【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 黒葉は必至に龍の攻撃に食らいつく。

 全力を出しすぎると動けなくなってしまうため、限界ギリギリの状態で戦う。

 だが、やはり黒葉の肉体じゃ限界がある。

 ついにピンチに陥ってしまったが、そこをまたもやレミリアが助けた。

 そしてレミリアは言う。

「もう一度考えてみた。どうして諦めたはずなのに黒葉を助けたか……どうしてあなた達と離れるという言葉を口にする度に胸が苦しくなるのか……。やっぱりダメだった。やっぱり私は自分の心に嘘はつけない。私、紅魔館のみんなが、大好きよ!」

 ……と。



 それではどうぞ!


第270話 攻撃を止める方法

side黒葉

 

 姉貴が言い放った瞬間、この場はしんと静まり返った。

 そして俺は姉貴の言葉に安堵、そして歓喜する。やっと俺たちの大好きな紅魔館の主、レミリア・スカーレットが帰ってきたのだと。だが、そんな俺とは対照的に龍はフルフルと肩を震わせる。

 顔は鬼の形相、そして周囲には隠しきれないほどの怒りのオーラが放たれていた。

 

 間違いない、龍は姉貴の言葉にぶちぎれた。

 

「あぁ、そうかい! 君の気持ち、そして性質はよーく理解したよ! 結婚前に判明してよかった。危うく、君のような浮気女を妻に迎え入れてしまう所だったよ。君はどうして選べる立場に居ると思っているのかな? 君はどうしてこの状況で僕ではなく危ういそいつを選ぶ? 本当に理解に苦しむよ。君のような馬鹿女を妻にしたら、僕まで馬鹿になってしまいそうだ。僕はこれほど君に尽くした、君のために盛大な結婚式まで催した。僕と結婚したら、この島全てが君の思うがままだ。何がダメだったんだ? 何が悪い? 僕は君に何かしたかなぁ? 僕は君を尊重し、敬意をもって接してきたつもりだ。だというのに君はそんな僕を裏切った。裏切り行為は決して許される行為ではない。ここまで許し続けてきた。だけど、さすがに僕も我慢の限界だ。君がこれからどう許しを請おうとも、僕はもう君を許すことはない。恨むなら、自分の浅はかさを恨むことだね!」

「私はあなたを、そして自分自身も恨むことはないわ。逆に感謝しかないわね。だって、こんなにも紅魔館のみんな事が大切だということを再認識できたのだもの」

「っ、そうかい! じゃあ、そろそろ僕前から消えてくれ!」

 

 そう言うと龍はついに大量のドラゴン頭を姉貴に向けて放ってきた。

 さすがにあの量のドラゴン頭は姉貴一人ではさばききれないだろう。だから俺もサポートに入り、《観察者(オブザーバー)》でドラゴン頭をよく観察し、優先順位を定めて斬る構えをする。

 

「黒葉、左側をお願い」

「っ、分かった!」

 

 姉貴も神槍《スピア・ザ・グングニル》を構えて、迎撃態勢に入る。

 そして共に動く。

 

「らぁっ!」

 

 一体一体丁寧に斬る。正確に、そして素早く動く。

 己喰い(マイイーター)で姉ちゃんの力を借りていれば俺でもそれが可能だ。だが、肉体には限界があって、全体をカバーすることは不可能。姉貴の言ったように左側だけを捌くのに精いっぱい。

 

 チラリと姉貴へと視線を向ける。

 俺は目を見張った。

 

「はぁっ!」

 

 まるで姉貴は全てがわかっている。どこにドラゴン頭が飛んでくるかわかっているかのような流れるような所作で次々とドラゴン頭を破壊していく。

 後ろも見えているのか、後ろから突然出現したドラゴン頭でさえ、視線を向けることすら無くグングニルで串刺しにし、破壊。その動きはまるで踊っているかのよう。

 いや、どこに飛んでくるのかが分かっているかのよう、ではなく実際に姉貴は分かっているのだろう。

 

