【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです

 咲夜パートに移ります。



 それでは前回のあらすじ

 黒葉、風魔VS龍の戦いは続く。

 二人とも龍の超再生の能力に大苦戦。

 ついに風魔が絶体絶命の大ピンチに陥る。

 やはり使えない黒葉の狂獣技(ビースト)。万事休すかと思われたが、風魔が疾風剣《竜巻》で窮地を脱する。

 そんな姿を見た黒葉はある考えをよぎらせ、実行に移した。



 それではどうぞ!


第252話 パワータイプ

side咲夜

 

 あいつの能力はわからないけど、多分今私と文を吹っ飛ばしたのは奴の能力。

 明らかに私たちをこの壁から遠ざからせたということは、やはりこの先に大事なものがあって、それを守りに来たということなのだろう。

 

 私と文、そして立ち上がったルーミアは臨戦態勢に入り、力の出方を待つ。

 まずはあいつの能力の謎を解き明かさなければ動こうにも動くことができない。だけど、私は樹海を使えばどこから攻撃が来るかを感じ取ることができる。

 だから私は早速樹海を使ってみる。

 

 だけど、こんなところで樹海の霊力探知なんて使ってしまったらどうなるか、さっきまでの私ならわかっていたのだけど、力にルーミアが投げ飛ばされたということで頭に血が上ってしまっていたらしい。

 判断を間違えた。

 

「う、ぐっ」

「さ、咲夜さん、大丈夫ですか!?」

 

 樹海の力の一つである超霊力探知を使ってしまうと周囲の霊力を全て感じ取ることになる。

 そしてこの場所は島中から霊力や妖力、魔力が集まってくる場所なため、こんな場所で霊力探知なんて使ったら一瞬でキャパシティーを超えて頭が破壊されそうになるのは理解できていたはず。

 情報量の暴力だ。

 もうちょっと離れた場所だったら良かったけど、ここはちょうど像の足元。場所が悪い。

 

 仕方がなく超霊力探知はせずに樹海技のみ使って凌ぐことにしよう。

 ただ、そうなるといよいよあいつの攻撃に対処することができるか怪しくなってくる。

 

「さてさて、テメェら、覚悟はできてるんだろうな。態々神父様の結婚式というおめでてぇ日に魔力炉を狙ってくるとは不届きにもほどがあるもんなぁ。それ相応の処遇は覚悟しておくことだ。ただ、まだテメェらは未遂だっていう主張も理解できんこともない。今ここで降参するなら工場で一生働く程度で許してやらんこともないぞ」

「それでも一生奴隷じゃない」

「それくらい重てぇ罪ってわけだ。なんだテメェら、そんなことも理解できてなかったのか?」

 

 負けたら地獄、降参しても地獄。それも死ぬよりも辛い奴隷待遇という生き地獄に放り込まれるという宣言に思わずすくみ上がりそうになるが、ここに来た時点で敗北は地獄を意味するということはすでに覚悟の上だ。

 それはルーミアも文も同じことだろう。

 戦うと、大切な人を助け出すと決めた以上、この先が如何に地獄へ通じていようとも止まることは決して許されない。

 

「んじゃ、そんなテメェらに現実を一つ、見せてやるよ」

「へ?」

 

 ドゴォッ!

 

 力が思い切り腕を振り下ろした直後の出来事。

 まるで岩でも崩壊したかのような轟音が真横から鳴り響き、反射的に音の聞こえた方へと目を向けると、文が何かにぶっ飛ばされ、背後にある壁に激突してしまっていた。

 文が激突した壁は衝撃によりえぐれ、巨大なクレーターのようなものが出来上がっている。

 

 その光景から見て今の衝撃がどれほどのものであったかなんて容易に想像できた。

 ダメージのあまり、力なく前方へ倒れ込んで像から離れる文。その直後、像には自動修復機能でもあったのか、一瞬にして文が激突して出来上がったクレーターが綺麗に消え去り、元々の形状へ戻ってしまった。

 おそらくこの像自体も魔道具になっていて、クリスタルから魔力を供給して自動修復でもしているんだろう。

 

「文、しっかりして! 大丈夫!?」

「はい、問題ありませんが、凄まじく痛いです」

 

 私は慌てて文を抱きかかえる。

 幸いにも血は出ているが、致命傷というわけではなく、文の意識もちゃんとあるようだ。

 ただ、一撃でこのダメージ。さっきの攻撃とは比べ物にならないほどにパワーのある攻撃が突然襲いかかってきた。

 

