【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 目を覚ました黒葉は洞窟の中にいた。

 どうやら倉風魔という人物が燃えていた黒葉を運び込んで介抱したらしい。

 住人なのだとしたら敵意を持たれているかもしれないと考えて警戒する黒葉だったが、その警戒を解くように風魔は穏やかな口調で黒葉に接する。

 風魔に真実を話すか悩んでいた黒葉だったが、風魔はすでに黒葉が侵入者だということを知っていたという。

 そして風魔に知られているとしたら住民すべてにバレていて敵対されているかもしれないと危惧する黒葉だったが、風魔はその心配はないという。

「だってみなさん、"仕事"に夢中ですから」



 それではどうぞ!


第211話 ぐぅの音も出ない……

side黒葉

 

「仕事?」

「はい、この島に住んでいる人たちはみんな仕事が大好きで黒葉君たちがバリアを破って入ってきたことにも気がつかないほどに熱中しているんですよ」

「は、はぁ」

 

 まぁ、それならそれで都合はいいんだけど、みんながみんな俺たちの侵入に気がつかないほどに仕事に熱中するって、それはそれでどうなの? って感じなんだが……。

 でも、それなら風魔はどういうことなんだろうか。

 風魔だけは仕事に熱中することはなく、俺に気がつくことができた。いや、俺が目の前に落ちてきたから無視することができなかったというのもあるかもしれないんだけど。

 

「そう言えばここってどこら辺なんだ? 見たところ洞窟ではあるようだけど」

「ここはこの空島の外周近くにある僕が拠点としている洞窟ですよ。ほら、あっちの方に僕が生活しているような痕跡があるでしょ?」

 

 言われてみてみると、確かにテーブルのような大きさの石と座りやすそうな小さな石が並べて置かれていたり、ちょっと奥まったところには何かの箱が置かれていた。ちょっと布がはみ出しているのが見えるため、多分あれはタンス代わりなのだろう。

 確かにここは風魔の拠点らしい。

 だが、どうして風魔はこんなところを拠点としているんだろうか。家を買うほどのお金がないとは思えないほどに身なりはいいし、ちゃんと食べているんだと思うが、血色もいい。

 こんなところで野宿みたいな暮らしをしているようには思えない。

 

「……もしかして街からハブられているのか?」

「へ?」

「苦労してるんだな」

「ま、待ってほしい。僕を可哀想な人を見るような目で見るのはやめてくれませんか!? 僕は自分自身の意志でここに住んでいるんですから!」

「それはごめん」

 

 ちょっと考えすぎだったかもしれない。

 失礼なことを言ってしまった。反省だ。

 

 それにしても、ここが端っこだというのはかなり運が良かったな。

 もし街のど真ん中に落下していたらいくら仕事に夢中と言えども俺は捕縛されていたに違いない。

 風魔に助けられてつくづく運が良かったかもしれない。

 

 さて、俺は運よく島の端っこで風魔に助けられたんだが、他のみんなのことが心配だ。

 早くみんなを探して合流しなければいけないんだけど、俺の場合は一つ問題がある。

 俺が単身でここに落ちてしまったときもそうだが、俺はこの太陽光の下に出ると燃えカスになってしまう。

 そのため、直接日光を浴びないようにしなければいけないんだけど、単身で落ちてしまった俺にはそんな都合よく傘を手にしていたり、日焼け止めクリームなどというものも持っていなかった。

 

 だからこれ以上手を借りるのはちょっと申し訳ないんだけど、背に腹は代えられないため、すこし言葉に詰まりながらも風魔にお願いをすることにした。

 

「あれ、もう行くんですか?」

「あぁ、一緒に墜落した仲間が心配だから」

 

 俺がここにいるということは船はスカイに入ることはできたはず。となると、みんなもこの島の何処かにいるはずだ。

 まぁ、この島自体がなかなかの広さだった記憶があるから探すのは骨が折れそうだが、絶対にみんなを見つけ出してみせる。

 そのためには必要なものがある。

 

「でも、俺はこの日差しの中じゃ体質的に出ていけないんだよ。だから何か日傘代わりになりそうなものとか貸してくれない?」

「あー、さっき燃えてたもんね。病気みたいなもの?」

「そーそー」

 

 本当は病気なんて言うものではなく、種族的に太陽が天敵だということなんだが、あんまり吸血鬼であるということはバレないほうがいいだろう。

 とりあえず都合よく解釈してくれそうだったため、適当に頷いておいた。

 

