それでは前回のあらすじ
霊夢と対峙する黒葉。しかし、黒葉の実力では霊夢には敵わないので、どうにか弁明しようと試みるものの全く霊夢には信じて貰えない。
そこでレミリアが来たものの、結果は同じだった。
霊夢とレミリアは戦うことになったものの、レミリアでは霊夢に勝てない。
その時、黒葉の力が覚醒。レミリアのピンチを救った。
だがまだピンチは続く。
そこへ現れた救世主は――
それではどうぞ!
side黒葉
「ぐ、うぅぅぅ……」
体痛い。動かす度に骨がギシギシと軋んでいる。
そういえば俺は霊力を使い果たして倒れてしまったんだったな。腕も痛い。あれだけの弾幕を斬ったのだ。しかも俺の太刀筋は全くと言っていいほど出来ていない。あんなもの、力ずくで斬ったようなものだ。
あぁ、腕の骨も逝ったかもな。
俺は何とか目を開けて視界を確保した。
一番に飛び込んできたのはいつもの天井。紅魔館の俺の部屋だった。
隣には刀身がボロボロに砕け散ってしまっている俺の刀が置いてある。もうこれは使い物になりそうもない。
「今までありがとう」
今まで俺の戦いに付き合ってくれた感謝を込めて柄しか無くなってしまった刀を撫でる。
「あ、お目覚めになられたのですね」
「咲夜か」
「はい、私はあなたの上司の十六夜 咲夜ですが」
咲夜のその手には水の入った桶があった。
そしてタオルを手首にかけている。恐らくずっと俺の看病をしてくれていたのだろう。
それに続くように二人目の人物が俺の部屋に入ってきた。まぁ、この人の足音は幾度となく聞いたし、足音で誰が来たか判別できるようになったので、直ぐに誰かわかった。
「姉貴、か」
「そうよ、あなたの姉貴よ」
レミリアだ。
良かった。レミリアは無事のようだ。特に目立った怪我もしていない。俺はちゃんとレミリアを助けることが出来たみたいだ。
だが、あの人が居ないと俺もレミリアを助けることは出来なかっただろう。
その時、とんでもない力がこっちに飛んできていることを感じた。
この感覚、昔味わったことのある感覚だ。
「うん、奴が来る」
ドカーン。部屋の壁が弾け飛んだ。
そして部屋の中に誰かが入ってくる。金髪の魔法使いの服を着た女性。
それと、その後ろから呆れながらもゆっくりと入ってくる博麗の巫女。
「魔理沙と博麗様?」
今のは金髪の魔法使い、
いつもの事だ。
昔も待ち合わせをしていたら地面にクレーターができるほどの勢いで飛んできて俺はいつもぶっ飛ばされていた。だからこそ、耐性が出来てしまった。
「あー、暑いなレミリア」
「そうねぇ、まるで焼けるみたいだわ」
俺たちは冷静だった。なにせ、三途の川が見えかけてきていて、走馬灯のようなものが見えているからだ。
魔理沙が壁を破壊したことによって俺たちに直射日光が
当たってしまって燃えているみたい、と言うよりも本当に萌えてしまっていた。
「あ、お嬢様、黒葉!」
慌てた咲夜は急いで桶を置いた。その瞬間、なんと壁が修復され、俺とレミリアに差していた日光が遮られた。
おかげで俺とレミリアは死を免れた。
今回のは本当に死ぬかと思った。
「魔理沙、言ったわよね。黒葉は吸血鬼になったんだからこの壁を破壊するなって」
「悪い悪い」
魔理沙は昔からどこか抜けているところがあるからな。
次もまた忘れて突っ込んでくる可能性は捨てきれない。
そこで博麗様がなんだか申し訳なさそうに俺の目の前にでてきた。
「悪かったわね。あんたを疑ったりなんかして。あの後、魔理沙に説得されてあの女の子にも聞いてみたらあんたは妖怪から庇ってあげてたそうじゃない。だから、その……お詫びと言ってはなんだけど、あれよ。必要になったらすぐに呼びなさい。助けてあげるわ」
