【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 苦戦するルーミアに天音が加勢し、二人は咲夜を回収して逃げ出す。

 だが、龍の力の前には三人全員で逃げることは不可能。

 ちょうどよく龍の力を無効化した天音に矛先が向いたので、天音は恐怖を抱きながらも囮になることを選んだ。

 果たして天音の運命は如何に?



 それではどうぞ!


第224話 パニック

side咲夜

 

 あれからどうなったんだろう。

 どうして私は今、意識があるのだろう。

 龍に負けて、そして意識を手放して。

 どうして衝撃がやってこない? 

 

 涼しい。多分日陰にいるのだろう、風は感じないけど太陽光が当たっていないからか涼しい。

 

 全身が痛い。最初に目を覚ました時よりもずっと体が痛い。

 目を開けるのが今までにないほどに怠い。だけど、現状を確認しないことには始まらないから重たい瞼を開けてみることにする。

 

 目を開けて一番に飛び込んできたのは石造りの無骨で巨大な建物。

 一目見ただけで先ほど教会に向かう前に遠くに見えた街の建物だということが分かった。

 

 でも、なんで私はここに居るのだろうか。

 さっきまで私は教会の外で龍と戦っていて、そして絶体絶命の大ピンチに陥ってしまっていたはず。そこまで考えたところで私は地面に倒れているにしては頭の下が柔らかいことに気が付いた。

 それに顔を上に向けたときにちらっと見えるルーミアの寝顔。どうやら私は今、ルーミアに膝枕をされているらしい。

 

 どうやってあの状況から助け出してくれたのかは分からないけど、どうにか私を助け出して隠れていると言ったところだろう。

 そして私を膝枕して私が起きるのを待っている間にルーミアも寝てしまったのね。

 でも、どうやって? どうやって龍から私を助けたのかしら。

 私は『時間を操る程度の能力』を持っていたし、樹海で攻撃が来る方向を察知することが出来るから対処できたけど、ルーミアでは龍の対処なんてできるとは思えない。

 いったいどうして……。

 

「くっ」

 

 起き上がる。

 全身に電気が走ったかのような激痛が走り苦痛の声を漏らしてしまうが、こんなところで弱音を吐いている場合じゃない。

 メイド長として、レミリアお嬢様の一番の従者としてここで立ち止まっているわけにはいかない。

 ルーミアとは運よく合流できた。だから後は黒葉と天音を助けに行かないと。

 

「さく、や?」

 

 そこでどうやら私が動いたことでルーミアを起こしてしまったらしい。

 まだ寝起きでぼーっとした瞳で私を見つめてくるルーミアだが、徐々に眠気が覚めてきたのか、焦点がしっかりとあってくる。

 そしてついにルーミアと目があった。

 

「さ、咲夜〜、目を覚ましたんだね! よかった〜」

「うっ」

 

 瞬間、大粒の涙を流しながら勢いよく私に抱きついてくるルーミア。大怪我を負った直後ということもあってこの勢いで体当たりされたらすごく痛いんだけど、多分心配してくれていたんだろうから、この痛みも受け入れることにする。

 今はとりあえずルーミアを落ち着かせてあげることが第一。

 だからそっと背中を摩ってあげる。

 

「うぅ……咲夜死んじゃうかと思った。血が凄いし、全然動かないし。でも、よかった」

「ルーミアがここまで運んでくれたの? 助けてくれてありがとう」

「うん、でもこの島の地理なんてわからないし、龍から隠れる場所なんて全然わからないからとりあえずここに運んで休んでたんだ」

 

 建物と建物の間にある路地。ここなら確かに身を隠すのには最適だろう。

 地理や何もかもがわからない私たちではどこでなら休めるかはわからない。だからとりあえず身を隠せる場所に隠れるというのはいい判断だ。

 龍の能力がお嬢様と同系統の能力なのだとしたらある程度の近さの未来・運命しか見ることができないはず。龍とある程度距離を取ることができれば龍には見つからないはずだ。

 ここなら見つかりにくいはず。というよりも、あの性格だからわざわざ負ってトドメを差しに来ようとはしないはずだ。だからとりあえず今は休んで。

 

「咲夜、ごめん」

「え?」

 

 突然の謝罪に面食らってしまった。

 何を謝ることがあるのだろうか。逆に穏便に過ごして後でみんなと合流して叩くということもできたはずなのに頭に血が上って勝手に戦い始めたことを私が謝りたいくらいだというのに。

 ルーミアから謝られるようなことは何一つないはずだ。だというのに、何だろうこの嫌な予感は。

 霊夢じゃないのだから私の勘はそこまで鋭くないはずなのに、全身の毛が逆立つような、そんな嫌な予感がする。

 

「ごめん、ごめんね。私が弱いせいで」

「ルーミア、落ち着いて。落ち着いて、ね?」

 

 落ち着いてと言う度に謝罪を重ねてくるルーミア。一種の混乱状態と言えるだろう。

 ちゃんとルーミアから話を聞くためには一度落ち着かせるしかない。だからルーミアが落ち着くまで抱きしめて背中をさすってあげる。

 ルーミアの様子から相当なことがあったのだろうと想像できるから、私も嫌な予感がして不安になってしまうけどそれを悟られないように。

 

 5分ほど経過した。

 ルーミアの心音も静かになり、落ち着いてくれたのかルーミアの方からゆっくりと私の体から離れた。

 

「落ち着いた?」

「うん」

 

 小さくルーミアは頷き、 深く息をつく。

 ただ、まだ何があったのかは言い辛いのか口ごもり、上手く言葉にできない様子だったため、焦らせることはせずにルーミアが自主的に話してくれるまでただルーミアの前に座り、壁に背を預けて待つ。

 やがて決心がついたのか、ルーミアはただ一言、ぽつりとこぼした。

 その一言が私にとってあまりに衝撃的過ぎて気を失いそうになってしまうほどで、そして私の焦りを増幅させるのには十分な一言だった。

 

「天音が囮になって一人で龍と戦っている」

「っ、何ですって!?」




 はい!第224話終了

 いつも2000~3000文字を目安に書いているのですが、最近は文字数が4000字を超える物ばかりだったので久しぶりの2000文字です。

 さて、ここからは咲夜とルーミアの話になるのですが、黒葉の話はもう少し後になります。

 次回からの話になりますが、咲夜とルーミアはしっかりと龍とタイマンを張ったことによって龍には勝てないと分かり切っていることからまずは情報を集めるために奔走します。

 果たして龍を撃破できるのか?

 それでは!

 さようなら
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