今回から会話文同士の間も1行開けるようにしました。
それでは前回のあらすじ
レミリアが黒葉と結婚すると宣言したことによって修羅場に。
ルーミアが助けてくれないことを面白くないと思った黒葉はふざけてルーミアと結婚すると言ってしまう。
すると、レミリアと天音が結託。二人で黒葉を分からせようとしてきた。
だが、そこで空気読めないチルノ登場。
チルノ達が乗っかる事によってこの一件は有耶無耶になるのだった。
一方、死にかけている龍の前にホロウが現れる。
龍はホロウに助けを求めるが、ホロウは笑いながら一蹴。
なぜか生きている力と由麻に裏切られて絶望の最中、ホロウにとどめを刺されてしまったのだった。
それではどうぞ!
第306話 残された問題
side黒葉
なんとか結婚の件に関してはチルノのバカさ具合のお陰でなんとか有耶無耶になり、俺は解放された。
スカイでの問題を解決、俺達は無事に姉貴とスカイに捕らわれていた人達を助け出すことに成功し、ハッピーエンド。みんなそれぞれが帰るべき場所へと帰っていった。
「そう……みんな無事に帰ってきたのね」
「よかったです。私も本当ならば一緒に戦いたかったのですが」
「美鈴、気持ちだけで充分よ。紅魔館に龍が攻め込んできたとき、戦ってくれてありがとう。パチュリーもね」
「お嬢様ぁぁぁぁぁぁぁぁ」
泣きながら美鈴が姉貴へと抱き着いたため、姉貴はそっと美鈴を抱きしめ返した。
そう、俺達は永遠亭へとやってきていた。もちろん、美鈴とパチュリーに報告をするためだ。
二人とも龍との戦いのダメージで永遠亭に入院していたため、まず真っ先に永遠亭へとやってきた。どうやら様子を見るに、二人とももう元気そうで安心した。
まぁ、二人共人間じゃないから回復が早いのかもしれないな。
「あなた達、本当に龍を倒したのね」
「はい、ばっちり姉貴を連れ戻してきましたよ」
「そのようね……知っていたかしら? 運命の決戦で龍の相手をしたのはレミリア・スカーレット、あなたの母親であるリリルカ・スカーレットなのよ」
「えっ」
「こうしてあなた達が龍を倒したというのは運命を感じるわね。確かあの時、決着はつかなかったはずなのだから」
確かに、あの龍の力だったら普通に千日手になって決着がつかなくなる可能性が高い。どういう戦いだったのかわからないけど、あの龍と引き分けたのだから姉貴とフランドールの母親は相当強かったに違いないな。
でも、今回は姉貴が勝った。リリルカさんが果たせなかったことを姉貴がやり遂げて生活を取り戻したんだ。
「本当に、お疲れ様」
「はい、ありがとうございます」
本当にスカイでは色々なことが起こった。
今考えてみてもよく勝てたなと思ってしまうくらいには壮絶な戦いだった。でも、この戦いは俺達をさらに強くしてくれたし、絆も深まったはずだ。
これで俺達は五天魔王の第二席を倒したことになる。だが、あれで第二席だっていうんなら第一席のカイ・スーガレンスはいったいどれほどの強さを誇っているんだろうか。
歩夢さんはカイが復活しかけていると言っていた。だから俺達は新たに博麗選抜チームを結成し、五天魔王との全面戦争に備えなければいけない。
今の総力でやっと一人を倒せるくらいの実力じゃだめだ。俺達はもっともっと強くならないといけない。
この先もみんなと一緒に暮らしたいのならば。
そうして俺達は美鈴とパチュリーも連れ、紅魔館へと帰った。
帰ったのだが――
「……そうだった」
この戦っている間、俺達は考えないようにしていたんだけど、まだまだ問題は残っていたらしい……。
それは紅魔館へ帰ってきて思い出した。
「改めて見てみるとこっぴどく破壊されたわね」
そう、龍が姉貴を連れ去る際に脅しとして紅魔館を破壊してくれたため、今現在、紅魔館は瓦礫の山と化している。
どこからどう見ても住めるような状態じゃない。
やっと問題を解決できたと思ったのに、まだ俺達の日常は完全には戻ってくれないようだ……。
