【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 突然船を降りたフラン。

 黒葉はフランの励ましが足りなかったとショックを受けてしまう。

 黒葉と咲夜の空気はまるでお通夜ムードだ。

 ルーミアは困り果ててしまった。自分と同じ状況にあるはずの天音は空気が読めずに使い物にならない。

 偶然通りかかったにとりも手を挙げる始末。

 そんな時、天音がフランが船を降りた理由は負い目からじゃなく、自分の仕事を見つけたため、その仕事を遂行するために降りたのではないかと話した。

 これにより、黒葉たちは立ち直り、スカイでのフランとの再会を目指してスカイへ向かうのだった。



 それではどうぞ!


第207話 刀禁止令

side黒葉

 

「そう言えばにとりはどうしてここに?」

「え、あぁ、そうだった」

 

 なんか俺たちを励ますことが最優先事項になっていたせいでにとりがなにかの目的を持ってこっちに来たということを忘れかけていた。

 おそらくにとりも同じだったんだろう。ルーミアが問いかけると一瞬ぽかんとした表情を浮かべると、そこで思い出したようでハッとなると話し始めた。

 

「みんな、あと少しでスカイが射程範囲内に入るんだけど、このあとの動きをもう一度確認しておこうと思ってね」

 

 そう言うとにとりは一枚の紙を取り出し、二つの枠を書くと砲撃『ルーミア、天音』、防御『咲夜、黒葉』、操縦『にとり』と書いた。

 ここまでは出発前に話し合ったから把握している。

 どうやらこの飛行船には大砲が積まれているようで、ルーミアと天音がそれを使ってバリアを破壊するという感じらしい。

 そしてその間俺と師匠はこの船を攻撃から守る。

 

「前に侵入しようとした文の話によると、大量の弾幕が襲いかかってくるらしい。弾幕、レーザー、突風。侵入するには厄介すぎるものが多々あるんだとか。だから文も今回は正規のルートで行くことにしたらしいんだけど」

 

 文は一体何をしているんだ。

 多分文っていう人はただ取材をしに行こうとしていただけなんだろう。だが、取材をしに行くのに侵入しようという発想はかなりやばい。

 文々。新聞の記者は前々からいい噂は聞かなかったけど、この話を聞いて俺の中でやべぇやつという認識になってしまった。

 

 それにしても弾幕やレーザー、突風かぁ……あの、師匠ならまだわからないですが、俺が防衛して何になるんですかね。

 守れる気がしないんですが……。

 実は防衛に俺自身で立候補したわけじゃない。むしろ俺は天音を推したのだが、師匠がどうしても俺をと言ったから俺も防衛をすることになってしまった。

 

 いやぁ、絶対天音の方が防衛に向いていると思うんだけどな。だって天音の能力なら飛んできた攻撃に命令してあらぬ方向へ飛ばすこととかできそうじゃん?

 師匠が何を思って俺を防衛に選んだのかがわからない。俺は防衛には役に立たないぞ?

 

 そんな風なことを考えていると師匠に悟られてしまったらしい。

 

「黒葉、あなたなら大丈夫よ。自身を持って」

 

 根拠のない励ましをされたって響かないというのは無粋だろうか。

 師匠らしからぬ非合理的な考えに不安をいだいてしまう。

 

「まぁ、私としては防衛と攻撃を分担してもらえるなら誰でもいいんだけどね、もうちょっとでスカイとの戦いが始まるというのと、文からもらった情報を伝えに来たという感じさ。それじゃあ、もうそろそろだから私は操縦室に戻るよ」

 

 そう言うとやはり舵を握るのではなく、操縦室へ入っていくにとり。

 本当にあれはただのお飾りのようだ。

 にとりの動きに苦笑いを浮かべながら見送ると、俺達はスカイへと目を向けた。

 

 気がつけばスカイはもう目と鼻の先にあった。

 ついに始まるということを認識して緊張が走る。心臓の鼓動が早くなる。

 失敗したらすべてが終わり。不安で今にも逃げ出したいくらいの気分だが、これを乗り越えなければ姉貴を救うことなんてできない。

 

「それじゃあ、黒葉、咲夜。私達は定位置につくから頑張ってね」

「あぁ、そっちも頑張って」

 

