【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 実は今日、僕が物書きを初めてから7周年なんです!!

 ということで、今日は3話一気に投稿していきます!

 このあと12:00と19:00にも投稿されるのでお楽しみに!



 それでは前回のあらすじ

 再び白愛の元へ行ってしまった黒葉。

 だが、前回とは違い、心が成長していたため泣きつくことは無かった。

 もう少し話していたいと思っていたところだが、突如としてドラゴンに連れさらわれてしまった黒葉。

 黒葉はドラゴンに状況を無説明で現世へ帰されるのだった。



 それではどうぞ!


第177話 才能

side三人称

 

「《夢想封印・(インフィニティ)》」

 

 それは周囲を霊夢が作り出した特殊な空間に置き換えるというトンデモ技だ。

 視界では空中に浮いているのに、何も無いところにしっかりと地面がある。

 いわゆるプロジェクションマッピングのようなものだ。

 周囲の見た目だけを変化させる。だが、これは立派な結界となっており、中から出ようとしても結界に阻まれて脱出することは不可能。

 

「さすがは歴代最強の博麗の巫女だ」

「さて、ここからが本番よ!」

 

 この空間内では霊夢だけが無重力となり、自由自在に動くことが可能。

 空間ごと攻撃出来るような技がないとそもそもとして霊夢には攻撃不可能で、さらに霊夢の攻撃全てが追尾攻撃となる。

 これこそが博麗の巫女を最強たらしめる所以。

 

 早速霊夢が弾幕を飛ばして仕掛けた。

 さっきまでだったら避ければいいだけなのだが、今回ばかりは回避不可能。

 そのため、天魔は大剣を構え、それに王剣を使用すると、薙ぎ払いと衝撃波によって霊夢が飛ばした弾幕全てを相殺して見せた。

 

 直後、天魔が駆け出した。

 とても巨体だとは思えないほどの機敏な動き。王剣を使える天魔ならばこの状態の霊夢にだってダメージを与えることが出来る。

 だが、天魔が霊夢の元へたどり着いたその時には既にそこに霊夢の姿は無かった。

 

「なっ!」

「こっち!」

 

 天魔は霊夢に完全に背後を取られ、そのまま蹴り飛ばされる。

 天魔も樹海を使って気配探知をすることが出来るが、この場所は霊夢の霊力だらけ。周囲一面から霊夢の気配がするのだ。

 そんな場所で気配探知なんて不可能。背後を取られたら気づくことなんてできない。

 

 この空間は完全に霊夢の独壇場。そう思われたのだが、蹴り飛ばされながらも背後へと振り返った天魔は今度話す手のひらを霊夢へと翳し、そして――

 

「《誘雷(ゆうらい)》」

 

 突如として天魔の手のひらから何本もの雷が放出され、その全てが霊夢を追尾して襲いかかった。

 普通なら回避不可能。この状態からでは《夢想天生》も間に合わない。

 万事休すなこの状況なのだが、霊夢に関してはその常識は当てはまらない。

 天魔に対して油断しない霊夢がこの程度でやられるわけがなかった。

 

 バチンっ!

 

 その音が空間に鳴り響くと、霊夢へと襲いかかっていたはずの雷が全て相殺され、正面から霊夢が天魔へと急接近した。

 その手には陰陽玉の形をした霊力弾が握られており、それを認識した瞬間、天魔は大剣での防御を試みるものの、それは失敗だったと直ぐに認識した。

 

 大剣へと叩きつけられた霊力弾はどんどんとそのエネルギーを増していき、天魔の体の大きさなど優に超えて天魔を巻き込んで飛んで行ってしまったのだ。

 

「かはっ」

 

 ようやく止まって地面に倒れ込んだ天魔だが、その口からは血を吐き出した。

 この空間では霊力による防御は意味をなさない。霊夢の弾幕は相手の霊力をすり抜けて追尾するのだ。

 

 そのため、さっきまでの戦いで多用していた霊力の鎧もこの空間ではまるで役に立たない。

 

 樹海を発動させた霊夢の力は圧倒的だった。

 何とか立ち上がった天魔だったが、先程までの余裕はどこへやら。フラフラとして満身創痍な様子だった。

 ずっと天魔は戦い続けてきたとはいえ、まともなダメージはそこまで多く貰っていないはずだと言うのに、一瞬でこれほどのダメージを霊夢は天魔に与えて見せたのだ。

 

 これが歴代最強と謳われている博麗の巫女の実力。

 

「そういえばさっきあっちの森で月刃が咲夜達にやられているのを見かけたわよ。おじさんの仲間ももうほとんど居ないようだし、このままなら時間の問題ね。だからあとはおじさんだけね」

