【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 守矢神社へとやってきた黒葉たちは早苗に現在の状況を教える。

 そこへ神奈子と諏訪子もやってくる。

 にとりのメンテナンスが終わるまで待機しているのだと伝えると、しばらくゆっくりしていくと良いと許可をもらった。

 そして力になれることなら何でも言うといいと言ってもらえたため、黒葉は早速諏訪子へ相談を持ちかけた。



 それではどうぞ!


第202話 ルーティーン

side黒葉

 

「おぉ、早速だね。なにかな?」

 

 俺の早速の申し出に驚いて目を見開いていたが、すぐにもとの調子に戻ると俺に相談内容を聞いてくる諏訪子さん。

 今の俺に悩みとか相談とか、そんなものは死ぬほどあるが、今一番相談したいことはこの間の龍との戦いでの出来事だ。

 

「実は、俺は前の戦いでは狂獣技(ビースト)を使うことができていたんです。それでなんとか勝つことができたんですが、ついこの間戦ったときには狂獣技(ビースト)が使えなくなっていました。その理由が全くわからなくて……どうしたら使えるようになるのか」

 

 もしかしたらこの人に聞いても解決しないかもしれない。その可能性もかなり高いだろう。

 狂獣技(ビースト)を使える人なんてほんの僅かだし、この人が使い方を知っているとは限らない。でも、なんだか博麗様と同じ気配を感じたから聞いてみたくなった。

 

 この人に聞いて解決する可能性が少しでもあるなら聞いてみたい。

 諏訪子さんは俺の悩みを聞くと、顎に手を当てて「うーんうーん」と唸り始める。かなり悩んでいる様子だ。

 

「私はあまり君のことを知らないから、なんとも言えないんだけど……狂獣技(ビースト)を使えない原因としては実力不足が考えられるよね」

「実力不足…………」

 

 その言葉を聞き、自分でもだいたい予想ついていたことではあったのだが、肩を落として落胆してしまった。

 もっと強くならないと狂獣技(ビースト)を使うことはできないし、そこまで強くなるには今からだと時間が足りなすぎることだろう。

 つまり、龍との戦いの前に狂獣技(ビースト)を使えるようにするのは夢のまた夢ということだ。

 

「あとは君が半妖であるということも挙げられるかもしれないね」

「半妖?」

「そ、その名の通り、半分妖怪で半分人間の君みたいな人のことを言う。親が妖怪と人間のハーフだったり、人間が後天的に妖怪になったりすると、半人半妖になる。君はそれだ」

 

 確かに俺は元々人間で、姉貴に吸血鬼に変えられたことによって俺は妖怪になって、生きながらえることができた。

 妖怪である俺の血肉でルーミアの腹を満たすことができる理由はそこだ。

 条件的に考えると俺は半人半妖という種族になるのだろうが、それが一体どうしたというのだろうか。

 

「元から半妖だったら慣れているんだろうけど、後天的に半妖になると力が不安定になって操作が難しくなるんだよ。今、君の中には二つの力が入っている。一つは主に人間が持つ力『霊力』、もう一つは主に妖怪が持つ『妖力』。君の場合はかなり人間に近い声質を持っているから霊力の方が多いんだけど、その中に妖力も混ざっているというのが問題だね。そのせいで君は実力を出しにくくなっているんだから」

 

 なるほど、そういうことか。

 霊力も妖力も感じるし、何だったら軽くではあるけど操ることができる。でも、狂獣技(ビースト)を使うときにどっちの力を使うかなんて意識していなかった。そうすると、まず間違いなく霊力と妖力が喧嘩してうまく発動できないはずだ。

 どうして今までこんな簡単なことに気が付かなったんだろうか。

 

 だが、これがわかったところでどうなるというものでもないきがする。

 俺の霊力だけ、妖力だけでは狂獣技(ビースト)を使うときの力が足りないのだ。

 かといって俺は霊力や妖力を操るのは苦手だし、そんな状態で問題なく二つの力を混ぜ合わせて安定させ、狂獣技(ビースト)を使うなんてできないだろう。

 だめだ、頭が痛くなってくる。

 

 所詮この力は俺にとってないものねだりだったのか?

