【3.5章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 レミリアたちを連れて鍛冶師の人里へ帰ってきた黒葉。

 早速自分の家に案内すると、意外にもそこには烈夏と雪姫の姿が。

 二人は天魔と霊夢の戦いに感化されて特訓していたのだという。

 恐る恐る黒葉がみんなを家に泊めていいか聞くと、意外にも二つ返事で許可された。

 一番の問題が済み、次に黒葉が向かうのは――



 それではどうぞ!


第308話 刀制作

side黒葉

 

「威迅」

 

 俺はとある工房へ入ると、そこで作業をしていた人物――分郷威迅へ声をかけた。

 俺に気がつくとそいつはちらりとこちらを一瞥すると、再び作業へと戻る。よほど集中しているに違いない。

 威迅にはお世話になったから挨拶位はしようと思ってここまで来たんだが、出直してきたほうが良いのかもしれない。

 そう思って踵を返そうとした時――

 

「来てたのかお前ら。戻ってくるの意外と早かったな」

 

「あ、あはは……ちょっと事情があってさ、暫くこの人里に滞在することになったんだ」

 

「そうか。お前らが里からでていった後、ゴスロリが来た。俺にさっさと刀を用意しろとな」

 

「あ、悪い。急かすような真似をしてしまって」

 

「いや、問題ない。ただ、完成はもう少し待て。まだ俺自信、納得できてねぇから」

 

「あぁ、分かった」

 

 刀を作ってくれるというだけでもありがたい話だ。俺からなにか文句を言うことは絶対にない。

 それに、代わりにとくれたこの刀だって相当なものだ。ちゃんと俺の手にフィットして龍と戦う時に支えてくれていた。

 焦る理由はもう何も無い。

 

「……咲夜は居るのか?」

 

「あ、いや、師匠なら怪我人の見舞いに行っていて今は居ないな」

 

「そうか……」

 

 ん? もしかして……

 

「お前、師匠が居なくて寂しいのか? 師匠のこと好きなのか〜?」

 

「嫌いじゃねぇ」

 

「……マジか」

 

 こいつが正直そんな事をいうところは初めて見たぞ。

 あまりの衝撃に一瞬、何を言われたのか全く理解することが出来なかった。

 

 俺のイメージの中では威迅って他人に興味を持たないイメージがあった。

 そう言えば人を碌な名前で呼ばないで有名な威迅が師匠のことを名前呼びしている!? 確か茉衣が昔、威迅は実力を認めた相手以外は名前で呼ばないと言っていたような気がするが……師匠の実力は威迅の御眼鏡にかなったということか?

 

「お前、ちょっとこいつ使ってみろ」

 

「――え? あ、あぁ……」

 

 試作品だろう。

 突然投げ渡された一振りの刀を慌ててキャッチし、構えてみる。

 ――うん、握りやすい。俺の手でもしっくりくる。まさに俺のためだけに作り上げられた刀と言えるだろう。

 

 軽く振ってみると明らかにフランドールに持たせてくれた刀よりも振りやすい。レベルアップしているということだろう。

 だが、威迅はまだこれでは納得していない。

 

「試しにお前の全力の技を使ってみてくれ」

 

「わかった」

 

 さすがにこの工房では技なんて使えない。

 一旦威迅と共に工房の外へ出て少し広い場所へと移動する。多分、威迅は俺の技で耐久テストをしたいのだろう。

 吹雪は俺の技に耐え切れなくて壊れたようなものだしな。

 

 威迅は本気で良い刀を打とうとしてくれている。ならば、俺もそれに全力で答えるだけだ。

 

「すぅぅぅぅぅっ」

 

 鞘に刀を一旦仕舞い、胸に手を当てる。俺の最高到達点を出すんならこれが一番だ。

 ルーティーン。集中力を限界まで引き上げ、そして俺の力を爆発させる。

 

 ――狂獣技(ビースト)【獄炎龍・炎帝】――

 

 身体が燃え上がる。それが徐々に変化していき、俺の身体を覆う炎の鎧となった。

 うん、出来る。ちゃんと俺はこの力をものにできていた。

 

「マジか」

 

 今俺の最高火力、見せてやる。

 刀を構えると、全力で地面を蹴り走る。俺の身体を纏う炎は龍を象り、周囲の土地を高温で焼いていく。

 

「打ち砕け、《天裂く日炎の剣(サンライズ)》」

 

 その豪炎は正面に見える岩をいともたやすく打ち砕き、焼き尽くす。

 この里を出る前の俺からしたら考えられないほどの一撃だ。

 刀を鞘に仕舞い、背後へ振り返ると、俺が通った場所の地面が黒く焼け焦げていた。

 

 これが今の俺の最高到達点、最高打点。

 だが、まだスカイでのダメージが抜けきっていない状態で全力を出してしまったせいか、力が抜けて膝から崩れ落ちてしまった。

 霊力は回復したが、体がまだぼろぼろだ。その状態で狂獣技(ビースト)を使ってしまったのだから体への負担も大きかった。

 

「威迅、これが今の俺の全力だ」

 

「そんなにボロボロになってんなら先に言え……指示した俺が悪いみたいじゃねぇか」

 

「いや、これは俺の自己管理の問題だ。でも、この一撃を使えるくらいには回復したんだ」

 

「そいつ一発放って崩れ落ちるような体力は回復した内には入らねぇよ」

 

 呆れたようにため息をつきつつ、俺から刀を受け取ると、その刀身へ目を落とし、再び深いため息をついた。

 

「ダメだなこりゃ。全然だめだ」

 

「どういうことだ?」

 

「あ? 見ろ、思いっきり刃こぼれしてんだろ。こりゃてめぇの技に刀が負けてんだよ。やっぱ爺さんの刀には遠く及ばねぇか……」

 

 確かに見てみると一回技を使っただけで刀身がボロボロになってしまっていた。

 それを見てから改めて威迅がフランドールに持たせてくれた刀の刀身を見てみると、やはりこちらも折れなかったというだけで思いっきり刃こぼれしており、よく戦っている最中に折れなかったなと思ってしまうほど。

 確かにこれじゃこれからもっと強い相手と戦うかもしれないということを考えると心許ない。

 

「俺の考えが甘かったな。てめぇの成長を頭に入れてなかった。修正するからもうしばらく待ってくれ」

 

「あぁ、その代わりしっかり仕上げてくれよ」

 

 俺のその言葉に手をひらひらと振りつつ工房へ戻って行く威迅。

 ――どうしよう。暫く動けそうにないなぁ。

 

 俺はそのまま暫く地面に寝転がっていたのだった。




 はい!第308話終了

 久しぶりの威迅。

 威迅は黒葉が狂獣技(ビースト)を使えるということを知りませんからね。

 もっといい刀を打ってくれることでしょう。

 暫く人里での休息編です。

 それでは!

 さようなら
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