【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 あと少しでバリアを破壊できるというタイミングでおびただしい数のドラゴン頭に囲まれてピンチに陥った黒葉たち。

 しかし、黒葉がドラゴン頭を焼いて隙間を作り、ルーミアと天音がバリアを攻撃することでバリアを破壊することに成功した。

 直後、黒葉たちは突如として抗えないほどの力でバリアの内部へ船ごと引き込まれてしまうのだった。



 それではどうぞ!


第210話 目を覚ますとそこは

side黒葉

 

 真っ暗な空間だ。いや、俺がまぶたを閉じているからか。

 どうやら俺は気を失っていたらしい。

 

 風を感じる。

 ついさっきまで襲われていた突風とは違って緩やかなそよ風と言った感じの風。

 あまりにも心地よすぎて二度寝へと誘われそうになるが、やるべきことを思い出して目を開ける。

 

 視界に広がるのは岩肌。

 どうやらここは薄暗い洞窟の中らしい。壁には威迅からもらった刀が立てかけられていた。

 俺は確か飛行船と一緒にバリアの中へ吸い込まれた直後、飛行船から振り落とされてしまったところまでは覚えているんだが、そのあとは何も覚えて居ない。

 単純に吹っ飛ばされただけだったらこんな洞窟の中に入るわけがないだろうから、俺は誰かにここへ運び込まれたのか?

 

 誰が? なんのために?

 目的がわからない。バリアを破壊して降ってきた時点でこの天空都市に仇なす存在として気を失っている時点で殺されていても仕方がなかったはずだ。

 

 とりあえず警戒しておくことにしよう。俺をここに連れてきた人物の目的がわかるまでは一瞬も油断することはできない。

 

 それにしても、近くに師匠たちの姿は存在しない。どうやらバラバラに飛ばされてしまったらしい。

 まぁ、あの強風の中だったし、外にいた師匠も別の場所に飛ばされてしまったと考えて問題はないだろう。室内にいたルーミアと天音、にとりの3人は大丈夫だろうか。

 まずはみんなと合流することが最優先だろうな。俺一人で行動してもなににもならないだろうし、師匠の冷静な判断と天音の観察力はどうしても必要になるところがあるだろう。

 

 そうして起き上がって正面に見える洞窟の出口から外に出ようとした時、入口から誰かが入ってくるのが見えた。

 逆光で影しか見えず、どう言う人物なのかまだわからないが、まず間違いなくあの人物が俺をここに運び込んだのだろうと考えて刀を手にとって構えて様子を見る。

 

 徐々に近づいてきてその姿が見えるようになった。

 俺と年齢がそんなに変わらないような容姿、軍服を見に纏っており、背中に二振りの短めの剣を背負っている少年と言ったイメージ。

 その少年は木の枝などを大量に両脇に抱えて洞窟内に入ってきていた。

 

「あれ? 目、覚めたんですね。よかったぁ」

 

 俺が立ち上がっているのを見ると少年は心底安堵したような穏やかな笑みを見せた。

 その表情からとても俺に敵意があるように感じられなくて、無意識に構えを解いてしまった。

 少年は俺が警戒して刀に手をかけていたのが見えていなかったのだろうか。特に警戒している様子も見せずに俺の横まで来ると、その両脇に抱えていた木の枝を地面に下ろして俺に向き直った。

 

「いやぁ、びっくりしましたよ。僕が薪を集めていたら突然空から人が降ってきたんですから。しかもその人は燃えているときたものだ。一瞬火葬中の人が空に打ち上げられたのかと思っちゃいました」

 

 はははと笑う少年だが、俺にはブラックジョークが過ぎてどう言う反応をしたらいいのかわからなかった。

 

 やっぱりこの少年が俺をここに運び込んだらしい。

 まぁ、急に空から燃えながら人が降ってきたらビビるよな。船から放り出された俺は遮ることができない太陽光にさらされて燃やされてしまっていたらしい。

 うん、この少年がいなかったら間違いなく俺は死んでいたな。

 

「君は?」

「あ、名乗っていませんでしたね。僕は(くら)風魔(ふうま)って言います。よろしくお願いしますね」

「俺は冬夏黒葉。よろしく」

 

 俺と話をしながら風魔と名乗った少年は作業を続け、集めてきた木の枝に火をつけて焚き火を作り出した。

 どうやら集めてきた木の枝は薪だったらしい。めちゃくちゃ手慣れているため、いつもやっているのだろうと思うが、風魔はどうしてこんなところにいるんだろうか。

 

「ところで、空から降ってきましたが、何があったんですか?」

「っ!」

 

 なんと答えるべきか。

 この島の住人からしたら俺は侵入者なわけで、正直にここで話してしまうと風魔に敵視されてしまう可能性が高い。俺一人しかいないこの状況で敵を作るというのは極力避けたいところだ。

 だが、これを言わないとしたらなんと言い訳をするべきだろうか。風魔は見ていたかわからないけど、俺は飛行船から振り落とされてきたわけだし、その飛行船だってバリアを突き破って入ってきたわけだから侵入者であることは間違いないんだよな。

 もしあの場面が風魔に見られていたとしたら嘘をついたということで余計に怪しく見えてしまってもおかしくはない。

 

 そんなことを考えていると風魔がくしゃっとした苦笑いを浮かべ、「ごめんなさい」と言った。

 

「黒葉君の行動に関してはなんとなくわかっているんです。意地悪な質問をしてごめんなさい。突如この島のバリアの外から飛行船が勢いよく突入してきて黒葉君の他にもう一人振り落とされているのが見えました。そして船に関してはちょっと離れた場所に墜落したようです。それで、近くに落ちたのが黒葉君だったから僕は黒葉君に水をかけて消火し、ここに運び込んだんです」

 

 もう全部見られていました。終わりです終わり。

 まぁそりゃそうだよね。あれだけ大きな物体が侵入してきて見えないはずがないもんな。そう考えるとこの島全域に見られてしまったと考える方が自然だろう。

 最初はそこまでダイナミックな突入をするつもりはなくてバリアを破壊して島の外れにでも船を止めて上陸するつもりだったからこのパターンは想定していなかった。

 今はもうこの島全域が敵だと考えても間違いはないだろう。本当に面倒なことになってしまった。

 

「黒葉君の懸念点としては侵入したところを見られたせいでこの島の住人全員が敵に回るということだと思いますが、それは大丈夫だと思いますよ」

「大丈夫って?」

「だってみなさん、"仕事"に夢中ですから」




 はい!第210話終了

 新キャラ登場、倉風魔!

 前回の侵入後、黒葉たちは散り散りになってしまい、黒葉はたまたま近くにいた風魔に助けられたという形になります。

 さて、他のみんなはどうしているのか?

 そして風魔の言った大丈夫という言葉の意味と、みんなが夢中になっている"仕事"とは一体どんなものなのか。

 さぁ、陰謀渦巻く未来の島、天空都市『スカイ』編。本格始動!

 それでは!

 さようなら
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