【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 という事でミズヤ8周年記念第3弾。ラストですね。




 それでは前回のあらすじ

 にとりによるとドラゴンの像を調べるといいという。

 一度咲夜たちも調べたものではあるが、頭に血が上って見落としがあるかもしれないため、咲夜は再度調べに行こうとしたが、にとりに止められてしまった。

 咲夜は全然休んでいない。おまけに焦りに焦りまくっている状況ではいいことは何もない。
 だからにとり、ルーミア、文の三人に強制的に休まされた。

 その代わり、ドラゴンの像を調べに行くことになったのは寺子屋組の五人だった。



 それではどうぞ!


第238話 ドラゴン像

side三人称

 

「改めて見るとすっごい大きいわね」

「確かに中に何かがあったとしても何も驚かないな」

「大ちゃん、大ちゃん、どっちが先にてっぺんにたどり着けるか競争しようよ」

「チルノちゃん、遊びに来たわけじゃないんだよ?」

「うぅ……胃が痛いです」

 

 咲夜から軽く現状を聞いた後、五人はドラゴン像の足元にやって来ていた。

 間近で見るとてっぺんが見えないほどの大きさに、思わず簡単をこぼしてしまうミスティア。苦笑いをしつつ像を観察するリグル。いつも通りにお気楽なチルノとそれを止める大妖精。

 結乃はチルノと大妖精のやりとりを見て胃を痛めていた。

 

 ルーミアと咲夜から話を聞いた直後は流石のチルノもかなりやばい状況なのだと理解したようで、大人しく協力をするという雰囲気だったのだが、像についたらコレである。救いようがない⑨だ。

 ただでさえ、自分以外は妖怪・妖精しかいなく、バレないように調べたりする上で苦手な種族の人たちと協力をしなければいけないという状況なのに、不安が募るこの状況。結乃が黒葉やルーミアの力になりたいという気持ちは嘘ではないが、それでもちょっと後悔し始めている。

 

「チルノちゃん、ルーミアちゃんや黒葉君の手助けをするんでしょ? 早く助けにいかないとレミリアさんが取り返しのつかないことになるんだよ」

「そ、そうだった!」

「……鳥頭かな」

 

 大妖精とチルノのやりとりを見てボソッとツッコミを入れる結乃。

 ただ、同行している夜雀のミスティアは記憶力がいいことからチルノの知能は鳥以下だと判断した。チルノとあまり関わったことがない結乃がチルノに初めて抱いた評価は散々なものになってしまったのだ。

 その評価は以外と妥当かもしれない。

 

「しっかし、確かにあの人の言う通り、像自体には怪しいところが何もないな」

 

 いつの間に一周して来たのだろう。

 リグルはどうやらこの短い間にぐるっと一周して来たようで、元の場所に戻って来て静かにそう呟いた。

 手触りを確認しても、ノックをして見てもただの像としか思えない感触。この像が大きいせいだろう。中の気配を探ろうと耳を当てて見てもなんの気配もない。

 

 さっき五人も魔道具に触らせてもらった。

 結乃は霊力や妖力を探知すると言うことはできないため、何にも感じなかったが、チルノ、大妖精、ミスティア、リグルの四人が触れた時は間違いなく魔力を感じ、それがかすかに像の方向から来ていると言うことを察した。

 だが、今は像からなんの魔力も感じない。それほどに隠蔽が優れており、魔道具に触れない限り、魔力を探知することができないようになっているのだ。

 

「それにしても、この島からは全体的に霊力を感じるからかすかな力って感じにくいんだよな」

 

 リグルが言ったように、確かにこの島は全体的に霊力を帯びている。つまり、探知しようと感覚を鋭くさせたら全方位から霊力を感じるのだ。

 無理に霊力を探知しようとすると脳がショートしてしまう危険性すらあるほどの状況。そんな状態でかすかな魔力を探すと言うのは至難の技だ。

 咲夜レベルの樹海を使えばそこからかすかな魔力のみを探し当てることも可能なのだろうが、咲夜ですら魔力に気がつくことができないほどの隠蔽能力なのだ。そんなものを探し当てることは実質この五人には不可能と言わざるを得ない。