 龍の攻撃の未来を見て攻撃を先読み、その場所に攻撃することによって簡単に攻撃を破壊することが出来る。

 姉貴はさすがだ。

 

 だけど、姉貴が未来を読めるということは、同系統の能力を持っている龍ももちろん未来を見ることが出来るというわけで、俺と戦っていた時は俺をナメて未来視を使ってこなかったようだけど、姉貴が戦うのならば話は変わってくるはず。

 龍も紅魔館に行った時は最初から未来視を使っていたみたいだし。

 

「その程度の能力で僕に勝った気になるのは止めてくれないかなぁ! 君の能力は僕の下位互換なんだからさぁ!」

 

 次の瞬間、俺が刀を振るうと、まるでそこに刀が来ると分かっていたかのようにするりと俺の刀を避けたドラゴン頭が俺の脇腹に噛みついてきた。

 

「ぐぅっ」

 

 どうやらついに龍は未来視を使ってきたらしい。

 目で見えていても反応することが出来ない。俺が龍の攻撃が見えているように、龍は俺たちがどのようにして攻撃を防いでくるかが見えているのだ。

 そして同時に姉貴が苦悶の表情を浮かべる。なんとか俺とは違って攻撃に反応してドラゴン頭を破壊しているようだが、さっきまでの安定感とは違い、だいぶ後手に回っているように見える。

 

「やっぱり見えない」

「僕には見えて君には見えない。これってさぁ、決定的な差だと思わない? つまり、君の能力では僕に勝ちようがないということだよ。わかってくれたかな? 君がどれほど愚かな選択肢を選んだのかということを。君は僕を選ばなかった時点で、死が確定していた。どうやら今は何とか捌くことが出来ているみたいだけど、それがいつまで続くかな? それに、そちらの君は僕の攻撃に一切対応することが出来ていないみたいだけど、大丈夫かい? 辛くなったら、諦めてもいいんだよ。だって、僕が強いのは自然の摂理。諦めてしまうというのは何もおかしいことじゃないし、自然のことだ。恥じることはない」

 

 何とか胴体に食らいついてきたドラゴン頭を斬り落とすが、こうしている間にも次々とドラゴン頭が迫ってきている。

 これ以上の本気を出してしまったら、俺は自分の体を破壊してしまうことだろう。呼吸も忘れ、必死に動き回り、自分の限界を超えて体を壊した挙句、酸素不足で倒れるのがオチだ。

 そうなれば敗北は必至。

 

 ――その前に確実にあいつの攻撃の嵐を止まさせないと!

 

 必死に体を動かす。

 一瞬、体が壊れない時間。おおよそ一秒程度の一瞬だけでもいい。龍の攻撃速度を上回れるほどの速攻であいつをぶっ飛ばす。

 未来を見れても回避しきれなければ意味がない。師匠の攻撃の様に!

 

本気(フルパワー)だ!」

 

 今だけは戦いに全てを集中する。

 己の肉体の事なんて二の次だ。ダメになったらその時考えればいい。

 だから、今はありったけを!

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 ダンっと地面を蹴り、龍へと急接近する。

 胸に手を当て、そして超極限まで集中する。

 この戦いまでの間、ずっと特訓し続けてきた。ルーティンによる集中状態、それを極限まで高める。

 

 龍がどれほど未来を見ても俺が追い付けるほどの反応速度にまで引き上げる。これが俺の今できる最大限の本気。

 

「はぁっ!」

 

 この状態は長く続けるとさっきみたいに倒れかねない。だから、一瞬で正面のドラゴン頭を斬り裂き、龍へ間合いを詰める。

 倒せなくてもいい。だけど、この状態がずっと続くのだけは阻止しなければだめだ。

 

「っ、龍!」

「君がどれほど頑張ったって僕には敵わないんだよ!」

 

 俺が目の前までくるとドラゴン頭を出して迎撃してくる。

 だが、そんなことは関係ない。龍を回避できないほどの攻撃でドラゴン頭ごと纏めて斬り裂いてやる。

 今込めることが出来る全霊力を刀に込め、走る勢いを乗せて刀を振るう――

 

