【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 龍との戦いは更に激しさを増す。

 黒葉とレミリアが共闘し、激しい龍の攻撃を共に対処していく。

 龍の猛攻を食い止めようと、龍へ攻撃を仕掛ける黒葉だったが、ついに刀が折れてしまう。

 攻撃の手段を失ってしまったかのように思われたが、黒葉はとっさの気転で腕が壊れない《インパクト⊂バズーカ》を編み出した。



 それではどうぞ!


第271話 The Start

side黒葉

 

「はぁ……はぁ……」

 

 なんとか凌ぐことが出来た。

 確かになんとか身体が限界を迎える前にぶっ飛ばすことに成功したけど、それでも身体への負担は大きい。

 肺が痛いし、《インパクト・バズーカ》の爆発に腕を破壊されることは回避できた。だけど、霊力を打ち出す時の反動はかなり大きく、腕は破壊されなかったけど腕がしびれている感じがする。

 直ぐにはもう一度《インパクト⊂バズーカ》を使うことが出来ない上に、《インパクト》を使うことすら出来ないだろう。

 

 俺はこれほどの代償を支払った。

 だけど、龍はそんな俺の努力をあざ笑うかのように再生していく。もう少ししたら完全に復活してしまうことだろう。

 殴れない以上、刀を無くした俺は戦力にはなり得ない。

 

「黒葉、大丈夫!?」

「はい、なんとか。ですが、腕がしびれてます。武器があるならまだしも、殴ることは出来なさそうです」

「腕が……分かったわ。暫く私一人で戦うから休んでて」

 

 悔しいけど、今の俺が戦ったところで足手まといだ。

 それなら厳しいかもしれないけど、姉貴一人で戦ったほうが全然良いだろう。

 

「分かった。姉貴、気をつけて」

「えぇ、ありがとう」

 

 俺は姉貴に任せて後ろに下がる。

 武器を使わず、能力で戦おうにも休まないことには能力をまともに使える気がしない。だから、体調が回復するまでの間、姉貴が耐えきることを祈るだけだ。

 

「ほんっとうに君たちって諦め悪いよね。どこからそんなにやる気が湧いてくるのかわからないけどさ、いい加減何をしたとしても僕にダメージを与えることが出来ないって理解してくれないかな? 君たちが僕を倒すことが出来る道なんて存在しないんだからさぁ! 何度も何度も人の体を破壊して、君たちには人の心というものがないのかなぁ? 僕のように善良な司祭を無惨な姿にして何も心が傷まないわけ!?」

「えぇ、全く。それよりもあなたが苦しそうな表情をしていると心が晴れるわね。いい加減に倒れてくれないかしら? 私はあなたに構うよりも、みんなと一緒に紅魔館へ帰ってみんなに謝らなければいけないのだから」

 

 次第に龍の形がもとに戻り、怒りに満ちたその表情が現れた。

 

 人の心が無い? 誰が言ってるんだ。

 龍、お前は何人の人を奴隷のごとくこき使ってきた。どれだけの人を攫ってきた。

 どれだけの人を見殺しにしてきた。

 

 俺の中で怒りがふつふつと湧いてくる。

 それは姉貴を連れ去ったことだけではない。龍がこの街の人々を苦しめ続けていることにもキレている。

 

「そう強がっていられるのも今の内だ。レミリア嬢は僕には勝てない。それは能力の強さからしても明白だ。僕が見えているのに君は見えない。その時点で、君が勝てる見込みはゼロなんだ」

「そうかしら? あなたこそ私たちの底力をナメているんじゃない? 私の力をナメていると火傷するわよ」

 

 ついに龍の身体が完全に回復し、ドラゴン頭を姉貴に放つ。

 確かに姉貴の能力では龍には勝てない。絶対に未来は見られて行動を先読みされることだろう。でも、なんだあの姉貴の自信は。

 さっきまでの姉貴とは違う。自信に満ち溢れた表情をしている。

 

 あれは間違いなく、勝つ人の目だ。

 

「ここまで来たらやってやるわよ。不変の運命の改変。黒葉が一度、為し遂げたみたいに!」

 

 姉貴は再び手にグングニルを作り出し、迎え撃つ。

 

「気づいていないみたいだから教えてあげるわ、龍。私は博霊選抜チーム所属、リリルカ・スカーレットの娘よ!」

 

 グングニルを巧みに操り、次々に迫りくるドラゴン頭を破壊していく姉貴。その姉貴の言葉を聞いて龍は目を見開いていた。

 そしてさっきまでの余裕の表情と怒りの表情とはまた違う、驚愕の表情を見せる。

 

 龍が初めて驚いた。

 それによって龍の能力が乱れたのだろう。龍の攻撃は姉貴を外れ、地面や壁に衝突。姉貴はドラゴン頭の合間を縫って龍に急接近し、グングニルを向ける。

 

「あなたでも驚くことはあるのね」

「ま、まさか君があのクソ女の娘!? 僕を謀ったな!」

「謀ってなど居ないわ。ただ、聞かれなかったから言わなかった、ただそれだけのことよ」

「それは屁理屈だ! 僕はこれほど君に真摯に対応してきたというのに、そんな僕に対してこの仕打ち、あまりにも酷いと思わないかい!?」

「何度も言うけど、私は思わない。だってあなたが理不尽だと感じていることは全て自業自得なのだから。だから、私はあなたを倒してこの島の人たちを解放する! 神槍《スピア・ザ・グングニル》!!」