 

(うぅ……どうしよう。さっきはああ言ったけど、私たちだけで何かを見つけ出すことができる気がしないよ。そもそも、私がついて来て、何ができるんだろう。私なんて戦えないし、運動神経も良くないし、足手まといなのに……今更後悔して来た……)

 

 一人、目を回す結乃。

 ミスティアとリグルは互いに話し合いながら調べている中、チルノと大妖精は空へ飛び上がった。下の方に何もないということはもしかしたら上にあるのかもしれないと考えたのだ。

 ただ、咲夜もそこまで頭が回らないということはない。飛ぶことが得意な妖怪のルーミアに上を調べてもらったのだが、全く何も見つからなかったのだ。

 

 咲夜とルーミアでは見つけることができなかった。一度二人で探し尽くした後だから何かが出てくるわけがない。

 そんな考えは常に五人の頭の片隅に存在していて、咲夜よりも落ち着いて探索が可能な五人ですら、諦め半分で雑に探してしまう。

 だが、そんなものでは見つかるものも見つからない。

 

「もう、何もないじゃんん!」

 

 ついにチルノが限界を訴えた。

 探し始めてから約三十分、その間何も見つからず、ただただ五人で像の周りをぐるぐると観察しただけとなってしまい、飽き性であるチルノは我慢の限界だった。

 これ以上何かを探しても見つかるはずがない。たまたま今回はチルノが一番最初に根を上げただけで、実際の気持ちとしてはみんな同じだった。

 これだけ探しても何も見つからないということは何もないのではないかと誰だって考える。

 

「もうやだ!」

「ち、チルノちゃん……」

 

 流石に大妖精も駄々をこねるチルノを止めることはできなくなっていた。大妖精もこの気持ちがわかるからである。

 

「何もなかったってにとりたちに報告しに行こうよ。それでおしまいだよ」

「でも、それじゃあ何も話が進まないよ」

「でもさ、これ以上何があるっていうのさ! こんなちっぽけな像に何かがあるわけがないよ!」

 

 怒り交じりにチルノは勢いよくドラゴン像に背を預けるように立つ。

 かなりイライラしている様子で大妖精もどう声をかけたものかと頭を悩ませ、目を閉じたまま考え込む。

 今のチルノに下手な言葉をかけたらもっと最悪な状況になる。だからよく言葉を選ぶ必要がある。

 大妖精の言葉次第ではチルノはこのまま帰ってしまう。

 

 チルノをどうやって宥めようかと考えに考え込み、そしてついに大妖精は口を開いた。

 

「ち、チルノちゃん! もうちょっと頑張れたら一緒にかき氷食べに行こう! それに、私たちが頑張ってレミリアさんを助けることができたら、何かお礼をしてもらえるかもしれないよ!?」

「お、おう、だ、大ちゃん近いよ!」

「だから、だからもうちょっと一緒に——」

「ちょ、おちつ——」

 

 大妖精がチルノの手を取り、さらに近寄る。

 だが、その時、大妖精はバランスを崩してしまって大妖精に完全に体を預ける形になってしまった。そこで、二人の気配が消滅した。

 声もそこで途切れ、転んだり、倒れたりした時の悲鳴なんかも聞こえなかった。

 

 なぜか?

 他の三人は見えていた。

 

「え、うそ」

「マジで?」

「えぇ……」

 

 三人は驚きのあまり言葉をなくしてしまった。

 なんと二人は回転扉のような壁の中に飲み込まれてしまったのである。大妖精がバランスを崩してチルノに全体重をもたれかかった瞬間の出来事だった。

 そういう構造になっている可能性ももちろん考えていたし、だからこそ手当たり次第に押しまくったりしていたのだが、回転扉になっている箇所なんてなかったはずである。

 そんなものがあるならすぐに気がついていたはずだし、咲夜もすぐに見つけていたはず。でも、咲夜は見つけることができなかった。

 

(咲夜さんとチルノさんに何か違いが?)

