【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

244 / 284
 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 黒葉の刀を受け取りに鍛冶師の人里へやってきたフラン。そんな早く刀が完成するわけないだろうと怒られた。

 だが、何かがあって必要になったんだと察した威迅。代替案として試作品を使えなくないレベルまで調節してくれるとのこと。

 一方そのころ、黒葉は龍の攻撃を捌くことが出来るまで特訓することになったのだった。



 それではどうぞ!


第244話 最終準備

side咲夜

 

 黒葉と誓ってから三日が経過し、お嬢様と龍の結婚式当日。

 私たちはこの間、とにかく龍たちに見つからないように隠密行動をしつつ、この島にある色々な機械をかき集め、にとりに提供していた。

 レポートとは別に色々な機械があった方がにとりもこの島のことを探りやすいだろうという考えの元の行動だったけど、ある程度渡したところでにとりは研究室に引きこもってしまった。

 この飛行船、かなりボロボロだけど操縦室と一角にある研究室に関しては特別頑丈だから色々無事な機械が残っている。

 

 初日に引きこもり、ついに今日まで経過してしまった。

 にとりはずっと何かに没頭しているようだったけど、機械に疎い私たちじゃにとりが何をしているのか全く分からない。

 

 とりあえず寺子屋のみんなには今日のこの日まで色々と手伝ってもらっていた。

 この子たちの勇気には天晴だけど、さすがにこれ以上危険に付き合わせるわけにはいかない。そもそも、戦いが始まったらこの島は戦場になるわけだし、なにより私たちが勝った場合はこの島が崩壊することになるのだから、とりあえずみんなには先に帰ってもらうことにする。

 

「五人とも、今日まで本当にありがとう。今日これからこの島は戦場になるし、戦いが終わったらこの島は崩れてなくなる。だからその前に五人ともこの島から脱出して。チルノと大妖精は妖精だし、リグルとミスティアは妖怪だから飛べるわよね。結乃ちゃんは四人が連れて行ってくれるかしら?」

「あたいは最後まで戦えるよ!」

「ち、チルノちゃん、咲夜さんたちを困らせちゃだめだよ!」

「任せて!」

「結乃は私たちが責任をもって地上に連れ帰るわ!」

「みなさん、どうかご無事で」

「みんな、また寺子屋で会おうね~!」

 

 まだやれると騒ぐチルノを大妖精が引きずるような形でみんなは飛行船を後にしていった。

 入るのは飛行船が無いと厳しいけど、出る分にはそこまで難しくはないはず。近づくときに迫撃されて大変というだけだから、離れていく分には問題はないだろう。

 

 チラシに書いてあった情報によるとお嬢様と龍の結婚式はあともう少しで始まってしまうらしい。

 黒葉があれほど言っていたから一応龍の対処は任せるけど、それでも黒葉一人というのは不安だ。何か策でもあるのかしら。

 私の知っている黒葉では龍の攻撃を対処することなんてできないはず。いや、せめて黒葉が戦いながらあの人知を超越した集中を使えるんだとしたら可能性はあるけど、今の黒葉にそれが出来るかしら。

 あれは"視る"ということに全神経を集中しているからこそできる芸当なわけで、あれを黒葉が戦いながら出来るようには思えない。

 

「咲夜、黒葉が心配なのはわかるけど、今は黒葉に任せようよ。黒葉がやると言ったらやる人なのは知っているでしょ?」

「ルーミア……そうね」

 

 ルーミアが一番不安なはずだ。

 だというのに、気を強く持って黒葉のことを信じている。黒葉のことを信じているんだ。

 なら、師匠である私も黒葉のことを信じて私は私の仕事をこなすべきよね。

 

 私、ルーミア、文の仕事は像に侵入してクリスタルを破壊すること。

 その道中、文が言っていた工場長とチルノたちがやられたという像の番人を対処しなければいけない。もし風魔が立ちふさがってくるのだとしたら彼のことも。

 やることはたくさんあって眩暈がしてくるけど、私は紅魔館の完全で瀟洒な従者なのだからこのくらいこなせなければお嬢様に仕える資格なんてない。

 それに、今私にはルーミアと文の二人もついてくれているのだ。これで何とかできなければ黒葉にも顔向けできなくなってしまう。

 

「行きましょう。黒葉が龍を倒してくれることを信じて」

 

 そうして私はルーミアと文の二人を引き連れて像へと向かう。

 

「あ、ちょっと待ってくれ」

「はい?」

 

