もうもう、龍の言葉があまりにも長すぎるので、端折って最初ら辺と最後ら辺を読むだけでいいです!
だってこいつ、1000文字近くご高説を垂れるんだもの。
真面目に読んでたら疲れるので真面目に読む必要は無いですよ。
要点は1番最初と最後だけなので。
それでは前回のあらすじ
目を覚ました咲夜は落下による体の傷を癒すため、近くにあった教会にやってきた。
なんとそこから出てきた司祭とは龍のことだった。
龍と話しているうちに龍本人だと気がついた咲夜は攻撃を仕掛けたが——
それではどうぞ!
side咲夜
「ん〜、いい蹴りだね。でも、それじゃあ僕にはなんのダメージにもならないんだ」
龍だ。
瓦礫の山から立ち上がった龍は自分の体に深々と突き刺さったナイフをゆっくり一本一本慈しむように抜いていくと、その抜いた側から傷がふさがっていくのが見えた。
それはもちろん胸の中心、心臓も例外ではなく、まるで何事もなかったかのように衣服の下にある素肌は一瞬にして完治してしまった。
「でも、女の子なのに、暴力的だと男から嫌われるよ? やっぱり女の子はおしとやかで、男を立てるべきだと、そう思うんだよね。すぐに相手に手をあげるんじゃなく、まずは話し合いだよ。うん、人間である以上、話し合いはとても大切なプロセスだと僕は思うんだけどね。それができないなら君は動物以下、妖怪以下だと思うよ、思わないかな? 今回は許してあげるけど、次はないよ? 僕はこの世界の誰よりも優しい男だけど、その我慢にも限界があるんだからさ、僕の優しさに甘えていないで、まずは言いたいことを言ったらどうなの? いや、そもそもさ、君は今僕に質問をしたかったんだよね。一方的に質問を投げかけて、それで僕の返答も聞かずに
言いながら段々と殺気が濃くなっていく龍に思わず後退りをしてしまうが、こんなところで引く訳にはいかない。
どういうからくりかは分からないけど、龍はとんでもない自己治癒能力を持っているようだ。それも、致命傷すら一瞬で回復してしまうほどの強力なもの。
あれを能力で使うとしたら霊力を感じずに一瞬で治癒するっていうのはおかしいし、何よりあいつの霊力量ではどう頑張ってもあの傷を治癒するほどの力を使えるはずがない。
能力っていうのは強力であればあるほど消費霊力が比例して大きくなっていくものなのだ。
なにか秘密があるはず。
そこで私は思い出した。
あれは、そう。鍛冶師の人里で戦った黒葉の実兄である銀河月刃のことだ。
月刃は
――神速の加護。
そう、あれは加護だった。
加護を使って目にも止まらぬ早さで動く月刃だったが、月刃があの力を使う時は霊力を感じなかった。
だから、加護を使う時は恐らく霊力の放出が無いのだろう。
そしてあの治癒をする時にも霊力を感じなかったことから考えられるのは、
「加護ね」
あれも加護であるということ。
私は加護についてあまり詳しくはないし、本当にあんな加護が存在するのかも知らないけど、そうとしか考えられなかった。
加護だと言うのならあれはどんな加護なのだろうか。月刃の加護は単純にスピードを速める効果だったけど、能力の定義に当てはめるとしたらあの効果は副産物である可能性も大いに有り得る。
例えば、治癒能力が高い何らかの生物の力を得ることが出来るみたいな効果があるのかもしれない。
落ち着いて見抜け、私なら出来るはず。
「あれっ!? もしかして聞こえなかったのかな。それならごめんね、もうちょっと聞き取りやすい声量で話すようにするよ。でもね、僕は思うんだ。聞こえなかったのは、その相手が聞く努力をしなかったからなんじゃないかって。君ももし聞こえなかったら聞き返すことだって出来たわけだし、聞き返して来なかったのはもしかして僕の話を聞きたくなかったのかな? それとも意図的に僕の話を無視してるのかな? だとしたら頂けないよね。それって僕という存在を軽んじている、軽視している行いだ。到底許せる行為ではないよね」
