【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 検問所へ来た咲夜とルーミアと文の三人。

 三人はそこで銃にも似た謎の機械を発見する。

 魔道具という類のものだが、一応にとりに見せてみることにした三人。

 しかし、もう夜も更けて来た。

 さすがにこの時間からにとりの元へ向かうのは危ないため、三人は宿で一夜を明かしたのだった。



 それではどうぞ!


第233話 リミット

side咲夜

 

「そうだったわね、昨日はここで寝たんだった」

 

 目を覚まし、昨日の状況を思い出す。

 ルーミアと文にはゆっくり休めと言われたけれど、正直あんまり休まった気がしない。身体中が痛いし、ここは敵陣だし、不安であまり深く眠ることができなかった。

 警戒してずっと樹海で周囲の気配を探りっぱなしだったし。

 

 でも、あのまま全く休まずににとりのもとへ行くよりはましだったと考えておこう。休みもしなかったらきっと今よりも酷い体調になっていたはずだから。

 

 体調のことはポジティブに考えることにした。休むのも合理的に考えたら重要だし、これから戦って行く上で体力というのは回復しておくに越したことはない。

 ただ、後悔は襲いかかってくる。一日休んでしまったという罪悪感が湧いてくる。

 天音だって自分の命をかけて戦って私とルーミアを逃がしてくれた。黒葉だっておそらく今頃どこかで戦っているんだろう。

 こんな風に休んでいていいのかと。

 頭の中で、二人がここにいたとしても休めと言うというのはわかっていても、脳が私を責め立ててくる。

 

「期限まであとどれくらいなのだろう」

 

 それを知るにはまずなぜ龍がお嬢様をさらったのか、その理由を知る必要がある。その内容によって、お嬢様を助け出すことができる期限というのが変わってくる。

 なんとかしてそれを探りたいんだけど、街の人たちはそれに応えてくれることは多分ない。昨日散々聞き込みをしても無反応だったんだから、その答えだけ都合よく語ってくれるなんてことはないだろう。

 かといって潜入するのも危険だ。私たちの素性はバレているから、見つかった時点で即終了バッドエンド。

 

 本格的に詰んでいるんじゃないかとさえ思えて来てしまうほどの状況だ。

 お嬢様は不変の運命が来たら諦めると言っていたけど、確かにこれは生半可な覚悟じゃ立ち向かえないほどに不変すぎる。

 

 とりあえずにとりのところに行って今日はこの謎の機械のことを調べてもらわなければいけない。

 そう思って出かける支度を進めていると、廊下からドタドタと走ってこっちに向かってくるような音が聞こえて来た。

 反射的に樹海を使ったけど、どうやら敵ではない様子。

 足取り的にはこっちへ向かって来ていたため、とりあえず時間を止めて鍵を開けてあげることにした。

 

 その銃秒後、私が鍵を開けた扉が勢いよく開け放たれ、一人の人物が飛び込むようにして入室して来た。

 

「咲夜さん咲夜さん、見てくださいよこれ!」

 

 勢いよく入って来た人の正体は射命丸文。

 焦りと動揺が混ざったような表情と声色に思わず嫌な予感がして渋顔を披露してしまうが、その直後に手渡して来たチラシへ目を通して私も目を見開いた。

 確かにこれは文の反応も頷ける。だって——

 

「お嬢様が、結婚!?」

 

 そのチラシに載っていたのはお嬢様と神父——桑間龍が三日後に結婚するという記事だった。写っている写真には暗い表情のレミリアお嬢様としたり顔でムカつく今私が世界で一番嫌いな男、龍の姿。

 こんな流れで龍の目的を知ることになるとは夢にも思っていなかったけど、どうやら龍はお嬢様と結婚するためにこんな場所へ連れ去ったらしい。

 何か崇高な目的があったり、人道に反しているテロ的な目的のためなんかじゃない。己の私利私欲を満たすための目的。

 正直、龍と対峙してからあいつにはそんな崇高な目的や五天魔王として活動する上での協力とかは向いていないだろうなと感じていた。誰かのために動くことなんてできないし、そのために自分の貴重な体力を使うのはもっての他だと考えていそうだと思っていたからある意味解釈一致ではあったんだけど、龍のことがもっと嫌いになってしまった。

