【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 黒葉が結婚式に突撃していた頃、咲夜たちはドラゴン像へとやってきていた。

 ドラゴン像の一箇所のみにあるとされている回転扉を探す咲夜と文。

 ついに見つけた、その時突如として何かに殴り飛ばされてしまう。

 そしてルーミアは力に捕まってしまった。

 果たして咲夜たちはここからどう挽回していくのか?



 それではどうぞ!


第249話 行動で語る

side黒葉

 

 かっこよく突撃したはいいものの、この状況で戦うのは得策とは言えない。

 この教会内には参列している一般の人たちも多くいる。洗脳を受けているとは言え、この人たちは巻き込まれた人たちなんだ。これ以上俺たちの戦いに巻き込むわけにはいかない。

 でも大丈夫、俺には考えがあるし、事前に頼んでおいたから。

 

「そうかそうか、二人のことは永遠に僕の心の奥底に刻み込んでおくよ。僕は優しいから君たちのような愚かで僕に喧嘩を売ろうという最悪な人たち相手でも僕は敬意を払うよ。それが人間として当然、生きる上で必要なことだからさ。君たちのような子供には全くわからないだろうけどね、それが生きるということだよ。だから、これから僕が君ら二人に大人にケンカを売るとどうなるかということを教育してあげる。まぁ、後悔した時にはもう遅いかもしれないけどねっ!」

 

 来たっ!

 龍がついに俺たちの目の前にドラゴン頭を展開、それを俺たち向けて放ってくる。

 それが戦いの合図となり、俺と風魔は共に獲物を手にし、龍へ向けて駆け出した。

 

 目の前にはドラゴン頭。このまま猪突猛進のごとく走ったところであの頭に食われて終わりだろうが、俺は紫さんのスパルタでこの三日間鍛えられて来たんだ。

 今までの俺とは全く違う。そのことを龍にも姉貴にも証明する。

 

 刀に炎を纏わせ、ドラゴン頭へと振るう。すると、そのドラゴン頭は思った通りに大きく燃え上がり、灰と化して消滅。龍への道が開かれる。

 

「なっ!」

「俺の炎はちょっと特殊なんだよ!」

 

 飛行船でドラゴン頭を斬った時と同じ。俺の炎はドラゴン頭を焼くことができる。

 それだけじゃない、思い返してみれば俺の炎は天魔の剣すらも消滅させた。つまり、俺の炎はエネルギーを焼くことができる。

 それが条件もなしに焼くことができるのか、はたまた自分よりもずっと強い力は焼くことができないのかは定かじゃないけど、龍のこの力は焼くことができるようだ。

 

 そしてまさか俺が正面からドラゴン頭を斬って突撃してくるとは思ってもいなかったのか、驚き反応が一瞬遅れる。

 紫さんがみんなの状況を見て報告してくれていた。だからみんながどんな行動をしていたのかはわかっている。

 師匠が龍と戦い、全くダメージを与えることができなかったというのも把握済みだ。だからここで斬ったとしても全くダメージが入らないというのは分かり切っている。

 

 でも、斬らずにはいられなかった。

 

「《爆炎斬》っ!」

「ぐあああああ」

 

 振るった炎を纏わせた刀は龍の体を切り裂き、傷口を焼く。

 龍が戦いに慣れていないからこそ通用した一撃、最初だからこそ通用したラッキーパンチだ。そしてそんなラッキーパンチですらちょっと瞬きをした瞬間にも治っている。

 師匠のように一瞬で細切れにすることができない俺の攻撃では復活するまでの時間を伸ばすような致命的な傷を与えることはできない。

 俺が攻撃したところで意味はないだろう。でも、問題ない。

 これは姉貴に俺が強くなったということをアピールするための一撃だ。全てを諦めてしまった姉貴を奮い立たすための戦いだ。

 

 俺の攻撃は雄弁に語る。立ち上がれって、今こそ運命に抗う時だぞって。

 

「残念だったね、僕にはそんな攻撃通用しないんだ。わかったら諦めて運命を受け入れたらどうだい? もうこれ以上の抵抗は無駄だってわかったよね? 僕も無駄に君らを痛めつけたいわけじゃないんだ。心が痛んでくるんだよ。だからもうこれ以上抵抗しないで死を受け入れるんだ。それが今君たちができる善行だ。だから大人しく——」

「あんたの言葉を聞く意味、僕らにはないんだよね」

 

 龍が説いている最中に真横から斬撃の風が龍を襲う。

 龍の体には大量の切り傷がつき、あまりの強風にぶっ飛ばされて壁に激突。大量の血が壁に付着し、そのまま崩れ落ちるように龍は地面に座り込んだ。

 これは風魔の攻撃だ。さっき俺に対して使っていた突風を殺傷能力をあげて使うとああなるのか。恐ろしい。

 

「ちょっと人の話はおとなしく聞いたらどうなのかなぁ!?」

 

