【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 妖怪の山へとやってきた黒葉と咲夜。

 山の奥へと進んでいき、川辺でキュウリを掲げるとそこに姿を現したのは河城にとりという妖怪だった。

 彼女は「飛行船はあるのか」という問いに対してあると答えたが、貸すことはできないらしい。

 果たしてどういうことなのか?



 それではどうぞ!


第191話 ダメだこいつ、早く何とかしないと

side黒葉

 

「飛行船を貸してって? それは無理だよ」

 

 にとりはこちらが何を言うか察し、師匠の先手を着いて断ってきた。

 俺はあまりにもあっけらかんと飛行船があるというから驚きが追い付いていないというのに我に返る前ににとりが断ったことによって話が終わってしまった。

 だが、断られたというのに師匠は諦められない様子だった。俺ももちろん同じ立場だったら諦められない。俺は反応が全くできていないのが現状なのだが。

 

「理由を、聞いてもいいかしら?」

「うーん、私としてもね、貸してあげたいのはやまやまなんだよ。私は河童だ。河童と人間は昔から盟友だからね。だけど、ダメなんだ」

「その心は?」

「君たち、戦争がしたいのかい?」

「「戦争!?」」

 

 急にそんなことを言われたたため、俺はまたまた驚いてしまった。だが、今回は反応することが出来た。

 さすがに師匠もそんなスケールの話になるとは思っていなかったのだろう。まぁ、これから戦いに行くのだからほとんど変わらない気もしないでもないが、戦争というとさすがに怖気づく。

 にとりはその言葉の通り、貸したいという気持ちはあるようで、大変申し訳なさそうに眉をひそめて困ったような表情を浮かべていた。

 

「私はとんでもないものを作ってしまったんだよ」

「と、とんでもないものとは……」

「戦艦だね。いやー、ちょっと興に乗っちゃってさ、ただただ飛行船を作ろうと思っていたんだけど、いつの間にかその飛行船は武装していた」

 

 そんなことある?

 全力でツッコミを入れたくなってしまった。師匠の顔にも困惑の表情が浮かんでいる。こんな表情の師匠は初めて見た、レアだ。

 普通に飛行船を作ろうとしていたのに気が付いたら武装していた何てことある? 興が乗ったからって武器積むことある?

 やっぱりこの人、ナチュラルにやべー人だ。

 

「だからさ、気軽に貸せるものじゃなくなっちゃったんだよ。申し訳ないねぇ。そうだね、半年ほど待ってくれたら粗造りではあるけど普通の飛行船を作れるけど、どうする?」

 

 そんなに待っていられるわけがない。

 そもそも俺たちは1か月を待てないとしてここまで飛行船を探しに来たんだ。半年なんて論外すぎる。それなら普通に飛行船乗り場から乗って行った方が早くなってしまう。

 だが、そうしたら本当に1か月待つことになってしまう。そうなったら俺たちが着いたころには姉貴がどうなっているかわかったものじゃない。

 

 どうしたらいいんだ……。

 

 俺には思いつきそうにもない。

 だが、師匠は1回考えるような仕草をした後、何かを思いついたのかにとりに向き直った。

 

「むしろいいかもしれないわね」

「師匠?」

「咲夜さん、私は今猛烈に嫌な予感がしているよ」

「私たちが行こうとしているのは天空都市、あそこの防御を打ち破るには確かに普通の宇宙船じゃダメね。条件は攻撃に耐えられて、そしてバリアを破壊できる飛行船。それ、両方とも満たしているんじゃない?」

「いや、ダメだ。何と言われようともダメだ。もしこれを貸し出して君たちが悪さをしたら私の責任になるだろう。それ以前に君、今天空都市のバリアを破壊するって言った? 侵入する気!? ダメに決まっているだろう。それは侵攻行為だ!」

 

 おっしゃっていることはごもっともなんだけど、そんなことも言っていられないんだよな。

 でも、確かににとりの作った飛行船が戦艦クラスなのだとしたら『スカイ』への侵入も果たせるかもしれない。

 普通の飛行船なら撃ち落とされて終わりだ。だから強いのが必要だ。

 となると、確かににとりの飛行船は是が非でもほしい。

 

「はぁ……君たちと話しているのは疲れたよ。私はマシーン制作の続きをしに帰るからね」

「待ちなさい、にとり」

「今度は何?」

「どうしても諦めきれない」

「はぁ……ダメだって言っているだろう」

 

 今度はさっきまでの困ったような表情とは違い、呆れの混じった表情をするにとり。

 

「確かにそれを私たちに貸し出して悪用する危険性はある」

「いや、君たち、悪用する宣言していたじゃないか」

「でも、悪用することは絶対にしないと約束するわ!」

「だから、悪用する気満々だろ! 世界一信用できない約束だ!」

「どうしても信用できないというのなら、あなたが運転したらいい!」

「なに?」

 

 なるほど、これが師匠の交渉術か。

 最初は無理な話を持ち掛けていいところに落とし込む。

 うーん、あまり落とし込めてはいない気がするけど、確かにここら辺が落としどころだろう。俺たちが使うということを危惧しているのだからにとりが自分で運転すれば万事解決。

 だが、問題は――

 

「それ、私にメリット無いだろ」

 

 にとりが協力してくれるかどうかということだった。

 というよりも大前提が悪用なのだからにとりがやる気になるわけがなかった。

 協力してもらうということなのだからリターンを用意する必要がある。師匠だからそこら辺も考えてはいたのだろう。

 メリットがないというにとりに対して師匠は告げる。

 

「私たちに協力したら天空都市の技術が手に入るかもしれないわよ」

「っ!」

「確か天空都市ってすごい技術力って噂よ。それが手に入るかもしれない。どうかしら?」

「………………いやいや」

 

 あ、なんか行けそう。めっちゃ悩んだっぽい。

 だが、もう一押し足りないようだ。

 

「飛行船を使うのだとしたら私は近くで飛行船を見張らないといけない。技術力を見ている暇なんてないよ。それだったら私は自分で正規ルートで行って来るね」

 

 うん、正論。

 

「なら、私にいい考えがある」

「ほう?」

「私たちは天空都市に着いたらとあることについて調査をすることになる。だからそれと同時並行で私が天空都市の技術についてレポートしてそれをお土産にプレゼントするわ」

「な、ななな、な!」

「どう、かしら?」

 

 師匠が感触を確認するように言う。

 だが、それでも結局は正規ルートで自分で見に行った方がいいのではと思ってしまうのだが、これって交渉材料として合っているのか?

 俺はいぶかしんでしまうが、その後のにとりの反応を見て呆れるのは俺の方だった。

 

「なんて素敵なアイディアだ、それで行こう!」

 

 ダメだこいつ。

 それが俺がにとりに抱いた感想だった。




 はい!第191話終了

 まぁにとりですからね。仕方がないね。

 ですが、これで一件落着。

 黒葉は腑に落ちない様子ですが、これで飛行船を手に入れることが出来るのでよしとしましょう!

 さて、次回はにとりの工房に入って飛行船とご対面です。

 それでは!

 さようなら
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