 

 よくわからないけど、三人はとりあえず二人のことを追うことにする。

 チルノと大妖精が飲み込まれた壁の前までやってくるとリグルは渾身の力を込めて壁を押し始める。だが——

 

「ぐ、ぐぐぐ、う、動かない」

 

 リグルがどれだけ力を込めて押してもその壁はビクともせず、三人の間に静寂だけが漂う。

 考えてみれば当たり前の話だった。これだけで動くのならばとっくのとうに動いているはずである。それに一度チルノが体を預けた場所なのだ。この程度で動くのならチルノが体を預けた時点でチルノだけが壁の中に飲み込まれていなければおかしい。

 ならばなぜ二人はこの中に入って行ってしまったのか。

 

「た、たぶん、これは二人以上で押さなきゃダメなんじゃないです、か?」

「そ、そういうことか!」

「結乃ちゃん、やるね!」

 

 状況から考えてみればわかることなのだが、二人に褒められたことでちょっと気分がよくなった結乃は自分が妖怪恐怖症で近くのが怖かったんだということも忘れ、リグルとミスティアの二人が並んで押そうと手をついている横に並んで結乃も一緒に手をついた。

 

「いくよ! せーのっ!」

 

 リグルの掛け声を合図に三人は同時に壁を押す。

 すると三人の体はいとも簡単に前へ進み、リグルは一人で押した時の重さを知っているため、勢い余って回転扉の中に転がり込んでしまった。

 そして続くようにミスティアと結乃も回転扉の中へと入る。

 一人で押した時とはまるで違う。普通の回転扉かのように力なんて微塵も必要なかった。どうやら条件さえ満たせば誰だって開けることができるようになっていたらしく、リグルが一人で押したのは無駄な頑張りだったと言わざるを得ない。

 

「ここは……」

「なんだか薄暗い」

「それになんか嫌な雰囲気だな」

 

 三人は警戒して周囲を見渡す。

 だが、そんな三人のことは知らんと言わんばかりに快活な声が響いた。

 

「す、すごいよ大ちゃん! あれキラキラしてる!」

「あ、危ないよチルノちゃん!」

 

 もちろんチルノの声である。

 同じ扉から入ってきただけあり、しっかりと大妖精とチルノの姿はそこにあった。

 二人からしても回転扉の中に入ってしまうというのは想定外だったはず。だというのに、チルノはもうすでにそのことを忘れてしまったのか、この内部の光景に大興奮の様子。

 

「なんだよあれ」

 

 リグルが呟いた。

 チルノが走って行った先にある物体。オブジェ。

 あれはまるでドラゴンが紫色の超巨大なクリスタルにかじりついているかのようなもので、ここにあるものの中で最も禍々しく、嫌な気配を放っているものだった。




 はい!第238話終了

 さぁ、このオブジェ。見覚えがある人は多いんじゃないですか?

 そうです。黒葉パートの時にも登場したでかいオブジェです。

 つまり、黒葉が力に敗北した後、連れてこられた場所というのは?

 他のパートで登場した場所が別のパートで登場するとワクワクしますよね。

 あと、この五人のパートめちゃくちゃ難しいです。

 五人をちゃんと動かなければいけないんですけど、探索パートってめちゃくちゃ書きにくいですね。

 というわけで早く終わらせたいんですよ。まぁ、もとよりこのパートは長く続ける気は無かったんですが。

 なので、次回かその次辺りにはこの五人のパートは終了して咲夜パートに戻りたいと思います。

 僕は早く決戦編を書きたいんだ!

 というわけで、ここからは駆け足で進んでいきますよ。

 とりあえず必要なものは着々と揃ってきているので、準備編は後そんなに時間はかからないはずですよ。

 それでは!

 さようなら
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