【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 にとりに飛行船を借りれないかと交渉するも、決裂。

 なんとか咲夜は貸してもらえるように案を提示する。

 するとにとり自身が飛行船を操縦し、咲夜が『スカイ』の技術レポートを渡すことで飛行船を借りれることに。

 戦争の道具にすら使えそうな飛行船をその条件で嬉々として貸すにとりを見て黒葉はダメだこいつと思ったのだった。



 それではどうぞ!


第192話 人の意識を簡単に飛ばす方法

side黒葉

 

「んじゃあ、私の工房に案内するよ。あ、言っておくけどその辺のものには無闇に触らないようにね。場合によってはどうにもならないから」

 

 何があるんだ。

 にとりの台詞に若干恐怖を抱くが、今まで鍛冶師の工房とかには入ったことがあるけども、エンジニアとかこういう人の工房には入ったことがなかったため、少しワクワクしている。

 

 にとりの案内によって川沿いを進んでいくが、道中でいくつもきゅうりが川で冷やされていた。

 聞くところによるとこれ全部にとりのきゅうりらしい。さっきの様子を見ていて気づいてはいたが、どうやらにとりはきゅうりが大好物のようだ。

 

 しばらく続くと崖までたどり着いた。

 何の変哲もない崖だ。だが、にとりはそんな崖に近づいていき、岩山に触る。

 

「えっと、確かここら辺に……」

 

 手探りで何かを探すにとり。

 するとある場所でにとりの手が岩山に沈んだ。いや、一か所推せるようになっていた、つまりボタンが同化して隠されていたのだ。

 にとりがボタンを押すとさっきまで何の変哲もない崖だと思っていた場所から機械音のようなものが周囲に響き渡り始めた。

 歯車のような音が聞こえ、岩壁が突如割れたかと思ったらその奥から通路が現れた。

 

「何度見てもすごいギミックね」

「え、あ、え?」

 

 師匠は何度か見たことがあるようだが、初見の俺は声も出ずに驚くことしかできなかった。

 岩壁は巨大な隠しドアだった。こんなギミック、見たことがない。

 それもそうだ。そもそもこの幻想郷には機械というものはあまりなく、小さい機器などはあるがこれほどの物を見たことは初めてだった。

 しかも内部も鉄でできているようで、扉を開けた瞬間に内部に取り付けられたライトの電源が付いたのか、内部がどんどんと照らされて行く。

 

 まるでそこは異世界だった。

 ここだけ空間が歪み、まるでとんでもない未来に繋がっているかのような未来感。

 やっべぇ、かっこいい! ともう既にさっきまでのにとりへの不信感は俺の中からすっかり消え去っていた。

 

「ようこそ、私のラボへ。さぁ入って入って!」

「それじゃあ、行きましょうか……黒葉?」

「はい! 行きましょう!」

「あなたのそんなキラキラした瞳、初めて見たわ」

 

 どうやら興奮が表に出てしまっていたようだ。恥ずかしい。

 

 内部へ入るとそこはもはや別世界だった。ここが幻想郷だということを忘れてしまうくらいにメカメカしい場所。

 まるで俺自身が別の世界に来てしまったような感覚に襲われる。

 

 歩いている間にいくつもの部屋を通り過ぎた。部屋には掛札で工作室や倉庫、食料庫、寝室などの部屋名が書いてあり、実際にこの中で暮らせるような設計になっているようだ。

 

 そして少し歩くと俺たちの目の前には今までの扉よりも立派な扉が出現した。

 鍵が鍵穴が6つ着いており、その全てを解除しないと中に入れないような設計になっていて、さらに鉄製で出来ているため、破壊するのも大変。

 かなり厳重に管理されている部屋のようだ。

 

 その扉の鍵を1つ1つ丁寧に解除していくにとり。

 

「さてさて、お目当てのものはこの先だよ」

 

 全て解除し終え、にとりはドアノブに手をかけてゆっくりとそのドアを開け放った。

 その瞬間、真っ暗だった室内のライトが一斉に光り、部屋の中、主に中央部分を照らし始めた。

 その中央部分に存在したのは超巨大な木製の船だった。ただ、その船は普通の船では無い。

 側面から大量の砲台が顔を覗かせ、船首にはまるでドラゴンのような頭が付いていてその口の中にはまるでレーザー砲でも撃ってしまいそうな感じの武器が仕込まれていた。

 

 かっこいい。すげーかっこいいんだが、これを見たら確かにこれを手放しで貸すのはダメだということがよく分かる。

 下手したらにとりまで無間地獄行きだ。

 

「す、凄いわね」

「そうだろそうだろ! これは私が300年かけて仕上げた超大作だからな!」

「さ、300年!?」

 

 でもまぁ、確かににとりは妖怪だしな。

 それだけの大物を作り上げるのにはそれくらいの時間がかかるのだろう。

 それにしてもよく作られている。ああいうものは船の構造をしっかり理解していないとまともなものは作れないだろうと言うのに。それも飛行船と来たものだ。

 

 船は俺たちが今立っている場所からさらに下に降りた場所に置かれている。

 それが俺たちの足場の高さにまで到達してきているんだ。正確な大きさは分からないけど、相当な大きさだ。

 

「あれ、黒葉?」

 

 にとりに着いて行って下へ降りようとしていた師匠が足を止めた。

 俺の異変に気がついたのだろう。

 

 ふっふっふ、これほどのもの、そしてこれだけの情報量を一気に脳に詰め込んだのだ。

 非現実的な空間が俺の脳をダイレクトに攻撃してきた。

 そんな状況だ。だから――

 

「こ、黒葉、大丈夫!?」

 

 泡吹いて気絶しそうになっても仕方がないよな。

 あぁ、意識が遠のいていく。

 

「は、はは、姉ちゃんが川の向こうで手を振ってるわ」

「ちょ、気絶しながらどう言ったらいいか分からないセリフを吐くのはやめてちょうだい!」

 

 完全に俺の脳はキャパオーバーだった。

 と、ここで様々な疲労感が一気に押し寄せてきたって言うのもあるだろう。

 とにかく俺は姉ちゃんが手を振ってるからそっちへ行きたいと思う。

 

「戻ってきなさい!」

「あがっ!」

 

 姉ちゃんのもとへ走っていこうとした所で急に横から手漕ぎボートが現れてオールで頬を叩かれてしまったことで俺はぶっ飛ばされてしまった。

 そこで気がついた。

 どうやら俺は今、夢を見ていたらしい。師匠にビンタされて叩き起されたのだろうとすぐに理解したが、これが無かったら俺は姉ちゃんの所へ行って帰らぬ人になってたかもしれない。

 危なかった。

 

「えーと、黒葉は大丈夫かい?」

「えぇ、何とか」

「じゃ、じゃあ案内を続けるよ」

 

 何とか正気を保とう。意識を強く持つんだ!




 はい!第192話終了

 この章ではかなり近未来的な外の世界に近いものやメカニックなものが大量に出てきたりするわけですが、そんな時黒葉のノリは大体こんな感じになります。

 つまり、黒葉のツッコミはあんまり期待しない方がいいですね。

 この章でツッコんでもお前が言うな案件ですので。

 それでは!

 さようなら
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