【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 樹海を発動した霊夢は天魔を圧倒していく。

 防御不可能な攻撃、どこまでも追いかけてくる追尾弾。

 それらの攻撃によってどんどんと天魔を追い詰めていく。

 しかし、天魔は月刃がやられたことを告げられ激怒、守りたいという思いが強くなり、至高の領域に至ってしまった。

 それに対抗すべく、なんと霊夢は自力で至高の領域に至る。

 果たしてこの戦いはどうなってしまうのか?



 それではどうぞ!


第178話 至高対至高

side三人称

 

 剣を蹴り飛ばした直後、霊夢の足が天魔の顎目掛けて振り上げられたが、それを天魔はキャッチして見せた。

 だが、霊夢は空中に浮くことでまだ掴まれていないもう片方の足で天魔の顔面を蹴り飛ばしたのだ。

 

 だが、天魔はお返しとばかりに霊夢を掴んだ手に霊力を込め始める。

 

「《雷掌(らいしょう)》」

 

 天魔は手のひらに雷を纏わせて霊夢の体に雷を放出する。しかし、霊夢は苦痛の表情を浮べるものの、決して声は出すことはなく、それどころか手のひらに陰陽玉を作り出すと、それを勢いつけて天魔の胴体に投げつけた。

 至近距離だ。天魔は陰陽玉を回避することは出来ずに直撃、爆発した衝撃で霊夢を離したことで霊夢は開放された。

 

 少し霊夢は驚いていた。

 至高の領域に入る前の実力は霊夢の方が圧倒的に上だった。だけど、お互いに至高の領域に入っただけでこれほどまでに実力差が縮まるものなのだろうかと。

 そう驚いた。驚きはしたものの、依然として実力は霊夢の方が上。冷静に対処すればこの程度敵では無い。

 

「はぁ……はぁ……霊華の時も思ったが、博麗の巫女と言うやつは同じ人間とは思えないな」

「こんなのが同じ人間で悪かったわね!」

 

 言い終わると同時に振り抜かれた拳は互いに衝突し、衝撃波を生んだ。

 至高の領域同士の戦いにはもう誰も割って入ることは出来ない。

 

 この場にいる者で2人の工房をしっかりと認識出来ているのは視力が凄まじい天音ただ1人だった。

 殴り防御され殴られ防御し、剣と陰陽玉をぶつけ合う。

 だが、こんな攻防をしていたら体力の消耗が激しいだろう。2人ともなるべく早く決着をつけるために思考を巡らせていた。

 

 下手な攻撃を仕掛ければ今の天魔なら、今の霊夢なら完璧に防ぎ、カウンターを決めてくる。

 そのため、勝負に出れずに居た。

 

「たぁっ!」

「ぐっ!」

 

 ついに霊夢が天魔の腹を蹴り飛ばし、ぶっ飛ばすことに成功、追撃をするために宙を飛んで最接近する霊夢だったが、接近する頃には天魔はもう空中で体勢を立て直していた。

 

「ふんっ!」

「かっ!」

 

 そんな接近してきた霊夢を天魔は両の拳を合わせて叩き落とし、霊夢を地面に叩きつけた。

 そして今日そのまま拳を叩きつけようと剣を地面に刺して踏みとどまると、勢いのまま拳を振り下ろすが、霊夢が瞬時に転がって回避したことで天魔は地面を殴ることなった。

 

(強いっ! これはあれを使わないとダメかしら)

 

 霊夢にはまだもう1つの力があった。だが、あまりそれに頼ることはしたくはなかったのだ。

 だから力をセーブしていた。

 でも、そんなことは言ってられる状況じゃ無くなってきたことは事実。

 そろそろ使わなければ体力切れになる。そう思っていた矢先のことだった。

 

 再び攻撃を仕掛けようと駆け出した霊夢だったが、瞬間に足がもつれ、足が止まってしまった。

 

(ま、まずい!)

