【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 文の話を聞き、椛も助けることを決めた咲夜とルーミア。

 早速椛を助けるため、三人は文が見たという怪しげな機械を確認するために動くのだった。



 それではどうぞ!


第232話 謎

side咲夜

 

 文の案内で私たちは検問所にやってきた。

 確かに話に聞いた通り、この場所だけにはバリアが内容で、外との行き来が可能となっている。

 ちょうど、検問所の向こう側には船着場と先日着いたばかりの飛行船の姿があった。

 燃料の関係で半月に一回しか動かせないって言うことだから後一週間ちょっとはあそこに停めっぱなしになるのだろう。

 

「ねぇ、咲夜。誰も居ない」

「ちょ、ルーミア! もう少し慎重に――本当ね、誰も居ないわ」

 

 検問所はもぬけの殻だった。

 ゲートのようなものがあって、その左右には人一人(ひとひとり)が入れそうなカウンターがあるけど、誰も居ない。

 普通、誰かが勝手にここから出ていかないように見張る人がいるもんじゃないかと思うんだけど。

 確かに一般人からしたら飛行船が動かない以上、脱出手段がないから勝手に島から出られないって言うのはそうかもしれないけど、この幻想郷には飛べる人が多く存在する。妖怪や妖精の類はほぼほぼ飛べるし、霊力の扱いに長けた霊夢や魔理沙のような人間でも飛べるのだ。

 普通にここから脱出することだって出来るだろうに、そんな人が今まで居なかったのは驚きだ。

 だって、文の話によるとスカイから帰ってきた人を見たことがないって言うことだし。

 

 ただ、一つ嫌な気配がこの検問所自体からもする。魔力が渦巻いているようだ。

 探索している間にここと似たような気配がする場所を見かけていた。

 工場と街の中央に位置する巨大なドラゴンの像。

 嫌な予感がするため、あまり近づかないようにしていたのだけど、あの像も一度調べてみる必要があるかもしれない。

 

「咲夜さん咲夜さん、これですこれ」

「なに? ……これは」

 

 文がカウンターの裏から見つけ出したのは銃に良く似た機械。

 だが、これは紛れもなく魔道具だ。パチュリー様や魔理沙が使っていたものと似た気配を感じる。

 この島には色んな機械があって、そのどれもが霊力を帯びているのだが、これは魔力を帯びている。

 

「どうですかね」

「いや、私には分からないわね」

 

 せめてこの場にパチュリー様が居ればこれがどんなものなのかわかったかもしれないけど、私はこう言ったものに疎いため、判断がつかない。

 

「一応ダメ元でにとりに見せてみようよ」

「にとりに? 居場所わかるの?」

「うん、だって私たちは飛行船に乗ったまま墜落したんだから」

 

 そうだったわね。

 そしてにとりは飛行船のことを見ておくって言う話だったはず。

 ということは今もまだ飛行船で一人待っているのだろうか。

 なら、ルーミアが飛行船の場所を知っているだろうし、もしかしたら専門外かもしれないけど、この魔道具を一度にとりに見てもらうのも手かもしれない。

 少なくともこれがなんらかの形で催眠に関係しているのは間違い無いのだから、これを調べることで椛を助け出すことに近づくことができるはず。

 

「じゃあ、ルーミア。早速飛行船に案内してちょうだい」

「ちょっと待ってよ。もうこんな時間だよ、こんな時間に行動するのは危ないんじゃない?」

 

 言われて空を見る。

 既に太陽は沈み、周囲を闇が包み込んでいた。紛れもなく夜になってしまったらしい。

 確かにこんなに暗かったら周囲を把握することは困難になるし、行動するのは危ないというルーミアの考えも分からないでもない。

 でも、この暗闇だからこそ今動くべきなんじゃないかって思う。

 

「いい、ルーミア。私たちはお尋ね者なのよ。なのに明るい時間に堂々と行動できる訳ないじゃない。むしろ、あの草原を走るにはこの暗闇に乗じるのが一番じゃない?」

「そうですよ。咲夜さんの言う通り、動くなら今しかないかと」

 

 私の言葉を肯定してくる文。

 いつもならここでルーミアも納得して私たちに着いてきてくれるところなんだけど、ルーミアは一向にいい顔をすることは無かった。

 むしろ、不安げな表情で私を見つめてくるばかりで、私はわけも分からず首を傾げてしまう。

 

「じゃあ、じゃあさ! 私が一人で行ってくるよ」

『え』

 