「霊夢はこんなに冷たい口調だけど、本当は人一倍反省するタイプなんだぜ。ここに来るまででも『拒絶されて許して貰えなかったらどうしよう』って――もごもご」
「それ以上言ったら本当にぶっ飛ばすわよ」
霊夢が魔理沙の襟を掴んで脅す。
その姿はまるで恫喝しているようにしか見えない。
なるほど、この博麗の巫女は8の着く人だったのか。
「何か言いたそうじゃない。聞いてあげるわ」
「いえ、なんでもありません」
怖い。心でも読めるんじゃないかって位の速度でこっちを振り向いて素敵な笑顔を向けてきた。
あぁ、俺ではこの人には勝てないから期限を損ねないようにしなければ。
確か魔理沙の話だと博麗様は金欠だからお金をあげれば機嫌が直るとか言っていたな。
俺は紅魔館の手伝いをすることで給料と称して小遣いを貰っている。
「博麗様……これをどうぞ」
「なに、お金!?」
少し機嫌悪そうだったものの、お金を見せた瞬間、満面の笑みを見せて瞳をキラキラと輝かせ始めた。
なんだろう、俺の中での博麗様のイメージがどんどんと壊れて行ってしまう。
そんな俺たちのやり取りを聞いていて魔理沙は腹を抱えて笑っていた。
「そういえばあなた達、黒葉と魔理沙は知り合いだったようだけど、あなた達はどんな関係なの?」
唐突にレミリアから質問が飛んできた。
どんな関係……か。
「そうだな。私たちは婚約者なんだぜ」
「……」
魔理沙の発言にこの場が凍りついた。
当然この魔理沙の発言は嘘である。
魔理沙のこういう所は悪い癖だ。いつも通りに便名称としたその時だった。
「黒葉、あんたこれはどういうことよ。あんた達が婚約者ってどういうことよ」
さっきまで金を渡されて機嫌を良くしていた博麗様だが、今度は俺に掴みかかってきた。
やべぇ、今日が俺の命日かもしれない。
今の俺は抵抗できるほどの力が残っていない。
「霊夢、今のは冗談だ冗談」
「え、冗談?」
魔理沙はその様子を見て慌てて訂正すると霊夢は惚けたようになって俺の事を落とす。
痛てぇ。この博麗様、めちゃくちゃ怖いんだけど。
「私と黒葉の関係は昔ちょっと遊び相手になったって感じだな」
「遊び相手?」
「そうだ。昔、キノコ狩りに行っていたらな、こいつが居てさ。こいつもキノコが好きだって言って意気投合してそれからよく遊ぶようになったんだよ。最近は遊んでいなかったけどな」
懐かしいな。あの時は久しぶりに家族全員が集まるからってキノコパーティーでもしようって話になったからたまたま俺がキノコを採取しに行っていた時に魔理沙に鉢合わせたんだ。
そしたら結構話が合ったし、話してて楽しかったから定期的に遊ぶようになった。
「そうだったのね。一時期、魔理沙が遠くの人里まで遊びに行っていた理由がやっと判明したわ」
どうやら霊夢に何も言わずにこっちの人里に来ていたらしく、その事を不思議がっていたようだ。
だが、ようやく全ての誤解が解けて、俺たちは和解できた。
今はただ休もう。少し疲れてしまった。
「お、おい、また寝るのか?」
「寝起きから色々あったものね。ゆっくり寝なさい」
レミリアの優しい言葉を聞きながら俺は意識を手放した。
はい!第18話終了
黒葉と魔理沙はキノコ狩り仲間だったのです。
そして黒葉は最強の味方、霊夢を手にしました。ただ、定期的に友達料を払うことになりそうですが。
黒葉は完全にレミリアに心を開きました。レミリアの声を聞いて安心したようです。
それでは!
さようなら