 

 お嬢様の合意も得ずに強引に結婚を迫る龍。

 私に限らず紅魔館のみんなは一人残らずお嬢様に幸せになってほしいと考えている。それは多分黒葉やルーミアも同じだし、私の部下たちもそうだろう。

 だからこんな形での結婚なんて許せるはずがない。お嬢様があんなやつと添い遂げて幸せになれるわけがない。

 

 怒りのあまり思わず手に持っていたチラシをグシャッと握りつぶしてしまった。

 

「文、ルーミアも連れて一刻も早くにとりのもとへ行くわよ」

「あ、うん、それなんだけどさ、気づいてないんじゃないかなと思っていたけど、ルーミアもここにいるよ」

「へ?」

「あ、おはよう」

 

 文に指摘されてようやく気がついた。

 文の勢いや記事のインパクトに気を取られてルーミアがあとから入ってきたことに気がつかなかったらしい。もし入って来たのがルーミアじゃなくて敵だったら私は絶対にやられてしまっていただろう。

 

 でも、ルーミアもいるというのなら話は早い。文の部屋と私の部屋の間にルーミアの部屋があるから、多分文は私の部屋に来る前にルーミアの部屋でこのチラシを見せて一緒に来たんだろう。

 ちょっと落ち着いて見えるのは文が焦りすぎてインパクトが強すぎたせいね。

 

「でも、文はこれをどこで見つけたの?」

「ちょっと早く目を覚ましちゃったからね、何かいい情報がないか一人で探っていたらいろんなところにこれが貼ってあったのを見つけたんだよ。多分、今日貼られたんだと思う」

「でも、こんなの貼っても意味ないんじゃないかしら。だって、話しかけてもマニュアル通りにしか動かない連中なんだから」

「私もそう思いまして、しばらく様子を見ていたんですよ。そうしたらなんと、街の人たちもこのチラシに反応しましてね、まるでゾンビのように群がってちょっと気味が悪いくらいでした」

「え、それ本当?」

 

 昨日は私たちの話に全く反応しなかった住人がこんな一枚のチラシで反応するわけがないんじゃないかと思ってしまうが、ある一つの考えが正しければその反応も納得がいく。

 龍がこのスカイの支配者であるということだ。

 龍がここに来た時からずっとその考えはあった。龍がこのスカイを拠点としているという可能性、その答えが今、出たような気がした。

 もし龍はスカイのことと部外者だったとして、わざわざ主犯が龍のチラシだけに反応するように催眠をかけるとは思えない。それに龍が主犯だとしたら自分の結婚式の告知に誰も興味を示さないのは面白くないだろう。

 

「これでタイムリミットははっきりしたわね。タイムリミットは三日、龍とお嬢様の結婚式まで」

 

 それまでに龍の秘密を暴き、龍からお嬢様を取り戻す。

 

「こうしてはいられないわね。早速にとりのところに行きましょう。ルーミア、案内してくれる?」

「任せておいて!」

 

 色々と調べることが多くて嫌になって来る。

 でもそれでも私たちは途中で投げ出すわけにはいかない。私たちも、文も、大切な人がかかっているんだから。

 

 

 

【龍とレミリアの結婚式まで、残り3日】




 はい!第233話終了

 今回でにとりのところに行こうかなと思っていたんですけど、これ以上進むと切りどころがなくなると感じたので、一旦ここで切ります。

 さて、黒葉と咲夜チームで別れていますが、今黒葉は何をしているのでしょうか?

 タイムリミットはあと3日、龍にレミリアが連れさらわれてちょうど一週間になります。

 果たして咲夜たちは龍の秘密を解き明かし、龍を倒すことができるのでしょうか?

 それでは!

 さようなら
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