【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 龍を島の下へぶっ飛ばした黒葉。

 束の間の平穏な時間が訪れたため、改めて黒葉はフランに刀のお礼を言う。

 そしてフランに一緒に戦ってもらいたかったものの、フランはレミリアに負い目を感じており、気まずくなってしまう。

 そのため、フランとレミリアの中を取り持つのは戦いが終わった後と決め、フランを咲夜の元へ向かわせ、黒葉はレミリアと共に龍と戦うことにしたのだった。



 それではどうぞ!


第274話 消耗する体力

side黒葉

 

「黒葉、いつの間にか狂獣技(ビースト)を使えるようになってたのね」

「まぁ、やっとちゃんと発動できたっていう感じだけどな」

「でも、心強い」

 

 俺はそう発言した姉貴に驚き、視線を向けた。

 いつも助けられてばかりだった俺が姉貴に心強いと言ってもらえたのがすごく嬉しい。今ここで小躍りでも死体くらいだけど、眼の前に龍が居る以上、舞い上がっている場合じゃないため、直ぐに龍へ向き直った。

 龍はもはや苛立ちを隠そうともしていない。全部感情が表情にでてしまっている。

 

「眼の前に僕が居るっていうのに、内緒の話しかい? 随分と余裕があるね! これだけやられてもまだわからないのかい? 僕と言う存在の圧倒的実力。それが分かっているなら、余裕なんて無いはずだよ」

 

 龍の言う通り、今俺たちには余裕なんて一欠片もなかった。

 だけど、やらなきゃいけないから、それに龍に弱みなんて見せるわけにはいかない。ここで気持ちで負けてしまったら全てが終わりになってしまう。

 だから、決して弱音は吐かない。強がりでも良い、それでも良いから、気持ちでは絶対に龍に負けない。

 

「龍、お前がそれなりの強さを持っていることは分かったけどさぁ、お前が言っていることが全て正しければ、俺と姉貴はもうとっくに殺されているはずだろう? なのになんで、死んでいないのか……その答えは単純明快だ。お前の力がその程度だって言うこと――」

 

 喋っている最中に正面からドラゴン頭が飛んできて、食らいつこうとしてきたため、俺は横に飛んで回避した。

 

「なんで君らが死んでいないのかって? それが僕の優しさだって分からないのかなぁ? 抵抗する間も無く殺されたら死にきれないだろう? だから、僕はあえて君たちに抵抗させて、絶対に敵わないんだという事を教えてあげてるんじゃないか!? 心残りというものが無いようにしてあげてるんじゃないか。それなのに、お前は勝手な憶測で僕のことを語るな! 僕は可哀そうだと思って本気を出さないであげてるんだよ。君たちのような有象無象でも抵抗するチャンスを与えてあげてるんだよ。僕は優しいからね! だってそうでしょ? 僕は何度も君たちが逃げるチャンスを与えてあげた。何度も降伏勧告をした。僕には絶対に勝てないんだという警告もしてあげた。それら全て、僕の優しさ全てを無視しているのは君たちじゃないか。なのに、僕の力がこの程度だって思われるのは心外にも程があるよねぇ!? 人のことを馬鹿にするのも、大概にしろよ!!」

 

 捲し立てながら大量のドラゴン頭を俺と姉貴に向けて放ってくる龍。

 だが、俺はこれで確信した。龍はゲンや月刃、天魔のように大物じゃない。ただの小物だって言うことだ。

 その証拠に、さっき余裕を見せて俺たちを追い詰めていたあの時と比べて攻撃が単調になっている。この程度の攻撃密度だったら《観察者(オブザーバー)》なんて使わなくても普通に回避できる。

 

 そして、攻撃に転じる隙が生まれる。

 

「姉貴っ!」

「分かったわ!」

 

 俺の呼び声に姉貴が呼応する。

 今の俺だったら最高火力を遠慮なく龍へ叩きつけることが出来る。だから、姉貴にはその援護を頼む。

 今の狂獣技(ビースト)状態の俺なら、姉貴の最高火力を超える最高火力をだすことも出来るだろうから。

 

「飛びなさい、黒葉。紅符《スカーレットシュート》」

「《天裂く日炎の剣(サンライズ)》」

 

