【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 なすすべ無くボコボコにされてしまう黒葉。

 そんな黒葉の窮地をレミリアが救う。そこでついにクリスタルが咲夜達によって破壊された。

 島は崩れていき、地獄が無くなっていく。

 その光景を見た龍はこれまでにないほどにブチギレた。

 このままじゃ龍はこの後何をしでかすか分かったものじゃない。

 黒葉とレミリアは島を脱出せず、龍との決着をつけることにした。



 それではどうぞ!


第299話 短期決戦

side黒葉

 

 ――狂獣技(ビースト)【極炎龍・炎帝】――

 

 龍を倒す、とはいえ俺達の残り体力も正直雀の涙程度。早く決着をつけなければ俺達の方が先に力尽きてしまう可能性すらある。

 この再発動した狂獣技(ビースト)もあとどのくらい持つかわからないんだ。

 大地が崩れてゆく。制限時間は十分と言ったところだろうか。それまでに龍を倒すことができなければ俺達はみんなまとめて島の崩落に巻き込まれてしまうことだろう。

 そうなる前に紫さんが助けてくれるだろうが、龍のことを取り逃がしてしまう。

 

「ここまでやらかしてくれたのは君達が初めてだよ。どうやら君達が正しかったようだね。全力も、魔導もやられてしまったみたいだ。だからと言って僕を簡単に倒すことができると思ったら大間違いだよ。君達はどうやらクリスタルさえ破壊することができれば僕を簡単に倒せると考えているみたいだけど、僕をそんなに低く見積もる物じゃないよ。僕は五天魔王第二席、桑間龍だからね!」

 

 そう言ってドラゴン頭を放ってくる龍だけど、さっきまでより断然数が減っていて、僕の目で簡単に捉えることができるほどの数。

 未来が見えていて、回避することができないのなら、回避しなければいいだけのことだ。

 

「《炎舞》」

 

 舞うように炎をまとった刀を振り、周囲のドラゴン頭をすべて切り伏せる。

 そしてそのままの流れで居合の体勢に移行し、炎を轟々と勢いよく燃え上がらせる。そして、その炎の爆発力を利用し、勢いよく地面を蹴り割るほどの威力で駆け出すと、龍に肉迫し、燃え盛る刀を龍へ振るった。

 

「《業火一閃(プロミネンス)》」

「なんでわからないかなぁ、クリスタルが破壊されたからって僕の力はまだ生きているんだ。その程度の攻撃で僕の防御を破れると思わないことだね」

 

 龍の言葉通り、俺の刀はさっきまでと同じように龍の肉体に直撃することはなく、その直前で止まってしまった。

 だが、その防御膜はさっきまでよりも薄くなっている。さっきまでよりも近い距離にまで刀を接近させることができた。

 

 加護の消費霊力が多い分、龍は今、霊力を節約しながら俺達と戦っているんだ。

 タネがバレてしまったから俺達と戦う上で考えなしに加護を使って圧倒するということはできなくなったんだ。

 それに『悪食の加護』は肉体へのダメージを軽減するときに一番消費霊力が多くなる。そんなことをしていたら一瞬で霊力が空っぽとなり、俺達の前で無防備を晒すことになってしまう。

 

 もう龍は肉体の再生をすることができない。ちょっとのダメージでも命取りになってしまうのだ。

 だから霊力を絶対に切らさないようにしている。

 

「はぁっ」

「っ!」

 

 俺の横から姉貴がすっ飛んできた。

 グングニルを構え、龍に突き刺そうとするが、そのグングニルは龍の手によって受け止められてしまった。

 本能的に察してしまったのだろう。姉貴のグングニルは一点集中の攻撃のため、最悪の場合その攻撃力に耐え切ることができずに龍の防御が打ち破られてしまうと。

 

「どけよぉっ!」

「へ? ぐあっ」

 

