳では無いため、苦戦を強いられる。

 それでも互角の戦いではあったものの、最後の最後で押し負け、川の中へ叩き落とされてしまったのだった。



 それではどうぞ!


第174話 最強のヒロイン

side三人称

 

 冬夏黒葉が敗北した。

 残る戦える人物はこの場には雪姫と天音しか居ないが、2人ともサポートタイプの上、天音は今日はもう能力を使えない。

 それ即ち天魔組との戦いに敗北したことを意味していた。

 

 もう戦える人は残されていない。

 残された人はもう蹂躙されることを待つのみとなってしまった。

 

「この化け物……」

 

 天魔はこれ程連戦をしていたというのに大きく体力が減ってしまった様子がない。

 烈夏、威迅、黒葉、茉衣の4人が全力で攻撃していたのにも関わらずだ。

 霊力もまだ残っている。残っている人々を蹂躙するには十分すぎるほどの力だった。

 

(あぁ……やっぱり勝てなかったかぁ……でも、お兄ちゃんに再会出来たんだから悔いは無いかな。いや、でももう少しお兄ちゃんと一緒に過ごしたかった)

(くそ、動け、動けよ俺の体!)

 

 天音は諦め、烈夏は意識があるというのに体がボロボロ過ぎて動けないことに悔しがる。

 もう運命は変えられない。

 天魔の侵攻を止められる人はもうどこにも居ないのだ。

 

「随分頑張ったようだが、もう終わりだ」

 

 大剣を上に構える天魔。

 あれは1番破壊力が高い《雷神剣・地》の構え、しかも双剣を発動していた。

 あんなものを地面に叩きつけられた日には里は割れ、衝撃波で何もかもが粉々に吹き飛ぶことであろう。

 

 終わりだ。

 雪姫も天音も諦めてしまった。仕方がないのだ。この状況であれば誰でもそう思う。

 でも、終わりが来ることは無かった。――この幻想郷には最強のヒロインが居るから。

 

「《雷神剣・地》」

「やんちゃするには少々歳をとり過ぎじゃないかしら? おじさん」

 

 ズダン!

 雷神剣が振り下ろされると同時に響き渡った轟音。だが、それは決して地面に直撃したり、里が破壊された音という訳では無かった。

 天魔が剣を振り下ろした箇所には大きなクレーターが出来上がっており、その中心には天魔の大剣を片手で受け止めている人影が存在していた。

 

「霊夢っ!」

 

 そう、その人物とは博麗霊夢。最強とすら謳われる人物が今ここで天魔の剣を受け止めて見せたのだ。

 天魔が剣に力を込めることでさらに霊夢の立っている地面は陥没し、クレーターが大きくなっていくが、霊夢がその体勢を崩すことは無い。

 

「霊符《夢想封印》」

 

 受け止めながら放たれた《夢想封印》を回避するため、天魔は剣を手放し、その場から退避するものの、これは追尾式の弾幕。

 回避しようと思って回避出来る代物では無い。

 なので距離を取った天魔は再び剣を作り出し、薙ぎ払うことによって《夢想封印》を相殺して見せた。

 その頃には既に霊夢は天魔の眼前へと迫ってきていた。

 

「ぐっ!」

 

 霊夢が放った蹴り、それは霊力を纏い、岩程度なら簡単に粉砕できるほどの威力があった。

 もちろん霊力を纏って防御をしていた天魔でも全てのダメージを殺し切ることなど不可能で、蹴り飛ばされる。

 

「はぁ、私も暇じゃないのよね。だから、こんなところで変な事件を起こされるととても困るのよ。おじさん、ここは引いてくれないかしら?」

「それは出来ない相談だ。必ずこの世から鍛冶屋を全て消す! 《雷鳴轟》」

「そう、なら私はおじさんを敵とみなして退治する! 《夢想天生(むそうてんせい)》」

 

 天魔の落雷に対して微動だにせずに迎え撃つ霊夢。

 動かなければ普通は落雷を受けて動けなくなってしまうものなのだが、これが霊夢の力の真骨頂。

 霊夢の『主に空を飛ぶ程度の能力』はただ単に空を飛ぶと言うだけでは無い。世界から自分を浮かせることだって可能な正真正銘のチート能力。

 これがあるからこそ博麗の巫女は最強であることが出来る。

 

 そして《夢想天生》はその力を最大限に引き出す世界からも浮く技だ。

 つまり、霊夢に落雷が直撃することはない!

