【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 絶望した風魔。

 そんな風魔を勇気づけたのは天音の言葉とルーミアの戦いだった。

 風魔は再び立ち上がり、力に立ち向かう。

 己の『疾風の加護』を更に洗練させるため、戦いの中で何かを掴もうとする。

 今の風魔は両親を救うことが目的ではない、よりおおくのひとを救うことが出来る、己の原点、父のような警察官を目指すことだった。



 それではどうぞ!


第289話 疾風剣の奥義

side風魔

 

 僕はイメージする。

 力や龍といった強大な相手を前に怖気づくこと無く、必死に戦い勝利するという自分の姿。

 今までの強い相手に屈し、言い訳をしながら悪事を働く、そんな風魔とはおさらばだ。

 

 僕は勝てる、行ける、絶対に負けない。

 そんな強い自分を想像し、自分を鼓舞する。心で負けそうになっている自分の背中を自分で力いっぱいに押す。

 お前は出来るやつだ、決して強者の前に折れず、意思を貫き通すことが出来る強いやつだと自分に暗示をかける。

 

 そうでもしないと、自分に戦いというものを教えた張本人である力を前に怖気づいてしまいそうだから。

 

「流石『疾風の加護』と言ったところだな。やはり俺の見えない攻撃も完璧に対処してきたか」

 

 今ここが屋外で良かった。

 僕の『疾風の加護』は風が無ければ威力もがくんと落ちてしまう。そんな攻撃じゃ力の攻撃力に押し負けてしまうだろうから。

 それに、ここは空に浮かんでいる。地上よりも上空の方が風は強い。この場所は僕のポテンシャルを引き出す場としては最適だ。

 

「だがっ」

「疾風剣『突』」

 

 僕が放った周囲の風速を利用した突き技。一瞬にして力との間合いを詰め、そして完璧に力の心臓を狙った一撃だが、やっぱり俺の攻撃力じゃ足りないらしい。

 僕の剣は力の肉体を裂くことはなく、その胸板の筋肉の塊によって完璧に受け止められてしまった。

 

「これが現実というものだ。いい加減に自分の運命を受け入れろ。どう頑張っても俺には届かないんだからな」

 

 力はいつでも僕を無視して像へ行くことは出来る。

 だけど、それをしないのは僕の力を警戒しているから。

 いくら僕が『鉄壁の構え(ディフェンスのモード)』時の力にダメージを与えることは出来ないとは言え、『暴力の構え(アタックのモード)』時には力にダメージを与えることが出来るということを理解している。

 

 そして下手に僕の前で『暴力の構え(アタックのモード)』を使ってドM飛行をしようものならば、その一瞬の隙を突いて力を斬り刻むであろうということは力は分かっている。

 なにせ、力は一番僕の近くで僕を見てきた人なんだから。

 

 だから、力は僕が戦意を持っているというだけで、無視することはできなくなる。

 なにせ、僕の事を無視したら自分の身が危ないから。

 

 僕が、僕自身が力と像の間に作られた巨大な壁、力が像に行くために乗り越えなければいけない壁となっているんだ。

 

「らぁっ!」

 

 力がパンチを放ってきたため、僕は咄嗟に飛び退いて力との距離を作る。

 力の攻撃が必殺級になるのは『暴力の構え(アタックのモード)』の時のみ。『鉄壁の構え(ディフェンスのモード)』の時はそこまで攻撃は脅威じゃない。

 

 僕は集中する。

 周囲の風の声に耳を澄ませ、力の攻撃を探り当てる。

 いくら威力が下がっているからと言って力の攻撃には当たらないに限る。僕がなんとか相殺できる威力だとは言え、それでも簡単に岩を破壊できてしまうほどの威力はあるのだ。

 僕は他の人達ほど器用じゃない。霊力でガードをしたりなんて言う高度な霊力操作は行えない。そんな状態で攻撃を受けたら一溜まりもない。

 

 僕の戦術はノーガードだ。

 防御をすべて捨て、攻撃に全特化。

 

 一見無謀にも思えるこの戦いだけど、意外とこと力戦においては効力を示す。

 なにせ、現に力に『暴力の構え(アタックのモード)』を使わせないという抑止力としてこの戦法が上手く機能しているのだから。

 

「《変幻自在の力(マジック・インパクト)》」

 

 力は武器を持っているわけではないし、弾幕や魔法を使えるわけではない。

 だけど、力の能力は自分の力を自在に操り、拳の衝撃をあらぬ方向へ飛ばすことが出来る。それが見えない・対処できない攻撃の正体。

 でも、僕にはそんな攻撃通用しない。

 

 なぜなら僕にはそんな攻撃は見えているから。

 

「疾風剣《凪》っ」

 

 力がどんなに攻撃を放とうとも僕には対処できる自信がある。《暴力の構え(アタックのモード)》でも使われない限り、僕には力も攻撃を届かせることが出来ない。

 だけど、それは力にとっても諸刃の剣。僕を早く対処しなければいけないのに、それをすると足下を掬われるかもしれない。

 

 僕の目的は力の足止めだ。別に倒さなくても良い。

 そのうえで、僕の戦い方は力に対して相性がいいと言える。

 

 これが魔導や龍が相手だったらこうも行かなかっただろう。

 だけど、僕の力をよく知っている力相手だからこそ、僕のこの力は抑止力として働いているんだ。

 

 よし、このまま僕が時間を稼いであの人たちにクリスタルを破壊してもらえれば――

 

「どうやらお前は勘違いをしているようだな」

「なに?」

「お前は恐らく俺のことを分析し、自分の力が俺の《暴力の構え(アタックのモード)》の抑止力になるとでも思っているんだろう」

「…………」

「俺が、お前ごときに臆し、《暴力の構え(アタックのモード)》を使えなくなるほど、愚かとでも思ったか!」

 

 まさか、こいつ。

 やるのか、眼の前に僕が居ると言うこの状況で。

 

「どの道お前は俺に勝てないんだからなぁっ! 《暴力の構え(アタックのモード)》」

「っ、疾風剣《竜王》」

 

 疾風剣の奥義。

 周囲の風全てを味方につけ、大量の斬撃をこの剣に集約し、大量の斬撃の攻撃力を一撃に込めて穿つという僕最大の必殺技。

鉄壁の構え(ディフェンスのモード)》時の防御力ではその肉体を貫くことが出来るという確証は無かったし、疾風剣《竜王》の消耗は激しい。

 

 なるべく温存をしたいと考えている技だが、使うならこのタイミングしか無い。

 

 僕は風を纏い、そして疾風の如き早さで力へ急接近。

 その肉体に二振りの剣を突き立てた。




 はい!第289話終了

 疾風剣最後の技、《竜王》です。
 本人曰く、龍を打ち倒すための必殺技という事で《竜王》という名前をつけたのですが、この技は力に使われることになりましたね。

 これが通用しなければ風魔の敗北はほぼ確実と言っていいでしょう。

 さて、力戦も大詰めです。

 それでは!

 さようなら
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