【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 咲夜を襲う炎の竜巻。

 熱気に焼かれそうになるものの、咲夜は反撃に出た。

 しかし、咲夜の目に見えていた由麻は幻覚で、この場に由麻本人は存在しなかった。

 だが、由麻はその秘密を看破した褒美に自分の元へ案内すると良い、上階への階段を解放してクリスタルを上階へ移動させてしまった。

 まず間違いなく罠がある、そう理解しつつも咲夜はクリスタルを破壊するために上階へ誘われたのだった。



 それではどうぞ!


第257話 目を極める

side黒葉

 

 紫さんと特訓をして編み出した技の二つ目、《観察者(オブザーバー)》の発動条件は三つ存在する。

 

 一つ、実力を信頼できる人と共に戦う。

 一つ、自分の実力を信じる事。

 一つ、敵が自分よりも格上である事。

 

 この三つの条件がクリアされた時、俺は《観察者(オブザーバー)》を発動することが出来る。

 今この状況だと、俺は鍛冶師の人里での戦いを乗り越えてそれなりに強くなれた、今の俺ならばそれなりに戦えるはずで、ここからは俺の気持ち次第。そして龍は間違いなくちゃんと戦えば俺よりも強いだろう。

 現に俺は龍の攻撃に反応しきれていない。

 

 後は実力を信頼できる仲間と共に戦うというのがネックだったため、姉貴が一緒に戦ってくれればすぐに解決するんだけど、その前に風魔のこの実力を見て信頼出来そうだと感じた。

 あれだけの攻撃を食らってもなお、あれほど動けるんだ。

 行けるはず。俺が俺を、風魔を信じる限りこれは使える!

 

「すぅ……ふぅ……」

 

 深呼吸をして心を落ち着かせる。

 

 ――お前の目は極めれば最高の強みになる。それを忘れるな。

 

 わかったよ威迅。

 お前は弱い俺のことは心底鬱陶しがっていたよな。だけど、そんなお前が俺にこう助言した。

 俺が成長できるとしたら、強者たちと渡り合えるとしたらこれだって言う道を示してくれたんだよな。

 

 悩んださ。

 悩んで悩んで悩みまくって、そして俺が導き出した答えがこれだ。

 

「風魔、やれ! 《観察者(オブザーバー)》」

「あぁっ!!」

 

 上空より降り注いでくるドラゴン頭。

 風魔はそれを認識して構えた。

 

「よくも吹き飛ばしてくれたなぁ! これだけのことをしたんだ、殺されても文句を言うなよぉっ! 《竜驤虎視(りゅうじょうこし)》」

「言うわけないよ。ただ、あんたは死に際うるさそうだけどなぁ! 疾風剣《旋風》」

 

 ドラゴン頭と疾風剣がぶつかり合い、火花を散らす。

 疾風剣の切れ味は相変わらず凄まじく、ほとんどのドラゴン頭は両断することが出来ているが、龍の攻撃の密度は凄まじく、風魔では捌ききれない攻撃が出てくる。

 だが、俺はそれが見えていた。だから、風魔をサポートするように即座に動き出した。

 

「なっ!」

 

 風魔の脇腹へ食らいつこうとしていたドラゴン頭の首を俺が両断する。

 さっきまでのバタバタした動きとは違って、《観察者(オブザーバー)》によって極限まで集中力を引き出し、無駄な情報を削ぎ落としたお陰で、目標がはっきりとして吸い込まれるようにドラゴン頭の首を切り落としていた。

 明らかに変化した俺の動きに、着地した龍が驚きの声を上げる。

 

「黒葉君、助かったよ」

「俺も風魔に助けられてるからお互い様だ。それよりも龍を刻んで再生を遅らせるぞ!」

 

 いつか威迅が言っていた。

 俺が8歳頃に出来ていた超集中による極限の動体視力、それと今の俺の実力。これが合わされば飛躍的に強くなれると。

 俺はまだその領域には到達出来ていないが、それでも条件付きで限定的にそこへたどり着けると言うのが、この《観察者(オブザーバー)》だ。

 

 そして、俺の特別な動体視力は普通は見えないはずのものすら視認を可能とする。

 

 走り出した風魔。

 その周囲にキラキラと輝く流れのようなものを視認した。

 霊力だ。霊力の流れが俺の目には光となって見えている。

 