 

「二つの力をうまく使うには集中力が重要だよ」

「集中力?」

 

 集中力なら自信がある。

 集中したらとても良くいろいろなものを見ることができるようになって、敵の動きの先すらも見えたりする。

 でも、それは俺が完全にサポートへ回ったときだ。

 

 俺は自分で戦いならがこの超集中を使うことはできない。集中しながら戦えればどれだけいいかと天魔と戦っているときも何度も思ったが、結局だめだったんだ。

 だから、集中力が大事だと言われても、俺にはどうすることも――

 

「なかなか集中できないんならルーティーンを行うことをおすすめするよ」

「ルーティーン?」

「そ、ルーティーン。ある特定の動作を決めておいて、戦う前に毎回必ず行うの。そうしたら自分の中で気持ちがスイッチのようにパチっと切り替わって集中力を高めやすくなるっていう自己暗示に似た技術だね」

 

 その話が本当だったら俺も戦いの最中にあの集中力を引き出すことができるようになるかもしれない。

 試してみる価値はあるかもしれないと思い、特定の動作を考える。

 戦いの最中に行うのだから簡易的で瞬間的に行えるような動作がいいのだろうと思って考える。

 そんな中、俺の頭に思い浮かんだのはとある一つの動作だった。

 

『ねえお姉ちゃん、なんで戦う前にはいつもその動きをしてるの?』

『うーん、説明が難しいんだけどね。なんかこう頭の中がスカッとして、ギュッと集中できるようになるんだよね。なんか、覚悟が決まるっていうか、やる気が出るっていうか……そんな感じ』

 

 その会話を思い出すと、俺の体は自然に姉ちゃんの動作をなぞるように動き出していた。

 右手で握りこぶしを作り、それをゆっくりと胸に当てる。そしてそのまま深呼吸。

 一連の流れ、姉ちゃんがいつも戦う前にやっていた動き。多分これが姉ちゃんのルーティーンなんだろう。

 落ち着く。さっきまで荒れていた心が落ち着きを取り戻し、冷静に物事を考えることができるようになって行く。姉ちゃんの言う通り、深呼吸をすることで雑念や無駄な感情を追い払うことができたような気がする。

 ただ、集中力に関してはあの時ほどの集中に至ることはできなかった。まぁ、ルーティーンと言うからにはこればっかりは慣れて行くしかないのだろう。

 

 やはりすぐに狂獣技(ビースト)をすぐに使えるようにする都合のいい方法なんてないらしい。

 でも、これはかなりの前進だ。

 

「ありがとうございます。おかげで何か掴めたような気がします」

「そう? それなら良かったよ。それじゃ、頑張ってね!」

 

 そこで諏訪子さんは他のみんなの後を追うように本殿へと入っていった。でも、それは後に続くことはせずにその場に留まることにした。

 少しでも早く狂獣技(ビースト)を使えるようになりたい。

 きっと姉貴を助ける時にこの力があるのとないのとでは難易度が段違いだから。

 

 作戦決行は明日。間違いなく明日までには間に合わないだろうけど、準備期間内にはなんとかしたいところではある。

 あとは、猶予がどれほど残っているかだ。

 どちらにしても俺は決戦の日まで最善を尽くすだけだ。

 

 そう決意し、再びルーティーンをなぞりつつ、霊力と妖力を同時に操るための特訓を開始するのだった。




 はい!第202話終了

 ルーティーンの案に関しては黒葉が狂獣技(ビースト)を使えなくなると言う設定を決めた時点で考えていた案なのですが、守矢神社に来ると決まる前は別の形でルーティーンの話を出そうと思っていたんですけど、その役目を諏訪子に託しました。

 威迅も前に言っていましたが、黒葉が戦いながら超集中を使うことができれば恐ろしいと。
 なので、次の黒葉が目指すところは戦いながら超集中を使うと言うことです!

 ちなみに至高の領域に達するための条件の一つに極限の集中があります。黒葉の超集中は人知を超えた集中力なので、極限の集中状態の更に先に至ることができ、二つ目の条件である守りたいと言う思いも持っているのですが、最後の条件である、ある程度の実力に黒葉の才能だと達することができないので、どうあがいても至高の領域に達することができないんですね。

 烈夏の実力が最低ラインですね。
 黒葉は狂獣技(ビースト)を使っても烈夏に勝つことはできません。

 さぁ、これから龍に戦いを挑みに行こうと言うのに絶望的な情報を流したところで、この辺で。

 それでは!

 さようなら
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