【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 ついに3章開幕します!

 果たしてどんな話になるのか!



 それでは前回のあらすじ

 黒葉がついに目を覚ました。

 ダメージが大きく、長らく気を失っていた黒葉だが、目が覚めてみるとしっかりと右腕はそこに存在していた。

 どうやら鈴仙が処方した薬のおかげらしい。

 そして黒葉は以前に里を襲ったのはゲンだけでは無いかもしれないということを知ったのだった。



 それではどうぞ!


第3章 運命の分岐点編
第183話 『吹雪』を超える1作


side三人称

 

「はい、どう? 動かしてみて?」

「うん、しっかり動く。あれだけ爆発したのに傷1つ残らずに回復するなんてな」

 

 俺は今、鈴仙さんに包帯を解いてもらって腕を動かしてみていた。

 感覚もちゃんとあり、すごくスムーズに動く。俺の右腕はどうやら完治した様だ。

 だが、左腕の方は失ってから時間が経ちすぎているから直したとしてもミイラのような腕になって動かせもしないし感覚もないというお飾りが出来上がってしまうらしい。

 

 まぁ、別に左腕は治したいとは思わないし、問題ない。

 

「そういえばこの薬ってどんな原理なんですか?」

「あぁ、それはね。細胞分裂の働きを助ける効果があるんですよ。なので欠損したとしてもすぐならくっつけることが出来ますし、壊死したとしてもすぐなら細胞が入れ替わって治すことだってできます」

 

 壊死って細胞分裂で治せるっけ?

 なんかよくわからないけど凄まじい効能だということは伝わった。

 

 目を覚ましてから数日、やっと俺は自由となった。とはいえ、まだ激しい運動は厳禁らしい。

 威迅の回復力は常軌を逸しているらしく、俺よりも早く回復してもう修行をしてもいいくらいらしい。

 父さんも同じく回復が早く、もう鍛冶仕事をしている。あの2人は化け物だな。妖怪より妖怪している可能性がある。

 

 そう言えば目を覚ました翌日からやけにルーミアに避けられてるんだよな。

 フランドールに聞いたら凄まじいスピードでどっかに消えちゃうし。本当にどうなってるのかが分からない。

 やっぱりルーミアの静止を振り切って戦いに出たことを怒っているのか?

 

 鈴仙さんの診察を終え、医療班拠点から出るとそこには威迅が待ち構えていた。

 腰にはしっかりと刀が下げており、険しい表情をしている。

 まずい。

 威迅の家を破壊したのは俺だ。だからもしかすると俺にその報復に来たのではないかと考えて身構えてしまう。

 だが、やったのは俺だ。どんな罰でも甘んじて受け入れよう。

 

「黒葉、その刀を貸せ」

「え? あ、うん」

 

 俺は折れてしまった吹雪を片時も離さず近くに置いていた。そして今も鞘に入れて腰に下げている。

 もう使えないとはいえ、大事な形見なのだ。

 そのため、他人に渡すのは少し気が重いものの、威迅にはなにかの考えがあるのだろうと考えて渡すことにした。

 

「直してやる。俺は『鉄を操る程度の能力』を持っている。この程度なら簡単に直せる」

「待て!」

「っ! ジジイ」

 

 威迅に刀を手渡すとどこからともなく剛志さんが現れて待ったをかけた。

 

「威迅、お前まさかそれを能力で直そうなどと考えてはいないよな?」

「それがどうしたんだよ。早いだろうが」

「やめろ。職人が魂を込めて打った刀には特別な力が宿る」

 

 続けて剛志さんは驚くべきことを言い放った。

 

「それは儂が打った。それによって儂の魂が籠り、冷気を増幅させることが出来るようになった」

「じいさんが?」

 

 それは知らなかった。

 確か俺がこの里に来た頃には既に姉ちゃんは吹雪を持っていたし、どこで手に入れたか、誰が打ったのかとかは全く聞いたことがなかった。

 まさかこんな近くに作者が居たなんて思ってもいなかったけどな。

 

「しかし、お前がそれに能力で手を加えたらそれはもはや職人の魂の籠った刀ではない! その力は失われ、ただのなまくらへと姿を変えるだろう」

 

 剛志さんが姉ちゃんのためだけに打った刀。そのため、この刀を直せるとしたら剛志さんしか居ない。

 だが、剛志さんはもう刀を打つことが厳しい体となってしまっている。もうこの刀を甦らせることは絶望的だ。

 

 今までよく頑張ってくれていた。

 刀が折れてしまったのは俺の力量不足で刀に負担をかけすぎたって言うのが大きいだろう。

 もう諦めよう、そう思っていたのだが、威迅は覚悟を決めたように発言した。

 

「俺が打つ」

「え?」

「俺が新しい刀、この刀をベースに打ってやる! このじいさんにも負けないくらいの傑作、俺が作ってやる! だから2週間待て! 俺だって鍛冶師の家系なんだ。やってやる!」

 

 俺の記憶では威迅は鍛冶師を継ぐのは嫌がっていた。両親もそれに関して困り果てていたのを記憶している。

 分郷家と言えば優秀な鍛冶師の名門一家だ。

 祖父は昔は里一番の鍛冶師と呼ばれていて、両親は里の外に出張に出るほどに大人気引っ張りだこな鍛冶師。

 その家系が途絶えるんじゃないかと言われていたが、ここで次の代に威迅が立候補した。

 

 威迅は『鉄を操る程度の能力』がある。そのため、鉄の扱いに関して右に出る者は居ないだろう。

 間違いなく優秀な鍛冶師になる。

 

「ほう? 言うじゃないか。じゃあ、儂を超えて見せろ」

「あったりまえだ! って訳だから完成次第届ける。だかはお前は待ってろ」

「あ、あぁ、わかった」

 

 すごい剣幕だ。

 でも、威迅がやる気になって良かった。

 

 俺はホッと一安心し、空を見上げる。

 そこには雲一つない一面の青空。先日の豪雨がまるで嘘かのように快晴だ。

 まるで俺たちの戦いの勝利を祝ってくれているかのよう。

 

 里の復興に関しては天音が手伝っているおかげでだいぶ早く進んでいる。

 ここら近辺の家なんかはもう完全に直っていた。あとはこの里の人たちだけでも充分復興可能だろう。

 俺たちの傷も問題ないくらいに回復した。

 

 出発は明日の早朝。

 1週間ちょっと離れただけだけど紅魔館に帰るのは凄まじく久しぶりに感じるな。




 はい!第183話終了

 これで鍛冶師の人里編終了です。

 本編の長さ的には鍛冶師の人里編は圧倒的に長いのですが、実は本編時間軸的には紅魔館で過ごした時間の半分にも満たないんですよね。

 さて、次回は帰還します。

 久しぶりに紅魔館メンバーが登場しますよ!

 それでは!

 さようなら
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