 

「ち、相変わらず厄介な能力だ」

 

 ただし、霊夢がこの世界に顕現するタイミングがほんの少しだけ存在する。

 それは――

 

「はあっ!」

「ここだ!」

 

 霊夢の拳と天魔の拳が激突し、周囲に衝撃波が放たれる。

 霊夢が顕現するタイミングは霊夢自身が攻撃する時。霊夢もずっと浮いたままでは自分でも攻撃をすることが出来なくなってしまう。そのため、《夢想天生》は無意識に攻撃するタイミングに合わせて能力を解除しているのだ。

 

「《雷神剣・極》」

「夢符《二重結界(にじゅうけっかい)》」

 

 天魔の横凪の攻撃に対して結界を作り出して受け止めた霊夢。

 それ即ち、霊夢と天魔の霊力が拮抗していることを示している。いや、霊夢の霊力は天魔のそれを上回っていた。

 

「ぐうっ!」

 

 なんと、天魔が弾き飛ばされたのだ。

 それによってよろめいた所を霊夢は見逃さない。一気に飛び上がり、天魔真上を取ると、そのまま急降下して足を振り下ろす。

 

「がっ」

 

 天魔の脳天に綺麗なかかと落としが決まった。だが、天魔もやられっぱなしでは無い。

 降ってきた霊夢の足をガシッと掴むとそのまま勢いをつけて地面へと叩きつけた。そんな霊夢に対して周囲に居た雷人達が襲いかかる。

 

「霊符《夢想封印》!」

「《雷鳴轟》」

 

 強さ的には《夢想封印》で瞬殺できる程度ではあるが、どうやら《雷人》は消費霊力が少ないらしく、次から次へと生み出される。

 大量の雷人を相手にしながら天魔とも戦わなければ行けない。普通なら無理ゲーの域なのだが、霊夢は普通ではなかった。

 

 迫り来る雷人を弾き飛ばしながら天魔へと攻撃を繰り出す全方位への《夢想封印》。

 方向を限定しなければ技というのは霊力が分散し、威力が出にくくなってしまいがち。それくらいに多方向に向けて霊力を操作するのは難易度が高いのだが、霊夢の全方向への《夢想封印》に関しては威力をそのままに全方向へと放てている。

 

 雷人はそんな攻撃を受けて次々と消滅してしまい、天魔は弾幕を《雷鳴轟》でかき消していく。

 

 そんな中、霊夢は立ち上がると一般人では目で追うことも出来ない速度で天魔へパンチを繰り出すと天魔は掌で受け止めて見せ、今度は天魔がパンチを繰り出すと霊夢が掌で受け止めた。

 天魔の筋骨隆々の肉体と霊夢の華奢な体、筋肉量はどっちの方があるかは明確だったが、霊夢は霊力で自身の身体強化を行っているため、互角に押し合う。

 

「ふっ!」

「ぐっ」

 

 だが、霊夢の方が1枚上手だったようで、この状態から顎へと膝蹴りを当て、天魔を蹴り飛ばして見せた。

 しかし、空中で体勢を立て直した天魔はそのまま雷神剣を構えると王剣を発動した。

 

「《電雷宝刀》!!」

 

 ちょんと足が地面に着いた瞬間、まるで雷でも走ったかのような速度で霊夢へと駆け出した。黒葉と戦った時はまだ本気では無かったのだ。

 

「《夢想天生》」

「無駄だァっ!」

 

 王剣は空間すらも切り裂く技。例え世界から浮こうともそこに存在している限り当たる。

 

 バリバリバリバリと稲妻が迸る音が聞こえ、空間を真っ二つに切り裂いた天魔。

 だが、既にそこに霊夢は存在していなかった。

 霊夢の最強技である《夢想天生》はフェイクだったのだ。

 《夢想天生》を使って本命を隠す。《夢想天生》を使った裏で霊夢は別の技の準備をしていた。

 

「やっぱりおじさんに勝つにはこれくらいしないとダメよね」

 

 霊夢がそう発言した瞬間、周囲の景色がガラリと変わり、まるで宇宙空間にでも居るような景色となった。

 だと言うのに視界では何も無い場所に地面があってそこに立てる。感覚がおかしくなってしまいそうな世界。

 こんな大規模の技、あれしか考えられない。

 

「樹海!」

 

 霊夢の樹海、霊夢の『主に空を飛ぶ程度の能力』が周囲に影響を与えた姿だ。

 樹海に対抗するのに最も有効な手段は樹海だ。しかし、天魔は樹海を使えるものの、樹海技まで使えるほどの力は無かった。

 

「ふぅ……《夢想封印・(インフィニティ)》」

 

 周囲の世界すらも変えてしまう、そんな凄まじい樹海だった。




 はい!第175話終了

 久しぶりに霊夢が登場しましたね。

 天魔戦はこのまま東方キャラが関わらずに終わると思いましたか?

 ちゃんと色々考えているので安心してください。

 仕方ない場合は東宝キャラ無しで進めますが、なるべく東方キャラも交えて話を作っていきますので。

 それでは!

 さようなら
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