「月刃が……敗北したのか」

「そうね。まぁ、どんな戦いだったのかは分からないけどね。私はここに来る途中に見かけただけだから。でもまだ息はある様子。でも、あれなら次期に死ぬか、見つかって殺されるかの2択でしょうけど」

 

 霊夢のその言葉を聞いた瞬間、天魔の心臓が大きく跳ね上がった。

 そして天魔の脳内にトラウマが蘇る。

 

 仕事から戻り、家のドアを開けた瞬間の絶望を。妻を殺されて怒りに支配されたあの瞬間を。

 今でも鮮明に思い出せた。

 だんだんと呼吸が浅くなっていく。天魔は激しく動揺していた。

 

 また家族が死ぬ。嫌だ。もう、失いたくない。

 

 ――()()()()

 ――()()()()

 ――霊夢を倒して助けに行けるはずだ。なんせ俺は()()

 

「さて、そろそろ終わりにするわよ」

 

 霊夢が最後の一撃とばかりに最大サイズの霊力弾を上に構えた。

 もう天魔にはあれを回避できるほどの体力は残っていない。そのはずだった。

 だがしかし、既にそこには天魔は存在していなく、霊夢の背後へと一瞬で移動していた。

 

「なっ」

 

 あまりの速さに反応することは出来ずに霊夢は腕に霊力を纏わせて防御の体勢に入るものの、天魔から繰り出される霊力を纏った拳を受けた瞬間、ダメだということを悟った。

 霊夢の防御力を貫通した拳は霊夢の腕の骨にヒビを入れ、そしてそのまま殴り飛ばして見せたのだ。

 

 さっきまでの優位な状況とは真逆のピンチ。

 殴り飛ばしても尚、追撃を加えるため、殴り飛ばしたスピードよりも早く駆け出した天魔は霊夢の飛んでいく方向の先回りをして逆側から膝蹴りをお見舞いした。

 今度のは全く防御していない状態での攻撃。その威力は凄まじく、さすがの霊夢でも一瞬意識を飛ばしてしまいそうになるほどの威力だった。

 

 そのため、ついに霊夢は《夢想封印・∞》を解除してしまった。

 

「至高の領域っ!」

 

 そう、何とこの土壇場で天魔が至高の領域に至ってしまったのだ。しかもこれは烈夏の時のとは違う完全な至高の領域。

 至高の領域に至った者は全ての能力が強くなり、全ての攻撃がほぼ王剣と同じような性質を得ることとなる。そのため、《夢想天生》でも回避は不可能だ。

 

 だが、この至高の領域は戦いを極めた者が必ず入れるというものではなく、基本的に偶然入れるというもの。

 ()()を全て揃えた時に偶然至高の領域に通ずる扉の鍵が開いていたら入れるというものだ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()。今のおじさんはヤバい!)

 

 至高の領域に至った者は今までとは比べ物にならないほどに強くなる。

 それでこそ樹海を使った霊夢が押されてしまうほどに……。

 

「っ!」

「《雷神剣・極》」

 

 またまた目で追えない速度で霊夢へと急接近した天魔は双剣を発動させて大剣を構えた。

 このままではやられる本能的に霊夢は悟った。

 

(あぁ負けそう。これほど本気を出して負けそうだなんて思ったのは久しぶりね)

 

 自身に迫ってくる大剣を前に霊夢は冷静だった。

 死が目の前にある。でも冷静さを欠かないのは霊夢には自信があったから。

 それは死なない自信、負けない自信。自分が、自分こそが最強であるという自信が霊夢を霊夢たらしめている。

 

 至高の領域に入るにはその領域を閉ざしている扉を開け、足を踏み込むしかない。

 そしてその扉の前に立つのも資格が必要。本来なら天魔の立っているステージにはもう誰も踏み込めないはずだった。

 

 だが、相手が悪かった。

 

 霊夢の才能(パワー)はそんなことは関係ないとばかりに、圧倒的に、絶望的なまでにそんな常識をぶっ壊す。

 霊夢の才能は資格など無視して扉の前に到着し、そして鍵のかかっているドアを関係ないとばかりに鍵をぶっ壊して扉をこじ開けるっ!

 

 霊夢は至高の領域に自由に入ることが出来るのだ!

 

「なっ!」

 

 天魔が振った剣、それが霊夢の体を切り裂くことは無かった。

 霊力で強化された足によって剣が蹴り飛ばされていたのだ。




 はい!第176話終了

 霊夢対天魔。

 至高の領域対決ですね。

 至高の領域に踏み込む資格なのですが、『実力があること』『極度の集中状態になること』『誰かを守りたいと思う気持ちがあること』の3つが資格になります。なので純粋悪などは至高の領域には入れないってことですね。
 それとは別にトリガーというものもあるのですが、これは今度作中で紹介します。

 さて、次回は恐らく交互にどちらの話も書くと思います。

 それでは!

 さようなら
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