それでは前回のあらすじ
《インパクト⊂バズーカ》を編み出したのは良いが、刀を失ってしまったのは事実。
そんな黒葉を庇うようにしてレミリアが戦う。
そしてレミリアは不変の未来を変えた黒葉の姿に感銘を受け、不変の未来を変えてやるという決意を口にした。
レミリアは必死に龍と戦うが、ピンチに陥ってしまう。
焦りを抱く黒葉。そこでついにフランがスカイへ到着し、黒葉に刀を投げ渡す。
それを受け取った黒葉はレミリアのピンチを救い、そしてついに
それではどうぞ!
side黒葉
「黒葉!?」
色々話したいことは山々だけど、今は龍をなんとかしなければいけない。
これが俺の本気。さっきまで使っていた刀でこの本気を使えば一瞬で破損するという未来は見えていたから、使えなかったけど、今はもう関係ない。
急ごしらえだから几帳面な威迅にとってはまだ完成というものではなく、試作品を調整したと言った感じだろう。だが、それでもさっきまでの刀よりもしっくり来るし、俺の力に耐えてくれそうな安心感がある。
流石威迅だ。
そうこうしている間に龍の肉体が再生し、再生する時についでに姉貴のグングニルから逃れてしまった。
「ちょっと、急に割って入ってきて武器を投げ渡すとか流石に卑怯じゃないかなぁ!? 君たちの辞書の正々堂々と言う言葉はないのかなぁ!?」
「正々堂々? 街の人々の霊力を奪って自分のものにしているお前が言うな。もう黙れ」
「正々堂々だろ? なにせ僕は今の今まで一度たりとも君たちから背を向けて逃げ出したり、罠にはめたことはあったかなぁ? 誰かと共闘して君たちを陥れたことはあったかなぁ? 少なくとも君たちには正々堂々、僕一人の力で戦っているよ。君は今、僕の力は他人から奪ったものと言ったけど、これは僕の力だ。君の推測が正しければ僕は『悪食の加護』で街の人々の霊力を集めて自分のモノとしているみたいだけど、それって僕の力じゃないか。僕が『悪食の加護』を持っていなければ霊力を集めることが出来ない、クリスタルを発見したのだって僕の努力だ。そんな僕を君たちはどうしてバカにすることが出来る? 出来るわけ無いよねぇ。この状況を作ったのは全て僕の力だ。卑怯でも何でも無い。ただ君たちは運が悪かっただけなんだよ。相手が僕という最強無敵究極の完璧存在だったというだけだ。そんな君たちの運の悪さをこともあろうに僕のせいにしないでほしいな。僕の力が羨ましいという君の気持ちはすごく理解できるけど、勝てないことを僕のせいにされてしまったら僕もたまったものじゃないよ。自分の努力不足を人のせいにしないでほしいな。どうしても僕に勝ちたいと思うのならば、僕を圧倒的に超えるほどの実力を身につければいいだけの話なんだ。だけど、それだけの力を有していないから、今君たちは僕に苦戦している。違うかい? 僕は今、何も間違ったことは言っていないよねぇ。そんな君たちに僕がずるいとか言われる謂れなんて何一つ無いんだよ。悔しかったら僕を殺してみたらどうだい、ん? あー、ごめんごめん、そんな事君たちに出来るわけがないよねぇ。そうだよ、この答え合わせをしてしまうけどね。僕の加護は君たちの考察の通り『悪食の加護』。そしてクリスタルを使ってこの街から霊力を集めている。君たちの考察力は流石なものがあると、流石に褒めざるを得ないレベルだよ、おめでとう。だけど、それが何だって言うんだい? それが分かったところで僕をどうやって倒すんだい? 今まで君たち以外にも僕の秘密にたどり着いた人は何人も居た。だけど、誰一人として僕を倒すことが出来た人は今まで居ないんだ。どうしてか分かるかい? みんな僕より弱かったからだ。多少頭が回ったところで、僕を倒せるほどの力を有していなければそれは宝の持ち腐れだ。