 ルーミアと天音が大砲の元へ向かっていく。

 それを見届けて俺も俺でスカイへ向き直って刀に手をかけた。

 姉ちゃんとか父さん、威迅なら飛んできた弾幕を切ることができるかもしれないが、俺にそんな芸当はできないから弾幕に技をぶつけて相殺するしかない。

 霊力が保つかわからないけど、やってみるしかないだろう。

 

 そう思って臨戦態勢に入るが、そんな俺に対して師匠から衝撃的な言葉が飛んできた。

 

「黒葉、今は刀使用禁止ね」

「え?」

「これは師匠命令よ」

 

 師匠はこの戦いの緊張感のせいでおかしくなってしまったらしい。

 普段師匠は自分のことを師匠だと言ったりしないのだが、一体どうしたというのだろう。突然師匠だということを持ち出してこともあろうに刀を禁止してきた。

 俺が刀が無いと戦えないということを知っているだろうに、どういうつもりだろうか。

 

「師匠、刀が無いと戦えないんですが?」

「刀は使用禁止よ」

 

 あぁ、これ話が通じないやつだ。

 基本的に師匠は落ち着いていて先を見通しているようだけど、今回ばかりはダメそうだ。

 まさかこれは龍の能力だったりするのか? とにかく、今師匠は間違いなく正気ではない。どうにかして師匠を正気に戻さなければ。

 

「いえ、今私は正気だけど。大真面目だけど」

「正気を失っている人はみんなそう言うんですよ。あ、それとも激務のせいでついに壊れてしまいました? だからあれほど安めと姉貴も言っていたのに」

「私にとって休憩とはお嬢様のお世話よ」

 

 あぁ、駄目だこれは。相当なワーカーホリックになってしまっている。

 決めた、帰ったら姉貴にも頼み込んで師匠に強制的に休暇を取らせよう。

 

「黒葉に刀を使うなと言っている理由はちゃんとあるわ」

「あるんだ」

「そう、おそらく今回の戦いで重要になるだろう黒葉のもう一つの武器の特訓をするためね」

「もう一つの武器?」

「人知を超えた集中力を使った超動体視力よ」

「あ」

 

 そうだ。

 俺は集中力を極限まで高めることでありとあらゆるものをスローモーションに見えるほどに動体視力を高めることができる。

 それは最近威迅に指摘されて気がついたものなのだが、これの欠点は俺が戦っている間には使えないという点だ。どうにも集中力を高めることが難しい。

 それを今この場で特訓しようというのか? 無茶にもほどがある。

 

「迎撃は私がするわ。だから黒葉には指示をお願いする。安心して、リカバリー位はできるから」

「師匠……」

 

 俺が見て師匠が戦う。

 前に盗賊のアジトで妖夢さんと威迅にやったのと同じ戦法。

 もう一度あれができるという保証は無い。今でもあそこまでうまく行ったのは奇跡なんじゃないかと思っている。

 でも、他ならぬ師匠ができると、そして失敗したときのリカバリーもやってくれると言っているんだ。

 

 なら、賭けてみたい。

 

「わかった。お願いします」

「えぇ、任せて」

「みんな、来るよ!!」

 

 にとりの叫び声が船内に響き渡る。

 それと同時にスカイから大量の弾幕が飛ばされてきた。

 少しは耐えることはできるだろうけど、あれ全て当たったら一溜まりもないなと考えながら胸に拳を当てる。

 姉ちゃんもやっていたルーティーン。これをすることで姉ちゃんが力を貸してくれているような気分になって勇気が湧いてくる。

 

 今なら行けそうだ。

 

「師匠、お願いします!」

「えぇ、それじゃあ行くわよ!」




 はい!第207話終了

 ついにスカイとの戦いが始まります。

 実は僕は一章に二回は大きな戦いを挟むように心がけているんですよね。

 まぁ、第一章は三回ほど戦っているんですが、二回はゲン戦なのでひとまとめで考えていただければと。
 勝ってないですしね。

 というわけで、一つ目の戦いはこのスカイへの侵入です。

 果たして黒葉は上手く咲夜を操縦して攻撃を迎撃することができるのでしょうか?

 それでは!

 さようなら
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