【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 人里を訪れた黒葉。

 そこは既に悲惨な状況になっていた。

 家屋は燃え、人々は叫びながら逃げていた。

 そこへゲンと名乗る男が現れる。

 果たして黒葉はゲンに勝つことが出来るのか?



 それではどうぞ!


第26話 次こそは

side黒葉

 

 ダメだ。よけられないっ!

 俺は覚悟を決めるとルーミアをかばうように覆いかぶさった。

 

「黒葉っ!」

 

 ものすごい熱量が背後から迫ってくる。食らったらひとたまりもないことはわかっているものの、俺はもう目の前で誰かを失うことがいやだったからかばう道を選択した。

 その瞬間だった。正面からも熱気が迫ってきて、俺の上を通過していった。

 

 何が起こった? それを考える暇もなく、背後で大爆発が発生し、俺とルーミアは爆風によって吹き飛ばされた。

 爆風はものすごいものではあったが、あの炎を食らうよりはダメージが小さいので、ほっと一安心。だが、どうして急に爆発なんて起きたのかがわからなかったため、炎があった場所を見てみるとひとりの女性がそこには立っていた。

 白髪でつなぎのような服を着ている。

 

「慧音に呼ばれてきてみりゃ、なんだこの惨事は」

 

 女性はあたりを見回す。

 燃え盛る家屋、逃げ惑う村人。まさしく惨事と呼ぶにふさわしい状況だ。

 

「何だてめぇ」

「私はこの里を助けに来たんだが、こんなすぐに元凶に出会えるとは思わなくてうれしいぞ」

「元凶だなんて、失礼なことをいう……ただ俺は掃除をしていただけだ。人間という世界のごみをね」

「そうか、それがお前の遺言ってことでいいんだな?」

「その言葉、そっくりそのままお返しするぜ!」

 

 女性とゲンは炎を体に纏うと同時に走り出し、懇親のパンチを繰り出した。

 互いの拳はぶつかり合う。どっちも互角のように見えるものの、熱量としてはゲンの方がすさまじいように感じる。

 

「くっ!」

「なんだその生ぬるい炎は! 俺の炎で丸焼きにしてくれるわ!」

 

 ゲンの炎はさらに勢いを増し、女性を飲み込もうとしている。

 何とかしないとあの女性はいずれ力尽きて殺されてしまう。

 幸い、今は夜だ。吸血鬼としては絶好のバトルフィールド。まだ修行中の身で、対して強くはないが、それでも共闘するには十分だ。

 

 霊力をぎこちないながらも手に纏わせると、ゲンへと走り出す。

 

「ゲンっ!」

「何っ!」

「よそ見してるんじゃないよ!」

 

 女性はけりを放つとゲンはバランスを崩してしまった。

 今のこの状態だったら俺の技を当てることができる。

 

「インパクトっ!」

 

 俺は霊力を込めた拳をゲンの腹へとたたきつけた。

 すると一瞬、殴った衝撃が拳にあったものの、すぐにそれはなくなり、空を殴ったかのような感覚のあと、俺の拳はゲンの胴体を貫通していた。

 

「なっ!」

 

 あまりの驚きに動けないでいると俺はゲンに頭をつかまれてしまった。

 

「小僧……やはりあの時、吸血鬼もろとも消しておくべきだった。その力は貴様のような軟弱物が持っていていいものではないのだ!」

 

 ゲンに投げられて岩にたたきつけられる。

 ものすごい衝撃だ。骨が何本か折れていても何ら不思議じゃなかった。

 それよりも、投げられたダメージのせいで俺は一歩も動くことができなくなってしまった。全身が痛く、思うように体が動かない。

 

「ふはははは! まずはそこで転がっている女のガキからいたぶってやろうか」

 

 女のガキ、すなわちルーミアの事だ。

 このままじゃルーミアが殺されてしまう。

 

「そうはさせるかよ!」

 

 女性がルーミアの前に立ちはだかるものの、そんな女性の姿を見てもなおゲンは余裕そうだ。なぜなら女性の能力ではゲンの能力には勝てないからだ。

 くそ、こんな状況でも俺の体は動けねぇのかよ。

 動かそうとすると体がミシミシと悲鳴を上げる。痛すぎて動くことができない。

 

「くあっ」

「どけっ!」

 

