【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 どうにか天空都市『スカイ』に行く方法が無いか模索する黒葉と咲夜。

 『スカイ』の防御を打ち破って乗り込める飛行船が無いか考えてみると、咲夜には1つ心当たりがあった。

 その心当たりの場所に行くため、いざ妖怪の山へ!



 それではどうぞ!


第190話 いざ、妖怪の山へ!

side黒葉

 

 しばらく歩くと俺たちは妖怪の山へたどり着いた。

 すごく大きく、空気も澄んでいていい場所だとは思うんだけど、この山が妖怪の山と言うだけあり、そこかしこから妖力を感じる。

 間違いなく危険地帯だ。

 でも、山道がしっかりと整備されているところを見るに、ここに来る人は居るんだろうけど、一般人にとっては命がいくつあっても足りなさそうな気配がする。

 

 そういえばここって守矢神社があるんだったよな。

 つまりこの山道はそこへ行くための道って言うことか。

 

「黒葉、そう警戒しなくてもいいわよ。この山道を通っている限り、妖怪が襲ってくることは無いから」

「そ、そうか……ん? じゃあ、この山道から外れたらどうなるんだ?」

「………………」

「何か言ってよ!!」

 

 師匠の様子から察することが出来た。

 つまり、この山道から外れた瞬間、リンチされると。

 今も俺たちが山道から出ないかと監視しているような気配が周囲から漂ってきていて気味が悪い。

 

 しかし、こんな山奥に飛行船なんてあるのか?

 そんなものがこんな山中にあったら目立って仕方が無いと思うのだが、それらしきものは未だに見えてこない。

 

「あ、言い忘れていたけど、ここにはそこら中に妖怪がいるわよ」

「今更だよね! 気配で気づいてるよ!」

「妖怪が居るからっていきなり攻撃しないように」

「もうしないよ!」

 

 いや、まぁそれに関しては前までの俺ならやりかねない感じだったから何も言えないんだけど。

 でも、色々な妖怪に出会って良い妖怪も居ることに気がついた。

 だからもう無闇矢鱈に妖怪を敵視することはしない。とはいえ、妖怪に対する恨みが消えた訳では無いんだけどな。

 

「ん? し、師匠〜〜〜っ!?」

 

 そんな話をしながら歩いていたら突然師匠が道を外れて歩き始めた。

 そっちの方には山道は存在しない。つまり、妖怪に襲われ放題だ。

 

 突然の行動に驚いていると、突如真横からドサッと言う何かが落ちる音のようなものが聞こえてきたため、恐る恐る見てみるとそこにはナイフが刺さって倒れた猿型の妖怪が倒れていた。

 間違いない。師匠のナイフだ。

 

 師匠、恐ろしい人だ。

 改めて師匠を怒らせるのはやめておこうと心に誓った。

 


 

 少し歩いた。

 道中、妖怪が襲いかかってきたりはしたものの、師匠の能力で撃退され、それを繰り返しているとさすがに自我の無い妖怪でも本能で師匠の強さを察したのだろう。

 もう襲ってくることは無かった。

 ただ、この妖怪の住処である妖怪の山へ足を踏み入れたのは俺たちの方だ。ちゃんと殺さないようには手加減しているらしい。

 その割には頭にナイフが突き刺さっていたりする訳だが。

 

 それにしても、ここら辺は人の手が加えられていないせいか空気が良い。

 葉の音、川の流れる音が心地良い。

 その川できゅうりが冷やされていた。

 

 ――なんできゅうり?

 

 この人気のない森の中で見ることは無いと思っていた川になびいているネットに入った数本のきゅうり。

 そんな異質な光景が拡がっているというのに師匠は全く気にする様子もなく、まるでそこにあるのが当然かのような態度をしていたため、これは気にしてはいけないことなんだろうなと察して何事も無かったかのように師匠の後を歩く。

 

 だが、直ぐに師匠は立ち止まるといつの間にかその手に持っていた1本のきゅうりを掲げた。

 

「あ! ここに美味しそうなきゅうりが〜」

 

 まるで手に持っているきゅうりを今発見したかのような発言をして猿芝居をする師匠。

 あまりにも棒読みすぎて騙される人が居るのかと俺は初めて師匠にジト目を向けてしまうことになった。

 

 だが、そんな俺の予想とは裏腹にドタドタドタという音が聞こえた次の瞬間、師匠の手に握られていたきゅうりが瞬間的に消失した。

 いや、消失したと言うよりも何か影のようなものが一瞬で奪い去って行った。

 青髪で緑色の巨大なバッグを背負っている少女だった。

 

「きゅ、う、りぃぃぃぃっ!」

 

 俺たちの背後にまで吹っ飛んで行った少女は華麗に着地すると師匠から奪い去ったきゅうりに頬擦りをして恍惚とした表情を浮かべていた。

 うん、ヤバいやつだ。

 彼女からは妖力を感じる。だから間違いなく妖怪なんだろうが、今までの妖怪とは違って俺たちに敵意のようなものは感じられない。

 

 だがそれ以上に関わるべきでは無いのではないかと俺の中の危険信号が真っ赤に染っている。

 

「はっ!」

 

 と、そこでようやく我に返って俺たちが居るということを思い出したのだろう。

 少しずつ離れようとしていたのだが、見つかったのなら仕方がない。

 全力疾走をしようとしたらその前に師匠に襟を掴まれてしまって不発に終わってしまった。

 

「やぁやぁ、お見苦しいところを見せたね」

「問題ないわ。いつもの事だもの」

「はっはっは〜」

 

 師匠の言葉が容赦ねぇ。ここまで容赦ない師匠って初めて見たぞ。

 敵に対してすらここまで冷たくあしらうことは無いというのに。

 

「それにしてもあなたが来るって珍しいね、咲夜さん。およ? そっちには初顔も居るねぇ」

「あ、あはは、冬夏黒葉といいます」

「黒葉君か、いい名前だね! 私は河城(かわしろ)にとりって言うんだ。河童の妖怪さ。よろしく〜」

 

 正直さっきのあれを見たあとだとよろしくしたくないのだが、手を差し出されてしまったため、俺は断ることも出来ずに握手した。

 

「師匠、この人に会いに来たのか?」

「えぇ、まぁ、ちょっと変な人だけど、頼りになるのは確かよ」

 

 にとりに聞こえない程度の小さな声で師匠と話す。

 まぁ、ここまで来て師匠のことを疑うわけじゃないんだけど、本当にこれで飛行船なんて手に入れることが出来るのだろうか。

 

「で、私に何か用?」

「折り入って相談があるのよ」

「ほう? この天才にとりちゃんに相談とは見る目あるね」

「単刀直入に聞くわ。あなたのところに飛行船って無いかしら?」

「あるよ」

 

 即答だった。

 まるでなんてことないみたいにあっけらかんと言う彼女に俺はポカンとしてしまう。

 

「そう、あるのね。なら、お願いがあるのだけど」

「飛行船を貸してって? それは無理だよ」

 

 にとりはこちらが何を言うか察し、師匠の先手を着いて断ってきた。




 はい!第190話終了

 ついににとりが登場しました。

 この作品のにとりは割とおっとりしてるけど、きゅうりとメカが関わると目の色が変わるキャラです。

 それにしてもにとりが飛行船を貸せない訳とは?

 それでは!

 さようなら
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