 出鼻をくじかれてしまった。

 ついに背後から聞こえてきた私たちを呼び止める声。二日ぶりに聞いたにとりの声だった。

 戦利品を渡してから二日間、研究室に籠っていたかと思ったらにとりはやっと研究室から出てきた。ずっと寝ていなかったせいだろうけど、その顔には隈が出来ていて酷い表情ではあったが、やけに満足げな様子だった。

 その手には何かが握られている。これは――

 

「通信機ね?」

 

 私たちがにとりに預けていた通信機。黒葉からの連絡以降、ずっとにとりに預けっぱなしにしていたのだ。

 だが、それだけではない。にとりに渡していた通信機がなんと四台に増えており、更にはなにやら小型の機械も一緒にある。

 私たちがにとりに預けていた通信機は一台だけのはず。更にこんな小型の機械なんてものは預けていなかった。

 これはいったい――?

 

「預けてもらってた通信機を参考に新しく二台用意してみた。一応動作確認済みだよ。後これはイヤー通信機。耳にはめておけばハンズフリーで通話可能というわけさ。ただ、これは通信機と無線でつなげている感じだからこれ単体では機能しないから注意だ。これをみんなに預けておくよ」

 

 私たち一人一人にイヤー通信機と通信機のセットを1セットずつ。どうやらにとりは研究室に籠り切ってずっとこれの開発にいそしんでいたらしい。

 こんなものをたったの二日で完成させてしまうなんてにとりはやっぱりすごいわね。

 これを耳にはめておけば戦いながらでも通信が可能というわけね。

 

 もしかしたら戦っている最中に離れ離れになってしまうかもしれないものね。そうなったらこれで無事を確認できるというわけね。

 

「ありがとう、ありがたく使わせていただくわ」

「あぁ……気を付けて行けよ」

「えぇ、絶対に生きて帰るわ」

 

 にとりに無事を誓い、私たちは耳にイヤー通信機を取り付け、改めて像を目指して歩き始めた。

 


 

side黒葉

 

「ありがとうございます、紫さん」

「コンディションはバッチリのようね」

「無理矢理ばっちりにさせられたんですけどね!」

 

 俺は今、姉貴と龍の結婚式が行われる教会の前までやってきていた。

 龍に気が付かれないために少し離れたところに紫さんに連れてきてもらい、自分の決戦の場となる場所を見据える。

 俺はこの島に来てからずっと敗北続きだ。だけど、もうここからはミスや敗北は許されない。

 ここで負けてしまったら姉貴を連れ戻すどころか師匠たちの頑張りまで無駄にしてしまいかねない。最重要な役割だ。

 

 今まで俺は自分が敗北したら取り返しのつかない状況になるという状況に立たされたことはなかった。だけど、今度は本当に俺が敗北したら取り返しがつかない。

 緊張感がすごい。

 だけど、この地獄の三日間を乗り越えたという実績が妙な自信を与えてくれる。

 

 前までの俺だったらダメだったかもしれないが、今の俺だったら大丈夫だ。心も落ち着いている、戦える。

 

 ただ、この妙な自信と言うか高揚感は変な薬のせいかもしれないけど。

 三日間のせいで俺は寝ることもできず、常に寝不足の状態だったんだけど、永琳先生が作ったという謎の薬の効果で俺は無理矢理元気を、テンションを引き上げられているという状態だ。

 この薬の効果が切れたら反動が来そうで怖いが、何とかやるしかない。

 

「ふぅ……紫さん、行ってきます」

「えぇ、行ってらっしゃい。気を付けて」

「はい!」

 

 紫さんがスキマの中に引っ込んだのを確認し、俺は再度教会へ向き直って歩みを進める。

 もう少しで姉貴と龍の結婚式が始まる。だから俺はその結婚式に乱入をしようと思う。その方が龍にダメージを与えることが出来そうだからというのもあるが、紫さんに言われた最高にかっこいいと思える選択をしろと言うアドバイスに従って俺は新郎()から新婦(姉貴)を奪おうと思う。

 イメージトレーニングはバッチリだ。

 

 正直特訓が十分だとはいいがたいけど、紫さんの理不尽な攻撃を最後の方には何とか捌くことが出来るようになっていた。

 だからある程度行けると信じて――

 

「待ってたよ、冬夏黒葉君」

 

 ……やっぱり居るよね。




 はい!第244話終了

 さて、決戦当日、ついに動き出した咲夜組と黒葉。

 黒葉は、咲夜は目的を達成することが出来るのでしょうか?

 次回は黒葉の戦いから始まります。

 それでは!

 さようなら
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。