【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ついに咲夜は像の中へ入ることに成功する。

 そこには情報通りにクリスタルが鎮座していた。

 それを破壊しようとする咲夜だったが、突然現れた1人の少女に阻止されてしまう。

 戦いになるが、咲夜の能力を使えば誰も抵抗できない。

 あっさりと撃破出来たかと思われたのだが――



 それではどうぞ!


第255話 幻想

side咲夜

 

「ねぇ、いい夢は見れたかな?」

 

 真横から聞こえて来た声。

 その声に驚き、私は思わず手を止めてしまった。

 声の主はつい今しがたこの手で殺めたはずの少女。そんな彼女がなぜか私の隣に立って私の顔を覗き込んで来ている。

 頭の回転が追いつかない。

 

 龍は再生していた。攻撃を無効化していると言った感じで、手応えらしきものもなかったし、倒せるという自信も湧いてこなかった。

 でも、今の攻撃には明らかな手応えがあった。間違いなく私はこの少女を殺したという確信があった。

 だというのに、今この少女はここにいる。

 

「あなた、何者なの……?」

 

 言いたいこと、聞きたいことは山ほどあったけど、口をついて出た言葉はそれだった。

 

「お姉さんなら僕のことなんとなく知っているんじゃないかなって思うんだけどさ。ま、いいよ。名乗るのが礼儀だしね。うちの首長は礼儀にうるさくてね、本当に嫌になっちゃうよ」

「嫌になっちゃうなら、裏切ってしまえばいいのではないかしら?」

「そういうわけにもいかないんだよ。僕らは、()()なっているからさ」

 

 少女は意味深に笑みを浮かべると、私から一歩二歩と後ずさり、そしてローブを翻して名乗った。

 

「僕は三龍騎士が一人、羅堂(らどう)由麻(ゆま)だよ〜。僕のお仕事はこの魔力炉の管理とお姉さんたちのようなねずみをお掃除すること。さ、僕が名乗ったんだから、お姉さんも名乗って」

「……私は紅魔館のメイド長、十六夜咲夜。レミリアお嬢様を助けに来たわ」

「へぇ〜! それでここに来たっていうことは、もちろんこの島とか首長の秘密、わかっちゃったんだ」

「それを言うということは、ここを破壊されたら困るって言っているのと同義なのだけれど、いいのかしら?」

「別にいいよ〜だって、お姉さんはここから生きて帰すことなんてしないからね。風魔も結局裏切って首領と戦っているみたいだし、もう誰もお姉さんを助ける人なんていないからさ」

 

 やけに自信満々な様子の由麻。

 彼女がどんな能力を持っていて、どんな効果があるのか皆目見当もつかないけど、相当厄介な能力を持っているということは間違いないみたいね。

 つまり、私がいち早くこの能力の秘密を解き明かして由麻を倒さなければみんなやられてしまう。

 責任重大ね。

 

 不安がないと言ったら嘘になってしまう。だけどここは嘘でも虚勢を張っていないと自信がなくなって言ってしまいそうで、だから私は自分に言い聞かせる。

 

「問題ないわ。私はメイド長、誰にも負けはしないわ」

「なら、見せてもらおうかな、そのメイド長の力っていう奴をさ」

「お望みなら見せてあげるわ!」

 

 再び時間を停止する。

 さっき殺されたはずなのに蘇ったロジックがまだわかっていないけど、とりあえず同じようにナイフを突き刺してみることにする。

 ナイフを投げるのではなく、突き刺す。時が止まった状態ならこれを回避するすべはないからだ。

 

 私はナイフを構えると、由麻の心臓目掛けて一突き。

 手に感触が伝わって来る。この肉を切るという感覚があまり好きではないから投げて刺しているのだが、確実に殺すため、私はそのナイフを彼女の小さい体に深々と突き刺した。

 

 今回やったことといえば由麻の胸にナイフを突き刺したことだけなので、時間が余ってしまったが、そのまま時間停止を解除して時の流れをもとどおりにする。

 瞬間、由麻の胸から噴水のように真っ赤な純血が吹き出す。

 突き刺さったナイフは血によって真っ赤に染め上げられ、床も真っ赤に染まる。彼女はわけもわからないまま心臓を一突きされ、目の光を失った。

 