 相当強く体を壁に打ち付けたはずだというのに、全く何事もなかったかのように立ち上がってくる龍。これは嫌になってくるな。

 師匠の実力なら龍を出し抜くことは簡単だし、ボロボロになるっていうことはなかっただろう。だけど、この常軌を逸した耐久力、これはかなり厄介。

 俺たちの体力は無限じゃない。だけど龍に関してはいくら攻撃を受けてもダメージはないどころか下手したら体力の消耗すらないんじゃないかと思える。

 霊力が枯渇することもないし、本当にどうやって倒せっていうんだよこの化け物を。

 

「いやだいやだ、最近の子供たちは本当に人の話を聞かない子ばかりで嫌になってくるよ。人の話をおとなしく聞くっていうのは人間として最低限の礼儀っていうやつじゃないのかなぁ? そんな時に攻撃してくるなんて僕に対して失礼だとか思わないわけ? 僕はその感性が信じられないよ。風魔、こうなったからには元とは言え、僕は君の上司なわけだ。上司に対して少しでも敬う気持ちっていうのはないのかなぁ!?」

「そんなものは無い」

 

 間髪入れずに即答した風魔。それを聞いて龍は眉間に皺を寄せて怒りを露わにした。

 

「即答!? それは一体どういうことなのかなぁ!? いや、君のその考えや感情を否定するつもりはないよ。考えや感情はそれぞれの自由だともさ。だけどねぇ、最低限の経緯というのは相手に払う必要があると僕は思うけどね! どんなに嫌な相手だとしても、表面上はいい顔をしておいた方が何かと特だと思わないかい? 僕はね、払った敬意は帰ってくるものだと思っているんだ、だからこそ僕はどんな相手だとしても、それこそ結婚式をめちゃくちゃにしてくれた君たちにでさえ敬意を払っている。でも、君たちはどうだい? それってさ、僕に敬意を払っているとは言えないよね? 僕の敬意を無下にしている行為と言わざるを得ない。それってさぁ、僕に対してとっても失礼だとは思わないかい? 君たちは本当にどうかしているよ」

 

 身勝手な、自分勝手な理論を展開してくる龍に呆れて言葉も出なかった。

 間違いなく最初に俺たちに喧嘩を売ってきたのは龍だし、俺たちの幸せな生活をぶっ壊してまで姉貴を攫い、俺たちのことを考えることなく勝手に結婚すると言い出したのも龍だ。

 今、龍が放った言葉は全て自分に帰ってくるものだ。

 

 でも、それを龍は恥ずかしげもなくさも当然のようにそんなとんでも理論を展開してくる。

 元々俺の龍はヤベェやつというものだったが、今のでどうしようもないほどに頭のネジが外れたヤベェやつという評価となった。

 こういう奴は何を言っても話が通じない。だから言い返しても無駄なんだろう。

 

 俺たちに敬意を払っているだって? 巫山戯るな。

 本当に俺たちに敬意を払っているんだとしたら姉貴を勝手に連れて行って姉貴の意思を無視して結婚したりなんかするはずがない。

 自分のことを棚に上げた極悪人が人に説教なんてするんじゃねぇ。

 

 龍に耳を傾けているだけ時間の無駄だ。

 それよりも今はこの戦いに集中しないと。

 

「へぇ、僕のことを無視するんだ。いい度胸だね。僕にそんな態度を取るということは覚悟はできているんだろうね。喋らなくなったその口を、本当に二度と開くことができなくしてあげるよっ!」

 

 再び俺たちに襲いかかってくるドラゴン頭。ただ、さっきのとは密度が段違い。視界を埋め尽くすほどのドラゴン頭。

 そんな質量の攻撃を前に、俺が動く前に風魔が動いた。

 両の手に剣を構え、そして横に目一杯腕を広げる。

 

「あんたの言葉なんか聞く価値はないっていうことだよ! 疾風剣《旋風(つむじかぜ)》」

 

 構えた剣を片手だけで高速回転させると、なんと周囲の風がこの剣に集まるように激しい風の流れが出来上がった。

 荒々しく、気をぬくと風に飛ばされてしまいそうなほどの強風。それが風魔の二振りの剣へ集合し、まるで高速回転する円形状の刃のようなものが完成。

 

 目の前に迫るドラゴン頭。それに風魔は刃を振るい、まるでドラゴン頭を豆腐でも切るかのごとくいとも容易く一刀両断して見せた。

 そこからは早かった。

 風魔の踊り狂ったような剣捌きで次々とドラゴン頭が切られていく。

 この量相手だったら紫さんと特訓した時に編み出した技を使うべきかと考えたけど、その心配は必要なさそうだ。

 

 一瞬にして全てが切られ、視界が開ける。

 その先に見えたのは悔しそうに顔を顰める龍の姿。だけど、次の瞬間にはニヤリと口角を上げ、余裕を見せた。

 そんな龍に対して風魔はトドメと言わんばかりに突撃していく。

 

「まて、風魔。ここには多くの人々が集まっているんだぞ? これ以上僕に反抗するというのなら、僕はここにいる人たち全員を犠牲にしなければいけなくなる。風魔もそれは望むところではないだろ?」

「くっ、悪魔め」

 

