【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 私事なのですが、講談社ラノベ文庫1次選考通過致しました!

 これまで合計5回挑んできたのですが、ついに初めて1次選考通過!
 これは嬉しすぎる。

 これまでの約8年が報われたようにも思いますね。

 ただ、まだ選考は続きますので、このまま賞取れないかな〜と淡い期待を抱いてしまったり。

 ただ、今回の作品はすごい自信があります。

 めちゃくちゃ面白いはずなので、どうか!

 落ちたらいつも通りなろうに供養します。



 それでは前回のあらすじ

 にとりの元へたどり着いた咲夜たちだったが、にとりは今だに船酔いによって倒れていた。

 このままではにとりの力を借りることもできない。

 にとりの酔いを覚ます方法を見つけなければいけないという状況。

 そこでなんと黒葉とルーミアの学友であるチルノ、大妖精、ミスティア、リグルの四人の声が聞こえてきた。



 それではどうぞ!


第235話 見つけた突破口

side咲夜

 

 ルーミアについて船から出ると、そこには確かにチルノ、大妖精、ミスティア、リグルの四人が立っていて、ちょうど私たちが乗っていた船を見にきている様子だった。

 そんな四人の姿を捉えると、ルーミアは満面の笑みを浮かべて飛びつくかのごとく勢いで四人に駆け寄って、ちょうど一番前に立っていたチルノと大妖精を抱き寄せるようにして抱きついた。

 

「みんな、久しぶり!!」

「る、ルーミア!?」

「どうしてここに?」

 

 飛びつかれてまず一番最初に驚愕をあらわにしたのはもちろん飛びつかれた本人であるチルノと大妖精。

 あまりの勢いに後ろに倒れそうになっていたものの、二人の力でなんとか持ちこたえたらしい。

 

「ルーミア、今までどこにいたの?」

「ルーミアと黒葉が急に寺子屋に来なくなったから心配していたんだぞ」

 

 この約半月の間、私たちは鍛治師の人里に行ったり、天魔組とことを構えたり、そして終わったと思ったらお嬢様がさらわれたりなどして寺小屋どころではなかったため、必然的に黒葉とルーミアの二人は寺子屋に行くことができなくなってしまっていた。

 無断だったからかなり心配させてしまったことだろう。特に慧音に関しては生徒思いのため、二人が居なくなって相当心配をかけてしまった。

 無事に帰ることができたらお詫びに行かないとダメね。

 

「いやぁ、いろいろあったんだよ。顔を出せなくてごめんね」

「慧音先生が心配してたぞ。久しぶりに登校したら開口一番に頭突きを喰らうかもな」

「うぅ……なんか、もう寺子屋に行きたくなくなってきたよ……」

 

 四人が久しぶりの会話を交わしている。

 そんな後ろに私はたった一人ポツンと立ち尽くしている少女の姿が見えた。あの子は私は見たことがないけど、もしかしたらあの子も黒葉とルーミアの学友なのかもしれない。

 一人で五人の輪に入り損ねている様子だから、あの子の相手は私がすることにしようと考えてルーミアたちの横を通り過ぎ、立ち尽くしている少女の元へ向かい、目線を合わせるために少し屈んだ。

 

「ねぇ、あなた」

「ひぅっ! あ、あれ、人間?」

 

 私が声かけた瞬間に肩を震わせて逃げようと足を引いた少女だったが、私の姿を見て人間であると認識した彼女は足を止めて私に向き直った。

 すごく可愛い少女だった。可憐という言葉がまさしくこの子のためにあるかのよう。

 手足も細くて、弱々しい、力を込めて抱きしめたら簡単に折れてしまいそうだと思うほどの儚さが彼女にはあった。

 こんなに可愛い子とも知り合いだなんて黒葉も隅に置けないわね。お嬢様と妹様というものがありながら……。

 

「私は十六夜咲夜。あなたの名前は?」

「須賀結乃です」

「あなたも寺子屋に通っているの?」

「は、はい」

「じゃあ、みんなとも友達なの?」

「友達……なんでしょうか?」

「どうしたの?」

 

 私の質問に対してちょっと悩みを抱えているような声色でいう結乃ちゃん。

 

「私、妖怪恐怖症なんです。なので、みなさんは私と仲良くしてくれようとしているのはわかるんですけど、私はどうしても怖くて……」

 

 そこで合点がいった。

 結乃ちゃんは妖怪が苦手だからこそあの輪に入ることはできず、なんとかみんなと打ち解けようと誘われたからこの島に観光に来たけど、あんまり仲良くできている自身はないといったところだろうか。

 仕方がないことだ。

 妖怪というのは人間にとって恐怖の象徴でしかない。というのも、積極的に襲わないお嬢様たちや今のルーミアがおかしいだけで、ほとんどの妖怪は人間を襲って生きている。その目的が恐怖の感情を得るためなのか、はたまた食べるためなのかの違いだけだ。

 

 人間が妖怪のことを苦手なのは当たり前で、気にする必要なんてないのに、みんなが仲良くしようとしてくれているからという理由で克服しようと考えているのは本当にいい子ね。

 

「まぁ、黒葉君と出会ってからもしかしたら優しい妖怪も居るのかもしれないと思えたので黒葉君のおかげですね」

 

 なんかちゃっかりあの子、この子まで落としてる気がするんだけど。

 最近思うのだけど、黒葉ってちょっと目を離すと誰かを口説き落としてる気がする。多分黒葉にはそんな自覚はないんだろうけど、黒葉の周りの女の子たちにとっては黒葉の存在はかなり毒かもしれないわね。

 