 

 そしてついに姉貴は龍の胸のど真ん中にグングニルを突き刺した。

 走った勢いも込めて突き刺されたグングニルは龍に深々と突き刺さり、背中側に貫通して串刺しとなった。

 そのグングニルはそのまま壁に突き刺さり、龍は壁に釘付けにされる。

 

 龍の動きを制限することが出来た。

 これでもう龍は姉貴の攻撃を回避すると言うことができない。あとは姉貴がドラゴン頭を回避しつつ、龍に攻撃を続ければ――

 

「え?」

 

 そんな簡単な問題なわけがなかった。

 次の瞬間には姉貴の真下からドラゴン頭が飛び出してきて姉貴の襟に食らいつき、持ち上げられる。

 龍の奴、攻撃を回避したり肉体を回復させる方ではなく、攻撃の方に意識を向けて姉貴に攻撃しやがった。今まで俺が龍に攻撃出来ていたのは加護による攻撃と回復を同時にできないからだと思う。現に、体を再生しながら攻撃を仕掛けてきたことは一度もない。

 そして龍は体の欠損を優先して治す癖があったが、それを後回しにして姉貴を攻撃した。

 多分、姉貴の実力を考慮して、優先順位を変えたんだろう。治したとしてもすぐに破壊されたら意味がないから。

 

「僕も暇じゃないんだよね。だからさ、いい加減に終わってくれないかなぁ?」

「そう簡単に終わってたまるものですか」

 

 まずいまずい。

 このままじゃ姉貴が殺されてしまう。俺が何とかしないと!

 休んでいる場合じゃない、どうにか体を動かしてあのドラゴン頭を姉貴から引きはがすんだ。

 

 姉貴は俺に休んでいいと言ってくれた。だけど、姉貴のピンチを見過ごせるわけがない。

 ちょっと休んで肺の苦しさは無くなった。無茶をして走ったせいでちょっと足は痛いし、まだ腕は痺れているけど動けるようになった。

 もう一度《インパクト⊂バズーカ》を……いや、そんなことをしたら姉貴まで爆発に巻き込んでしまう。なら、《インパクト》で……でも、それだと威力が足りない。

 あのドラゴン頭を吹っ飛ばして再び龍を攻撃できる方法を……。

 

「黒葉ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「っ!」

 

 俺の名を呼ぶ叫び声が聞こえてきた。

 それと同時に何かが天井に空いた穴から目の前に落ちてくる。それは紛れもなく刀だった。

 炎のように真っ赤な刀身、雪の結晶のような形をした鍔。俺の能力と姉ちゃんの能力が合わさったようなイメージの刀だ。

 

 降ってきた方へと視線を向けてみると、そこには金髪で虹色のクリスタルが付いた枝のような羽をもっている吸血鬼の少女、フランドール・スカーレットが日傘を片手に飛んでいた。

 

「フランドール!?」

「使って!」

 

 驚いた。

 今すぐにでも今までどうしていたのか聞きたいところだけど、今はそんな場合ではない。

 ちょうど刀が破損してしまって困っていたところだ。ありがたく使わせてもらおう。

 

「龍っ!」

「あ?」

「姉貴からその汚いものを離せ! 《日輪一閃(プロミネンス)》」

「なっ!?」

 

 この刀は恐らく威迅が打ってくれたものだ。握ってみてわかった、これは俺のために俺のことを考えて作られた刀なのだと。

 この刀なら俺の攻撃に耐えてくれるだろう。俺の攻撃でも壊れずにいてくれるだろう。

 本気を出すことが出来るっ。

 

「ちょっ!」

 

 一瞬で龍へと接近した俺は一撃で姉貴を捕まえているドラゴン頭と龍を一刀両断。だが、今の龍だったら再生よりも俺への攻撃を優先してくる可能性が高い。

 だから、油断はせずに龍を見据える。そして、龍が動き出すよりも早く俺は次の準備を整える。

 

 今までの刀だったらこの本気には絶対に耐え切れないと分かっていたから出来なかったが、今なら使えるはずだ。

 龍を倒すために鍛え上げた俺の実力。紫さんにこっぴどくしごかれた俺の成長を今、ここで見せてやる。

 俺は胸に手を当てて極限の集中状態に入り、そして発動する。現時点、俺の最高地点へと足を踏み入れるっ!

 

 ――狂獣技(ビースト)【獄炎龍・炎帝】――

 

 俺の体を炎が包み込む。

 あの一件以来、一度も成功しなかった狂獣技(ビースト)。だけど、今なら使える。

 観察者(オブザーバー)を習得することが出来るほどの集中力を得た俺ならばっ!

 

 炎が徐々に俺の体にまとわりつき、その形を鎧へと変化させていく。

 

 拳だけじゃない。全身が炎の鎧に包まれ、そしてついに俺の狂獣技(ビースト)は完成した。




 はい!第271話終了

 ついにフランが来ました。

 そして黒葉の元へ届く新しい刀。

 まだ試作品ということですが、その性能は如何に!?

 それでは!

 さようなら
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