【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ついに黒葉に届いた威迅が作り上げた試作品の刀。
 狂獣技(ビースト)を発動した黒葉はどうやって龍を倒すか、攻撃を対処しながら攻撃を与えるかを考える。

 そして考え出したのは新技、《画竜点睛》。
 この技によって龍を打ち上げた黒葉は地面を突き破るほどの勢いで龍を下方へ叩きつけ、島の下へと島を貫通してぶっ飛ばすのだった。



 それではどうぞ!


第273話 気まずいスカーレット姉妹

side黒葉

 

「はぁ……はぁ……」

 

 消耗が激しい。

 地面に着地するが、肩で息をしてしまう。これほどまでに狂獣技(ビースト)というものは消耗が激しい物なのか。

 天魔と戦っていた時は必死すぎたせいなのか、この疲労感というものを感じにくくなっていた。だけど、改めてこの力を使ってみて思う。

 消費霊力量が通常の技とは比べ物にはならない。今のたった一撃だけでこうして息を切らしてしまうほどなのだ。

 

 俺も鍛錬を積んできたつもりだったけど、まだまだ足りないということか……。

 

「どうだ、畜生……」

 

 俺は顔だけを向けて龍が落ちていった穴へ視線を向ける。

 この技は龍の技を参考にして編み出した皮肉の技。相手を打ち上げて、身動きを封じたうえで攻撃を繰り出す。

 

「折れてない」

 

 刀へ視線を落とし、折れたり刃こぼれなどは一切していないということを確認する。

 さすが俺の火力に負けないように作っている刀というだけある。さっきまでの刀だったら、今の技を一度使っただけでも刀身が粉砕されてしまっていた可能性すらある。

 俺の火力というのはそれほどのものなのだ。

 

 さて、それどころじゃなかったから一旦置いておいたが、俺は上空へと視線を向ける。

 するとそこには間違いなく日傘を差した金髪美少女吸血鬼のフランドール・スカーレットが居た。突然、飛行船から姿を消してしまったから心配していたんだが、やっぱりフランドールは俺が思っていた通り来てくれた。

 紫さんの話だとフランドールは俺たちと別れた後、一人で鍛冶師の人里に戻って行ったっていう話だからな。

 

「フランっ!」

 

 俺としてはこの場面で来てくれて嬉しかったのだが、姉としては心配してしまうのだろう。驚きと不安が入り混じったような声が姉貴から聞こえてきた。

 その声を聴き、フランドールはビクリと肩を震わせ、姉貴へと視線を向ける。

 

 一応、あの時俺はフランドールを励ました。それによって戦うという決意をしたフランドールだが、一応自分の姉を一度見捨てるという決断をしたことで負い目というものを感じているのだろう。

 姉貴に視線を一度向けるが、すぐに視線を逸らしてしまった。それによって姉貴からちょっと寂しそうな「あっ……」という声が漏れた。

 やっぱり俺にちょっと言われたくらいじゃ完璧に吹っ切るということは出来ないのか……やっぱり心を助けるというのは本当に難しいものだ。姉貴たちによって心を救われた俺だからこそ、そう思う。

 

「フランドール……お前なら必ず来てくれるって思ってた。あのまま逃げ出すなんてことはないと思ってた。色々不安はあったと思う、だけど自分でやるべきことを考えて行動した、それはとても大切なことだ。だから、本当にありがとう。この刀、ありがたく使わせてもらうな」

「うん、だけど、その刀はまだ調整品で未完成だから、黒葉の本領を発揮するっていうことはまだできないって。でも、耐久力はこの間渡した刀よりずっと上だから思う存分戦え、だって」

「了解、充分すぎる」

 

 まだ威迅が言っていた期限より早いのだ。

 このタイミングでこれだけのものを出してくれたのだ、お礼を言うことはあっても、何を文句言うことがあるだろうか。

 

 この刀ならば、俺も思う存分力を発揮できる。

 力を加減しなくても大丈夫だ。まぁ、そんなに力を出したら俺の体力がちょっと心配だが、そこは俺が頑張ればいいだけの話だ。

 

「えっと……あの……」

 

 俺との会話が終了し、やっぱり気まずいのだろうか、姉貴の方をちらりちらりと盗み見るようにして視線を向けるフランドール。

 本当はこのまま俺たちの戦いを助けてほしいところなんだけど、この調子だと姉貴もフランドールも調子を崩してしまいかねない。それだと、戦力増強目的では本末転倒だ。

 ならば、今はとりあえずフランドールと姉貴は時間かけて何とかするとして、今はフランドールに師匠たちを助けに行ってもらった方がいいか?

 

 龍ならば、俺が本気を出せれば姉貴と俺で何とかなる可能性は高い。

 それよりも、早くあの魔力路を破壊しなければいけないのだから、戦力が必要なのはむしろあっちの方だ。

 

 姉貴とフランドールには申し訳ないけど、そうしよう。

 多分、紫さんも同じことを言うだろうし。

 

「フランドール! 本当に、刀を持ってきてくれてありがとう。刀を持ってきてくれたおかげでここは俺と姉貴だけで何とかなりそうだ。だから、フランドールは師匠たちの手助けに言ってくれ。師匠たちはあの島の中央に見えるドラゴン像の中に居るはずだから、頼むっ!」

 

「え、あ、うん。わかった。気を付けてね」

 

「あぁ」

 

 フランドールは俺の指示に従ってこの場から逃げるようにして像の方へと飛んで行ってしまった。

 本当にこれが最善手だったのかはわからない。だけど、俺にはとりあえず、これが最善だと思ったんだ。

 

 ちらっと姉貴の方へ視線を向けると寂しそうに顔を俯かせていた。ちょっと申し訳ないことをしてしまったような気がするが、今は二人の仲を取り持っている余裕なんてない。

 今の最優先事項は龍を撃破し、姉貴を救い出すことだ。

 

「人を島の下にぶっ飛ばしておいて、何談笑してるんだよ。もしかして君たちは、今の一撃だけで僕がやられたとでも思ったのかなぁ? もしそうなのだとしたら心外だよね。僕があの程度の攻撃でやられるわけがないでしょ。確かに君の高察のとおり、僕は加護をあのクリスタルの範囲外では満足に使うことが出来ない。だけど、ちょっとだったら使えるんだよね。消費霊力が多いけど、この島に帰ってきたら一瞬で霊力が全回復する。僕を突き落とせば勝てるなんて甘い考えを持っていたとしたら馬鹿にもほどがあるよねぇ。そんな簡単に僕を倒せるのなら、これまでに何人も僕に勝ってきたはずだろう? ちょっと考えたらわかることのはずなんだけどねぇ」

 

 自分が通りやすいように落ちていった穴を拡張しながらまるで見えない足場を螺旋階段の様に作り上げて上がってくる龍。

 ワンチャンこれで倒されてくれないかなぁと思ったけど、まぁさすがにこんな簡単に倒せるわけがないよなぁ。それに、今の俺の斬撃のダメージすらもうすでに回復してしまってるようだった。

 やっぱり龍を倒すためにはあのクリスタルを破壊する必要がある。

 

 お願いだ、師匠。早くクリスタルを破壊してくれ。




 はい!第273話終了

 次回かその次くらいで龍戦前半終わりかなと。

 その次は力戦前半を書いて、最後に由麻戦前半を書いて前半終了になるかと思います。

 後半に入ったら一気に戦いが進むと思いますよ。

 ただ、まだまだ終わりそうな予感はしないですね。
 今回の敵はそれほどの相手ということです。

 ちなみに、何度も言っていますが、霊夢が居れば一瞬で片付きます。

 それでは!

 さようなら
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