「いてて」

 

 そこで色々あったせいで忘れかけていたけど、結乃ちゃんに目線を合わせるために腰を下ろしていると、落下時に負ったダメージと龍から受けたダメージによる激痛が蘇って来た。

 そうだ、私はスカイに入ってからずっと無理をして歩いている。ルーミアには看破されたけど、それでもできるだけ隠し通すことができたつもりだった。

 

 でも、さすがに今回は激痛のあまり、顔をしかめてしまったことで結乃ちゃんに気がつかれてしまったようで。

 

「だ、大丈夫ですか? どこか痛むんですか?」

「い、いえ、大丈夫よ」

 

 こんな小さい子に心配させるようじゃ紅魔館のメイド長失格かもしれないわねと心の中で苦笑する。

 そしてなんともないということを証明するために私は目の前で立ち上がってちょっとジャンプする。

 

「ほら、こんな風に——」

 

 ダメだった。

 我慢しようと思ったけど、ジャンプした瞬間に全身に電撃が走ったかのような激痛に襲われ、思わず体勢を崩して思わず転びそうになってしまう。

 そんな私のことを支えてくれた結乃だが、結乃は私のことを優しく抱きしめると、霊力を操作し始めた。

 

「結乃ちゃん?」

「大丈夫です」

 

 暖かい。

 安心できるような、まるで大切な人の腕の中に抱かれているような、そんな感覚だった。

 落ち着く。さっきまで全身が痛かったことを忘れていく。

 いきなり霊力を使われてびっくりしたことはもうどうでもよくなっていた。できればこの安心して落ち着くこの時間をできるだけ長く続けていたいと思うほど。

 

 だが、それはやがて終わりを迎える。

 

「終わりました。もう大丈夫だと思います」

 

 十秒くらいだろうか。

 抱擁のような体制を続け、ついに結乃ちゃんから手を離した。

 

「終わった? なにが」

 

 少し名残惜しく感じながらも体を起こすとすぐにそれには気がついた。

 

「痛く、ない?」

 

 そう、さっきまで感じていた体の痛みが全くなくなっていたのだ。

 これはどういうことだと考えて見ても、答えは一つしかなかった。結乃ちゃんに抱きしめられたことと、離した時の終わりましたという言葉。

 それから察するにこの現象を引き起こしたのは結乃ちゃんなのだろう。

 

 多分、能力ね。

 能力を持っている人間が少ない中で、能力を持っており、しかもそれが治癒系の能力。正しく彼女の優しい一面を余すことなく表した優しい能力と言えるわね。

 今までいろんな能力を見て来たけど、これほどまでに優しい能力を持ち、いいことに使用している人を見るのは初めて。

 

「大抵のことなら、私はその人を万全の状態にまで回復することができます。自分を回復できないのは難点ですが」

「大抵のことなら……ねぇ、結乃ちゃん。今、あなた大抵のことならっていったかしら」

「は、はい。大抵のことならなんでも。さ、流石に死んでいる人を生き返らせたりはできないですよ。あと致命傷とかも」

「大丈夫、問題ないわ。で、船酔いって直せるかしら?」

「ふ、船酔いですか? そうですね、前に馬車酔いしたお父さんとお母さんを治したことがあるので、多分」

 

 その言葉を聞いて私は安堵した。

 正直こんないい子を私たちのいざこざに巻き込むのは気がひけるし、黒葉とルーミアのご学友を危険に巻き込むっていうのは罪悪感がある。

 あんまり気が進まないけど、今は手段を選んでいる暇はない。

 

 今この場に結乃ちゃんが居たことに感謝しよう。

 

「結乃ちゃん、あなたにお願いがあるのだけど、いいかしら?」

「ふ、ふえぇ?」




 はい!第235話終了

 結乃のことを覚えている人はいますか?

 もし記憶にないという方は第33話『妖怪恐怖症』と第37話『口が軽い』を読んで見てください。

 ちなみに結乃ってこの二話にしか登場していないんですよね。
 話題だけだったら他の話にも出てはいるんですけどね。

 ちなみに結乃って鍛治師の人里編のメインキャラにしようと考えていたんですけど、正直入る余地がなかったです。
 あの結末が正直一番美しいと思っていますからね。

 もし結乃が居たら鈴仙が降板でした。正直、二章での鈴仙の役割ってヒーラーなので、結乃さえいれば事足りるんですよね。
 治癒能力だけでいったら最強クラスですし。

 結乃が居れば戦闘要員には困らなかったので、本史よりも二章は数段難易度が下がっていたことでしょう。
 天音の喉が潰れても治せますし、対人で能力を使い放題っていうチートになります。

 そしてそれだけ僕が評する結乃を三章、天空都市『スカイ』編で登場させたということはそういうことです。

 MAXが10として一章の難易度が3、二章の難易度が5だとしたら三章の難易度って6はありますからね。

 ただ、条件次第では三章の難易度が一章よりも下がるっていうのは事実です。

 ちなみに二章の難易度がなぜ5なのか、あれだけ苦戦していて、絶望的な戦いを繰り広げていたのになぜ5なのかというと単純に霊夢が来たからですね。

 霊夢なしで攻略するとなると難易度は8位に跳ね上がります。間違いなく三章よりも難易度が高くなることでしょう。

 三章は霊夢がいたら2位にまで下がって黒葉たちが何もすることもなく終わります。

 そう、一章よりも簡単になるんです。

 なんで霊夢が来てくれなかったんだよ! というのは置いておいて、難易度6の章をどうやって黒葉たちが潜り抜けるのか、お楽しみに。

 それでは!

 さようなら
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