 基本、加護による力は樹海でも使った霊力を感じ取ることが難しいのだが、霊力を使わない技なんてものはない。

 だからこうして、感じ取る以外でならば霊力を見つけ出すことが出来る。

 

「風魔!」

「わかってる!」

 

 俺が刀を構えると、風魔は追い風によって加速。防御及び、進行方向の確保は俺に任せるということなのだろう。

 

 見える。

 次々に迫ってくるドラゴン頭、その発生地点と予測できる軌道。

 全力で集中しなければ発揮できなかったはずの超動体視力を発揮できている。

 

「な、なぜだ。なぜ急に動きが変わった!? どういうことだ……まさか、僕を侮り、手を抜いていたというのか!? 僕を見下していたのか!? この期に及んでまだ僕を愚弄すると言うのか!」

「いや、違う。これは今出来ると確信できただけだ」

 

 風魔の実力は未知数だった。

 だから最初から《観察者(ドミネーター)》を使っていたとしても俺は風魔のことを信じきれていないため、失敗していただろう。

 でも、今なら大丈夫。風魔の実力は安心出来る実力だ。

 

「っ! 君たちは本当に鬱陶しいね。僕の邪魔をした挙句にちょこまかと動き回り、僕の計画をとことんまで崩してくる。僕もこれほどコケにされたのは初めてだよ。いい加減わかんないかなぁ? 君たちがどれだけ頑張ったところで僕を倒すことなんてできないんだってことがさぁ!」

「確かに倒すことは出来ない……今はだけどなぁっ!」

 

 正面から突撃してきたドラゴン頭を《炎舞》で弾いて受け流す。

 だが、正面から受けた場合の威力は想像以上のもので、受け流したはずなのに威力を殺しきれず、腕に痺れが残ってしまう。

 

 それでも止まっている暇は無い。こいつ相手に一秒でも止まった瞬間、俺はこいつに殺されてしまうことだろう。

 だから止まることは許されない。

 

「はぁっ!」

 

 気合いで手足を動かし続ける。

 腕の痛みなんか気にしている暇なんて無い。そんなことを考えている暇があったら戦いに集中しろ。全神経を研ぎ澄ませて攻撃を見切るんだ。

 

「本当に面倒だ! それなら、これでどうかな!?」

「なっ!」

 

 今の俺は霊力の流れすらも見ることが出来る。だから次の攻撃がどこへ向かい、どこから発生するのかが見えるのだが、その攻撃はなんと姉貴の方へと向かって行ってしまった。

 今、俺たちは龍へ攻撃することに集中しすぎて姉貴が近くに居ることを忘れていた。カバー出来ていない。

 

 姉貴は防御するだろうか? 全てを諦めた姉貴は防御すらしようとしない可能性がある。

 させない。

 絶対に姉貴は連れて帰ると誓ったんだ。絶対に姉貴を殺させるもんか。

 

「ふざっけるな! あがっ!」

「黒葉!?」

「黒葉君!?」

 

 守るために姉貴の元へとダッシュ。

 だが、場所的に俺のダッシュでは完全防御できるほど余裕を持って追いつける訳ではない。

 むしろ、間に合わない。だから姉貴に食らいつこうとしているドラゴン頭と姉貴の間に腕を差し込み、ドラゴン頭を腕に食らいつかせた。

 肉が潰され、骨がミシミシと悲鳴をあげる音が聞こえるようだ。

 

 激痛が腕を襲う。

 なんとか霊力で腕を防御しているが、気を抜いたら一瞬で腕を食いちぎられてしまいそう。

 だが、そうなる前に俺は腕に炎を纏わせ、ドラゴン頭を焼き消す。

 俺の炎は霊力を焼くことが出来る。だからドラゴン頭はすぐに消えたが、今のはかなりのダメージ。元々腕を痛めていたと言うのもあって、刀を持っているだけでも辛いというのが正直なところだ。

 

「黒葉、どうして」

 

 姉貴が目を丸くして聞いてくる。

 だが姉貴、この答えはあんたが一番よく知ってるんじゃないか?

 

「俺は姉貴に生きていて欲しい、笑っていて欲しい。絶対に死なせない。姉貴は俺が守る!」

 

 何度も俺は姉貴に助けられてきた。だから、今度姉貴を助けるのは俺だ。




 はい!第257話終了

 ここら辺から黒葉パートを進めていきますよ。

 そして数話書いたらルーミアパートに行きます。

 咲夜パートはしばらくお待ちください。

 それでは!

 さようなら
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