 すると風魔はゆっくりとした足取りで箱の眼の前に行くとおもむろに開けて服を次々と取り出していく。

 どうやら衣服は畳まれることはなくそのまま乱雑に突っ込まれていた様子で、ヨレヨレになった衣服が地べたに散らかっていく。

 というか、あのサイズの箱のどこにあれだけの量の衣服が詰め込まれていたんだと目を疑いたくなるような量の服が次々と出てくる。

 

 やがて風魔は目的のものを見つけたのか、それを手に取り、両手で広げて見せてくる。

 それは今、風魔が着用しているものと同じ軍服だった。

 紺を貴重としていて、銀色のボタンがあしらわれている。ただ、例に漏れずヨレヨレ

だ。

 

「これは僕が今着ている服と同じものなんだけど、すごくてね。伸縮性抜群、水中でも自由に動くことができる。そして何よりも、これは日光を完全シャットアウトできるんだ。これを貸してあげるよ」

「無駄に高性能だな。ありがたく借りていくよ」

 

 軍服を風魔から受け取って着用してみる。

 ちょっと大きい気がするけど、これくらいなら問題はない。袖が少し余っていたり、ズボンが少し地面についてしまっていたり、帽子が大きすぎてかなり目深になってしまっているというのはあるが、まだ十分に自由に動ける範疇だ。

 あと、軍服って分厚くて重たいイメージがあったんだけど、これは軽いし通気性もいい気がする。

 何度も言うが、無駄に高性能だな。

 この上、本当に太陽光を防ぐことができるんなら最高だ。

 

「それじゃあ、もう行くよ。助けてくれて本当にありがとう」

 

 敵陣内で誰かに助けられるようなことがあるとは思っても居なかった。だから俺は風魔の事を絶対に忘れるようなことはないだろう。

 すべてが終わったらお礼を言いに来るのもいいかもしれない。これだけのことを施してもらってこれでおしまいっていうのもさみしいからな。

 

「わかった。じゃあ、行きましょうか」

「うん……うん?」

 

 なんか今、おかしな事を言われたような気がする。

 口調的に風魔は今、俺と一緒に行くといったのか?

 意味がわからない。ここまで色々としてくれたのは助かったが、これ以上俺に付き合う義理なんて風魔には無いはずだというのに。

 

 いや、きっと聞き間違えだろう。そうに決まっている。

 今日、ついさっき顔を合わせたばかりの俺に付き合う義理なんて無いのだから。

 

 でも、俺の目に映る光景がそんな俺の思考を否定している。風魔がまるでこれから出かけるとでも言うように支度をしているのだ。

 

「なんで?」

「なんでって、釣れないことを言わないでくださいよ。乗りかかった船なんです。最後まで僕に案内させてください」

 

 風魔は船だけにと続けてドヤ顔を見せてくる。

 この台詞をチルノとかが言っていたのなら容赦なくツッコミ(物理)をすることができるんだけど、命の恩人ということで拳を収めた。

 

「これ以上俺に付き合う理由が君には」

「理由がなければ付き合っちゃ駄目なんですかねぇ。第一、黒葉君は船がどっちへ飛んでいったか知っているんですか? この島の地理を知っているんですか? 君一人でこの島を探索することができるんですか?」

「ぐ、ぐぅ……」

 

 ぐぅの音も……いや、ぐぅの音は出たが、確かに風魔の言う通りだ。

 俺はこの島のことをなんにも知らない。気絶していたから船がどっちに飛んでいったのかも、そして外周だということは判明したが、自分が今どの辺にいるのかということも何も知らない。

 確かにこの状況で一人で探索するのは無謀だったかもしれない。

 その事を理解してしまったがゆえに俺は何も言い返すことができなくなってしまった。

 

 だから俺はこう言うしかなかった。

 

「ぐ、ぐぐぐ……よろしく、お願い、します」

「なんかすごい悔しそうなんだけど」

「正論を叩きつけられすぎて何も反論できず悔しいんだ」

 

 正論を叩きつけられすぎると人は逆に反抗をしたくなってしまうものだが、反抗の余地がなさすぎて今世紀最大の悔しさを味わっている。

 とりあえず俺は風魔の申し出に頷くことしかできず、風魔に島の案内をしてもらいつつみんなを探すことにした。




 はい!第211話終了

 パンパカパーン
 風魔が仲間になりました!

 風魔と黒葉がおそろいの服装で探索を開始します。

 はい、黒葉が服を変えたことで感づいている人もいるかも知れませんが、この章ではそれぞれ専用衣装に着替えてもらいます。

 まぁ、潜入先でいつもの服装じゃ目立ちますからね。

 他のみんなはどんな服装になるのか?

 僕はそういったセンスがあまりないのですが、頑張ります。

 それでは!

 さようなら
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