 さっきの動きからして力が腕を振り下ろすことで能力が発動しているんだろう。そこから考えるにおそらく、力の能力は拳のパワーを視界内のどこかへ瞬間移動させ、そこで爆発させるというようなものなんだろう。

 だから拳の威力が遠く離れた私たちにも届いた。本当に厄介な能力ね。

 

 普通なら近づくことすらままならない。でも、私なら問題はないはず。

 

「現世《ザ・ワールド》」

 

 私の能力は時を操り、止めることができる。

 この能力で作り出した時間停止の私の世界には私と同じ能力を持っている月刃しか入ってくることはできない。

 つまり、力が私の世界に入ることはできない。

 

「幻符《殺人ドール》」

 

 時が止まっている間にありったけのナイフを投げ、力の周囲をナイフの嵐で囲い込む。

 今の私の能力には時間制限があるから昔ほど大量には投げることはできないけど、それでも十分な量だ。

 

 時間制限いっぱいまでナイフを設置し、そして制限時間が訪れる。

 私の能力が自動的に解除されると同時に力へ大量のナイフが襲いかかる。それをどう対処するのか観察していると、今度は両腕を大きく開くと拳を作ってその場で回転した。

 すると力へと襲いかかろうとしていたナイフは突如何かに薙ぎ払われたかのように叩き落とされ、ナイフは一本も力へ突き刺さることはなく、地面に落ちてしまった。

 普通、素手でナイフなんていう刃物を薙ぎ払ったら切れてもおかしくはないんだけど、あれは霊力の塊で殴っているだけだから力には何の影響もないというわけね。

 

「面白い能力を持っているな、時間停止……興味深い。お前、俺たちの仲間にならな——」

「お断りよ」

 

 力が言い切る前に断り、ナイフを投げてやる。

 そのナイフは簡単に指二本で挟み、受け止められてしまったが、断固として私が奴らの仲間になることはないということに関しては伝わっただろう。

 雑にナイフを投げ捨てると力は拳を振りかぶった。

 

「そうか、残念だ」

 

 攻撃が来る。そう覚悟して構える。

 あいつが拳を振り下ろしたら再度能力を使って時を止めて回避する。そのために力の動きをよく観察し、そして気がついた。

 力の背後から一人の少女が走ってきていることに。

 

「《インパクト》!!!!」

 

 私たちのことに集中しすぎていて警戒を怠っていたのだろう。背後から近づいてきていたルーミアに気がつく様子もなく、真後ろに来てからやっと気が付き、振り向いてももう遅い。

 黒葉やお嬢様たちのものと比べると不恰好ではあるが、ルーミア渾身の《インパクト》が力の右頬に炸裂。そのまま殴り飛ばされ、力は地面を転げた。

 

 だが、ルーミアの《インパクト》はそこまで熟練していないようで、大したダメージになっている様子もなく力はそのまま立ち上がってしまう。

 それどころか、ルーミアは拳を押さえてうずくまってしまう。

 

「おいおいおい、そんな脆い拳で俺を殴ったら怪我するぞ」

 

 肉体強度が高すぎるんだ。

 だから殴ったはずのルーミアの方が大きいダメージを受けてしまっているし、多分さっきのナイフだって薙ぎ払わなくても問題はなかったに違いない。

 パワーを移動させるのは能力だとして、もしかしてあの身体硬度も能力による影響だったりするのかしら。だとしたらあの硬度を上回るほどの攻撃ができなければダメージを与えることができない上、一方的に攻撃を受けてしまう。

 あれはどのくらいまで硬度が上がるの?

 正直、鋼鉄くらいの硬さまで硬くなるんだとしたら私では切ることができない。能力を使ってもものすごく時間がかかるだろうし、どう頑張っても制限時間以内には切れない。それどころかその前にナイフの方が刃こぼれしてしまう。

 

「どうすれば……」

 

 まずは力を何とかしないとこの中に入ることすらできない。だというのにこの状況、どうしたら……。




 はい!第252話終了

 ついに力戦が始まったわけですが、力の能力も大概なんですよね。

 ちなみにどうして最初黒葉が力を斬れたかというと、黒葉の炎が霊力を焼くという性質を持っているためですね。なので、能力を無効化して切ることができたわけです。

 なら、ルーミアの能力で無効化したらいいと思うじゃないですか。しかし、玲音戦でも説明があったように、自分自身への効果は無効化できないという特性がある以上、身体硬度強化は無効化できないんですよね。

 咲夜たちはここからどのように攻略していくのか?

 それでは!

 さようなら
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