 女性が投げ飛ばされてピクリとも動かなくなってしまった。どうやらダメージを受けすぎて女性ももう動けないといった様子だ。

 

「とどめだ」

 

 ゲンは近くにあった槍のようなものを手にすると女性に突き刺した。それはちょうど心臓の位置。

 死んだ。俺が弱いばかりに、また目の前で人を死なせてしまった。

 

 悔しい……。

 

 せめて姉ちゃんのような力があれば……。

 姉ちゃんの刀、吹雪を横目で見る。腰につけてあるその刀は今か今かと俺が立ち上がるのを待っているかのように見える。

 だが、俺が立ち上がることはないだろう。一切、動くことができないのだから。

 

 俺は昔から姉ちゃんに守られてきてばっかりだった。

 ドジばっかりして、そのたびに姉ちゃんに助けられて……。

 

 ––だけど、そんな姉ちゃんはもうこの世にはいない。俺をもう助けてくれることはない。

 だけど、もう一度だけ助けてくれるっていうならば俺に、俺に……っ!

 

「戦える力をくれ!」

 

 その瞬間、体の内から力が湧いてくるような気がした。

 手が燃えている。ゲンの炎? 違う。俺自身が発火しているのだ。

 だが、太陽が出ているというわけではない。まだまだ空は真っ暗だ真夜中だ。

 

 つまりこれが俺のっ!

 

「ゲン、俺はお前を絶対に許さない!」

「許さないって、何をするつもりなんだ?」

「俺がお前を喰らってやる。最初からそう言っているだろうがよ!」

 

 俺が死んだ姉ちゃんにしてやれることは、こいつを打ち倒すことだ。

 姉ちゃん、力を貸してくれっ!

 

 俺は吹雪を手にする。すると、手のひらの炎が伝染し、吹雪に炎がまとわりつく。

 

「黒葉っ!?」

「炎系の能力者か。だが、俺には通用しない」

「やってみないとわからないだろ!」

 

 俺は炎をまとわせた刀でゲンに斬りかかる。だが、最初に殴ったとき同様、斬ったときの手ごたえが感じられない。

 実体がない? そんな馬鹿なと思ったものの、こいつの体は触れると炎に触ったかのように熱い。

 さっき殴ったことによって右腕がものすごい火傷を負ってしまった。となると、こいつの体は本当に炎だけでできているのではないかと思ってしまう。

 

「さぁ、俺を喰らうんだろ? やってみろよ」

「っ!」

 

 俺の力ではダメージを与えることすらできない。

 だが、先ほどの白髪の女性の蹴りは躱していた。つまり、ある一定以上のダメージならば防ぐことができないでそのままダメージを受けるのではないか?

 

 俺は刀を逆手に構えると姉ちゃんの得意技の模倣品を放つ。

 ただ、今までと違うことは今、刀は炎をまとっているということだ。姉ちゃんは冷気をまとうからその真反対。

 名前は––

 

「業火!」

 

 その刀はゲンに直撃、だが先ほどまでと同様に手ごたえが一切なし。

 

「残念だったな。炎の攻撃は効かないんだ」

 

 俺はゲンに殴り飛ばされ、民家に激突。崩れてきた瓦礫に埋もれてしまった。

 まずい、このままじゃ負ける。

 

 気が付けば空は明るくなり始めていた。あと一時間もすれば太陽は完全に昇ってしまう。そうなったら俺は終わりだ。太陽に焼かれ、死を待つのみとなる。

 そんなのはだめだ。それじゃこの里は終わってしまう。

 

「助けてくれ……誰か……」

 

 その瞬間だった。

 ダメージを受けすぎて目を開けることすら叶わないものの、誰かが目の前に降り立ったのだけはわかった。

 

「あんたの助けを求める声、聞こえたわよ黒葉」

 

 何とか目を薄目で開けてみると、そこには巫女服を着た女性が立っていた。

 俺はこの人を知っている。出会いは最悪で、だけど最後には分かり合うことができて、俺が知っている中で、現状最強の女性。

 

「博麗様っ!」




 はい!第26話終了

 霊夢が助けに来ました。

 ただ、黒葉は能力に自覚を持ったものの、ゲンに勝つことは出来ません。

 果たしてどうなるのか?

 それでは!

 さようなら
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