【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 激昂する龍は敗北を感じ、焦り始める。

 そしてついにクリスタルが破壊される前に黒葉たちを始末するために本気を出した。

 その本気は超集中状態の黒葉でも目で追うのがやっとで――



 それではどうぞ!


第286話 見えない未来を勝ち取るために

side黒葉

 

 俺じゃついていけない。

 目で追うことは出来る。だけど、俺の身体能力がそれに追いついていかない。

 こればっかりは一朝一夕でどうにかなる問題じゃない。俺は今まで、身体能力以外の面でゲンや天魔と戦って、何とか勝利を収めてきた。

 

 でも、こんなに早いんじゃ、俺の速度じゃ対応しきれない。

 

「もう君たちは死ぬんだし、僕にこれだけの力を出させたことは誇っていいよ。今まで戦ってきた人たちで僕にこれほどの力を出させた人はそうそう居なかった……そんな君たちに冥土の土産としてこの力について教えてあげよう」

「へぇ……随分と気前がいいのね」

「僕は紳士だからね、能力を明かしたうえで正々堂々戦うのさ。そもそも、君たちはもうこの僕の力を超えることは出来ないだろうけどね」

 

 余程この力に自信があるらしい。

 一切自分が負けるなんてことは考えていない様子で、余裕たっぷりに話す。

 龍と戦い続けてわかってきた。こいつは、自分が優位にあるとき、負けるとは一切思っていない時や激昂している時は口数が増えるんだ。

 

 つまり、今龍は調子に乗っている。

 だけど、龍の周りはずっと空間断裂されていて攻撃が通らない。やっぱりクリスタルが破壊されないと、あの防御を突破するというのは難しいだろう。

 隙を突くことは出来ない……。

 

「僕の《龍武装(ドラグーン)》は自分に加護の力を纏わせ、肉体の限界を食らうことによって、さらなる超身体能力を得ることが出来るという最強の強化形態だ。ついでに常に周囲の空間を食らっているから、君たちの攻撃は絶対に僕には通用しない。どうだい? 君たちにもう勝てる余地なんてないだろう? おまけに僕は未来も見える。どれだけ頑張って僕の攻撃をいなそうとしても、僕はさらにその先を行く……レミリア嬢、君には見えない未来を僕は見ることが出来るんだ。圧倒的な差だろう? それが分かったなら、諦めて抵抗はやめることだね。抵抗すればするほど辛い時間というのは長くなってしまう。僕はね、別に君たちを苦しめたいというわけじゃない。だけど、君たちがこれ以上抵抗するっていうのなら、僕は君たちを痛めつけなければならない。それはとても心苦しいんだ。僕の望むところじゃない……だから、抵抗するのは止めて運命に身を委ねるんだ」

 

 人を痛めつける事が心苦しいだ? 苦しめることを望んでいないだ?

 寝言は寝て言えよ。

 

 ふざけるな。

 そんなことを思っている奴がこんな島を作るはずがない、この島で奴隷のように人をこき使うなんて言う非道をするはずがない。

 あいつは人の心というものがさもあるかのようにふるまっているだけの、ただの狂人だ。

 

「残念だけど、それは無理な相談ね。私たちはどうやら諦めることが出来るようには出来ていないようなのだから。ね、黒葉」

「っ、あぁ……」

 

 俺は体を起こし、姉貴の目を見つめて姉貴の言葉を肯定した。

 どうやら俺の言葉に満足したらしい。姉貴はにっこりとほほ笑むと、龍へと向き直って手にグングニルを作り出した。

 俺はちょっと諦めかけていた。俺では対応できないって……だけど、姉貴は諦めていない。

 

 こんなところで弱気になっている場合じゃない。

 今、師匠たちが必死にクリスタルを破壊するために奮闘してくれているんだ。だから、俺たちも師匠たちの期待に応えるためにも、戦うんだ。

 

「なぁ、姉貴……本当にあれにかてると思うか?」

「今更なに言っているのよ。あなたが私を奮い立たせたくせに……勝つしかないんだったら勝つだけよ」

「それはそうだ」

 