 残酷だと言う人もいるかもしれない。だけど、これが現実。

 殺すつもりなら殺される覚悟も持たなければいけないと言うこと。私はその覚悟はとっくの昔にできている。

 だから容赦はしない。霊夢はよく敵に温情を与えているけど、私は私の目的を邪魔する人、お嬢様たちに危害を加えるものには死をもって償わせる。

 

 さっきのとは違い、命を奪った感触がこの手に残っている。

 間違いなく私は由麻を殺した。地面に倒れた彼女と、その周辺の血だまりがそのことを証明してくれている。

 もはやこれで動くと言うのならばそれは龍かゾンビくらいなものだろう。龍のような能力者が何人もいて溜まるものですか。

 

 これでやっと道を阻むものはいなくなった。

 あとは壊すだけ。

 

「《双炎(そうえん)》」

 

 振り返った次の瞬間、私の目の前には炎の壁が出来上がった。そして背後にも同様にそびえ立つ炎の壁。

 突然の出来事に私は思わず動きを止めてしまった。それが私のミス。

 

「ねぇ、油断したのはいったいどっちでしょーか」

「由麻っ!?」

 

 いつの間にか懐にまで入って来ていた由麻。

 間違いなく今、私の手で命を奪ったはずの彼女が手をわきわきとさせながら私の懐に入り込んでいた。

 

 まずい、そう思い、時間を停止させようとするが、私は今能力を使ったばかり。月刃に能力を奪われてからこの能力にはインターバルが必要になったせいですぐに時間を止めることはできなかった。

 つまり、この状況で私が由麻の攻撃を回避する手段はない。

 せめてと思い、体の前で腕をクロスし、防御する。

 だが、彼女の一撃はその防御など意味がないとあざ笑うくらいに破壊力抜群の一撃だった。

 

「《雷掌(らいしょう)》」

 

 瞬間、由麻の掌をほとばしる稲妻。

 魔力によって練り上げられたその稲妻はあらゆるものを破壊できるほどの威力を誇っており、それが叩きつけられた私の体はいともたやすくぶっ飛んだ。

 

 腕には間違いなくヒビが入ってしまった。折れていないのが奇跡と言えるほどの威力だった。

 壁に激突し、そのまま地面に倒れ込んで私は悶絶する。

 彼女の力自体は大したことはなかった。だけど、あの雷の威力は天魔を彷彿とさせるほどのもので、嫌な記憶が蘇って来る。

 今の一撃、威力的には天魔ほどのものではないにせよ、部分的に天魔を相手しているかのような感覚に陥ってしまう。

 

 でも、大丈夫。私の腕はまだ動く。

 由麻に触られたからと言って壊死するわけではない。月刃と戦うよりかは数段マシ!

 

「お〜、お姉さんタフだね。僕の予想だと今の一撃で戦意喪失すると思っていたんだけど」

「それは残念だったわね。こと、お嬢様関係となると私以上に諦めが悪い人っていうのはいないものよ」

「へぇ〜、なら、まずはその自信をズタズタに粉々にバラバラに、ぶっ壊して絶望の表情を拝んでから殺すとしようかなぁ」




 はい!第255話終了

 さぁ、ついに判明した最後の三龍騎士、その名も羅堂由麻です。

 彼女の能力は今までこの作品で戦って来た敵の中で一番厄介にして、下手したら最強にもなれるレベルの能力です。

 そんな相手に咲夜はどう挑むのか?

 ちなみに、僕の感覚ではここが一番ちゃんと戦っている気がします。

 龍戦は龍が調子の乗って講釈たれているうちに黒葉と風魔がぶっ飛ばし、力のところはちょっとやりにくいんですよね。
 もうちょっと進めば力のところも描きやすくはなるんですが。

 ちなみに、この戦いのほとんどのリソースを由麻戦に注ぐことになると思います。

 それでは!

 さようなら
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