【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 スカイとの戦いが迫る。

 黒葉は覚悟を決めて刀を抜こうとするが、咲夜から刀禁止令を食らってしまった。

 黒葉の動体視力を鍛え、龍との戦いに備えるためだという。

 果たして黒葉は咲夜にうまく指示を出してスカイからの攻撃を迎撃することができるのか?



 それではどうぞ!


第208話 本当に意味がわからない

side咲夜

 

 私は驚いていた。

 黒葉の動体視力とその指示の正確性は鍛冶師の人里でも見たからわかっているつもりだった。

 でも、実際に動くのは私自身だし、私に関しては時を止めることだってできるのだからちょっとしたブースト程度の効果しか無いと思ってあまり期待などしていなかった。

 むしろここで黒葉自身が戦いながら集中力を高めるという方法のヒントが得られればそれで万々歳だとすら思っていた。

 

 でも、実際は違った。

 

 黒葉の目、あれがあるだけでこれほどまでに動きやすくなるものなのかと。

 

「次、左右上、また左」

 

 今、私はここまで一度も能力を使わずに対処できている。

 月刃に能力を奪われてしまった今の私には能力の時間制限がある。それに、一度時を止めたら少し時間を置かないと再度使用することはできないため、能力をなるべく使わないに限るのだが、私一人でなんとかしようとした場合、どうしても時を止める必要が出てくる。

 

 でも、黒葉の指示通りに動いたら危なげなく時を止めずに対処できるのだ。

 

 黒葉の動体視力は改めて異常だと感じる。

 私の目から見ると全て同じタイミングで攻撃されているように見えるんだけど、黒葉はその微妙な発射タイミングの違いを見切って早い順に指示を出してくれている。

 本当に意味がわからない。

 

 今なら威迅が言っていた言葉の意味を真に理解することができる。

 確かにこれは黒葉自身が戦いながらこの力を使うことができれば化ける。下手したら私は一瞬で超えられてしまうかもしれない。

 味方にしたら頼もしいけど、これが敵に回ったらと考えるとゾッとするわね。

 

「もう一発行くよ!」

「発射ー」

 

 ルーミアと天音の二人がバリアを砲撃で破壊しようと奮闘してくれている。でも、見た目でバリアが見えないから今どれほどダメージを与えられているのかがわからない。

 長丁場を覚悟する必要もあるのだけど、長丁場になったら黒葉の体力も心配ね。

 あれほどの集中力を維持するとなると黒葉の体力消耗も大きいはず。あんまり時間をかけたくはないところ。

 

 というか、さっき私が黒葉のフォローをすると言ったのに、私が能力を使わずに迎撃することが難しそうだと判断したらにとりに指示を出して回避したりもしている。

 私の方がフォローされてしまっている。すごく複雑な気分。

 

「レーザー来る、にとり避けて!」

 

 黒葉がそう叫んだ数瞬後、スカイ近くの空間が光り始めて、そこから極太のレーーザーが射出される。

 だが、黒葉が事前に指示を出していたおかげでそのレーザーが船に直撃することはなく、私達の背後の大地に直撃――どんどんと地面を焼き抉っていく。

 あれが私達に直撃したらと考えるとゾッとするが、当たらなければ問題はない。その点、黒葉が居ればあれほどのレーザーも回避できる。

 

 ……うん、おかしいよね。

 人体の動きを先読みするならまだしも、レーザーなんて筋肉の弛緩とか関係ないからじぜんにきがつくことなんて不可能だと思うんだけど。

 もしかして黒葉って霊力とか妖力の流れとかも見えていたり? それか私達に気がつくことができないような微弱な光の流れを見て判断したとか?

 

 今、私は黒葉の中に眠るとんでもない才能を目覚めさせようとしているのかもしれないということに今更ながら気がついた。

 


 

side黒葉

 

「右!」

 

 見える。

 見える見える。

 見える見える見える。

 

 自分で戦っているときには見えなかったような景色、すべてがまるでスローモーションになったかのような光景。

 ちょっとした弾幕の射出タイミングの違いや、微弱な光の流れ。

 その全てが今の俺には完璧に見えるようになっていた。

 

 余計なことを考える必要は無い。

 俺が声を出したら師匠やにとりがなんとかしてくれる。そう信じて俺は観察、そして指示に徹底する。

 

 スカイの攻撃パターンは主に四つ。

 

 1つ目は超大量の弾幕。これはほぼ常に放たれており、常に師匠がナイフを投げたり切ったりして対処してくれている。

 2つ目はレーザー。超微細な光の粒子を溜め、それを極太のレーザーとして射出してくる。これに関しては火力が高すぎて回避するしか術がないからにとりに回避してもらっている。