 ……

 …………

 ………………

 

 ――パキン。

 嫌な音が聞こえた。

 それは俺の手元、もっと詳しく言えば、俺の今構えていた刀から聞こえた音だった。

 

 威迅から言われた忠告。

 この刀は俺の攻撃力に耐え切ることが出来ないと。あまり本気を出しすぎると刀が折れるぞと。

 刀へ視線を落としてみると、折れたというよりかはドラゴン頭を斬り裂くことはできたが、龍に攻撃が直撃する前に刀身が砕け散ったといった感じだった。

 これじゃ龍を斬り飛ばすことはできない。俺の得意な刀による攻撃が出来ない。

 

 龍が勝利を確信し、ニヤリと口角を上げる。

 でも、俺は諦めるわけにはいかない。ここで諦めてしまったら、姉貴との未来を諦めることに直結してしまう。そんなことは絶対に俺が許さない。

 斬る以外に龍をぶっ飛ばし、攻撃を中断させる方法は――

 

 こうしている間にも龍の周りからドラゴン頭が出てきて龍の正面をまるで盾の様に守り始める。

 早くしないと龍に攻撃が通らなくなってしまう。

 

 ……方法が一つだけある。

 威力があり、この大量のドラゴン頭を蹴散らして龍をもぶっ飛ばすことが出来そうな攻撃、《インパクト・バズーカ》。

 だが、それは博麗様に絶対にやるなと警告された技で、次に使ったら俺の腕はどうなるかわかったものじゃない。

 それは姉貴も望むところではないはずだ。

 

 ならば、どうするか………………。

 あれは腕の中にある魔力を爆発させて大ダメージを与える。だが、腕の中の魔力を爆発なんてさせたらこの前の二の前になってしまう。

 だったら――

 

「っ! 魔力を撃ち出したらどうだ! 《インパクト⊂バズーカ》!」

 

 腕を振るい、腕の中の魔力を拳を振るう反動で龍へ向かって撃ち出した。

 拳型にかたどられた魔力が龍を守るドラゴン頭の壁に衝突した次の瞬間、拳型の魔力は大爆発を引き起こし、周囲を大破壊。ついでに近くにいた俺も爆風によって吹き飛ばされて地面を転がる。

 思ったよりも威力が出た。

 

 今の一撃でこの教会は半壊。近くにあったドラゴン頭たちをほぼほぼ破壊し、龍を跡形もなく破壊した。

 龍の能力はなんでも喰らうけど、何でもできるようなチート能力というわけではない。あの状況で回避できるような術は持ち合わせていない。

 

 ドラゴン頭の先に見えた龍の肉体は上半身が吹き飛び、まるで惨殺死体のような状態だった。だが、それでも立ち、徐々に肉体が集まって再生しようとしている。

 けれど、龍は再生に集中しているようで、さっきまでのような攻撃は飛んでこなくなった。

 とりあえず俺は龍の攻撃をしのぐことが出来たようだ。




 はい!第270話終了

 レミリアが加わったことで戦力は増強されましたが、その代わり龍が能力を使ってくるように!

 かなり厳しい戦いです。

 そして刀が破壊されました。

 黒葉の攻撃手段が限定されたわけですが、土壇場で《インパクト⊂バズーカ》を編み出しました。

《インパクト・バズーカ》は拳の中の霊力を直接爆発させるもの。そして、《インパクト⊂バズーカ》は霊力を撃ち出して爆発させるものとなっております。

 威力はさすがに《インパクト・バズーカ》の方が強いですが、《インパクト⊂バズーカ》は黒葉への体の負担が無くなった実用性がある完全進化技といった感じですね。

 多分霊夢からの忠告が無ければ《インパクト・バズーカ》でも使ってた気はしますが。

 さて、もうちょっとで黒葉視点前編は終了となります。

 走り抜けますよ!

 それでは!

 さようなら
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