【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 翌日、目を覚ました咲夜の元に大慌てで文がやってくる。

 その文の手に握られていたのはレミリアと龍が結婚するという衝撃的な内容のチラシだった。

 期限は三日後。それまでに椛を助け、レミリアを連れ戻す。

 目標がはっきりした咲夜たちは早速にとりの元へ向かうのだった。



 それではどうぞ!


第234話 Mission:にとりを回復させろ

side咲夜

 

「これは酷いわね」

 

 私たちはルーミアの案内に従って飛行船の墜落現場へとやってきていたのだが、その光景には思わず苦笑いがこぼれてしまう。

 不時着というにはあまりにも悲惨な光景で、飛行船が地面に突き刺さっているような状態。しかも原形なんてあったものじゃない。大破といっても過言ではない状態の飛行船。

 いくら妖怪と言えども、よくこの状態で生きていることが出来たなとある意味感心してしまう。特に天音なんて人間の肉体強度なんだから、この状況でどうやって生き延びたんだろう。

 

「あの……みなさんは本当に生きているんですよね。私だけにしか見えていない幽霊とかじゃないですよね」

「えぇ、もちろんちゃんと生きているわよ。ちゃんとね」

「なんですか、その含みのある言い方は!? あと、死んでいる人は自分から死んでいるなんて言わないんですから、その言葉は信用がないですよ!」

 

 本当に私たち全員、どうして生きているのかがわからない。

 飛行船組の三人はあんな大破した飛行船で不時着したし、私と黒葉なんて飛行船から振り落とされて生身で落下したんだけどね。

 でも、運良く私たちは全員——無事かはわからないけど。黒葉とはスカイに来てから会っていないし……でも、多分黒葉なら生きている。妹様の遊び相手をしていてピンピンしている人なんだから、そう簡単にしにはしないだろうという信頼をこの短い付き合いで抱くことができるようになっていた。

 実力自体はまだ物足りないけどね。

 

「たぶんにとりは操縦室にいるんじゃないかな。昨日、グロッキーになってたから」

「よくそれで済んでいるわね」

「とりあえず、にとりさんに早速魔道具を見せに行きましょう」

 

 船はボロボロ。掴むと崩れ落ちる場所もあるため、私たちは慎重に大破した飛行船に乗り込んでいく。

 壊れる前は通れた道も塞がれてしまっており、通れる道が制限されてしまっているため、壊れる前に操縦室に行くために使っていた道は使うことができなくなっているから道を選んで操縦室に向かう。

 そこは精密機械が密集しているからか、頑丈に作られていたようで、ほかの場所よりは破損が少ないという状態ではあった。色々なものが散乱している悲惨な状況というのは変わらないけど他よりはマシだった。

 

 そんな操縦室の中央付近、そこに私がよく知っているような顔に腕を乗せるという体制で倒れている一人の少女。

 

「む、むきゅー」

「あれってパチュリー様以外でも言うのね」

 

 河城にとり、私たちの目的の人物。

 一晩が経過した今でもグロッキー状態で倒れたままになっていたらしい。私たちのわがままに付き合わせた挙句この状態で放置することになってしまったのだから流石に罪悪感が湧いて来るけど、ここは一度起きて魔道具を見てもらわないとダメなので、にとりの両肩に手をやって揺すってみた。

 

「にとり、にとり起きて。あなたに見てもらいたいものがあるのよ」

「う、うえぇぇぇぇ、しゃ、しゃくやさん。ぎ、ぎもちわる」

「だ、誰が気持ち悪いですって!」

「ぎゃああああああああああああ」

「酔っている相手にその攻撃、さては咲夜さんはSの才能をお持ちですね。なんと言う鬼畜」

 

 一際大きいにとりの悲鳴が響き渡る。

 その声にハッと我に返って私は今自分自身がやったことを鑑みて頭を押さえた。

 

「ご、ごめんなさい。ちょっと、イライラしてしまっていて」

 

 迫るタイムリミット、それによる焦り、何も手がかりを得ることができていないという絶望感。それらのせいで私は自制が効かなくなってしまっているようだ。もうちょっと冷静になれるようにしなければ。

 私は紅魔館の完全で瀟洒な従者。何事にも揺るがされてはいけないのよ。

 

