【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 フランがついに合流し、咲夜とフランで由麻と対峙する。

 いきなり狂獣技(ビースト)を使ったフランは由麻へ攻撃を仕掛けるが、簡単に受け止められてしまい、逆にカウンターに癒えぬ傷をもらってしまう。

 フランはもう無茶はできない。

 この状況でついに住民たちが動き始めてしまった。

 もう咲夜たちに勝ち目はないのか?

 そんな咲夜とフランの前に現れたのは、洗脳されたチルノたち寺子屋組だった。



 それではどうぞ!


第280話 絶望、そして希望

side三人称

 

「咲夜、あの子たちってよく黒葉とルーミアと一緒に遊んでた子だよね」

「はい。みんな寺子屋に通っている子たちで、二人のお友達なんです。絶対に傷つけてはいけません」

「わかった。気を付ける」

 

 この像にはこの五人以外は侵入してきていないみたいだが、他の二か所が地獄みたいになっているというのは容易に想像つく。

 特に街中で戦っているルーミアと文の二人なんかは住民たちにすぐ囲まれることだろう。

 

 助けたいと思っているのに、ここで殺してしまっては本末転倒だ。だから、殺したくないのだけど、住民たちが全員敵対してくるとしたら、咲夜たちは思うように戦えなくなってしまう。

 それこそ、何千と居る敵をほとんどの敵は倒してはいけないけど、その中で倒すべき敵にだけ攻撃をしろというなかなか無茶苦茶な状態。

 

 ここに来ているのはあの五人だけだから、まだましに思えるが……。

 

「さて、あなたたちはこの状況で思うように戦えるのかな?」

「本当に、腹が立つっ」

 

 咲夜がナイフを構え由麻へ投擲しようとしたその時、チルノが咲夜と由麻の間に割って入った。

 まるで由麻のことを守っているかのように両手両足を大きく広げて咲夜の前に立ちはだかるチルノ。

 これじゃ咲夜はナイフを投げることはできない。もし投げてチルノに直撃したら一大事だ。

 

 だから、咲夜は静かにナイフを降ろすことしかできなかった。

 

「あっれれぇ~? ナイフ、投げないのかなぁ~? あ、そっか! 今僕にナイフを投げたらお仲間さんに直撃しちゃうもんねぇぇぇぇぇっ!?」

「ならっ」

 

 時を止めればいい。

 そう思った咲夜は現世《ザ・ワールド》を使用。時間を停止させた。

 確かに由麻には時間停止は通用しない。だけど、チルノたちはそうじゃない。チルノたちが動けないのなら、咲夜が自由に動ける。

 この時が止まった時間なら、咲夜と由麻の一騎打ちだ。

 

 だが、そう甘くもなかった。

 ナイフを構えたその時、咲夜の視界に映ったのは、鎌をチルノの首にあてがっている由麻の姿だった。

 

「あなたっ」

「これを解除してよ、お姉さん。せっかく楽しくなってきたところだったのに、水を差さないでよ。僕はね、君たちが仲間割れしているところが見たいんだよ。だからさ、早く解除してよ」

「そんなことを言われて解除するとでも?」

「ん-、そっかぁ。お姉さんは僕に対してそんな態度をするんだぁ。そっかそっかぁ……」

「くっ」

 

 咲夜が反抗的な言葉を言うと、チルノの首にあてがった鎌をくいくい揺らし、存在をアピールしてくる。

 由麻は直接的には言っていないが、これは間違いなく脅しだ。

 能力を解除しなければこいつを殺すぞと訴えているのだ。そんなことをされてしまっては咲夜とてなすすべなんてなく――

 

「おりこうさん」

 

 ただ、咲夜は能力を解除するしかなかった。

 あまりの悔しさに歯を食いしばる咲夜。

 

「ごめん、咲夜!」

「っ、妹様!?」

 

 咲夜が動きかねていると、しびれを切らしたフランがついに飛び出して行ってしまった。

 地面を砕き、常人では目で追うことができないほどの速度で駆け出したフランはそのままこぶしを構えた。

 妖力を両手足と額に込め、禁忌《ロイヤルブレイキング》の構えに入る。

 

 だが、そんなのは由麻が許してくれるはずがない。

 

 フランの前にチルノを突き出し、由麻はチルノを盾にしてきた。

 そのため、フランは技を中止せざるを得ず、急ブレーキをかけてチルノの目の前で停止した。

 

「ぐぐぐぅ……」

「あーら残念。私はあなたがお仲間さんを殺すところを見てみたかったんだけどなぁ」

「悪趣味……」

「それは僕にとって最高の誉め言葉だよ!」

 

 さすがにチルノを目の前に出されては抵抗するわけにもいかず、そのまま由麻に蹴り飛ばされてしまうフラン。

 

「ぐ、うぐっ」

 

 今の一撃でさらに傷口が開いてしまったのだろう。

 うめき声をあげるフランの胸がどんどんと真っ赤に染まっていく。

 

「さぁてと……」

 

 そんな感じで攻めあぐねていた時だった。

 突如として背後から咲夜は羽交い絞めにされてしまい、身動きを全く取れなくなってしまった。

 目の前にはチルノ。チルノが二人の邪魔をしたり、由麻に盾にされたりしていたため、チルノばかりに気を取られてしまっていたが、この場にはまだ四人存在した。

 

 咲夜のことを羽交い絞めにしているのは大妖精と結乃、そしてフランもリグルとミスティアによって取り押さえられてしまっていた。

 咲夜はともかく、今の狂獣技(ビースト)を使っている吸血鬼のフランだったら、簡単に二人を弾き飛ばすことはできるだろうが、それをやってしまうと二人に怪我をさせてしまうかもしれないため、身動きが取れない。

 

 まさしく絶体絶命の大ピンチというやつだった。

 

「もうちょっと楽しみたかったところだけど、早くこの街を元に戻さないといけないからね。あんまり君たちに時間をかけている暇はないのだよ、僕は」

「くっ、絶対許さないわよ」

「あっははは、その状態でにらまれても何も怖くないよ。だって、あなたたちはもう身動き取れないんだから……さて、まずはどっちから始末しようかな? それとも、この街の奴隷になってもらおうか……」

 

 動けないし、フランはあまり動いたらさらに傷が広がる。

 最悪の状態だった。

 

 こうなってしまってはもうどうしようもない。

 咲夜が心の中で黒葉たちに「ごめんなさい」と謝ろうとしていたその時だった。

 

『あー、あー、マイクテスト、マイクテスト。ねぇ、これってちゃんと街中に聞こえてるのかな? 答えが返ってこないからわからないや。だから、勝手にしゃべることにするね』

 

「なに、この声は」

「この声ってっ」

 

 機械音声のようなものが聞こえてきた。

 この声を聞いて不愉快そうな表情をする由麻と驚愕に満ちた表情をする咲夜。なにせ、咲夜はもう、この声を聞くことなんてできないんじゃないかと思っていたのだから。

 

『みんな~やっほー、みんなのアイドル、銀河天音ちゃんでぇぇぇす♡』




 はい!第280話終了

 この話をずっと書きたかった。

 三章序盤でいなくなってからずっと出てきてなかった天音。

 ついにここで再登場です。

 情報を出したくてうずうずしていたのですが、ようやく出せました……。

 最後に登場したのは第223話。話数換算で57話ぶり、月日に換算すると8か月と18日ぶりですね。
 本当に久しぶりです。

 僕は結構天音が好きなので、そう簡単に退場させるつもりはないですが、天音を書けない間、すっごくもどかしかったですね。

 次回は天音回ということで、お楽しみに。

 それでは!

 さようなら!
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