 俺は今何をされたのか。

 俺の目でぎりぎり捉えることができる程の速度で龍は俺の腹に膝蹴りを叩き込んできたのだ。それによって俺は蹴り飛ばされ、地面を転がる。

 だが、その先の地面はすでに崩れ落ちていて、崖に向かって俺の体は一直線に転がっていってしまった。

 

「あっぶな」

 

 間一髪。

 落ちかけたが、何とか端っこにつかまることによって落下は回避。真下へ視線を向けると、この高さを落下したら一撃で死んでしまうだろうなという予想が立てられるほどに悍ましい高度だった。

 身震いがする。

 

 今この島はバラバラに崩れながら落下して行っている。

 重力の影響か、思うように動けなくなってしまっている。一方、龍はその場にとどまり、俺達の攻撃に対処しているだけのため、あまり影響がない。

 このまま戦いを長引かせたら龍の有利になっていくだけだ。

 

 何とか腕で体を持ち上げ、島の上に戻ってくると、必死に戦う姉貴と龍の姿が俯瞰して見えた。

 

「さっきまでの言葉、そのままお返しするわ。諦めたらどう? 今ならボコボコにした上で殺すだけで許してあげるけど」

「それって許すとは言わないよねぇ。僕のこと、馬鹿だと思ってるのかな? 酷いよね、人の大切なものを奪うだけ奪って最後は殺すって、やってること強盗殺人と一緒だよね」

「違うわよ。私達は奪われたものを取り返しているだけ。強盗をしているのはあなたの方で桑間龍」

 

 姉貴は未来が見えているわけでも、俺のように相手の予備動作から行動を予測できているというわけでもない。

 なのに、姉貴は龍の超高速の攻撃になんとか反応していた。

 龍の拳をグングニルで受け止め、そしてお返しに蹴りを放つ。だけど、姉貴の攻撃はどれも龍には届いていない。

 龍の空間断絶を突破することができていない。

 

 俺も早く戻らないと、いずれ姉貴がやられてしまう。

 龍の霊力、それが無くなるその時を狙うんだ。早く龍に霊力を消費させるんだ。

 

「《天裂く日炎の剣(サンライズ)》」

 

 よくわからないけど、俺の炎には霊力を焼く効果があるらしい。それによって天魔の霊力は霧散し、一気に霊力を枯渇させることに成功した。

 あれをもう一度、もう一度やることができれば、俺達は龍に勝つことができる。

 

「らあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 俺達は龍に勝つんだ――

 

「が、はぁっ」

 

 だが、俺の攻撃は龍に届かせることができず、地面に躓いて倒れこんでしまった。

 そして口から大量の血を吐き出す。

 そうだ、俺は今までアドレナリンが出ていたというだけでもうすでに体の限界が来ていたのだ。霊力だってほとんど空だ。今こうして狂獣技(ビースト)を使えているというだけで本当は奇跡レベルなのだ。

 さっき龍にボコボコに殴られたし、ドラゴン頭にだって何度も嚙みつかれている。立っているのだけで精いっぱいだ。

 

 集中力ももう限界を迎えている。狂獣技(ビースト)を保つことができない。

 

 でも、それでも戦わなくちゃ。限界を超えているからってなんだ、俺は地面に這いつくばるためにここにいるわけじゃない。

 立ち上がろうとしたその瞬間、地面に亀裂が走り、俺の立っている足場と龍と姉貴が立っている足場の間に隔たりが生まれてしまった。

 

 どんどん足場が細かくなっていく。動きにくくなっていく。

 

 早く……早くそっちに行かないと――

 

「え?」

 

 次に姉貴に視線を向けると、姉貴は手首をつかまれ、龍に持ち上げられていた。




 はい!第299話終了

 ここまでずっと戦い続けていましたからね。龍はずっと回復し続けていたから万全の状態ですが、黒葉とレミリアに関してはずっと戦っていたので、体力ももう限界を迎えています。

 それでも黒葉は立ち上がろうとしているわけですが、絶望です。

 果たしてこの戦いの着地点はどうなるのでしょうか?

 今、このタイミングが一番の龍を倒す絶好のチャンスです。

 それでは!

 さようなら
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