「流石にこの状態じゃ住めないよね」
「そうね、そうねぇ……」
ルーミアの問いかけに姉貴は天を仰いでしまった。
よし、ここから俺達の生活がまた始まるぞとというときにこれだ。
龍の奴、とんでもない置き土産を残していきやがって……。
なんとか紅魔館を直さなければいけないわけだが、建築に関する知識がある人って言うのはこの場に居ないわけで……どうしたものか。
「おやおやみなさん、お困りですか?」
突然背後から声が聞こえてきた。
振り返ってみると、そこには妖怪の山へ帰ったはずの河城にとりが居た。確か去り際に壊れてしまった飛行船よりももっと強く、ロマンのある飛行船を作ってみせますよ! と息巻いていたはずだ。
妖怪の寿命は人間よりも圧倒的に長い。だからあの飛行船が壊れてしまったとしてもまた作り直せばいいと考えたのだろう。
だから俺達はてっきりにとりはもうしばらくは工房に籠もりきりだと思ってたんだが。
「いやぁ、私もさ、このまま別れるって言うことも考えたんだけど、お前さんたちの話を思い出したわけよ。紅魔館、ぶっ壊れちまったって」
「まぁ、そうだけど」
「咲夜さんがさ、スカイのレポートをくれるって言うし、一度スカイの機械も見せてくれたお礼にサービスしようかなって思ってさ」
まさか!?
「私達、河童工房が見事紅魔館を直して見せましょうっ!」
そういってポーズを決めたにとりの背後からどこからともなく河童達が大集結し、にとりに合わせるようにしてポーズを決めだした。
「そういえば咲夜さんは?」
「咲夜なら、フランの付き添いで永遠亭に戻ったわ」
どうやらフランドールは魔導との戦いで深い傷を負ってしまったため、永遠亭で治療をするとのことだ。
一時は傷がふさがらなかったけど、敵を倒したことによって能力の効果が切れ、ちゃんと止血も出来たみたいで一応安心だ。
フランドールだけじゃない。妖夢さんや文さんも永遠亭のお世話になっている。
風魔も傷は浅くないだろうから、永遠亭で治療してもらえばよかっただろうに、なんか「僕みたいな罪人がそんなサービス受けるわけにはいかないんで、まずは身も心も清めて来ますよ」ってかっこつけてた。
確かに過去の罪が消えたわけじゃないけど、命を懸けて龍達に立ち向かったというのは事実なんだから、もう少し荷物を降ろしてもいいと思うんだけど……本人からしたらそういうわけにもいかないんだろうな。
「ありゃりゃ、それはそれはお大事に。というわけで、私達がこの廃墟と化した紅魔館を生まれ変わらせてみせますよ!」
「それはありがたいわね。廃墟は余計だけど、あなた達河童の技術力は高いって聞くし、せっかくだからお願いしちゃおうかしら」
「ふっふーん、任せてよ! 私達、河童の実力、とくとご覧あれ!」
心配なのは俺だけなのか?
鍛冶師の人里に居た時もそうだったが、技術者、特に無駄に技術力が高い技術者にありがちなことなんだが、無駄な機能とかを付けがちだ。
だから、にとり達がなにか余計な機能を付けてしまわないか心配なんだが、でも今はにとり達に任せるほか無いから、信じて待つことしかできないな。
「さて、それじゃあ、紅魔館が完成するまでどうしようかしら」
そう、そこなのだ。俺もずっとそれを考えていた。
そして考えた暁の回答なのだが、姉貴のそのつぶやきに応えるようにして俺は言った。
「……ちょっと距離ありますけど、俺の家、来ますか?」
はい!第306話終了
ついに始まった閑話。
まずは紅魔館を直さなければいけないということで、暫くの間鍛冶師の人里で過ごします。
三章でも一瞬、威迅が出て来ましたが、ほかの人たちは出てこなかったので久しぶりですね。
今回のメンバーは黒葉、レミリア、ルーミア、天音、美鈴、パチュリーの六人になります。
閑話なので、他の章よりは短くなると思いますが、束の間の休息を楽しんでいってください。
ちなみに、五天魔王で一番性格終わっており、一番胸糞悪いのは龍じゃないという事実。
それでは!
さようなら