心を閉ざしたと言ってもこいしではありません。
こいし、出てくるのかな? まだ予定は無い感じですね。
まぁ、地底に行く機会があったら出てくるかもしれません。
それでは前回のあらすじ
目を覚ました黒葉は壊れた刀の代わりに白愛の刀を手にして食堂に向かう。
するとそこでは既に黒葉以外の人達が食事を摂っており、些細なことから魔理沙と霊夢、そしてレミリアが喧嘩を初めてしまった。
そんな三人を宥めるために咲夜はフランへの食事の運搬を黒葉に任せるのだった。
それではどうぞ!
side黒葉
俺は一人早めに食事を終えて地下への階段を降りていた。
以前に一回だけこの階段まで案内されたことはあるけど、地下に入ったことがなかったから少しドキドキしている。
男ならば地下室というものに一度は憧れたことがあるだろう。
だが、それ以上に階段の下が物々しい雰囲気に包まれている。
風が吹いている訳でもないのにすきま風のようなものが吹いてきているような感じがして少し肌寒い。
所々壊れているし、この化け物揃いの紅魔館だったら地下に何か化け物がいてもおかしくないと思えてしまう。
「確かこの先だったよな」
なんか地下牢もあるんだけど。何ここ怖い。
思わず何が出てきてもいいように刀に添えている手に力が入ってしまう。
なんか、妖怪よりもこういう雰囲気の場所の方が怖くなってきてしまっているな。
だが、特に何も無く漸く目的の部屋の前までたどり着いた。
「この紅魔館の構造は一体どうなってんだよ……」
ロマンと言うよりもこの地下には恐怖しか感じなかった。
だが、とりあえずノックをしてみることにした。
コンコンとノックすると中から声が聞こえてくる。
「そこに置いておいて」
とてもかわいい女の子の声だ。これがレミリアの妹、フランドールの声なのだろう。
しかし、料理を持ってきたのに、一切顔を出さないとかかなり重症のようだ。
フランドールのことはレミリアから聞いたことしか知らないけど、俺の想像以上に心の傷は深いらしい。
レミリアには世話になっているし、フランドールのことは何とかしてあげたい気持ちはいっぱいだけど、これはかなりハードなミッションのようだ。
「もう行ったかな」
「あ、」
暫く料理を持って部屋の前で考え事をしていると静かになったので俺がいなくなったと勘違いしたのか、中から扉が開けられて一人の女の子が顔を出した。
「ひっ! だ、だれぇ?」
「あ」
俺を見るなり恐怖によって今にも泣きそうになる金髪の女の子。
そうだ、この子とは一切面識がない。一方的にレミリアから聞いて俺が知っているだけだ。
確かに面識がない人が突然部屋の前に立っていたら怖いだろう。俺だってそんな状況があったら怖いな。
「あ、その……だな。咲夜から言われて飯を持ってきた者だ。名前は冬夏黒葉、最近この紅魔館にやって来てお世話になっている。まぁ、レミリアに拾われたが正しいか」
「お姉様に?」
フランはこの地下室に引きこもっていたから最近の紅魔館事情を知らなかったのだろう。
咲夜やレミリアから俺の話は聞いていなかったのかな?
「…………」
すごい無言でこっちをジロジロと見てくるんだけど……。
なにか珍しいものでもあったか? 追い返すでもなく、歓迎するでもなくただじっと見つめてくる少女に俺は困惑してしまっていた。
「普通の……人間? でも若干妖力を感じる」
「あぁ、それはレミリアに吸血鬼にされたんだよ」
「お姉様に?」
「あの時は死にそうだったから助かったと言えば助かった」
「そうなんだ」
レミリアの話だと塞ぎ込んでるって話で、今回合ったとしても口を開かないで直ぐに扉を閉めてしまうかなと思ったんだが、以外にも俺と対話してくれていることに驚いた。
だが、それならばやりやすい。コミュニケーションが取れないとどう接したらいいか分からないからな。
「……私はフランドール・スカーレット。お姉様の妹……。料理持ってきてくれてありがとう。それじゃ」
そう言うと遂にフランドールは俺から料理を受け取ってそそくさと部屋に戻って扉を閉めてしまった。
やっぱりあれじゃなんとかするのは難しそうだな……。
体の傷はすぐ治るものだが、心の傷、トラウマというものは癒えることは無い。それを克服することができるかどうかという問題だ。
今のフランドールの様子を見ていると精神的にまだこのトラウマに勝つことは難しいように感じた。
「まぁ、俺にとってはどうでもいいんだけどな」
俺は咲夜やレミリアに鍛えてもらえればそれでいい。フランドールのトラウマを克服させるのは条件に入っていない。
別に俺が関わってどうにかなるような問題でもなさそうだしな。
そして夜、目を覚ましたばかりだが早速修行の続きをさせてもらおうと思ってレミリアの部屋に来た。
来たのだが、そこで俺は肩をガックリと落としてしまうようなことを言われてしまった。
「いや、ダメに決まっているでしょ」
修行を断られてしまった。
「あなた、自分の体の状態わかっているの? そもそも霊力が枯渇しているのよ。これ以上使ったら本当にあなた死ぬわよ」
「く、くぅ……」
確かに死ぬのは勘弁だ。
だからといって修行をしないのは今までの日課だっただけに手持ち無沙汰となってしまう。
だが、レミリアにこう言われてしまっては仕方がない。そう思って部屋を出ようとしたその時だった。
「待ちなさい」
「え?」
修行を断られたはずなのにレミリアに引き止められてしまった。
「修行をしなくなったことによって手持ち無沙汰と感じているのなら一つ、頼まれてくれないかしら」
「な、なにを?」
嫌な予感がしてたまらなかった。
だが、一応その頼み事を聞いてみようと耳を傾けてみる。
「……あなたにはフランの遊び相手をして欲しいの」
そんな超高難易度のミッションを言い渡されてしまった。
はい!第20話終了
遂にフランが登場しました。
ここのフランはそこまで凶暴じゃないですが、遊び相手としてどうやって黒葉は心を閉ざしているフランに近づくのでしょうか?
今、黒葉は超高難易度エクストラミッションに挑む!
それでは!
さようなら