 龍の言葉に風魔の走りが止まる。

 確かに龍の言う通りだ。この場には結婚式に参列しにきた人たちが居て、彼らは全員洗脳されていることによって自力で帰ると言うことができない。

 つまり、俺と風魔はこの人たちを守りながら戦わなければいけないと言うことなのだが、龍はそんな俺たちの戦い方を逆手に取り、普通に参列者たちを人質にしてきた。

 あれほど人との付き合いやらなんやら説いていた龍がそれをしてくる。あんなに言っていたけどやっぱり人の心なんてないじゃないか。

 

「僕だってこんなことをするのは心苦しいんだよ? でも、仕方がないじゃないか。君たちが悪いんだ。僕にひどいことをしまくるから。僕はこんなことはしたくない。彼らは僕にとって大切な住人たちだからだ。でも、君たちがこれ以上僕とレミリア嬢の結婚式を邪魔すると言うのなら、君たちにおとなしくなってもらうためにも彼らには人質になってもらうしかない」

「龍、あんたはいったいどこまでクズをやれば気がすむんだ」

「おいおいおい、心外だねぇ。人聞きの悪いことを言って僕を陥れるのはやめてほしいな。悪いのはあくまで君たちなんだよ? 僕はこんなことはしたくないし、今ここで弾いてくれるって言うならこんなことはしなくて済むんだ。でも、これ以上暴れると言うのなら僕もやらざるを得ない。つまりさぁ、これって間接的に僕を使った君たちの殺人と言うことになるんじゃないかなぁ? 確かに手を下すのは僕かもしれない、だけどそれをさせるのは君たちなんだから。極悪人でクズなのはいったいどちらなのかなぁ!?」

「そんなもの、お前に決まっているだろ! 紫さん!」

 

 俺は紫さんの名前を叫んだ。

 そう、最初のちょっとした時間は俺たちで時間を稼いで紫さんが準備を整えるまで待たなければいけなかった。

 だからもうちょっと早く龍がこの手を使っていたら危ないところだった。

 だけど、もう時間稼ぎは十分だろう。

 

 俺が叫ぶと同時に参列者の皆さんの体が椅子ごと落下し、その姿を消した。

 みんながいた場所にあるのは紫さんが作り出した異空間への出入り口であるスキマ。紫さんはこの時間の間、俺たちを巻き込んでスキマに落とさず参列者だけを落とせるように開くべきスキマの寸法を測っていたのだ。

 これによって龍の人質となっていた人々はこの場から消え去った。つまり、もう何も障害がないと言うことだ。

 

「ちょ、それはおかしいだろ! なんで誰もいなくなるんだよ!」

「なるほど、いい手だね!」

「ま、待て風魔、話し合おう! 僕たちは仲間だったじゃないか。僕らならば有意義な話し合いが——」

「僕にあんたと話すことなんて何もないんだよ!」

 

 見っともない龍の発言を遮るようにして振るわれた疾風剣《旋風(つむじかぜ)》は見事龍の首を一刀両断。

 背を壁につけていたこともあって壁の一部も勢い余って切断してしまったようで、一部の壁が崩れ落ちて飛び退いた風魔は助かったが、龍は瓦礫の下敷きになった。

 

 普通なら致命傷、生きていられるはずがない。だけど、龍はこの程度の攻撃なんて何もなかったかのように復活するに違いない。

 俺と風魔は再度構えて見据える。

 すると龍は瓦礫を爆散させるかの如き勢いで瓦礫を弾き飛ばし、瓦礫の中から姿を出した。

 流石に首を両断されたほどのダメージは一瞬で回復しなかったらしいが、この一瞬で首がほとんど繋がっている。あとはちょっとした切り傷らしき痕が見えるだけでほぼほぼ治ってしまったらしい。

 

「君たちには人の心というものがないのかなぁ!? 人のことをズタズタに斬って、心が痛んだりすることはないのかなぁ!? その感情がないとしたら君たちはもうとっくに人間として終わっているよ!」

 

 お前だけには言われたくないという言葉を平然と吐き捨ててくる龍。

 この程度の発言にいちいち腹を立てていたらこいつと対面することはできない。体力がいくらあっても足りないため、右から左へと聞き流す。

 

 住人たちの避難も完了、今ここには俺と風魔、姉貴、龍の四人しかいない。

 これなら目一杯戦える。

 この刀がどれだけ俺の炎に耐えることができるかはわからないけど、できるだけやってみるしかない。




 はい!第249話終了

 龍戦でしたが、いかがでしたか?

 相変わらずの龍さん、長文を吐き散らかしていましたね。

 そしてとんでも回復能力。

 ちなみに龍さんは未来を見ることができる力はあるものの、クリスタルがあることで自分が死ぬことはないと高を括っており、ナメて能力を使っておりません。

 なので黒葉たちが次にどんな行動をしてくるかなんて読むことができず、普通に攻撃を食らっています。

 未来を見たらこの程度の攻撃は回避可能だと思いますよ。

 さて、次回もこの戦いの続きを書いていこうと思いますが、次回はレミリア視点でお送りできたらと考えています。

 それでは!

 さようなら
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