 3つ目はホーミングミサイル。通常の弾幕よりもスピードが早く、尚且つ追尾してくるので、師匠に優先的に対処してもらっている。

 最後に突風。これに煽られて落ちそうになるが、徐々に風が強くなっていくため、これに関しては各自で船から落とされないように対処してもらっている。

 といっても、ルーミアと天音は室内にいるし、俺と師匠は柵に捕まっていればとりあえず落ちる心配はないから、あとはにとりに絶妙なコントロールで転覆しないようにしてもらえば問題はない。

 

 今のところ怖いくらいに順調。不気味なくらいだ。

 そして地味にバリアにヒビが入ってきているのが見える。ルーミアと天音の砲撃によってダメージを受けている証拠だ。

 集中するまでバリアを視認することはできなかったが、バリアは確かにそこにあった。

 そしてバリアにヒビが入っていくほどに攻撃が激化してきている気がする。おそらく島の防衛システムも焦ってきているんだろう。

 

 それにしても、にとりが想定していた速度よりもずっと早くダメージを与えられている気がする。

 まぁ、それもそのはずか。にとりはこれを知らないんだから計算に入れれるわけがない。

 

「"スピードを上げろ"」

 

 天音の《言霊》だ。

 あれで砲撃のスピードを速め、威力を上げているんだ。

 ああいう大砲なんかの威力はスピードによって決まる。だからスピードが速ければ速いほどに威力が上がるというもので、にとりが想定していた以上の火力があの大砲から放たれているはずだ。

 まぁ、多分にとりにはあのヒビは見えていないだろうから、そんなことになっているとは気がついていないだろうけどな。

 

 この分なら行ける、スカイに乗り込んで姉貴を助けに行ける。

 

 ここで俺は安心をしてしまったんだ。

 俺は甘かった。その安心というのは雑念、俺の集中力を高める上で最大のノイズとなる思考。

 だから俺の集中力がそこで一瞬途切れてしまったんだ。

 

 その一瞬、その一瞬の油断が命取りとなる。

 

「っ、黒葉!」

 

 師匠の叫び声が聞こえてきたがもう遅い。

 俺の足元から突如としてドラゴンの頭のようなものが飛び出してきて俺に食らいつこうとしてくる。

 これは間違いなく龍が使っていたあのドラゴンだ。

 

 なぜこのタイミングでこれが出てきたのかはわからない。

 でも、一つわかることはこれは俺以外誰にも対処はできないということ。もう少し早く気がつけていれば師匠に助けを求めたり、そもそも回避することもできたかもしれないのに。

 たった一瞬、たった一瞬の満身がこの事態を招いた。

 

 今から刀を抜いたところで間に合うわけがない。

 ならばどうするか。

 

「一か八か!」

 

 答えは一つ。手のひらに霊力を集め、能力を発動し、炎をドラゴンに向けて全力で射出。

 刀を使うほどの威力は出ないし、これは強引に霊力をひねり出して炎を射出しているのだから霊力消耗も激しいから悪手であるというのはわかっている。

 でも、今取れる手段がこれしかなかったのだから仕方がない。

 

 なんとか帰ってくれ。引っ込んでくれと願いながら炎を射出していると、次第にドラゴンの頭は燃え尽き、灰となって消滅した。

 それを確認すると炎を止め、その場に尻餅をついてしまう。

 

 危なかった。

 本当に今のは死を覚悟した。でも、なんとかなったらしい。

 一体今のは何だったんだろうか。どうして龍の攻撃がここまで?

 

 わからないことが増えてしまった。

 でも、今考えてもわかるはずがない。その答えはおそらくあのスカイの中に眠っているのだから、一刻も早くスカイへ突入することだけを考えよう。

 そうして俺は再び集中モードに入るのだった。




 はい!第208話終了

 黒葉の炎を受けたドラゴンの頭は消滅、一体どういうことなのでしょうか?

 おそらく次回でスカイとのバトルは終了します。

 黒葉の動体視力は咲夜すらも恐れるほどらしいですね。

 ちなみに能力喰い(イマジンイーター)の効力は術者が息絶えるまで継続します。そのため、咲夜の能力は未だに月刃に奪われたままで、能力に使用制限がかかったままです。

 ちなみに月刃に咲夜をぶつけたのは威迅とコンビを組ませたかったというのが一番の理由ですが、咲夜の能力に制限をかけたかったんですね。
 いやぁ、霊力が尽きるまで継続して時を止めることができるって強すぎますからね。
 
 というわけで、

 それでは!

 さようなら
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