【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 神奈子にスカイに着いたら情報収拾を行うと言うことを伝えると、文を探して合流するといいと言うアドバイスをもらう。

 どうやら数日前に文が椛を連れてスカイへ取材に向かったらしい。

 文は新聞記者、これほどまでに情報収拾に向いた人はいない。

 黒葉たちはまず文との合流を目標に定めた。

 早苗からもらったお守りを手に、ついにスカイへ出発する時が迫る。



 それではどうぞ!


第204話 出発

side黒葉

 

「ここをこうして、あそこをこうして……よし、あとはここを……終わったぁっ!」

 

 翌日、ついににとりの飛行船メンテナンスが終了し、出発の準備がすべて完了した。

 常日頃から清掃は定期的にしていたようで、特に汚れていたりしたわけではないのだが、メンテナンスをしたことによってなんだか二日前よりもきれいになっているような気がする。

 特に、この甲板とかはツヤが出ている気がする。ワックスでも塗り直したのだろうか? いや、でもこの大きさの飛行船に一人でワックスがけをする時間なんてなかったはずだから、そんなことはないはずなんだけどなんかすごくきれいになっている気がする。

 

「お疲れ様、にとり」

「あぁ、ありがとう。悪いんだけど、疲れたからちょっと休ませてもらうよ」

 

 にとりはメンテナンスが終わってそのままの状態で甲板に大の字で寝転がる。

 どうやらこの二日間、ぶっ続けでメンテナンス作業をしてくれていたようで、いくら妖怪で人間よりも体力があると言っても流石に無理のしすぎだ。

 俺達としてはなるべく早くスカイへ行きたいところではあるが、ここは休ませてあげよう。

 

 とりあえずにとりはそっとしておくとして俺達は各々船に乗り込み、にとりの体力が回復するまでそれぞれの準備を進める。

 俺は刀の手入れだ。

 この刀は威迅からもらってからそんなに使っては居ないけど、龍に攻撃をした時に燃やしちゃったから煤が付いたりしてしまっているため、砥石で簡単に研いでいく。

 

 そんな俺の右隣では俺の肩に頭を預けながら天音が寝息を立てていた。

 おそらく慣れない環境に疲れてしまったんだろう。元々敵陣営に身を置いていたのに、俺達のところに来るというのは非常に勇気も必要だったはずだ。

 出発するまではまだ時間があるだろうし、天音も寝かせておいてあげよう。

 

 だが、これがわからない。本当にわからないんだが、ルーミアが俺の右腕に抱きついてきて、フランドールは背中から乗りかかるように抱きついてきている。

 特にルーミアに関しては血が止まっちゃうんじゃないかと思うほどの強さで抱きしめてきていた。

 

 俺も男だ。

 内一人は妹だが、三人の女の子に囲まれて嬉しくないわけがない。だが、流石にこれはないだろう!? 嬉しいよりも困惑が勝ってしまう。

 しかも、こんな状態では思うように作業できないし、さっきからかなり気を使っていて今は休憩中のはずなのに余計に疲れている気がする。

 

 ちょっと離れたところに座って俺と同じようにナイフの手入れをしている師匠に助けを求める視線を送ると、一瞬俺の置かれている状況を一瞥した上でなんか圧の籠もった笑みを浮かべられてスルーされてしまった。

 多分俺はここから解放されたら師匠にどうにかされてしまうのだろう。師匠が溺愛しているフランドールにこれほどベッタリと抱きつかれてしまっているのだ。これが俺の運命だと受け入れよう。

 

 そんな風に休憩しているとさっきまでぐったりと倒れていたにとりがムクリと上半身を起こし、両の拳を天高く突き上げて叫んだ。

 

「ふっかーーつッッッ!!!!」

 

 にとりの突然の叫びに驚き、俺達は一斉ににとりへと視線を向ける。

 そこにはさっきまでぐったりしていたとは思えない程に元気になったにとりが存在していたので、別人になりかわったことを疑ってしまう。

 