君は何人もの仲間を引き連れて僕を倒しに来たみたいだけど、僕の仲間、力全と魔導をナメないでほしいな。彼、彼女は君たちの様な愚族にやられてしまうほどやわな人たちじゃないんだよ。今頃、君の仲間は全滅しているんじゃないかなぁ? 風魔もバカだよね、あのまま僕についていれば平穏に生きられたかもしれないというのに、僕に逆らったから今頃彼は力全に殺されてしまったんじゃないかなぁ。彼は哀れだったよ、君のような悪魔に魂をそそのかされてこともあろうに僕に牙を向いた。非常に残念だよ。風魔ももうちょっと頭が良ければ僕に楯突こうなんて考えは一瞬たりとも浮かんでこないはずなのにさぁ。レミリア嬢についても君は聡明な人だ。僕の考えを理解し、どちらにつくほうが得かちゃんと理解してくれる人だと思っていたのに、とても残念だ。君は頭がいいのに合理的判断が出来ない。それってさぁ、とても損すると思うんだよね。だから、そんな知能を持っていたとしても宝の持ち腐れっていうかさ、一言で言うならば……バカだよね」
「…………黙れ」
ちょっと人が黙っていたら好き勝手言いやがって。
風魔は葛藤していた。俺たちを危険に晒さないように、俺たちを帰そうとしていた。
姉貴も葛藤していた。あのまま言うことを聞いていたほうが俺等に対する被害は最小限に済むんじゃないかって。
二人共葛藤して、悩んで悩んだうえで、このまま龍に従うくらいだったら抗った方が良いと決断してくれた。
そんな二人のことを馬鹿にするというのなら、絶対に許さない。
「黒葉、落ち着いて」
息を巻く俺に対して冷静になるように諭してくる姉貴だが、これが落ち着いていられるわけがないだろう。
「ん? 全て本当のことじゃないか。風魔もレミリア嬢も本当に馬鹿だった。あのまま僕に従っていればよかったのにねぇ」
「黙れと言っているだろう!」
俺は龍へ刀を向ける。
瞬間、俺に向けて大量のドラゴン頭が放たれた。もちろんこれらは未来を見たうえで先読みをして動いてくることだろう。
だけど、未来が見えたところで反応することが出来なければ意味がない。
一直線に動く《
なら、どうするか。もっと自由に動いて決して回避することが出来ない攻撃を加える。それが俺の今できる最善手!
「はぁっ!」
俺の周りを渦巻く炎がドラゴンを型取り、迫ってくるドラゴン頭をくらい尽くす。
俺の攻撃もドラゴンを型取り、相手に攻撃を加えるから龍の攻撃を非常に酷似している。だから、龍の攻撃は非常に参考になったよ。
その中でも回避しにくい技として参考になった技が《龍跳虎臥》だ。あれは相手を打ち上げるため、空中で攻撃を受けきるのは非常に困難となる。
だからその技を俺なりにアレンジした。
「なっ、僕の技を一瞬で!」
「さっきは良くも風魔をぶっ飛ばしてくれてたな。風魔の代わりに俺が仕返ししといてやるよ」
俺の一撃は龍の股下から入り、斬り上げた威力によって龍の肉体は天井を突き破り、遥か上空にまでぶっ飛ばされて行った。
そして俺はドラゴンを炎で型取り、龍に追いつけるほどの速度で飛び上がる。
今の俺は真下から迫ってくる炎のドラゴンだ。
「なっ!」
「なぁ、龍。この島の外、つまりクリスタルの効果範囲外に行って、ちゃんと悪食の加護って使えるのか?」
「まさかお前!」
「地面を突き破り、行ってこい! 《
龍に追いついた俺は上空に打ち上げたのとは逆に真上から地面に叩きつけるようにして思い切り刀を振り下ろし、龍を真下に向けてぶっ飛ばした。
当然上空で抵抗が難しい龍は俺の攻撃を回避することは出来ずにそのまま地面へと突撃し、そしてそのあまりの勢いに体中から血を撒き散らしながら地面を突き破って行った。
はい!第272話終了
ついに黒葉が本気を出せました。
ずっと《画竜点睛》を出したかったんですよね。
黒葉の
やっと出せました……。
それでは!
さようなら