「咲夜、多分今の揺すり攻撃のせいでにとりの症状悪化しちゃったような気がするんだけど。どうするの?」

「…………この島に薬局ってあったかしら」

「そう都合よくあるかなぁ。最悪、にとりがこのままタイムリミットまで動けなくなるっていう可能性があるんだけど」

「ど、どうしたら……」

「いつも冷静沈着、物事を俯瞰して見ている咲夜さんが焦っているのってちょっと面白いですね——がふっ」

 

 どうしようもなくムカついたから殴ってしまったが、後悔はない。

 

「文、あなたこそ焦ったらどうなのよ。あなたの親友が囚われの身になっているのでしょう?」

「まぁ、そうなんですけどね。咲夜さんたちが居たらなんとかなりそうだなって安心してしまって……ダメですかね?」

「そんなに重い期待をぶつけられても困るのだけど」

 

 こっちはまだ何も糸口を見つけていないのだから、ずいぶん呑気なものね。

 でも、焦って物事を見落とすよりは文のような精神状態の方がまだいいのかもしれないわね。

 

「それじゃあ、とりあえずまずはにとりを助けることから始めましょう。にとりが復活してくれないと何も話が始まらないから」

「そうだね。もしかしたら薬局もあるかもしれないし」

「でも、一ヶ月間ここにいるけど、薬局なんて見てないですよ」

 

 早速船から出て薬局を目指すために歩を進めようとした時に背後から聞こえてきた文の声。

 ちょっと希望を持って目標に向かって進んで行こうとしていた矢先の出来事である。私とルーミアのやる気は一瞬にして破壊され、船から出ようとしていたところを回れ右して戻って来る羽目になってしまった。

 にとりのこの症状、まず間違いなく船で激しく揺られたせいで船酔いをしてしまっているというものなんだろうけど、すぐに元に戻ってもらうためには酔い止めが必要。

 鈴仙も永琳もいないし、薬局もない。こんな状態でどうやってにとりに復活してもらえというのだろうか。

 

 やっぱり体調悪くても無理矢理にでも起こして吐きながらでも見てもらうしかないか。

 

 私は鬼になるという覚悟を決め、にとりに近づいて行く。

 そして——

 

「ねぇねぇ、大ちゃん! この船すごいよ! 地面に突き刺さってる!」

「あ、危ないよチルノちゃん」

「なんで船が突き刺さってるの?」

「わからないけど、なんかすごい光景だな」

 

 聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 私自身はそこまで深い面識があるかと言われるとそうでもないのだけれど、この声の持ち主たちはまず間違いなく黒葉とルーミアのご学友である——

 

「チルノ、大妖精。ミスティアにリグルの声までする! どうしてこんなところにみんながいるんだろう」

 

 ルーミアが興奮して私に報告してきた。

 もちろん罠の可能性もある。私たちの知っている人の演技をして私たちをおびき寄せるっていう能力を持っている人がいたとしても何も不思議ではない。

 でも、だとしたらどうしてあの四人? この中であの四人と仲がいいのはルーミアしかいないから私と文を釣ることなんてできないはずだ。

 

 なら、観光?

 数日前に黒葉の目の前で出た飛行船に登場していたのかもしれないわね。黒葉は全然気がついていなかったみたいだけど。

 確かにここは物珍しいものばかりで、観光するならいい場所なんだろうけど、内情を知ってしまった今ではここに観光に来るのは危険すぎるとわかっている。

 早くご学友の皆さんを帰さなければ。

 

「私、行って来るね!」

「私も行くわ」

「え、咲夜さんも? じゃあ私はここでにとりさんを見てますね」

 

 ひとまずにとりのことは文に任せ、私とルーミアの二人で外の様子を見に行くことにした。




 はい!第234話終了

 ぇぇ、寺小屋組が最後に声だけで出演しました。

 今まで時々話題に上がることはありましたが、実際に登場するのはとんでもなく久しぶりです。

 最後に登場したのは第43話でミスティアがルーミアのことを励ましたシーンですね。

 ほかの面々となるともっと出てないと思います。

 今回が第234話なので実に191話ぶりの登場。3年と4ヶ月ぶりの登場になります。

 実は寺小屋組はスカイ編終了後に再登場させようと思っていたのですが、このタイミングでどうしても出したくなったので、出てもらうことにしました。
 あと、一人必要な人もいましたので。

 さて、次回は本当に登場します。

 そして寺子屋組が担う役割とは一体?

 それでは!

 さようなら
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