 

 弾かれるように天魔へと視線を向けた霊夢。

 天魔程の実力者がこんなチャンスを見逃してくれるはずがない。

 空中へと飛び上がった天魔は全身に雷の鎧のようなものを纏っており、その姿はまるで雷神の如し。

 全てを切り裂く稲妻がここに爆誕した。

 

 ――狂獣技(ビースト)【雷神】――

 

「《雷神剣・(ぜつ)》」

 

 至高の領域と狂獣技の合わせ技。天魔の最終奥義とも呼べる技がそこにあった。

 持っている剣も超巨大化しており、回避など不可能。

 受け切るしか方法はなかった。

 

 今のこの場を救えるかもしれない唯一の方法。

 

「やるしかない、狂獣技っ! ――なっ」

 

 その瞬間、背後から凄まじい霊力の昂りを感じた霊夢はその力の発動を中止して背後へと振り返った。

 するとそこには巨大な炎の龍が居た。

 


 

 黒葉が目を覚ました瞬間、ルーミアは弾かれるように黒葉から距離を取った。

 なんだかぼーっとしているような気がする様子だが、黒葉は息を吹き返したのだ。

 

「黒葉、自分のこと分かる?」

「……冬夏黒葉。そうか、ルーミアとフランドールが助けてくれたのか」

 

 ぼーっとしている様子なのはきっと生死の境をさ迷っていたからだろう。

 ともあれ、ルーミアとフランの2人は黒葉が目を覚ました安堵感から涙を零してしまった。

 

「良かったぁ……」

「ありがとう。んじゃ、行ってくる」

 

 ようやく本調子に戻った黒葉は周囲の状況を見渡して立ち上がった。

 天魔に敗北したことを思い出し、リベンジに行こうとしているのだ。

 しかし、黒葉のダメージは酷い。誰がどう見ても今の状態では敵わないことは明白。だと言うのに戦場へと出ようとする黒葉の手をルーミアは掴んで引き止めた。

 

「ルーミア?」

「ねぇ、黒葉。提案があるんだけどさ……一緒に逃げよ?」

「……」

 

 もう黒葉が傷つく姿を見たくなかった。その一心で放った言葉だった。

 もちろんルーミアだってこの里がどうなってもいいという気持ちで言ったわけじゃない。

 でも、それでもルーミアはもう黒葉に戦いに行って欲しくはなかった。

 

「黒葉じゃ勝てないよ。あれは化け物だから……もう、傷ついて欲しくないっ」

「ルーミア……」

「すき、大好き……だから、ずっと側にいてよ。死なないでよ。もうどこにも行かないでよ」

 

 切実な言葉だった。

 その言葉が黒葉をどれだけ困らせるか、それを理解した上で言った。

 こう言えば黒葉は戦いに行きづらくなる。それをわかった上で放った卑怯な言葉。

 黒葉が戦いに行けばまず間違いなく命を落とすことになる。それは死にに行くのと一緒だ。

 

「ルーミア、俺は行かなきゃダメなんだ」

「っ! なんで、どうして! 黒葉が行かなくたって……」

「天魔との因縁にケリつける。あの人の怨念は俺たちが原因だから。銀河家の問題だから」

「でも、今は冬夏だし、紅魔館のメンバーだよ! もうそんな荷物を下ろしても」

「……悪い。どうしても行かなきゃダメなんだ。行って、そしてぶん殴らなきゃダメなんだよ。あの硬い頭に愛のこもった1発を」

「黒葉!」

 

 瞬間、黒葉はルーミアの手を振りほどくと駆け出して行ってしまった。

 ルーミアの静止は振り切り、足を止めることなく走り続ける。

 

 ルーミアごめんと心の中でずっと謝り続ける。

 そして誓った。今ここで絶対に天魔を殴り倒すと。

 

 ――狂獣技(ビースト)【獄炎龍・炎帝】――

 

 炎に身を包んだ黒葉は飛び上がり、炎で龍を象ると宙に飛び上がってきた天魔へと一直線。

 黒葉は今自分に出せる最高打点を天魔にぶつけるため、刀を構えて回転し、勢いを利用する。

 

 その一撃は間違いなく過去最高の一撃だった。

 

「《天裂く日炎の剣(サンライズ)》」




 はい!第178話終了

 次回かその次辺り決着だと思います。

 ここまで長かったですね。

 2章もあと少しですよ!

 それでは!

 さようなら
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