「っ、レミリアお嬢様はどこだ」
徐々に狂気を帯びていく龍の瞳の圧に耐えきれなかった私は攻撃する前と同じ質問を瞬時に繰り出した。
するとさっきまでの表情はどこへやら龍の表情は元々の大らかな表情に元通りし、あまつさえ微笑みすら向けてきた。
「それでいいんだよ。人と人がコミュニケーションを取る上で会話のキャッチボールっていうのは大切だからねぇ。それで、レミリア嬢がどこにいるのかって話だっけ。それ、君に教える必要ある?」
「っ、態々もう一度言わせたくせに言わないんですね」
「そりゃそうさ。質問をしたら必ず求めている答えが返ってくると思っている方が間違いなんだよ。甘い、甘いよ。社会って言うのはそんなに優しいものじゃないんだ。欲しいものは勝ち取る、それがこの世界のルールだ」
「そう」
正論のように聞こえるが、その実、お嬢様の居場所を言いたくないという、ただそれだけの理由だろう。
自分の罪を如何にも最もらしい理由をつけて正当化しているだけで、こいつの言葉を紐解けばめちゃくちゃだし、極悪だ。
こいつはコミュニケーションだとかなんだとか言っているが、その実相手に反論させないようにめちゃくちゃな論理を組み立ててマシンガントークをしている。
つまり、元々こいつはコミュニケーションなんてする気は無いんだ。
なにか掴めればと思って会話を選んだのは失敗だったかもしれない。こいつと喋っていると魔理沙と喋ってる時の数倍は疲れる。
もう耳も頭もおかしくなりそうだ。
結局、こいつが何を言っているのかと言うと、知りたかったら自分を倒して見せろということだ。
回りくどいし分かりにくい。
こいつは絶対に簡潔に述べよとかいう問題が大の苦手だろう。
「そもそも君は一体誰なんだい? レミリア嬢とはどういう関係なのかな? 自分の正体を明かしていない人に大切な僕の嫁の場所を教えるわけないでしょ? 君も見ず知らずの他人が攻めてきたとして、自分の大切な人の場所を教えたりするのかな? しないよね。君がレミリア嬢とどんな関係なのかは知らないけど、首を突っ込むのはやめてくれないか? 大した関係じゃないならなおさらだよ」
瞬間、私の体は考えるよりも先に動き出していた。
時を止めて龍の腹を蹴り飛ばす。さっきの攻撃でノーダメージなのだから当然この程度ではダメージなどないだろうけど、それでも蹴り飛ばさずにはいられなかった。
時間停止を解除、同時に龍の肉体が後方へ吹っ飛んでいき、先ほどのリプレイのように再び壁に激突して瓦礫の山に埋もれる龍。
私はこれほどまでに冷静さを欠くような人だっただろうか。今はどうにも冷静ではいられなくて、衝動の赴くままに龍を蹴り飛ばしてしまった。
その事実を認識し、私は一人頭を抱えてしまう。
こいつと話すのは疲れるけど、もしかしたらもうちょっと情報を引き出すことができたかもしれないというのに、再び攻撃をしてしまったことによって本当に龍と敵対してしまったことだろう。
でも、後悔なんてものはない。
だって——
「私は十六夜咲夜、レミリア・スカーレット様が主を務める紅魔館、その
私にとって紅魔館のメイド長であるということは誇りなのだから。
例え話だったとしても、それが大した関係じゃないと言われるのは心外だ。
はい!第217話終了
なんか終わり方が前回と似たような感じになってしまいましたね。
前回も咲夜が龍を蹴っ飛ばして終わりましたから。
まぁ、龍の扱いなんてこの程度でいいんですよ。
どんどんフルボッコにしていきましょう。まぁ、龍にはダメージは一切ないですけど。
さて、いきなり始まった咲夜VS龍ですが、咲夜はどのようにして龍の力の秘密を探っていくのでしょうか。
それでは!
さようなら