【3章投稿中】東方妖滅録   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ルーミアの「もしも私が妖怪だったら」という問いに対して困ってしまう黒葉に対して冗談だというルーミア。

 ルーミアは黒葉と仲良くし始めてからは人を食べていない。

 このままではいずれ我慢できなくなり、人間の血が入っている黒葉のことも捕食対象として見てしまうというパチュリーの言葉に対してルーミアは何も返さない。

 果たしてルーミアは耐えることができるのか? そして黒葉はルーミアが人を食べそうになったら一体どうするのか?



 それではどうぞ!


第37話 口が軽い

side黒葉

 

「行きます!」

「来い!」

 

 大妖精が俺に走って接近してきて蹴りを放ってくる。

 それに対して俺は日傘を片手に大妖精の蹴りを俺も蹴りで受け止める。

 今は日が出ているため、日傘を手放すことができないため、右腕が塞がってしまっている。そして左腕がないので攻撃手段は蹴りに絞られる。

 こう言う時に非常に不便に感じるな。

 

 だけど、俺だって師匠や姉貴に毎日修行をつけてもらっているんだ。

 朝日が登っていて力が弱くなっていて、手が塞がっているとしても、俺だって強くなっているんだ!

 

「がはっ!」

 

 大妖精の蹴り上げによって顎にクリーンヒットして俺はダウンしてしまった。

 倒れた俺に慌ててルーミアが駆け寄ってきて俺の手から飛んでいった日傘をキャッチして俺の上に差してくれる。

 相変わらず俺は昼間だとクラスの誰よりも弱い最弱ポジションとなっていた。

 

 今は体術の授業、俺と大妖精が体術の試験を受けていたのだが、みんなの期待を裏切らずに大妖精に敗北、そして今俺は地面に倒れているわけだけども。

 

「やっぱり二人とも付き合ってるの?」

「な、ななな、何言っているの慧音先生! わ、私と黒葉がなんて!」

「ぎゃー、ぎゃああー、ぎゃああああー!」

 

 ルーミアが否定するために手を振っているのだが、そのたびに日傘が揺れてちょくちょく俺に日光が当たっている。かなりの激痛が走るのでどうにか揺れないでほしいのだが、どうやら俺の悲鳴はルーミアには聞こえていないようだ。

 そんなルーミアはこのクラスの中でも強い。よくチルノと体術の授業を受けているのだが、チルノの冷気をもろともせずに殴り飛ばしている。

 チルノも妖精なだけあって強いは強いは強いのだが、何せバカなので単純な動きしかしないのでたまに人間にも敗北したりする。毎回負けるのは俺くらいな物だ。

 

「ふふ、黒葉が強くてかっこいいって知ってるのは私だけ……」

「……?」

 

 ルーミアはなにやら呟いてニヤニヤしている。なんて呟いているのかはよく聞こえないのでどうしてニヤニヤしているのかがよくわからない。

 

 そしてその後は他の人の試験を見るだけなので、俺はルーミアから傘を受け取って近くの岩場に腰をかける。

 少し日光が当たったせいで右手の火傷した部分がかなりヒリヒリするが、これくらいならば一日寝れば完全回復するだろう。吸血鬼の特性に慣れてしまっている自分が嫌になるけどな。

 

「ご、ごめんね。その火傷、私がちゃんと持っていなかったから……」

「いや、むしろありがとう」

「え、火傷させてお礼を言われた!? もしかして黒葉って、マゾなのか〜?」

「違う! っていうか、なんでいつも傘を持ってくれてるんだ?」

「え、だって、無いと灰になっちゃうでしょ?」

「うん?」

「うん」

 

 俺たちの中で沈黙が生まれる。

 互いに顔を見合って呆然としてしまう。

 なんでこいつ、俺が吸血鬼だってこと知ってるんだ? 確かに俺の素振りは概ね吸血鬼の様なものだったが、直接俺が吸血鬼だと言ったことは無いはずだ。

 

「なんで俺が吸血鬼だって……」

「あぁ、レミリアから聞いたんだよ」

「あいつ、なんでも言うな」

 

 姉貴とルーミアは出会ってからまだ間も無いはずだが、あいつはルーミアに聞かれたら俺の事をなんでも話すようだ。

 俺が紅魔館に来ることになった経緯もすぐに話すし、めちゃくちゃ口が軽いから姉貴との秘密はなんでもすぐにルーミアにも伝わりそうだな。

 

「ね、ねぇ」

「ん? あ、須賀さん」

「久しぶり」

 

 突然俺に声をかけてきた人物。須賀結乃だった。

 おずおずと話しかけてきた。

 しかし、なんで授業中に須賀さんがここに居るんだ? と周囲を見渡してみると、別のクラスも同じく体術をしているクラスがあった。恐らく須賀さんのクラスだろう。

 

「あ、怪我」

「あ、あぁ〜これは」

「任せて」

 

 それだけ言うと須賀さんは俺の右手を両手で掴んで火傷した部分をまじまじと見てくる。

 少しドキッとしてしまった。

 その直後、須賀さんは火傷した部分を優しく撫でてきた。なんだか心地よい。まるで痛い部分を母親に優しく撫でてもらっているかのような心地良さだった。

 そして須賀さんが手を離すと、直前まで存在していた右手の火傷が綺麗さっぱり消えうせてしまっていた。

 

「須賀さん、これって」

「結乃でいい」

「あ、あぁ、結乃。これって?」

「他の人には内緒」

 

 どうやら結乃は能力者らしい。それも相手を回復させる系の能力。

 その回復能力は凄まじく、俺の日光による火傷も綺麗さっぱり消えてしまった。

 しかし、結乃は妖怪恐怖症だと言うのに勇気をだしてこっちに来て傷を治してくれたのか。いい人だな。

 

「ねぇ、私が居るんだけど」

「あ、ひっ」

「結乃?」

「な、なんでもない」

 

 ルーミアが少し不機嫌そうに声をかけると結乃が一瞬怯えたような声を出すが、すぐにもとの調子に戻った。

 ルーミアはチラッと俺の手を見る。なんでそんなに不機嫌なのかは分からないが、少し前までは怒ってはいなかったので今の一連のやり取りの中のどこかにルーミアを怒らせる原因があったはず。

 

「じゃあね」

「あぁ」

 

 俺の事を回復させるだけ回復させてそんなに会話もせずに帰って行ってしまった。

 

「ねぇ、黒葉」

「なんだ?」

「……っ! えいっ!」

「っ!」

 

 ルーミアが意を決したように俺の右腕に抱きついてきた。

 少しびっくりして衝撃に負けそうになったが、何とか耐えてルーミアを支える。

 何をするんだと一言文句を言ってやろうと思ったが、

 

「えへへ〜」

 

 ルーミアが嬉しそうだからいいか。




 はい!第37話終了

 須賀結乃の能力は『回復させる程度の能力』です。
 効果は相手を回復させる。自分のことは回復できない。と言った感じです。

 それでは!

 さようなら
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