 姉貴の合図に合わせて俺は駆け出した。

 それと同時に姉貴から大量の弾幕がまるで俺を守るかのように展開される。そして、その弾幕が俺の龍への道筋を作り上げてくれた。

 言うなれば、これは姉貴のヴィクトリーロード。勝利への道だ。

 

 ドラゴン頭たちは俺に襲いかかろうとするが、その前に弾幕に邪魔をされて、なかなか近づくことが出来ない。

 これなら、さっきみたいに自由に動かなければいけないという制約は無くなる。

 

 俺は真っ直ぐ龍へ突っ込み、そして刀を振るった。

 

「だからさぁ、どんなに頑張っても無駄なんだから、頑張らない方が楽だと思わないかなぁっ」

「お前、その状態でしゃべるのは気持ち悪いぞ……」

 

 俺は龍の首を斬り飛ばした。それによって、龍の首が宙を舞ったのだが、その上で尚言葉を発してきた龍にそんな感想を抱く。

 血が大量に溢れ出る龍の身体。スプラッター状態になっても死なないことから、このくらいでは死なないと分かってはいるものの、ちょっとくらいはダメージを受けてくれたっていいじゃん。

 まさに体力の無駄遣いと言わざるを得ない状態だが、俺たちはこれほど本気で戦わなければ、一瞬でやられてしまう可能性すらある状態で戦っているのだ。体力の心配なんてしている場合じゃない。

 

「それじゃあ、今度は君が飛ぶ番だ《龍跳弧臥》」

「っ!」

 

 真下から気配を感じた。

 その時にはすでに遅し。俺のスピードでは回避することは出来ず、足元から飛び出してきたドラゴン頭に上空へ弾き飛ばされてしまった。

 俺の身体は勢いをつけてぶっ飛ばされ、天井を突き破って白昼の下にさらされる。本来、俺の肉体は太陽の下へ晒されたら焼けてしまう吸血鬼の肉体なのだが、焼けずにそのまま宙を舞う。

 

 俺にはフランドールや姉貴、博麗様の様に空を飛ぶという力がないため、上空へ投げ出されたらそのまま落下を待つのみとなってしまう。

 

「黒葉!」

 

 そんな俺を助けようとしたのだろう。

 姉貴は飛んで俺の方へ来ようとしたとき、複数のドラゴン頭が集合した物体が姉貴に突撃してきて、姉貴は壁を突き破って遠くへぶっ飛ばされてしまった。

 これじゃ姉貴の助けは期待することが出来ない。この状況を俺一人で何とかできなければ、俺は死ぬ。

 

 集中しろ。俺ならできるはずだ。

 

 飛んだ俺に対して再び攻撃を仕掛けようと大量のドラゴン頭が群れを成して真下から迫ってくる。

 これほど大量のドラゴン頭に一気に狙われると恐怖が来るが、怖気づくわけにはいかない。俺は生きて姉貴たちの期待に応えなければならないこんなところで死ぬわけにはいかないんだ。

 

「《炎舞》」

 

 舞うように刀を振り、必死に迫りくるドラゴン頭を斬り裂く。

 さすがにその全てを切り捨てるっていうことは出来ないため、致命傷となり得そうなドラゴン頭を重点的に斬り、多少の被弾は許容する。

 この技はもう何度も見ているんだ。この技でやられるわけがないだろう。

 

「――らぁっ!」

 

 最後の一体を切り伏せ、俺は屋上に立つ。

 

 マズいな、体力の消耗がやっぱり思っていたよりも激しい。このままだとクリスタルが破壊される前に俺の体力の限界が来そうだ。

 龍の攻撃に食らいつくため、必死に全力を出しているんだ。当然と言えば当然だけど、これはまずい。

 

 とりあえず屋根上で龍に見えない位置にまで移動して息を整えるのだった。




 はい!第274話終了

 多分、次回で龍前半戦終了です。

 ここまで長かった……。

 前半戦では書きたいことが色々あったため、ダラダラとしてしまっていましたが、後半戦に入ればもうちょっとテンポよくなるかなと。

 それでは!

 さようなら
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