「いやぁ、休憩させてくれてありがとうね。もう大丈夫!」

「えぇ、本当に大丈夫なの? まだ十分くらいしか経っていないのだけど」

「大丈夫大丈夫。エンジニアっていうやつはね、興味があるものを目の前にすると無限の体力が湧いてくるのさ!」

「そ、そう……体調には気をつけてね」

 

 師匠、それあなたが言いますか。

 そんなツッコミを入れたかったが、野暮なことは控えることにした。

 というか、多分これが妖怪の体力っていうやつなんだろうな。妖怪っていうのはやっぱり人間とは全く違うらしい。

 ちなみに妖怪になった今の俺もあそこまで早く体力が回復することはない。

 

 あれを人間の身で実践している師匠ってやっぱりおかしいのでは?

 

「さて、これから天空都市『スカイ』へ乗り込むわけだけど、準備はいいかい?」

 

 にとりのその確認の言葉にこの場にいる全員が頷いた。

 

「これから私達は五天魔王の一角、桑間龍に戦いを挑みに行くだけではなく、あの未知の浮遊島、天空都市『スカイ』に正面から喧嘩をふっかけることになる。もしかしたら島にたどり着いた瞬間に攻撃されるかもしれないし、その前に墜落されてしまうかもしれない」

 

 そうだ。

 俺達は正規の方法ではなく、強行突破して島に行くんだ。スカイからしたら俺達は敵以外の何物でもない。

 だから今回の作戦の成功率はめちゃくちゃ低い。でも――

 

「メチャクチャ大変だろうけど、レミリアを助けられることを祈っているよ」

 

 どんなに雲を掴むような話だとしても、姉貴を助けられるならばやらない理由はない。

 

「それじゃあ、いっくよ〜」

 

 言いながらにとりは制御室に入っていった。

 この船には舵もあって、一応はこの舵でも制御できるのだが、メインは制御室の機械での制御らしい。

 舵はロマンのためにつけたけど、本当は制御室で動かしたほうが動かしやすいのだとか。無駄なものをまた一つ発見してしまった。

 

 そんな事を考えていると、天井が大きくガバっと開いた。

 確かここ、山の中だったはずなんだけど、あれどうなっているんだ?

 ともかく、この開き方、かっこいい! と心を踊らせていると船体が大きくガタンと揺れると同時に妙な浮遊感が襲いかかってきた。

 周囲を見てみると、ゆっくりと景色が下方向へと下がっていっているところを見るに、今この船は浮き上がっていっているらしい。

 

 俺は自分で空を飛ぶことができないから昔何回か魔理沙の箒に乗せてもらったりしたことはあったけど、この感覚はすごく新鮮だ。

 

 ゆっくりと浮上し、壁が下へ下へと流れてやがて地上に出てくる。

 正直、内心初めての船というものに興奮していた。

 

「すっごい! この船、本当に飛んでる!」

「これが飛んでいる感覚なのかな、初めて」

「河童の技術力には本当に驚かされるわね」

 

 ルーミア、天音、師匠が続けて反応する。

 どんどんどんどんと地上が遠くなっていき、ついにここから飛び降りたらまず間違いなくただじゃ済まないだろうなという高さにまで上がってきた。

 高い。今までにないくらいの高さまで上がってきたことで高所による恐怖を感じてくる。だが、これくらいで恐怖していたら姉貴を助けることなんてできるわけがないため、ぐっとこらえてスカイを見据える。

 

 すでにスカイが目線の高さに来るくらいにまで上がってきた。

 

「さて、目標は天空都市『スカイ』! あのバリアの突破を目指して、しゅっぱーつ!」

 

 にとりのその言葉が響くと同時にスカイへ向けて飛行船が動き始めた。




 はい!第204話終了

 ついにスカイへ出発します。

 まずは飛行船でスカイのバリアを破壊する必要が出てくるわけですが、果たしてにとりはスカイの迎撃を回避し、バリアを破壊して侵入することはできるのでしょうか?

 あ、あと、一人だけ飛行船が飛んだことについて反応していません。

 別に忘れているわけではないとだけお伝えします。

 それでは!

 さようなら
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