【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 寺子屋で授業を受ける黒葉ら。

 途中、⑨が⑨して⑨になったりなどした。

 そこで黒葉は宿題をやってくるのを忘れたことに気が付く。

 クラスメイトに裏切られたりしたものの、またもや⑨が⑨したので黒葉はルーミアに宿題を見せてもらって助かったかと思ったが、慧音先生に書き写したことに気が付かれてしまってルーミアとともに指導(頭突き)されるのであった。



 それではどうぞ!


第35話 妖怪恐怖症

side黒葉

 

 昼休み、俺たちは集まって弁当を食べていた。

 

「黒葉の弁当っておいしそうだよね」

「まぁ、実際に美味いからな」

 

 最近、俺は弁当を持ってきている。なぜか最近、師匠が弁当を作ってくれるようになったのだ。

 突然作ってくれるようになったので、どうしてなのかと尋ねたが、師匠は「部下を労うのは上司として当然の事です」の一点張りだ。だが、理由はこれだけではないような気がするので、最初は訝しんだものの、最近は難しく考えるのはやめるようにしている。

 美味いのだから別にいい。不味いなら遠慮したいところだが、美味いので文句のつけようがないから師匠の好意に甘えることにしている。

 

「一つ分けて~」

「ん? いいぞ」

 

 そう言ってルーミアへ弁当箱を寄せるとルーミアは嬉しそうに綺麗な黄金色の玉子焼きを橋でつかむとそのまま口へ持って行って口元を綻ばせる。

 ルーミアはいつも何を食べるにしても大体無の感情で食べているので少し心配していたのだが、美味しいものを食べてこれだけ口を綻ばせることができるなら何も問題はないだろう。

 

 それにしてもこいつ、こんな表情で物を食べるんだな。いいことを知った気がする。

 

「ん? どうしたのだ~?」

「いんや、何でもない」

 

 そこでリグルがにやにやと、大妖精とミスティアが顔を赤らめながらこっちを見ていることに気が付いた。

 

「なんだ」

「いやぁ、ねぇ? やけにルーミアに熱い視線を送っているなって思って」

「はぁ?」

「なぁ、二人もそう思うだろ?」

「う、うん」

「黒葉がルーミアに熱い視線を……これってそういうことだよね」

「ちげーわ!」

 

 恋バナ大好きな女子たちが俺たちを見て色めき立つ。正直うっとうしい。

 ルーミアだってそういう目で見られたら困るだろうに……友達を困らせて何が楽しいのかね。

 確かにルーミアは可愛いが、俺はそういう目で見たことはない。あくまでもルーミアとは友達だ。

 

「ありゃりゃ、前途多難だねぇ。ね、ルーミア」

「な、なんでそこで私に話を振るのさ!」

 

 女子たちがきゃいきゃいと騒いでいる。正直、俺は昔住んでいた村の時も男友達が多かったため、男友達と一緒に飯を食っていた方が落ち着くので、この場からすぐにでも去りたいが、逃げようとしてもすぐに取り押さえられて連行されてしまうだろう。

 今は昼間なので俺の能力も低下しているし、周囲にいるのは妖怪・妖精少女たちだ。勝てる気がしない。

 

 そして俺はふと窓から外を見る。

 すると俺は驚愕のあまり、目を見開いて立ち上がってしまった。

 

「どうしたのだ?」

「……ごめん、ちょっと用事を思い出した」

「ちょ、黒葉! 行っちゃった」

 

 俺は走って窓から見えた中庭に向かう。

 この寺子屋に通い始めてから少し経った。だというのに未だに俺は気が付いていなかった。

 中庭で一人ぽつんと寂しく岩に座って昼飯を食べている少女の存在に。しかも俺はその少女の事を知っている。

 いや、知っているといっても顔を見たことがある程度なのだが。実際に離したことがあるわけではないが、俺はその少女の事を知っていた。

 

「よ」

「?」

 

 俺が声をかけると少女は一瞬、こっちを見たものの、すぐに目をそらして食事を再開する。こうも興味を持たれないと少し寂しい気持ちになってしまう。

 この少女は以前、妖怪に襲われそうになっているところに遭遇した時の少女だ。その後、すぐに博麗様が駆けつけてきて妖怪は瞬殺されたものの、俺もこの少女に危害を加えようとしていると思われて退治されそうになったんだっけか。

 まさかこの子もこの寺子屋に通っているとは夢にも思わなかったな。

 そして俺は少女が座っている岩の隣に腰を下ろした。

 

「となり、いい?」

「……聞く前から座ってるじゃん」

「悪い悪い」

 

 そして少女の事を見ていると少し肩が震えていることに気が付いた。それを見て俺は慌てて少女から離れる。

 

「わ、悪い」

「いい。もしかして君は妖怪?」

「あ、あぁ、そうだけど」

「……私、妖怪恐怖症」

「すみませんでした!」

 

 俺は光の速度で土下座をする。勢い良すぎて地面に頭を打ってかなり痛いが、それどころではなかった。

 確かにこの少女はあの夜、妖怪に襲われていた。そのため、妖怪恐怖症になっていたとしても何ら不思議ではない。というか、普通の女の子なら怖くなって当然の状況だっただろう。

 だが、そんな少女の心境も考えずに無神経に隣に座ってしまったことに後悔する。

 

「いい。私自身では普通にしているつもりだけど、妖怪が近づくと体が勝手に反応して震える。私の方こそごめんなさい」

「いや、無神経だった俺が悪いんだ。君、あの夜妖怪に襲われていたでしょ? あの後大丈夫だった?」

「うん、博麗様が気を失った私を永遠亭に連れて行ってくれた」

「それならよかった」

 

 あの人は人間相手だったらものすごく優しいからな。人間限定の味方といった感じ。

 俺に協力してくれているのは博麗様が負い目を感じているからだ。それが無かったら博麗様が俺の事を助けてくれることもなかっただろう。

 かくいう俺も同じ感じだが……。知り合いならば助けるけど、見ず知らずの妖怪を助けようとはまず思わないだろうな。俺は一度、妖怪に人生をめちゃくちゃにされているからいまさら妖怪を助ける気は起きない。

 

「んじゃな。あの森は妖怪とか出るから気をつけてな」

「まって」

「ん?」

「あなたの名前は?」

 

 そういえば名前も名乗っていなかったな。

 

「俺の名前は冬夏黒葉だ」

「私は須賀(すが)結乃(ゆいの)。よろしく」

「あぁ、よろしくな」




 はい!第35話終了

 今回出てきた須賀結乃は第16話で登場した妖怪に襲われていた少女です。

 この少女も今後、大事な人物になってきますよ。

 それでは!

 さようなら
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