 私と文の声が重なる。

 それは確かな決心の籠った声で、ルーミアの覚悟が感じられるものだったが、どうしてそんな考えに至ったのか全く理解できない。

 私たちは全員で飛行船に向かうつもりだったんだけど、ルーミアはどうしても私と文を飛行船に行かせたくないとしか思えないような言動を取ってくる。

 思わずその行動に催眠を受けていることを疑うが、ルーミアは間違いなく私たちと一緒にダイナミック入島したから催眠なんてされていないはず。

 

「どうして?」

「だって、咲夜。酷い怪我じゃん、辛そうじゃん」

 

 絞り出すように言ったルーミア。

 確かに今の私は龍から受けた傷がまだまだ残っている所か適切な処置もできていない状態だ。

 せめてもと思って聞き込み中に軽く応急処置はしたけど、こんなもので適切なわけが無い。

 だけど、それでもお嬢様を助けたいと思ってここまで来た。

 

 正直、今も痛くて痛くて仕方がないくらい。

 私が紅魔館でメイドとして鍛錬していなかったら、正直この痛みには耐えられなかった。

 骨が砕かれる衝撃、肉を噛み潰される痛み。

 今でもあの瞬間の衝撃を鮮明に思い出せるほどに鮮烈で。

 

 ルーミアには悟られないように普通にしていたつもりだったけど、ルーミアは最初からわかっていたらしい。

 

「え、咲夜さんの怪我ってそんなに酷いんですか?」

「酷いなんてもんじゃないよ。永遠亭で入院が必要なレベル」

「えぇっ!? さ、咲夜さん、そんな状態で今までこんなに動き回ってたんですか!? 失礼を承知で聞きますが、あなた人間ですか――ぶへぇっ!」

 

 本人も失礼を承知だったらしいけど、やっぱり失礼なことを聞いてきたからとりあえず蹴り飛ばしてあげた。

 私は生まれてこのかたずっと人間をやってきたつもりなんだけれど!? 私ってそんなに人間としておかしいのかしら……もうちょっと弱さをアピールした方がいい?

 ……いや、肉体強度の弱さにかまけて二人に全てを任せるなんて私の性に合わないわね。

 

「ここまで動かせておいてなんだけどさ、咲夜の体で人目につきやすい草原に出るのは危ないよ。私だったら、闇に乗じて行動するのは慣れているし、今日中に見せた方がいいなら私が行ってくるよ。私ならさ、思ったよりもダメージ少ないから。今は咲夜に少しでも休んでもらいたいんだ」

 

 そうは言ってもルーミアだって私を龍から助けるために少なく無いダメージを負っているはず。だから私と状況的にはあまり変わらないはず。

 妖怪とはいえ、一瞬で傷が治ったり、傷がある状態で行動していても辛く無いわけじゃ無いはず。ルーミアも無理をして、痛いのを我慢して私たちと行動してくれている。

 それに、今この状況で逸れるのは一番まずいだろう。だって、いつどこで敵襲に出会うかもわからない敵陣で単独行動をしている間に襲われたら助け合うこともできない。私たちはそうとも知らずにルーミアの帰りを待つことしかできなくなる。

 ルーミアはこう言っているけど、正直私もルーミアに今から一人でにとりの元へは行って欲しく無い。

 

「……わかったわ。これをにとりに見せに行くのは明日にして、今日はもう宿を取って休みましょう」

「うん、それがいいよ!」

 

 折れるしかなかった。

 だってこの子、私が行くと言ったら自分が行くって言って聞かなそうだし。

 

「それじゃあ、私が取ってる宿に案内しましょうか? まだ部屋の空きはあったはずですし」

「えぇ、よろしく頼むわ」

 

 敵陣で宿を取って休むのもどうかと思わないこともないけど、それよりも今は体を休めることが最優先。

 これから先、何が待っているかわからないから。




 はい!第232話終了

 謎の機械を手に入れた咲夜たち。

 果たしてにとりでこの機械の謎を解き明かすことができるのか?

 ちなみに、この話の時間軸で黒葉が牢屋の中で目を覚まし、風魔に助け出されました。

 黒葉が謎の人物に敗北するのはこのあとですね。

 果たして黒葉はみんなと合流できるのか? 合流するのか?

 あと、風魔が責任を持って咲夜たちを帰すって言っていましたが、風魔の行動にも注目です。

 ちなみに、みなさんもうわかっていると思いますが、三章一番のキーマンは風魔です。二章で言う威迅的な立場ですね。

 さて、僕としては早く三章の決戦編に進みたいので、ちょっと駆け足になるかもしれませんが、大事な話はちゃんと書きますよ。

 ちなみに、この章も半分は咲夜が主人公みたいになるので、黒葉視点は二章同様少ないかもしれません。

 なんか、二章以降はずっと黒葉が裏で動いているような気がする。
 一応、この子は主人公なんですけどね。

 それでは!

 さようなら
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