 当たり前だ。

 俺たちは何があっても勝利を目指して戦い続ける。だけど、俺の弱りかけた心には姉貴の力強い、その言葉が欲しかった。ただそれだけだった。

 その言葉を聞くだけで俺は力が湧いてくる。強くなれる。

 

「ねぇ、黒葉」

「ん?」

 

 すると今度は姉貴の方から声をかけてきた。

 

「この戦いに勝って無事に紅魔館へ帰ることが出来たら伝えたいことがあるわ。とても、大切なことよ」

「今、そういうことを言うのはやめてほしいんだが……そう言う話は全てが終わった後だ。今してたら、まるでこれから死ぬみたいじゃないか」

「ふふふ、そうね。なら、見えない未来を勝ち取るために絶対に勝たなきゃね」

 

 姉貴の話というのが何なのかは気になるが、今はとりあえず戦いに集中しなければいけない。

 だから、話は戦いが終わった後にゆっくりと聞くことにする。そのためにも俺たちは勝たなくちゃいけない。

 

 勝たなきゃいけない理由が一つ増えてしまったみたいだ。

 

「作戦会議はもうおわった? それじゃあ、そろそろ終わらせてあげるよ」

「出来るものならやってみなさい」

 

 龍が風を切る速度で姉貴に急接近すると、姉貴は見事その動きに反応し、龍が放った拳をグングニルで受け流して見せた。

 そして龍の脇腹に流れるような動作でグングニルを叩きつけたのだが、やはり龍の周囲には最強レベルの防御膜が形成されているようで、龍に攻撃が直撃することなく、その直前で止まってしまった。

 そのため、姉貴は龍のカウンターで蹴り飛ばされてしまった。

 

「う、そううまくはいかないみたいね」

「君、今僕の速度に反応したね。どういうことだ?」

「龍、あなたはまるで自分だけが本気じゃなかったみたいに言ったけど、私だって本気は出していなかったのよ。ちょっと、賭けではあったけど、使わせてもらったわ。樹海をね」

 

 そうか、樹海を使えば周囲の霊力の流れを読み取って龍の未来が見えなくとも、動きを読むということは出来る。

 確か師匠は樹海の精度が良すぎたせいでこの島で樹海を使うと情報量の多さから頭が壊れそうなほどの頭痛に悩まされるって言っていたけど、姉貴は大丈夫なのか!?

 

「ちょっと、至る所から霊力を感じて煩いけど、私はまだ耐えられるわ。咲夜だったら耐え切れないのでしょうけどね。あの子は私よりも樹海で言ったら上だもの。でも、今はこれが役に立つわ」

「樹海か……弱者が使う姑息な手段じゃないか。よくわからない理論で相手の行動を分かった気になる。それって恥ずかしいと思わないのかな?」

「よくわからなくなんてないわ……これも列記とした技術よ。よくわからないのはあなたが努力を怠ってきたからじゃなくて?」

「ははは、僕をここまでコケにしてくれた人は君たちが初めてだよっ。もうしゃべらなくていい。君たちはこれから死ぬんだからさぁっ」

「あら、図星なんじゃないの? だからそうやって力で相手を黙らせようとしている。違う?」

「うるさいうるさいうるさいんだよぉっ! 僕を、僕のことを分かった気で話すんじゃないよくそアマがぁっ!」

 

 激昂する龍。

 さらに強くなって、攻撃が出来ない相手ということで絶望的なはずなのに、なぜか姉貴が居れば何とかなると思えてしまうんだ。

 俺も、どうにか戦う方法を考えなきゃ。




 はい!第286話終了

 ちょっと最後の方、レミリアから黒葉に話があると言った後の話がちょっと難産でした。

 あそこまでだと今話が短くなっちゃうんですよね。

 なので、付け足しました。

 次回から力戦を最後までノンストップでやっていきます。

 それでは!

 さようなら
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